2014年11月19日水曜日

財務省予算執行調査

少し前のことになりますが、財務省により公表された「平成26年度予算執行調査の結果」をご紹介します。

予算執行調査とは、財務省主計局の予算担当職員や日常的に予算執行の現場に接する機会の多い財務局職員が、予算の執行の実態を調査して改善すべき点等を指摘し、予算の見直しや執行の効率化等につなげていく取組です。

税金を原資として運営される国立大学においても、これらの指摘を真摯に受け止め、更なる改善につなげていかなければなりません。

予算執行調査資料「総括調査票」から、項目ごとの「調査の視点」と「今後の改善点・検討の方向性」を抜粋し整理してみます。


■ 燃料の調達状況

(調査の視点)

  1. 燃料の調達について、共同調達による調達コスト削減の取組みはどの程度行われているか。
  2. 価格変動に対して、契約上どのような取り決めが行われているか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 予定数量が大きいほど、スケールメリットにより安い単価で契約できており、単独官署による調達を実施している部局においても、大半は共同調達の検討は可能と回答していることから、可能な限り共同調達の導入を図るべき。
  2. 燃料調達の契約にあたっては、その特性を踏まえ、客観的な変更基準を定めた価格変更条項を設定するなどにより、適正な価格での調達に努めるべき。
  3. 単価契約外の調達については、やむを得ない場合に限定して行い、効率的な予算執行に努めるべき。



■ ETC割引の利用状況

(調査の視点)

全国の地方支分部局におけるETC車両について、

  1. ETC割引制度を導入しているか
  2. 車両ごとにマイレージと大口多頻度を比較検討し、最適な割引制度を利用しているか(両割引制度は併用不可)

について検証し、更なる経費削減が図れないか検討する。

(今後の改善点・検討の方向性)

  1. ETC割引制度を導入していないカードについては、速やかにETC割引制度を導入すべき。
  2. ETCにおける割引制度については、平成26年4月の制度変更(大口多頻度が拡充)も踏まえ、更なる経費削減の観点から、車両の高速道路の利用状況に合わせ、マイレージと大口多頻度を比較検討し、最適なETC割引制度を利用すべき。



■ 出力機器(複写機・複合機等)の稼働状況

(調査の視点)

  1. 使用量に応じた適正な設置状況となっているか。
  2. カラー印刷は必要やむを得ないものに限定して行う等の運用となっているか。
  3. 使用頻度が低い出力機器の削減等は実施されているか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 稼働状況が低調な出力機器があるにもかかわらず、同一課室に複数の機器が設置されている等の状況が認められたことから、官署内での利用状況を把握し、機器の集約化、最適配置化を図るべき。
  2. モノクロと比べ高価なカラー印刷の利用状況に大きな乖離があり、低減する取組みが不十分であったことから、必要最小限のカラー印刷利用に向けた内規の制定等、官署において効果的な取組みを促進すべき。
  3. 上記のほか、直近の使用実績に応じた保守契約とし、更なる予算の効率化を図るべき。また、複数年契約を行っている保守契約については、直近の使用実績に応じた、変更契約を行うべき。



■ テレビに係る受信契約等の状況

(調査の視点)

テレビの設置台数を縮減し、受信料を削減することができないかとの観点から以下の項目を調査。

  1. 視聴状況について
  2. 情報源の代替性について


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 視聴実績がない、あるいは視聴頻度が低いテレビは、設置状況が適正かの検証を行った上で、視聴状況を踏まえた設置台数とすべき。
  2. 視聴しているテレビについても、他の方法による情報取得の可能性や業務遂行上の影響を勘案し、真に必要な設置台数とすべき。
  3. 上記状況が認められたことから、テレビ設置の必要性の検証を行っていない官署については、検証するとともに、検証済とした官署についても、再度検証すべき。
  4. なお、各官署において、削減可能としたテレビについては早急に見直し、予算に反映すべき。



■ 情報システムの運用保守に係る経費

(調査の視点)

  1. システム規模に比し、運用保守経費が過大となっていないか。
  2. サービスレベルの設定は適正になされているか。
  3. 各システムにおける運用保守経費の縮減に向けた取組状況について、他のシステムへ導入することができないか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. システムの構成や使用形態により一概には言えないものの、開発経費に比し運用保守費用が多額となっているシステムについては、運用方法等を見直し運用保守経費の削減を検討すべき。また、例えば初期の開発費を抑えるため、運用保守経費の名目で開発を続けることなどがないよう、開発費の適正化にも努めるべき。
  2. 適正な運用保守経費の観点からも利用実績や障害発生状況などの把握が重要であるため、利用実態の把握に努め、可能な限りサービスレベルの設定を検討すべき。また、すでに設定済のシステムについては、利用実態に応じ、サービスレベルの適正化を図るべき。
  3. 運用保守経費については、調達機材の見直しや外部専門家の活用等により経費の削減に努めているシステムがあることから、これらの取組みを参考に経費の削減を検討すべき。また、運用保守経費の適正化のため、開発経費の把握に努めるべき。



■ 情報提供サービスの契約状況

(調査の視点)

