2011年3月25日金曜日

自主的な判断で被災大学への支援を(1)

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による未曾有の被害を受け、被災地にある国立大学法人では現在も復旧に向けて懸命の努力を続けておられます。

本日(3月25日)付で、国立大学協会から各国立大学法人に対し、被災大学に対し各大学から必要な支援ができるよう、以下のような提案が行われました。

各大学の自主的な判断により、適宜対応することが求められています。

1 4月1日付の幹部の人事異動に伴う配慮

被災地域(東北地方太平洋沖地震により、災害救助法の適用を受けた被害地域)にある国立大学(以下「被災大学」という。)*1においては、現在も役員、教職員が一丸となって災害状況の把握と復旧に努めているところであり、特に幹部職員については、学長の指揮の下、各担当部署の中心として学内のみならず、学外の対応も行っております。

このような状況は、4月1日以後も続くことが予想されるため、4月1日付けで他大学等へ異動する幹部職員の赴任時期等について、各大学は、必要に応じて、関係大学と調整のうえ、弾力的な取扱いを可能とするようご配慮をお願いいたします。

2 被災地の大学の学生・教職員への当面の支援

<第1段階>
被災地の大学の学生・教職員が、学生証あるいは、身分証明書の提示によって、避難先(あるいは帰省先)にある国立大学の図書館利用やインターネット使用を可能とする等、現時点での可能な支援についてご配慮をいただくようお願いいたします。

<第2段階>
避難が長期化した場合、他大学で修学することを可能とする措置等、学習・教育・研究活動に係る便宜供与のあり方については、国立大学協会として、引き続き、早急に検討を行うことといたします。

3 被災した学生の入学等の弾力的取扱い

国立大学の平成23年度入学者選抜試験に合格したものの、東北地方太平洋沖地震で被災したために、年度当初(4月)からの修学が困難と認められる学生については、以下の(1)又は(2)のような弾力的な取扱、また、全学的に(3)の措置も考えられることから、実施する、しないを含め、各大学で実情に即して検討されるよう参考のためご提案いたします。

(1)入学時期の延期、入学金免除等

入学時期の延期を希望する学生については、学期の区分に従って、9月等学則で定められた学期の区分の時期や、1年延長し平成24年4月の入学を認めることとする。学籍は入学後から発生するものとする。

また、入学金を免除したり、授業料免除に該当することが予め判定できる学生については、入学前であってもそれを認定することができれば、被災して経済的に困窮した学生に対して安心感を与えることができるものと考えられる。

(学校教育法施行規則)
第163条 大学の学年の始期及び終期は、学長が定める。
2 大学は、前項に規定する学年の途中においても、学期の区分に従い、学生を入学させ及び卒業させることができる。

(2)入学直後の休学

入学直後に休学を申請する学生については、入学と同時に休学を認めることとする。

(学校教育法施行規則)
第144条 学生の入学、退学、転学、留学、休学及び卒業は、教授会の議を経て、学長が定める。

(3)授業開始日の繰り下げ

4月中に予定されている授業開始日を、(関東地方では4月末まで計画停電が予定されていることも考慮し)、例えば5月の連休明け以降に繰り下げる。

(学校教育法施行規則)
第163条 大学の学年の始期及び終期は、学長が定める。

4 その他

(1)被災大学への職員の派遣について

被災大学の復旧を支援するため、被災大学の要請に応じて職員を派遣することとし、国大協で被災大学の要望を取りまとめ、各大学に協力要請等を行うことといたします。

(2)学生による被災地でのボランティア活動への配慮について

在籍学生の中で、被災地でのボランティア活動を希望する者がいる場合、可能な限り現地の状況を学生に提供し、各大学の判断やルールに従って参加することが可能となるようご配慮をお願いいたします。


*1:岩手大学、東北大学、宮城教育大学、福島大学、茨城大学、筑波大学、筑波技術大学、宇都宮大学