2009年3月13日金曜日

不祥事根絶に向けた求められる姿勢

大学の不祥事に関する報道の絶える日がありません。入試ミスやハラスメントなど様々な不祥事が発生し、それぞれに発生した理由がありますが、教職員自身の責任感、緊張感の欠如もその大きな要因の一つです。有効な再発防止策を作り、それを教職員の心に刻み込む努力が求められることはもとよりですが、不祥事を起こした教職員の責任を明確にすること、つまり、社会に対してきちんと説明ができる処分を行うことも重要な防止策の一つではないでしょうか。

特に国立大学法人の場合、ややもすると不祥事を秘匿する従来からの役人体質や慣習から抜けきっていないことが未だに見受けられますし、結果として社会の常識に照らして極めて寛容すぎる対応になっている場合があるように思われます。

このたび、京都市にある龍谷大学では、学生の成績を間違えて記録した職員を停職という厳しい処分にしました。詳細な内容は承知していませんので、処分の妥当性についての言及はできませんが、国立大学法人の場合、一般的にこのような事務的なミスによって職員が、いわゆる懲戒処分を受けることはめったにありません。しかし、その甘さが、同様のミスを繰り返す緊張感のなさを誘引しているのかもしれません。怠慢によるミスと判断できるようなケースについては、大学は毅然として処分を行い大学の構成員並びに社会に対してきちんと透明性をもって説明をすべきでしょうし、その姿勢そのものが社会から信頼を得る王道なのではないでしょうか。


成績入力でミス、職員停職処分(2009年3月13日 京都新聞)

龍谷大(京都市伏見区)の法学部で、男性職員が学生4人の成績入力でミスをし、停職1カ月の懲戒処分を受けていたことが、12日に分かった。大学は成績記録を訂正し、学生に謝罪したという。大学によると、2007年前期の成績を入力する際に職員が誤り、4人の一部科目の点数について間違えて成績が記録された。職員は上司にミスを報告しなかったことから同年9月に処分を受けた。
また、今年2月、別の男性職員が電子メールで別人になりすますなどして知人のプライバシーを侵害したとして、停職1カ月の懲戒処分を受けたことも分かった。大学は被害者に謝罪した。刑事告訴はしない方針。大学は「職員の規律を徹底したい」としている。