2012年2月19日日曜日

ミッションを感じさせる(ドラッカー)

非営利組織の強みは、報酬のためでなく大義のために働くところにある。それだけに、組織の側に、情熱の火を燃え続けさせる責任がある。仕事を労働にさせてはならない。

情熱の維持については、非営利組織の中では病院が特に不得手なようである。あまりに多くの仕事が定型的である。辛いことから身を守るために無感覚になろうとしているということもある。

したがって病院において大事なことは、いろいろな部門の人を集め「われわれが誇りとするものは何か」「われわれはどのような素晴らしいことをしたか」と聞くことである。「心臓発作で一晩に六人運び込まれたが、みな助けた」との答えを得ることである。何事も成果に焦点を合わせなければならない。

ミッションを感じることこそが非営利組織の活力の源泉である。しかし、そこには困った問題もついている。成果をあげられない者を抱え込むという問題である。できない者もまた戦友である。そのため、仕事ができなくとも辞めさせることには二の足を踏んでしまう。

この問題についてはここでもう一度シンプルな原則を繰り返させていただきたい。挑戦してくるならばチャンスを与えるべきである。挑戦してこないならば辞めてもらうべきである。