2019年3月31日日曜日

記事紹介|今やっている「つまらない」仕事にふるい立て

「成功おじさん」の第一ルールは、ふつうわたしたちが考えるような、せっせと働くというものではなく(もちろん、働くことは必要になるが)自分の仕事に対し、気持ちをふいるい立たせるようにするというものだ。

こんな人がいる。

「ジョーンズ。きみや、どこかの重役がやっているような華やかな仕事なら、そりゃあ気持ちもふるい立つだろうけどね。ぼくがやっているような、ろくでもない仕事についていたら、そんなふうに言ってられないと思うよ」

それでは、こっそりお教えしよう。

なんであれ、「仕事」というのは一種類しかない。

すなわち、こまごましていて、単調で、手間がかかり、やっかいで、退屈なもの。

これこそ、どんな職業についていようと、誰もが克服しなければならない課題なのだ。

たしかに、今自分がやっていない仕事にふるい立つのはたやすいだろう。

ところが、やらねばならないときや、みずから学び、成長し、計画を立て、最後までやり通さねばならないとき、仕事はそれほど楽しいものではなくなる。

しかし、「成功おじさん」の第一ルールは、ほかでもない自分の仕事に、気持ちをふるい立たせるようにすることだ。

いつかやろうと思っている仕事に対して、ではない。

たった今やっている「つまらない」仕事にふるい立て、と言っているのだ。

つまらない仕事に気持ちをふるい立たせ、喜びを見出せれば、その仕事はすばらしいものになる。

ある若者が、アイビーリーグの大学を二番の成績で卒業して、わたしのオフィスにやってきた。

「ジョーンズさん、あなたの噂を聞きました。あちこちの会社の面接を受けたんですが、どれもぴんと来ないんです。あなたなら、やりたいことを見つけるのに、力を貸してくださると思いまして」

わたしは思った。

かわいそうに!

ちょっとしたショック療法を施すとするか…。

「やりたいことを見つけるのに、力を貸してほしい?わたし自身のやりたいことさえ見つかっていないというのに、きみに力を貸せるはずないだろう?」

「ご自分のやっていることが、お好きじゃないんですか?」

私は声をあげた。

「大嫌いさ!好きなことをやってたら、満足に稼げやしないよ!」

わたしが何を好きか、ご存じだろうか?

リラックスするのが好きだ。

仕事に関するおしゃべりが好きだ。

休暇と、手数料と、昇給と、のんびりした昼食が好きだ。

それで何が得られるか?

頭痛と、落ち込みと、胸が張り裂けるような悲しみだ。

わたしが何を学んできたか、おわかりだろう。

やりたくないことにふるい立たなければ、「ほんとうに、ふるい立ちたいこと」を満足に得られないという教訓だ。

人生というのは、やりたいことをやるものではない。

現実の人生とは、やらねばならないことをやるもの。

やりたいことをやっている人たちは、最後になって、それがほんとうにやりたいことではなかったと気づく。

一方、やりたくはないが、やらねばならないことをやろうとする人たちは、最後になって、やりたくないと思っていたのが、実はやりたいことだったと気づく。

人生とは主に、やりたいことをやるものではなく、やらねばならないこと、やる必要のあることをやるものだ。

わたしは、かの大恐慌と関わる時代に生まれてよかったと思う。

そのころ、誰もが心理学の手を借りることなく学んだ教訓がある…この世でいちばん気持ちがふるい立つのは、仕事ができるということ。

どんな仕事であれ、職があるというのは、特別な権利なのだ。

昨今は、誰もが自分にふさわしい職業を探している。

「天職にめぐり会いたいんです」と言う人もいる。

わたしは、「もっと大事なものを手に入れてほしい」と願っている。

わたしたちが学ぶべきは、職業が人をつくるのではなく、仕事にふるい立つ人間が職業をつくる、ということだ。

出世コースを歩んでいる人を観察してみよう。

その人が、自分にはなんの価値もなく、すべては周囲からの恵みだと感謝していることがわかるはずだ。

それとは逆に、何に対しても借りがなく、何を手にしても当然という気持ちになったら、そのときから、その人物は、自分でも気づかないままに坂を下り始めるだろう。

よく目を見開いてみて、ほんとうかどうか、たしかめてみるといい。

「次の職のために、準備をしているんだ」と言う人もいる。

すでに手にしている職にふるい立てなければ、おそらく次の職などない。

あなたは、今やっていることに、気持ちをふるい立たせているだろうか?


