2010年2月5日金曜日

難民受入れという国際貢献

去る2月2日、日本政府は、タイで日本への移住を希望するミャンマー難民の面接を始めたそうです。これは、避難先の国で暮らす難民を別の国が受け入れる第三国定住*1制度を今年から試行するのに合わせて実施したものとのこと。アジアでのこの制度による受け入れは日本が初めてだそうです。

この制度、定着すれは今後本格運用する方針のようですが、日本語教育や就労先確保など、定住に向けた課題も多いようです。是非、克服して日本らしい国際貢献として進展していってほしいと思います。


難民受け入れ これも重要な国際貢献だ(2009年12月8日 西日本新聞)
国際貢献といえば、自衛隊の海外派遣をめぐる論争が頭に浮かぶ。途上国で医療や技術指導などに汗を流すボランティアをイメージする人もいるだろう。そういった「打って出る」だけではなく、「受け入れる」国際貢献もある。・・・
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/139400

関連して心温まるニュースをご紹介します。日本もすてたものではありません。こういった心の輪がどんどん広がっていってほしいと思います。


松本を人道都市に(2010年2月1日 朝日新聞夕刊 論説委員室から)
日本にやってくる難民に長野県松本市を定住先に選んでもらい、生活や就職を支援しよう。そんな運動が起きている。
日本では今年秋から、タイに滞在中のミャンマー難民を受け入れる「第三国定住」の試行が始まる。3年間で計90人の予定で、松本の計画は彼らが対象だ。

言い出しっぺは、隣の筑北村出身で、国連難民高等弁務官事務所の駐日代表を務めた滝沢三郎さん(61)。

代表当時、難民受け入れを政府に働きかけながらも、定着後のことが気になっていた。日本が約30年前にインドシナ難民を受け入れた際、地域の協力が不十分だった反省もあった。

2年前、講演に訪れたふるさとで、同級生に囲まれた。難民とは縁のない人ばかりだったのに、興味を示してくれた。

地元で繊維卸会社を経営する横内義明さんもその一人。「仕事一筋できて、気がつけば60歳。ここらで何かやりたいとみな思っていたんだ」

昨年春、同級生仲間を中心に会を結成し、難民の実情を伝える映画祭やコンサートを開いた。12月の集会には菅谷昭市長も出席し、「松本を人道都市にしよう」と、側面支援を約束した。

寒さの厳しい信州を難民が選ぶのか。運動を継ぐ若い世代はいるか。課題は多いが「できない理由を挙げるより、できる理由を見つけたい」と滝沢さん。

松本深志高校19回生。経験も人脈も豊かな団塊世代が、世のためにひと肌脱ぐ。心意気が頼もしい。

難民受け入れ 求められる態勢整備(2010年2月11日 NHK解説委員室)(追加記載)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/36003.html

*1:第三国定住(だいさんごくていじゅう)とは、すでに難民キャンプで生活するなどして難民となっている者を、別の国が受け入れる制度。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、自主帰還、庇護国への定着と共に、難民保護に必要不可欠な手段として挙げる。アメリカやヨーロッパの一部の国などが採用している。2008年6月時点で、タイへ逃れたミャンマー難民のうち3万人以上が、この制度によりアメリカ・カナダ・オーストラリアなどへ受け入れられた。この制度の対象となるのは、UNHCRが推薦する難民であるため、難民認定作業が容易になるとされる。また、日本の入管法の現在の運用では、難民認定の対象を、事実上、来日した外国人に限定するが、この制度を採用すると、難民が現在する地域に審査官が出向いて審査することも可能となる。(出典: ウィキペディア)