2014年11月5日水曜日

しょうもないこともできへん奴は、もっとしょうもない

ブログ「人の心に灯をともす」からしょうもない仕事」(2014-10-02)をご紹介します。


立ち飲み屋で働いていた時、とても仕事がつまらなくなった時期がありました。

毎日毎日ビールや串カツを運ぶだけ、なんだかくだらない仕事だなぁと正直思っていました。

それが顔や動きにも出ていたのだと思います。

ある日、常連のおっちゃんに突如突っ込まれました。

「兄ちゃん、最近やる気ないな。」

「そんなことないですよ。」

「いいや、見たらわかるで。こんな仕事しょうもないと思ってるやろ。」

「いや、そんなこと…。」

「顔に書いてあるわ。けどな、しょうもないと思う仕事こそちゃんとせなあかんで。

毎日Sさん(立ち飲み屋の先輩)は兄ちゃんに注意しとるやろ。

ということはあんたはまだまだ仕事ができてへんねん。

しょうもないと思ってる仕事もちゃんとできへんちゅうことは、兄ちゃんもまだまだしょうもない人間やと言うことや。

しょうもない仕事を一生懸命やってできるようになったら、そこではじめて出世するねんで。」

うーん、悔しいけど何も言い返せない…。

見事な指摘でした。

それから先、仕事をしていてだらけたり手を抜きそうになった時は、このおっちゃんの言葉を思い出します。

「しょうもないこともできへん奴は、もっとしょうもない。」

ちなみに、この会話には続きがありました。

「おっちゃん、ええこと言いはりますね。ありがとうございました。ちなみに、おっちゃんは何してはるんですか?」

「わしは東大阪の工場や。金属を加工し続けて勤続(キンゾク)40年!…笑ってええで…まあ、しょうもない仕事やけど、一生懸命やるのだけは誰にも負けへんな。」

「すごいですね。しょうもない仕事(笑)を一生懸命40年やって!今は出世して偉いさんですか?」

「ずーっとヒラや(笑)」

笑いまで教えてくれたのでした。


小さな約束を守る人は、信頼され、多くの人から好かれる。

だから、軽い気持ちで言った小さな約束こそ、忘れずに守らなければならない。

同じように、しょうもない仕事こそ、人から見られている。

一生懸命にやる人か、手を抜いたり投げやりにやる人か。

人は、立派な学校を出たとか、物事をたくさん知っていて頭がいいとか、そういうことでは人物判断をしないものだ。

挨拶や返事がしっかりしているとか、掃除をちゃんとする人だとか、いつも約束の時間の30分前に来ているとか、ニコニコとして明るいとか、そういう些細なことで、この人は「いい人」だとか、「将来伸びる人間だ」とかを、わかってしまう。

「しょうもないこともできへん奴は、もっとしょうもない。」

どんな小さなことも手を抜かず、一生懸命やる人間でありたい。