転んで骨折したとしても、この程度で済んでよかった「ラッキー、幸せ!」と思う人もいれば、「まったくツイてない、不幸だ」と思う人もいる。

幸せという状態があるわけではなく、幸せと感じる人がいるだけ。

仕事も同じで、楽しい仕事や自分に合った天職がもともとあるわけではない。

仕事の中に楽しみを見つけられる人と、見つけられない人がいるだけだ。

そこに無上の楽しみを見つけられた人は、それが天職となる。

「今やっていることに、気持ちをふるい立たせているか?」

どんな仕事がまわってきても…

それを楽しんでやれる人でありたい。

今やっていることに、気持ちをふるい立たせているか|人の心に灯をともす から

2019年3月30日土曜日

記事紹介|You must be the change you wish to see in the world

絶望を感じないための一番良い方法は、起き上がり、何かをすることだ。オバマ前米国大統領


これに近い言葉をいくつか紹介します。

まずはYellow Hat創業者の鍵山秀三郎氏の言葉です。

『頭は臆病だけど、手は臆病じゃない』

不安は頭が考え出すことですが、体を動き出してみれば、その不安も段々と減らしていくことができるでしょう。

『行動は必ずしも幸せをもたらすものではないが、行動しなければ幸せも得られない』

行動しても成功が約束されている訳ではないですが、ただ待っているだけでは、リスクが高まる一方です。

最後にガンジーの言葉です。

『見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい』

You must be the change you wish to see in the world.

具体的なアクションが自らを救ってくれるでしょう。

「どうなるか」と思えば不安になりますが、「どうするか」と思えばワクワクしてくるはず。

起き上がる|今日の言葉 から

2019年3月29日金曜日

記事紹介|自分の時間を自分で支配すること

現代は忙しいんじゃない。

時間の優先順位付けが間違っているだけだ。

大切なことを学ぶ時間がないんじゃない。

大切なことを学ぼうとしない姿勢の問題だ。


今の世の中では、知りたいと思えばいくらでも情報を手に入れることができる。

もちろん正しくない情報もあるが、つい20年前と比較しても、情報取得のコストは飛躍的に小さくなっているのだから、複数の情報から確からしさを見つけることもできるはず。

すなわち、時間がないからとか、教わっていないからというのは言い訳にならないということ。

自分の時間を自分で支配しなければ、他人の時間に支配されてしまうだけ。

そこが現代では巧妙に気付かずに支配されてしまうことが怖いところ。

自分の人生に優先順位をつけていきましょう。

そのためには「やらないこと」を決めることから着手すると良いでしょう。

優先順位|今日の言葉 から

2019年3月28日木曜日

記事紹介|チャンスを逃すな

障害を避ければストレスは減るが、自分が生まれ変わるチャンスを逃す。三科公孝(ノウハウバンク代表)


『生まれ変わるなら生きてるうちに』とは長渕剛さんの言葉ですが、自分を変えてくれるような、言い換えると未知の自分の可能性を広げてくれるようなきっかけは得てして予想もしていなかったような出来事の中にあることが多いようです。