情報提供サービスの契約状況等を調査することにより、以下の点を確認する。

  1. 情報提供サービス及び利用ID数の削減等により、経費の削減が図れないか。
  2. 地方支分部局等において個別に契約している情報提供サービスについて、本府省庁において一括調達することにより、スケールメリットを活かした調達とできないか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 必要性又は利用頻度が低い情報提供サービスについては、利用廃止を含め、契約の見直しを検討すべき。情報提供サービスの適正な配備状況の検証にあたってはID等の利用状況の把握が必要と思われるため、利用状況を把握していないID等については、把握に努めるべき。ID等の適正な配備状況を検証していない情報提供サービスについては、配備状況が適正か検証し、また、検証済の情報提供サービスについても、他官署の取組みを参考に「利用ID等の共有化」などの実施を検討し、更なる経費削減を図るべき。
  2. 情報提供サービスの調達契約の工夫による見直し等によっても、経費削減を図っている事例があることから、これらの取組みを参考に可能なものについては積極的に導入し、経費の削減を図るべき。



■ 法令外国語訳に係る経費

(調査の視点)

  1. 法令等の翻訳の推進が決定されてから10年が経過し、準拠する法令用語日英標準対訳辞書の整備等、法令等の翻訳環境が整備されている中で、翻訳経費の低減が図られているか。
  2. 翻訳の対象法令は、平成21年度以降は、毎年、各府省庁において選定され、整備計画を作成のうえ(法務省がとりまとめ)、翻訳が実施されているところであるが、翻訳の必要性の検討は十分なされているのか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 法令外国語訳については、引き続き効率的な執行に努めるとともに、契約の工夫等により、競争性を高める取り組みを検討すべき。
  2. 翻訳法令の整備計画策定に当たってはニーズや受益者の実態を十分に把握・検討し、国が翻訳を行う必要のある法令の精査を行うべき。



■ 冊子等の印刷製本に係る経費

(調査の視点)

  1. ホームページ公表やイントラネットへ掲載することで冊子等の製本・配布の見直しを行えないか。
  2. 配布部数や配布先の精査など、冊子等の製本・配布の必要性の検証が十分に行われているか。
  3. 冊子等の部数や内容等を見直すことで、印刷製本費の削減が図れないか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 冊子等について、ホームページでの公表やイントラネットへの掲載により、情報共有が可能となることを踏まえ、製本・配布の必要性について検討し、見直しを図るべき。
  2. 配布部数や配布先の精査など、冊子等の製本・配布の必要性の検証を行い、部数等の見直しを図るべき。
  3. 部数等の見直しとともに、構成の工夫や紙質の見直し等により、引き続き印刷製本費の削減を図るべき。



■ 採用に係る広報経費

(調査の視点)

  1. 採用パンフレット等の広報媒体について、作成経費が過大なものとなっていないか。
  2. 採用パンフレット等の広報媒体について、必要性や効果を検証し、その結果が活用されているか。

等の確認を行い、経費の削減が図れないか検討する。

(今後の改善点・検討の方向性)

  • 採用に係る広報媒体の作成に当たっては、当該広報による効果の目標設定・効果の検証を実施し、効率的・効果的な広報に努めるべき。特に、パンフレット等の作成経費には、大きなばらつきもあることから、他の官署の経費削減の取組みも参考に更なる経費の削減に取り組むべき。また、地方支分部局において、独自広報媒体を作成する場合には、経費の削減効果等を考慮した上で、一括での作成を検討すべき。



■ 職員研修に係る経費

(調査の視点)

  1. 研修経費の受講者(自己)負担自己啓発等のための研修について、研修受講者に自己負担を求める余地はないか。また、自己負担を求めている研修について、その負担割合はどのようなものか。
  2. 研修受講者に無償配付している教材を貸与に変更することはできないか。研修教材の購入にあたって、十分な検討が行われているか。
  3. e-ラーニングについて、その導入にあたっての十分な検討がなされているか。また、研修によっては、府省共通システムとしたり、市販のシステムを活用する余地はないか。
  4. 同一内容の研修を別々に契約している場合には、一括調達を行うことでコスト削減を図る余地はないか。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 語学研修やパソコン研修、自己啓発研修等、受講者本人へ研修効果が帰属するものについては、他の府省の例も参考に、自己負担の導入を検討すべき。また、負担割合の妥当性についても検討すべき。
  2. 研修教材について、研修後の使用状況を調査したうえで、研修教材の必要性の検討を行い、貸与への変更を行うなどにより、次回以降の購入冊数の削減を行うべき。
  3. 各府省独自で構築しているシステムを利用している研修について、市販のシステム、他府省のより効率的なシステム又は複数の府省共通で構築するシステムへの変更に係るコスト削減効果等を比較し、システムの変更を検討すべき。
  4. 一括調達を実施していない部局は、経費の削減効果等を考慮した上で、導入を検討すべき。特に語学研修、パソコン研修及び自己啓発研修については、一般的な研修であることから、導入を検討すべき。



■ 健康管理に係る経費

(調査の視点)

  1. 外部の医師を健康管理医に委嘱する場合の契約について調査を行い、更なる効率化が図れないか検証する。
  2. 健康診断業務について、契約及び執行の実績を把握し、更なる予算の効率化が図れないか、また、適切に予算に反映されているか検証する。


(今後の改善点・検討の方向性)

  1. 健康管理医の委嘱については、勤務実態に即した契約となるよう、契約内容を見直し、経費の削減を図るべき。特に、年間で数時間程度の勤務実績にもかかわらず、月額等で契約を行っている場合は、実質的な勤務時間を勘案した適切な契約となるよう見直すべき。
  2. 健康診断業務の調達については、予定価格100万円を超える随意契約や競争参加資格以外の条件を付している契約について競争性を高めるとともに、共同調達の実施も検討するなど、経費の削減を図るべき。また、健康診断業務の予算については、予算執行状況を踏まえ、適切に予算に反映すべき。

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