2014年12月21日日曜日

2014 四字熟語

天声人語:今年の創作四字熟語」(2014年12月18日朝日新聞)をご紹介します。


なぜいま衆院選か、その「晋三心理」に首をひねった。「自公堅持」欲は満たしたのだろうが、「死票膨大(しにひょうぼうだい)」で棄権も半数近くとはいかがか。住友生命が募った創作四字熟語は11月が締め切りなので、師走の一大事にも材を求め、我流を試みた。

以下は年末恒例、本物の秀作で1年を振り返る。4月、消費税が8%になり、さあ「五八至十(ごはしじゅう)」かと思いきや、アベノミクスは10%への引き上げを先送り。とはいえ円安のおかげで食材は軒並み値上がりだ。「日本低円(にほんていえん)」の光景に寒さが募る。

デング熱の広がりに「蚊無(かない)安全」を祈った夏の終わり。続く御嶽(おんたけ)山の噴火には、多くの人が「安山(あんざん)祈願」をした。自然のみならず、人も次々と災いを起こす。危険ドラッグをやって車を運転するとは何とも「危草千害(きそうせんがい)」な。

本とペンが一番強い武器。「剣嫌学学(けんけんがくがく)」のマララさんが17歳でノーベル平和賞に。だが、彼女の故郷や「瞬火中東(しゅんかちゅうとう)」の各地で争乱がやまない。中国の会社が期限切れの肉を使っていた「怪鶏(かいけい)処理」にも驚いた。

略してアナ雪、ディズニーのアニメが大ヒットした。ありのままの~と、世は「雪歌繚乱(せっかりょうらん)」に。笑っていいとも!が「放送笑了(しょうりょう)」、8054回の長寿を全う。子どもが熱狂する妖怪ウォッチの関連グッズは品薄が続き、「難買妖怪(なんかようかい)」。

今年届いたうれしい知らせでは、富岡製糸場が快挙を達成。「世界遺蚕(いさん)」というべきか。青色LEDを開発、実用化した3人はノーベル物理学賞に。長年の努力への「青光褒祝(せいこうほうしゅう)」だった。