自分が想定している範囲の出来事では、想定した結果の範囲の成果しか得られない。

ちょっとイヤだな、リスクがあるな、でも何かあるかも、ワクワクするかも、と思えるような出来事に自分の可能性を広げてくれるヒントがあるのでしょう。

新しいチャレンジがあなたを待っていますよ。

そしてあなたの可能性は、あなたによって目覚めさせてもらえることを待っていますよ。

チャンス|今日の言葉 から

2019年3月27日水曜日

記事紹介|自分事として考え行動する

どこかの繁盛店や話題の会社を見学に行き、やたらと感動をしている人がいる。

感動するのが悪いと言っているわけではない。

多くの人は、感動だけしてそのあと何も行動しない。

成功する人は、感動したら、それを自分のお店や会社にどうやったら生かせるか、それを自分でやるためには何が足りないのかを考え、行動に移す。

ただ感動だけして何も行動しないのか、感動してそれを行動に移し自ら変革していくのかの違いだ。

講演会でいい話を聞いて感動したり、誰かに憧れるのも同じこと。

他人事として考えるのか、自分事としてそれを考えるのか。

自分は何もしないのに、だれかを無責任に批判したり、文句を言ったりする傍観者(ぼうかんしゃ)になってしまってはいけない。

「ただ、誰かに憧れるのはやめよう」

感動もするが、行動もする人でありたい。

ただ、誰かに憧れるのはやめよう|人の心に灯をともす から

2019年3月26日火曜日

記事紹介|日に新た

変化の激しい時代に力強くイノベーションを推進するために、リーダーには過去の成功体験から脱却し、ゼロベース思考で物事をありのままに見る力が求められています。


リーダーの輝かしい成功体験がイノベーションを阻害する

人や組織は何らかの出来事に直面した時、過去に自らが経験・学習し、獲得した知識を参照して対処しようとします。特に、大きな成果を上げた輝かしい経験ほど「成功体験」として後々の判断・行動に大きな影響を及ぼし続けるといわれています。

しかし、昨今のように経営環境の変化が激しいなかでは、想定外の出来事が起こりやすく、そこで適切な処方箋が見つからないまま、過去の成功体験にこだわりすぎてしまうと、判断を誤る恐れがあります。

いったん蓄積した知識は、当座は判断の拠り所として「資産」価値をもちますが、時間の経過とともに鮮度が落ち、やがて時代遅れとなって正しい判断を阻害する「負債」に変化していきます。負債に変容した知識はイノベーションの足を引っ張りますので、一刻も早く償却する必要があります。

「学習棄却」とは?

古くなった知識を捨て去ることを経営学では「学習棄却」(Unlearning)と言います。

Hedbergによると、学習棄却とは「時代遅れとなったり、妥当性を欠くようになった知識を捨て去り、それをより妥当性の高い新たなものへと置き換えていくこと」をいいます。もし学習棄却ができずに古い知識に固執するような状態が生じてしまうと、環境の変化に適切に対処することができにくくなります。従って、変化の激しい環境に柔軟に対応していくためには、学習棄却を行うことができる能力が求められるのです。

松下幸之助の「日に新た」

松下幸之助は、「日に新た」ということばで創造と棄却を伴う革新の重要性をことあるごとに述べていました。

この社会はあらゆる面で絶えず変化し、うつり変わっていく。だから、その中で発展していくには、企業も社会の変化に適応し、むしろ一歩先んじていかなくてはならない。それには、昨日よりは今日、今日よりは明日へと、常によりよきものを生み出していくことである。昨日は是とされていたことが、今日そのままで通用するかどうかはわからない。情勢の変化によって、それはもう好ましくないということが往々にしてあるわけである。(中略)この“日に新た”ということがあってこそ、正しい経営理念もほんとうに永遠の生命をもって生きてくるのである。

“日に新た”な革新は決して簡単なことではありません。しかし、想定外の事態に見舞われて、これまでの常識が通じない今こそ、賞味期限の切れた古い知識を捨て去るチャンスでもあります。だからこそ、慌しい日常生活の中でも、目の前の状況をしっかり直視し、自分と向き合いながら、何を新たに取り込み、何を捨て去るか、心静かに内省する時間をもつことがすべてのビジネスパーソンに大切であると思われます。

