2012年5月16日水曜日

維新と占領、二つの「過去」を精算せよ(土光敏夫)

明治時代からわれわれは、先進国に追いつけ追い越せといわれてやってきた。その結果、百年にして、最近ようやく追いついて、あるものは追い越すようになった。しかし、日本の法律や条例などは、古いものがそのまま残っており、太政官布告が未だに現存しているほどだ。こうしたものは、われわれの前進を阻むものだ。また、終戦後、進駐軍が法律や制度、組織をつくった。昭和20年代に決まったものが、それ以来、少しも修正されていない。戦後の日本の変化は、非常に大きく、ずいぶん直すべきものがある。明治維新と占領体制--この二つの過去が現在まで残している問題を改革しなければならない。

現在の日本は、経済的には、インフレも少ないし失業者も少なく、安定している。しかし、外国からは、包囲攻撃をくっており、このまま日本が発展するとは思わない。21世紀に向かって、日本がこれから進むには、国際的にも国内的にも、改正すべき点は多々あり、路線を修正しなければならず、日本は大きく変換せざるをえない。それが、行財政改革なのだ。