2012年1月13日金曜日

成果に責任をもつ(ドラッカー)

大義を奉ずる者からなる非営利組織には、本書においてマックス・ドプリーがいっている課題が常に存在する。組織の中の人に成果をあげてもらい、成長してもらうことである。こうして自己実現が行われ、組織としての成果が実現される。それが基本である。

非営利組織にとって重要なことは「それは得意とするものではない。われわれが行ったのでは害をなすだけである。ニーズがあるからというだけで手掛けるわけにはいかない。われわれとしては、われわれの強み、ミッション、価値観をマッチさせなければならない」といえることである。

よき意図、政策、意思決定はすべて行動に転換させなければならない。「これがわれわれのミッションである」とのミッション・ステートメントだけでは不十分である。「これがわれわれのやり方である。われわれの期限である。われわれの責任者である。われわれが責任をもってやることである」と続けなければならない。

プランだけでは仕事は行われない。方針だけでも行われない。仕事として行って初めて行われる。生身の人間が行って初めて行われる。期限を切られた者が行って初めて行われる。トレーニングを受けた者が行って初めて行われる。評価される者によって行われて、初めて行われる。成果に責任をもつ者が行って初めて行われる。

非営利組織に働くあらゆる者が何度も何度も繰り返すべき究極の問いは、「自分はいかなる成果について責任をもつべきか、この組織はいかなる成果について責任をもつべきか、自分とこの組織は何をもって憶えられたいか」である。