ソニー厚木工場の再建

いま、多くの組織で変革の必要性が叫ばれていますが、思うように変革が進んでいるケースは稀なようです。変革が進まない理由はいくつか考えられますが、最大の要因は、変革の担い手となるべき人たちの囚われたものの見方・考え方に起因していると言っても過言ではないでしょう。

かつて、問題の多かったソニー厚木工場の再建を託されてまったくの異業種から同工場長に就任し、見事再建を果たした小林茂氏(故人)は、当時を振り返って以下のように述べています。

「工場のことがまったくわからない私は、ひたすら工場の中を歩き回って、わからないことや疑問に思うことを聞き続けるしかなかった。しかし、先入観念がなかった分だけ、白紙の心で事実をありのままに見ることができ、問題解決の真因をつかみとることができた」

この発言は、変革成功の要諦を言い尽くしているように思われます。

私たちは何か問題にぶつかった時、とかく過去の経験や体験から、その問題解決のヒントを得ようとしがちですが、激変する現代の経営環境の下では、過去の成功パターンや常識が通用しない可能性が高まっています。こんな時代においては、むしろ過去の経験や常識をいったん捨て去り、ゼロベース思考でものごとをあるがままに見ることが重要になるようです。

松下幸之助の「素直な心」

かつて、IBMやGE、日産自動車などの変革を成功に導いたトップは、いずれも業種や国籍の異なる企業の出身者であったことからも、従来その組織で当然とされていた考え方や常識にとらわれない柔軟性が大切さであることがうかがい知れます。

松下幸之助は、「素直な心」という表現で、とらわれや偏りのない心の状態がいかに大切かを事あるごとに力説していましたが、同時にその境地に至る難しさも指摘しており、「だからこそ素直な心になろうと日々、自分に言い聞かせなくてはならない」と述べています。

さまざまな経験や学習を重ねて知識や知恵を蓄積する一方で、それらにとらわれず、時にはすべてを無にしてゼロベースでものごとを見ることができる心の融通性・柔軟性を確保する――。たいへん難しい課題ではありますが、そのことにチャレンジし続ける過程で、ものごとの実相を見抜く「眼力」や「叡智」が高まり、真のチェンジリーダーに向かって、少しずつ進化していけるのではないでしょうか。

イノベーションを推進するリーダーには学習棄却とゼロベース思考が求められる|PHP人材開発 から

2019年3月25日月曜日

記事紹介|不安は頭ではなく、行動することによってしか解消されない。

「小人閑居(かんきょ)して不善をなす」という『大学』の中の言葉がある。

ダメな人間は、暇をもてあますと、つい悪いことを考えたり、悪事に走りやすい。

誤解を恐れずに言えば、SNSなどでつっかかってくる人や、ネチネチと何日も苦情を言い立てるようなクレイマーは、暇な人間だ。

時間がたっぷりあるので、攻撃できる。

これは、心配事を抱えたり、不安になったりするのと同じで、暇だからそれを考える時間がある。

仕事や趣味に、没頭(ぼっとう)しているときには、不安など頭から消えている。

不安は人間だけが感じる感情だ。

明日がどうなるのか、明後日がどうなるのかを心配する。

しかし、動物は不安を感じない。

頭で考えないからだ。

不安は頭ではなく、行動することによってしか解消されない。

頭で悩めば悩むほど、不安は深まる。

「悩みは暇な人に降りてくる」

悩むのではなく、行動し続ける人でありたい。

悩みは暇な人に降りてくる|人の心に灯をともす から

2019年3月24日日曜日

記事紹介|物事は制限事項があるから面白い

自分が生まれてきた環境、生きてきた環境がすなわち自分の手持ちカード。

そのカードをどうやって活かして勝負をするかが、人生の醍醐味ということでしょう。

物事は制限事項があるから面白い。

俳句は文字数制限があるからこそ、短い言葉で読み手に無限の世界を提供できるほど洗練される。

建築も施工条件が付くから、その中で最大限に素材を活かすように工夫をするようになる。

何をしてもいいよ、というのが実は一番難しい。

Welcome 制約条件、不平等。

2019年3月23日土曜日

記事紹介|敗者だからこそ

勝者と敗者と二項対立で考えれば、優劣をつけやすいですが、視点を広く持てば、敗者になるということは、少なくとも同じステージに立とうと思って行動をしたからこその評価なのですね。

