2016年2月26日金曜日

改正国立大学法人法案(指定国立大学法人制度、資産の有効活用関連)が閣議決定されました

本日(2月26日)、国立大学法人法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。

改正法律案は、1)「日本再興戦略」改訂2015において「特定研究大学(仮称)」制度を創設することとされたことを受け、これを「指定国立大学法人制度」として法人法上に位置づけること、2)全ての国立大学法人を対象とし、文部科学大臣の認定・認可を要件として、不動産の活用寄付金等の運用に関し、規制緩和を行うことを内容としています。

今後、国会において審議されることとなります。文部科学省令で定めることとされている部分があるため、全貌を正確に理解することはできませんが、該当する可能性の高い大学におかれては、注視していく必要があります。

単なる丸写しですが、全国の国立大学に対し文部科学省から示された資料(夕方には、文部科学省のホームページにて公表)のうち、「法律案の概要」と「法律案要綱」をご紹介します。

国立大学法人法の一部を改正する法律案の概要



国立大学法人法の一部を改正する法律案要綱

第1 指定国立大学法人制度の創設

1 指定国立大学法人の指定

文部科学大臣は、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を、その申請により、指定国立大学法人として指定することができるものとし、当該指定をしようとするときは、あらかじめ、国立大学法人評価委員会(以下「評価委員会」という。)の意見を聴かなければならないものとするとともに、当該指定をしたときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を公表しなければならないものとすること。(第34条の4関係)

2 研究成果を活用する事業者への出資

指定国立大学法人は、当該指定国立大学法人における研究の成果を活用する事業であって政令で定めるものを実施する者に対し、文部科学大臣の認可を受けて、出資を行うことができるものとすること。(第34条の5関係)

3 中期目標に関する特例

文部科学大臣は、指定国立大学法人の中期目標を定め、又はこれを変更するに当たっては、世界最高水準の教育研究活動を行う外国の大学の業務運営の状況を踏まえなければならないものとすること。(第34条の6関係)

4 余裕金の運用の認定の特例

指定国立大学法人は、第2の2の認定を受けることなく第2の2に規定する運用を行うことができるものとすること。(第34条の7関係)

5 役職員の報酬、給与等の特例等

指定国立大学法人の役職員の報酬、給与等の支給の基準に関する特例を設けるため、所要の読替えを定めるとともに、指定国立大学法人の専ら教育研究に従事する職員の給与その他の処遇については、当該職員が行う教育研究の内容及び成果についての国際的評価を勘案して行うものとすること。(第34条の8関係)

6 評価委員会の委員への外国人の任命

文部科学大臣は、大学の運営に関して高い識見を有する外国人を評価委員会の委員に任命することができるものとするとともに、外国人である評価委員会の委員は、評価委員会の会務を総理し、評価委員会を代表する者となることはできず、当該委員の数は、評価委員会の委員の総数の5分の1を超えてはならないものとすること。(第9条第3項及び第4項関係)

第2 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の資産の有効活用を図るための措置

1 土地等の貸付け

国立大学法人及び大学共同利用機関法人(以下「国立大学法人等」という。)は、業務の遂行に支障のない範囲内で、その対価を当該国立大学法人等の教育研究水準の一層の向上を図るために必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、当該国立大学法人等の所有に属する土地等であって、当該業務のために現に使用されておらず、かつ、当面これらのために使用されることが予定されていないものを貸し付けることができるものとすること。(第34条の2関係)

2 余裕金の運用の認定

国立大学法人等のうち文部科学大臣の認定を受けたものは、次の方法により、当該国立大学法人等が受けた寄附金を原資とする部分であることその他の文部科学省令で定める要件に該当する余裕金の運用を行うことができるものとすること。

  1. 金融商品取引法(昭和22年法律第25号)に規定する有価証券であって政令で定めるもの(株式を除く。)の売買
  2. 預金又は貯金(文部科学大臣が適当と認めて指定したものに限る。)
  3. 信託会社又は信託業務を営む金融機関への金銭信託(第34条の3関係)

第3 その他

1 財務大臣との協議

文部科学大臣が第1の2若しくは第2の1の認可又は第2の2の2の指定をしようとする場合には、財務大臣に協議しなければならないものとすること。(第36条関係)

2 罰 則

第2の2に違反して業務上の余裕金を運用したときの罰則を定めること。(第40条関係)

第4 附 則

1 この法律は、平成29年4月1日から施行するものとすること。ただし、第1の6並びに第4の2及び3は、平成28年10月1日から施行するものとすること。(附則第1条関係)

2 指定国立大学法人の指定を受けようとする国立大学法人は、この法律の施行前においても、指定の申請をすることができるものとするとともに、文部科学大臣は、当該申請があった場合には、この法律の施行前においても、指定することができるものとし、この場合において、当該指定は、この法律の施行の日にその効力を生じるものとすること。(附則第二条関係)

3 第4の2のほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定めるものとすること。(附則第3条関係)

(参 考)