2009年1月29日木曜日

ポジティブに生きる

よく「上司は部下を選べるが、部下は上司を選べない」と言われます。これは企業でも大学でも概ね同様ですし、ある意味では当然のことかもしれません。

最近では、大学職員のSD活動に役立てるため、いろんな職能団体や大学独自で職員の意識調査が行われています。ある調査結果によると、上司と部下の信頼関係や円滑なコミュニケーションに関する問いに対して、「部下から信頼されているしコミュニケーションも十分にとれている」と答える上司が多数を占めたのに対し、部下からは全く逆の結果が得られ、両者の間に大きな問題意識のギャップがあることが明らかになったそうです。

こういった上司の満足度と部下の満足度の乖離はなぜ起きるのでしょうか。立場によって異なる責任と権限の軽重など様々な要因があると思いますが、いずれにせよ組織を合理的にコントロールするためのヒエラルキーが現に存在する限り、相互のストレスや、場合によってはモラルの低下を解決することはできないのでしょう。

では、「部下は本当に上司を選べない」のでしょうか? 確かに一般的には、部下は、組織の一員として、仕事の上では上司の命令には従うべきでしょう。しかし、上司は、部下の生き方までは統制できません。上司が極めてネガティブな人間、部下からみて尊敬できない人間の場合、部下は、心の中ではその上司から離れ、ポジティブな生き方を志向すべきだと思います。

仕えてきた上司の中に、残念ながら自分の成長を促すことの期待できない上司がいた経験を持つ方も少なくないと思います。権力にあぐらをかく、改革に手を染めることを避ける、ひたすら自分の手柄のみを追求するといった上司の下で仕事をする時は、さすがにへこみますし、モチベーションの維持が大変です。でも、そういう時こそ、自分にとっては試練であり、自分がもし上司と同じ立場だったどうするかをよく考え、やがて訪れるであろうチャンスに備えて地道に実力を磨き上げておくことが最も賢い生き方なのではないかと思います。

昨年、国民の生命と財産を守るために厳格な組織秩序の維持が求められる警察において、警察官のモチベーションが低下している実態を報じる記事がありました。(既に記事が削除されていますので、全文を掲載します。)

本官の本音…「報われる職場」3割だけ 福岡県警アンケート(2008年12月19日 朝日新聞)

能力のない上司とは飲みたくない-。不祥事が相次いだ福岡県警が再発防止の参考とするため警察官らの意識をアンケートしたところ、こんな不満や要望が噴出した。民間のサラリーマンにも通じる本音の数々。県警は冊子にまとめて警部以上に配り、各部署で改善策を検討する。「全職員対象のアンケートは全国の警察でも例がない」(県警監察官室)という。

アンケートは8月、全職員対象に匿名で実施し、約92%(約1万700人)から回答を得た。階級などで分けて無作為抽出した7グループ(計42人)のインタビューも行った。18日に発表した。

回答によると「誇りを持って仕事に取り組んでいる」と思う職員は7割以上だったが、「努力が報われる職場」と思っているのは約3割だけ。6割以上の警部は「部下の能力を考慮して仕事を割り振っている」と考えていたが、「上司はバランス良く仕事を割り振っている」と感じる警部補は約3割にとどまり、意識のズレが際だった。

また、50代以上の巡査部長からは「努力している職員が報われる職場だと思う」「プライベートについて上司や同僚に相談できる」という回答がいずれも2割を切った。監察官室は「コミュニケーション不足、孤立感がみられる」と分析する。

インタビューでは「能力がないのに酒の席に誘われてもうれしくない」「上司が書類をしっかり見ずに判子を押し、後でこっちが署長に呼び出された」などと部下が上司を批判。逆に上司は「『何で私に注意するのだ』と盾突くベテランがいる」と突き上げのつらさを嘆く。「命令無視にはイエローカードのようなものがほしい」との声も。

監察官室は「耳が痛い内容もあったが、内容を各部署でしっかり検討してほしい」と話す。

県警では今年、現職警察官が売春にかかわったとして逮捕されるなど不祥事が続き、すでに17人が懲戒処分を受けた。6月に「ポリスマインド向上対策会議」を立ち上げ、現場の生の声を聞くなどして再発防止を目指している。


警察官といえど、本音は私などのような普通のサラリーマンとさほど変わりがないようです。
ここで少しいい話を書きます。ジェフ・ケラーの「成長の法則」から。

ポジティブになる

人生の成功は、心の持ち方から始まる。楽観的になって自分の能力を信じれば、成功する可能性が高くなる。

それに対し、悲観的になって自分の能力を疑うなら、あまり大きな成功は望めない。フォード自動車の創業者ヘンリー・フォードがこう言っているとおりだ。「できると思おうと、できないと思おうと、どちらも正しい」

思考は現実をつくり出す。学校ではそういうことを学ばなかったかもしれないが、それは真理だ。

自分の思考を注意深く選ぼう。あなたの思考を選ぶのは、あなた自身なのだ。今日、あなたは何を考えただろうか? もしネガティブなことばかり考えていたとしたら、それは失敗と落胆につながるだけだ。何事もポジティブに考えよう。


ネガティブな人を避ける

あなたの周囲の人たちは、あなたの成功に大きな影響をおよぼす。今までずっとつきあってきたからといって、今後もつきあい続けなければならないというわけではない。あなたに悪影響をおよぼすような人からは離れるべきだ

あなたが心の中で何度も繰り返したことは、それが何であれ、あなたの思考と行動に影響をおよぼす。何度もネガティブなメッセージを聞いているうちに、ネガティブな考え方をするようになってしまう。

たとえば、あなたの夢をネガティブな友人に話したとする。その友人から「そんなことはうまくいきっこないよ」と言われたら、がっかりしてしまうだろう。一人くらいに言われても大丈夫かもしれないが、数人に言われたらどうだろう。場合によっては夢をあきらめてしまうかもしれない。

その逆も真理だ。ポジティブな人といっしょにいると、ポジティブになる。「きっとその夢は実現するよ」と元気づけてくれるから、自信を持って努力し、実際に夢をかなえることができるだろう。

ネガティブな友人がいたら、まずはその人がもっとポジティブになれるよう助けてやるべきだ。しかし、もしその友人がポジティブになることを拒み続けるのなら、あなたのエネルギーを無駄遣いすべきではない。その友人と接する時間をできるだけ少なくし、ポジティブな人を友人に選ぶことが、あなたの最大の利益になる。


ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2006-06-15