そうなると勝者と敗者はともに挑戦をした人、どちらでもない人は挑戦すらしていない人と言えるでしょう。

敗者だからこそ、当事者になるからこそ拾える真実もあるでしょう。

自分を鍛えてくれる教えにも出会えることでしょう。

Welcome 敗者。

敗者|今日の言葉 から

2019年3月22日金曜日

記事紹介|イチローの言葉

人より頑張ったとは言えませんが、自分なりに頑張ってきたとは言えると思います。イチロー


昨日引退試合と引退会見をしたイチロー選手。

会見で話していた言葉を少し引用します。

『努力を重ねて遠回りしなければ、本当の自分に出会えないと思います』

『心が折れそうになることもありました。でも仲間がいたから続けられました』

子供達へのメッセージとして、

『自分が熱中できるもの、夢中になれるものがあればそれに向かってエネルギーを注げる。それを早く見つけて欲しい。

それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも立ち向かうことができると思います。

自分に向くか向かないかではなく、色々なことにトライして自分が好きなものを見つけて欲しいと思います』

冒頭の「自分なりに頑張った」というのはとても重い言葉でしょう。

おそらく、自分に嘘をつかない、自分が今出来ることに挑戦し続けたということ。

イチローが語るからこそ、それぞれの言葉が生きていますね。

記事紹介|苦労が必ず将来に自身の成長の大きな糧となっている

「知能」でも「知識」でもない。これから求められるのは「知性」だ

これからの時代、社会人が身につけなければならないのは「真の知性」です。では、「知性」とはなにか。それを理解するためには、まず「知性」としばしば混同される「知能」、そして「知識」とのちがいを述べておきましょう。

よく「知性が高い人」とは「勉強ができる人」だと思われがちです。しかし、「勉強ができる人」とは「知能が高い人」なのです。「知能」とは、知能検査に象徴されるように「答えがある問題」を与えられたとき、早く正解にたどり着ける能力のことです。したがって、「知能」が高ければ大学受験では好成績を挙げ、有名大学にも進学できます。

一方、「知性」とはその正反対の能力のことです。すなわち、「答えのない問題」が与えられたとき、その問題を考え続ける能力のことです。たとえば、「企画力」には知性が求められます。企画を練るとき、誰かが正解を教えてくれるわけではありません。たとえば、商品企画を考えるとき、いまの時代になにが求められているのかは、わかるようで誰にもわからない。それでも、ヒット商品を生み出すために「多くの顧客が求めているものは、どのような商品だろうか」と考え続ける能力、その能力はまさに「知性」です。

また、「知能が高い人」と同様に「知識が豊富な人」も「知性が高い人」だと思われる傾向があります。しかし、どれほど記憶力が良く、物知りで、博覧強記であったとしても、それはただ頭のなかに多くの知識や情報が入っているだけのこと。むしろ、これからの時代には、書籍やウェブで学ぶことのできる知識よりも経験や体験を通じてしか学べない智恵の方が圧倒的に重要になっていきます。

そして、この知能と知識については、今後、人工知能が人間の能力を凌駕していきます。そのため、これからの時代はどれほど知能が高く知識が豊富であっても、「真の知性」を身につけていない人間は人工知能に仕事を奪われることになります。しかし幸い、「人工知能」は急速に発達していますが、「人工知性」というものはまだ生まれていません。したがって、これからは人工知能では置き換えることのできない知性を身につけた人間が活躍する時代になるのです。

