2012年2月6日月曜日

財務省による予算執行調査結果2011

少し前になりますが、財務省による平成23年度の「予算執行調査」の結果が公表されています。

予算執行調査とは(財務省ホームページより)

財政資金の効率的・効果的な活用のためには、予算の「プラン(予算編成)」・「ドゥー(予算の執行)」・「チェック(評価・検証)」・「アクション(予算への反映)」のサイクルにおける「チェック」・「アクション」機能を強化し、予算へ的確にフィードバックすることが重要であるとの観点から、予算の更なる効率化に向けた取組みの一つとして実施しています。
予算執行調査とは、財務省主計局・全国の財務局の担当者が、事業の現場に赴き、実際に予算が効率的かつ効果的に執行されているかといった観点から行う調査であり、平成14年度から毎年実施しています。
調査事業については、例年4月に選定し、調査を開始。調査結果及び翌年度への予算への反映状況についても公表しています。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/sikkou_gaiyou.htm

このうち、国立大学法人関係では、「授業料減免」「電気料等」「特許等の管理状況」についての調査が行われています。概要は、以下のとおりですが、各国立大学法人は、調査の趣旨・結果等を踏まえ、適切に対応していくことが求められています。


1 国立大学における授業料減免

(調査の視点)

減免予算額と減免実績額の対比(減免予算額は減免実績額と比して適切な額となっているか)
授業料減免基準の改定状況等[家計基準・学力基準](法人化以降、各大学における減免基準の改定状況及び内容はどのようになっているか)
各大学における独自基準による授業料減免の実施状況(法人化以降、経済的理由・やむ得ない事情による減免以外の各大学独自の授業料減免の取組内容はどのようになっているか)

(今後の改善点・検討の方向性)

減免額全体でみれば、減免予算額以上の減免実績を確認できるが、大学ごとに比較すると、減免実績額が減免予算額を上回っていない大学が存在する。これは、授業料減免に係る予算配分が減免見込額を適正に捉えていないためであり、家計基準・学力基準の要件の適正化と併せ、過大な配分とならないようにしつつ、一方、予算超過の大学に対しては減免実績も考慮した予算配分を検討する必要がある。
法人化以降、86法人中55法人が減免基準の改定を実施し、また、47法人が独自の授業料減免に取り組んでおり、法人化以前の各大学における減免基準が統一されていたことからすると大きな変化がみられる。このことを踏まえ、家計基準・学力基準が公平かつ真に必要な者に重点化できるように、各大学の授業料減免への取組内容を勘案した予算配分についても見直す必要がある。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2011/sy2401/2401b_10.pdf

(反映状況)

国立大学等の授業料その他の費用に関する省令第11条の趣旨に鑑みれば、国として支援する授業料免除の対象は、経済的理由等により修学が困難な者を第一に考えるべきと思料される。平成23年度及び平成24年度においては、経済的理由等により修学が困難な者に対する直近の減免実績(平成22年度)を上回る予算を措置済。
法人化以降、各大学では減免基準の改定に取り組んできている状況であるが、基準緩和においては自己収入で賄うことを原則とする一方、真に必要な学生に対しては重点化を行えるように、平成24年度予算では授業料減免枠を7.3%から8.3%に1.0%引上げを実施。
また、平成24年度予算では、従来の修学困難者への支援としての授業料減免に加え、大学の教育研究の活性化を図る観点等から、「卓越した学生に対する授業料減免」に係る予算を創設。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2011/hanei/tyousa/10.pdf


2 独立行政法人及び国立大学法人等の電気料等

(調査の視点)

各法人の電力供給契約、電気使用状況、節電対策の実施状況等について、下記の調査を行い、更なる経費の削減が図れないか検討する。
契約電力、電力使用状況等
節電対策の取組状況
太陽光発電の導入状況

(今後の改善点・検討の方向性)

契約電力を超えた法人や契約電力の範囲内でも10%を超える乖離がある法人は、契約電力の設定に当たり、過去の電力使用状況や設備の更新状況等を十分に検討し、適切な契約とすることにより、経費の削減を図るべきである。また、契約後は、デマンドコントロール(使用電力の監視)を強化することにより、契約電力の範囲内での使用となるように努めるべきである。
設備等の更新時における高効率熱源機器や再生可能エネルギーによる発電設備等の導入については、費用対効果を勘案し、積極的に検討していくべきである。また、導入した設備等については適切な管理を行い、その効果が十分に発揮できるようにすべきである。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2011/sy2401/2401b_53.pdf

(反映状況票)

過去の電力使用状況や設備の更新状況等を十分に検討し、適切な契約となるよう要請することより、経費の削減を図っていく。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2011/hanei/tyousa/35.pdf


3 独立行政法人及び国立大学法人等の特許権等の管理状況

(調査の視点)

特許料等を支払い続けている特許権等の管理及び見直し状況等を調査し、定期的に見直し(継続又は放棄の判断)を行っているかどうかについて確認し、継続する必要がない特許権等については権利放棄することにより、特許料等の削減を図る。

(今後の改善点・検討の方向性)

特許料等の維持費のみが発生し、実施料収入がない特許権等については、今後も権利を維持する必要があるか見直しを行い、権利を維持する必要がないものについては権利放棄を行うことにより、特許料等の削減を図るべきである。
見直しを行うことは特許料等の削減に大きな効果があることから、特許権等の見直し基準等を定めていない73法人においては、見直し基準等を作成し、定期的に見直しを行い、特許料等の削減を図るべきである。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2011/sy2401/2401b_54.pdf

(反映状況票)

特許権等の見直し基準等に基づき、定期的に見直しを行わせることにより、特許料等の削減を図っていく。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2011/hanei/tyousa/35.pd