2017年4月8日土曜日

記事紹介|前向きな怠惰

仕事は「定型化」してからが本番

当時のわたしにはなく「仕組みを作る」という視点はなく、虚をつかれました。

「俺たちがすべき仕事は、与えられた『作業』をこなすだけじゃなく、その『作業』を平準化し、誰にでもできる『仕組み』を作ること。

なぜなら、その『仕組み』が金を生むからで、俺たちはその金を生む仕組みを作るために会社から給料をもらっている。だから、お前みたいに目の前の『作業』をこなしているだけだと、会社が期待する『仕事』のまだ半分レベルってところだよ」

と続けざまに説明され、自分が「仕事をしているつもり」と指摘された理由が、明確になりました。確かにわたしは目の前の作業を「こなす」ことにばかり意識が行っていて、その作業をもっと効率よくやろうとか、自動化しようとか、「自分以外の人がやってもできる状態にしよう」という考えは、ありませんでした。

でも、同時にある疑問が浮かびました。そうやって自分の仕事を『誰にでもできる仕事』にしてしまったら、自分の仕事がなくなってしまうのではないだろうか?

この問いには、間髪入れず「そしたらまた次の『誰も平準化していない仕事』を見つけて、そっちに着手するんだよ」と答えられ、「そうやって社内の『作業』を平準化して、金が生まれる仕組みを次から次に作ることが、俺たちに期待されている『仕事』だろ」と諭され、以来、彼を師匠と仰ぐこととなるのです。

以降、彼から伝授された教えが多くあるのですが、いくつか紹介します。

  • 2回以上、同じ仕事を繰り返したと感じたら、定型化するか、自動化しろ
  • 企画書でもメールでも議事録でも、テンプレート化することを常に考えろ
  • 使い回すことは悪ではない、使い回しを使った資料をブラッシュアップしないことが悪
  • 長い時間働くヤツがえらいんじゃない、より短い時間で、より高い成果を出したヤツが一番えらい
  • ラクをする理由は、時間の余裕を持っておかないと仕事のレベルを引き上げることができないから

これらを始めとする先輩の教えに通底していたのは、「前向きな怠惰」が仕事のレベルを上げる、という考え方でした。ただサボりたい、ただラクをしたい、のではなく、ラクをして、時間の余裕を作ることで仕事の内容の見直しをしたり、見落としをチェックできる。そうすることが、最終的には自分の市場価値を引き上げることにつながる、という考え方です。

目先の『作業』に追われている限り、仕事を俯瞰で見ることはとてもむずかしいです。そして今やっている『作業』をいかにラクに終えるかを考え続けることは、その『作業』の本質を見抜こうと考えるのと、とても似ています。

本質を見抜くことができれば、逆にしなくていいこと、省略できることが見えてくる。そうやって自分1人でできる仕事の量を増やしていくことが自分にとっても、会社にとっても重要で、必要とされる人材の要件だったのです。

「ラクをしたい」という気持ちは、悪ではありません。その気持ちにフタをしてしまうことで、見えなくなってしまう部分がたくさんあります。

むしろ「ラクをしたい」という気持ちをよりプラスな方向へ向けてどんどんラクをすることで、自分のできる範囲を増やし、スキルを磨くという視点を持ちましょう。「前向きな怠惰」、ぜひ取り入れてみてくださいね。

サイボウズ式:仕事の本質は「いかにラクをするか」|2017年4月3日 から

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