イノベーションを起こすために必要な「7つの知性」

では、「真の知性」とはなにか。それは、ひとことでいえば「目の前の現実」を変革する力です。そもそも人間に知性が与えられたのは、われわれが生きている世界や社会を多くの人々が幸せに暮らせる世界や社会に変えていくためです。近年、イノベーションという言葉が頻繁に使われますが、そのイノベーションを起こすものも知性です。したがって、これからの社会で活躍したいビジネスパーソンは、この「目の前の現実を変革する知性」をこそ身につけなければなりません。

かつて、経済学者・カール・マルクスは「これまで哲学者たちは世界を解釈してきたに過ぎない。大切なことはそれを変革することである」という名言を残しました。まさにその通りです。世のなかには「評論家」という言葉がありますが、世界や社会の現状を解釈し評論するだけでは、決して世のなかを変えることはできません。われわれに求められるのは、その世のなかや社会を大きく変えていく知性であり、さまざまな分野でイノベーションを起こすことのできる知性なのです。

では、「目の前の現実を変革する知性」とはなにか。わたしは、それを7つのレベルの知性にわけて考えています。それは、「ビジョン」「思想」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つの知性です。

たとえば、経営やビジネスにおける「7つの知性」を考えてみましょう。まず、世のなかを変えるために、どのような事業を起こすかという「ビジョン」がなければなりません。しかし、ビジョンを描くためにはその前提に確固とした社会観や事業観、組織観や人間観などの「思想」が必要です。一方、さまざまな困難を超えてそのビジョンを実現していくためには、そのエネルギーを生み出す強い思いや「志」が必要です。

しかし、思いや志だけでは事業は実現できません。当然、もっとも効果的にその事業を実現するための「戦略」が求められます。さらに、この戦略を立てただけでは現実のビジネスは動きません。その戦略を実現するための具体的な「戦術」が不可欠です。戦術とは、抽象的な戦略思考ではなく、すべて具体的な企業名、組織名、役職名、個人名といった固有名詞を想定して考えるべきものです。たとえば、ある事業で「SNSを活用する」という戦略を立てたとします。しかし、その戦略を実現するためには、「SNSのなかでは、『YouTube』を使うのか『Facebook』を使うのか『Instagram』を使うのか、どのような人々に向けてメッセージを発信するのか、どのような具体的なメッセージを伝えるのか」といった戦術レベルでの思考が求められます。

そして、戦術が決まったならば、それを実行するために「技術」が求められます。どれほど具体的な戦術を立てたとしても、目の前のひとりの人間を納得させることのできる話術やプレゼン技術がなければなにも動きません。

そして、さらにどれほど優れた技術を身につけても、最後に問われるのは「人間力」です。しばしば、「あの人物は、口は達者だが、なにか信用できない」や「あの人物は、プレゼンはうまいが、どこか怪しげだ」といった評価を受ける人がいます。これは、話術やプレゼン術などの技術は優れていても、人間力が欠けているために相手の心が離れていくという人物です。その意味で、最後はこの「人間力」があるか否かが、目の前の現実を変えるために最も重要な条件になっていきます。

このように、分野を問わず職業を問わずこれからの時代に活躍したいのであれば、われわれはこれら「7つの知性」をバランス良く身につけていかなければなりません。そして、これらの知性は、いずれも、本来「経験」を通じてしか身につかないものです。特に、人間力はその最たるものです。職場や仕事において、さまざまな個性を持った人間を相手にして、「相手の気持ちがわからない」「相手に思いが伝わらない」と悩みながら悪戦苦闘する経験がなければ、決して身につくものではありません。いままさにそうした苦労をされている方々は、その苦労が必ず将来に自身の成長の大きな糧となっていることに気がつかれるでしょう。

