2013年10月16日水曜日

国立大学改革をめぐる動向

文部科学省は、去る9月26日、千代田区一ツ橋の学術総合センター一橋講堂において、国立大学法人等の財務担当理事、事務局長、財務担当部課長を対象とする「国立大学法人の財務等に関する説明会」を開催しました。

文教ニュース(平成25年10月7日付)から、布村高等教育局長の挨拶概要を抜粋してご紹介します。


国立大学改革をめぐる状況

国立大学改革を巡る状況について説明します。国立大学改革については昨年の政権交代以降、『教育再生実行会議』、『産業競争力会議』においてイノベーションのシーズを大学から発信してほしい、グローバル人材の育成につなげてほしい、それに伴い、各大学では人事給与制度の改革をはじめとしてガバナンス改革をあわせて行っていただきたい、と経済界はじめ社会全般からの幅広いご提言を踏まえたこ議論を教育再生実行会議あるいは産業競争力会議で展開していただき、教育再生実行会議では第3次提言、日本再興戦略という形で閣議決定をいただいて方向性が示されたところです。

中教審においてもそれらの議論を踏まえて『第2期教育振興基本計画』の取りまとめを6月に行いました。これらの提言、閣議決定で示された国立大学改革をめぐる状況を踏まえて、6月に開催された『国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議』において、今後の国立大学の機能強化に向けての考え方を示させていただきました。今の文部科学省としての国立大学改革に向けての基本的なスタンスと受け止めていただければと考えています。文部科学省としては、この方針にのっとり、各大学の大胆な改革構想に対して、予算・制度両面から思い切った支援を行っていきたいと考えています。

これまでも『ミッション再定義』ということで、多くの大学でヒアリングを重ねています。今後も残りのヒアリングを続けていきます。各大学における改革構想、特色、強みなどを伺い、それをしっかりと国として支えさせていただくことになります。今後はその提言を踏まえ、さらに具体的な改革の工程として、『国立大学改革プラン』を策定する予定です。28年度以降の第3期中期目標期間においては、国立大学の機能強化を促進するという観点から、運営費交付金の在り方を抜本的に見直すということを考えています。大学の規模に応じた配分という側面から機能強化を支援する配分を工夫し、割合をより広げていこうという方向を考えています。

マネジメントの確立とガバナンス改革

国立大学改革の方向性に沿って改革を実行に移すということでは、各大学における学長、役員の方を中心としたマネジメントの確立、あるいはガバナンス改革が実行いただけるかどうかが大きな鍵となります。この件についても、閣議決定あるいは提言などにおいても大学改革の重要な方向性の一つとして、人事給与制度の見直しをはじめとした、学長のリーダーシップを発揮できる体制につなげるという意味合いでのガバナンス改革が明確に位置付けられています。ガバナンス改革をどのように実行に移していくのか、国の立場から本格的に検討するために、現在、中央教育審議会の大学分科会の中に組織運営部会が設置されています。組織運営部会においては、新たに大学のガバナンスの在り方について集中的にご審議をいただいているところです。早ければ年内には、提言、答申をまとめていただいて、法律改正事項があれば、来年の通常国会に法律改正を提出することもありうると考えています。今は組織運営部会での審議が進んでいる状況です。

審議に注視いただきつつ、役員や部課長の方々には、各大学において教育・研究・社会貢献などに積極的に取り組んでいただくことを通じて日本全体の活性化、経済の再生につなげていただきたいと思います。そうした観点から、学長のリーダーシップが発揮され、それぞれの大学の強み、特徴を活かしつつ、国立大学の機能強化が推進されることを期待します。国としても支援していきたいという状況です。

研究不正、研究費不正使用について少しお話しします。昨今、研究不正が社会問題として大きく取り上げられている状況です。文部科学省では『研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース』を副大臣を座長として設置し、近々方向性を取りまとめる段階にきております。不正使用が根絶されるよう、対応策について集中的な検討を行い、本日、中問取りまとめが出される流れの予定です。今後は、中間まとめを踏まえて各大学において取り組んでいただく際の参考になるガイドラインの見直しを、政府としても行う予定です。各大学でもこれを踏まえて、研究における不正行為、研究費の不正使用防止に向けた取り組みの徹底をお願いしたいと思います。

26年度概算要求と特別枠

二つ目は、26年度概算要求についてです。全体としての方針は、昨年と同様に対前年度投資予算に比して10%削減が課せられ、国立大学関係予算についても厳しい予算要求となっています。それを踏まえて30%の特別枠という形での要求を今している状況です。その背景として、6月20日に行われた今後の国立大学の機能強化に向けての考え方において、第2期中期目標期間の後半3年が『改革加速期間』として設定されていて、その中での概算要求になります。

そのため、特別経費プロジェクトなどの既存事業の大幅な見直しを行いつつ、各学長からもご説明いただいた具体的な改革構想を実現すべく、『優先課題推進枠』(特別枠)を活用しながら『国立大学の機能強化』への取り組みに対する重点要求という形で、要望を果たしたところです。その中では、給与費について24年度、25年度の限定措置とされた給与臨時特例法が終了することに伴って、各大学が25年度予算において減額した額と同額の629億になりますが、一般の運営費交付金に計上し、概算要求に入っているということになります。

繰り返しになりますが、社会、経済界から、大学、特に国立大学に対するイノベーションのシーズを社会や企業に向けて発信してほしい、経済活動のグローバル化に対応したグローバル人材の育成を国立大学を中心とした全国の大学から発信して、経済・産業の再生につなげていただきたいと直接聞かされています。それだけ大学に対する期待が大きい状況です。文科省と大学が一緒になって、しっかり応えていかなければいけないと認識しています。このタイミングで期待に充分に応えられないと、社会からの関心が薄れ、大学改革に対する取り組みへの支援削減にもつながりかねませんので、期待が大きい分、意味、役割も大きく、それをしっかり果たすことが求められていることを、実感として認識しています。そうした事柄を皆様方と共有して一緒に取り組んでいければと考えていますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。


著者 : 広岡勲
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日 : 2012-07-14

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