2013年4月13日土曜日

自分は何を遺せるのか

ブログ「今日の言葉」から「はなちゃんのみそ汁」をご紹介します。



小学3年生のはなちゃんのお手紙です。

ママへ

はなはね、ママに伝えたいことがあるんだよ。それはね、おべんとうが全部作れるようになったこと。

びっくりしたでしょ。

冬休み、パパが前の日にお酒を飲みすぎて、ねぼうして、学童保育に持っていくおべんとうを用意してなかった。

パパは「あとで持って行くから」と言ったけど、はなは今からでも間に合うと思ったので、パパがお風呂に入っている間、ごはんをたいて、自分でおべんとうを作ってみようと思った。

おかずはばあばから作り方を教えてもらったたまごやきと、パパから教えてもらったブタ肉とピーマンのしおこうじいため。ごはんには、ゆかりのふりかけをかけたよ。

こんど作るときは、あとかたずけも全部するって、パパとやくそくしたんだよ。

(中略)

お風呂のそうじとせんたくは、少し、さぼっているので、4年生になったらがんばる。

やくそくするから、天国で見ててね。

(中略)

人の悪口を言わない。笑顔をわすれない。全部、ママが教えてくれたこと。

むずかしいな、いやだな、こまったな、と思っても、なんとかなるもんね。

「きりかえ、きりかえ」って、ママがよく言ってたもんね。

はな、もう泣かないよ。がんばるよ。

安武はな

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「はなちゃんのみそ汁」(文藝春秋社)という本の冒頭にこの手紙が掲載されています。

「がんで逝った33歳の母が、5歳の娘に遺したもの」という副題のついたこの本。

是非、一度読んでみて下さい。

ママの闘病記がメインではありますが、病気に向き合う真実や家族のありがたさが痛いほど伝わって来ます。

自分は何を遺せるのかを考えると、今からの行動が変わってきますね。