“答えのない問題” をどう問い続けるか? 目の前の現実を変えるには「7つの知性」が必要だ|STUDY HACKER から

2019年3月21日木曜日

記事紹介|自分に毎日呼びかけてみる…「今、偉そうにしていないか?」と

哲学者の森信三氏にこんな言葉がある。

『そもそも一人の人間が、その人の真価より、はるかに低い地位に置かれていながら それに対して毫(ごう)も不満の意を表さず、忠実にその任を果たすというのが、 この「下座行(げざぎょう)」の真の起源と思われる』

『下座行とは、一応、社会的な上下階層の差を超えることを、体をもって身に体する「行」といえる。

例えば「高慢」というがごとき情念は、 自分の実力を真価以上に考えるところから生じる情念といってよかろうが、 もしその人に、何らかの程度でこの「下座行」的な体験があったとしたら、 その人は恐らく、高慢に陥ることを免れうるのではあるまいか。

人の師たる人はとりわけ、この下座の体験者であり、下座の行者であることが、 何より大事なことであることだけは、このわたくしにも納得せられます』

『「どうして先生は隠れた真人の発見者であり発掘者でいらっしゃるのですか」という問いに対して、 「それは舞台に立ってから眺めておるとわからぬのです。 同じ平面の平土間に立つと、よくものが見えるのです」 とおっしゃられました』(師教を仰ぐ・森先生に導かれて)より

「俺は(私は)こんなもんじゃない」「なぜもっと偶されないのだ」と、自尊心や高慢な心が芽生えたときに必要なのが「下座の心」。

神はしばしば、この「下座の心」を試される。

瑞巌(ずいがん)和尚は、毎日自分に向かって「主人公」と呼びかけ、自分で「ハイ」と返事をしていたという。

「はっきりと目を醒ましているか」「ハイ」

「これから先も人にだまされるなよ」「ハイ」

『自尊心をちょっとどこかへ隠す』

瑞巌和尚にならい、自分に毎日呼びかけてみる…

「今、偉そうにしていないか?」と。

下座行の実践をしたい。

自尊心をちょっとどこかへ隠す|人の心に灯をともす から

2019年3月20日水曜日

記事紹介|AI時代を生き抜く力

本格的なAI時代への突入を前に、今、注目を集めているのが「人間性の豊かな人、人格的に優れた人をいかに育てるか」という点です。特に、若手社員教育では「性格スキル」をどう育成するのかを考えておく必要があります。

AIに取って代わられる仕事、生き残る仕事

人工知能=AIの開発・実用化が進んでいます。今後、従来人が行ってきた仕事が徐々にAIに置き換わるなどして、産業構造が大きく変化すると予想されています。さまざまな業務において、人とコンピュータがどのように役割を分担し、共存していくのかが模索されているのです。

具体的には、どの職業がAIに取って代わられる可能性があるのか、あるいは今後も人が行っていくのかについて、さまざまな予測がなされています。なかでも野村総合研究所が、国内の601の職種を分析した結果がよく知られているので、かいつまんで紹介しておきましょう。まずAIが人に代わって行うようになるとされる職種として、一般経理事務員、受付係、クリーニング店員、建設作業員、自動車組立工、塗装工、スーパー店員、タクシー運転手、司法書士、公認会計士、弁理士、社会保険労務士などが挙げられています。今後も人が行っていく、人でなければできない職種としては、アートディレクター、インテリアコーディネーター、メイクアップアーティスト、ゲームクリエイター、テレビタレント、ミュージシャン、漫画家、美容師、保育士、経営コンサルタント、産業カウンセラー、中小企業診断士などが挙げられています。

両者を比較すると、AIに取って代わられるのは「課題解決型の業務」であり、人が引き続き行うのは「目標達成型の業務」といってもいいでしょう。過去のデータや実績に基づいて何らかの課題を解決していく仕事なのか、新しい目標を設定して無から有を生み出していく仕事なのか、という分け方です。AIといえども、コンピュータが無から有を創造することは難しいと考えられるからです。

「なぜ」を追究し、AIが苦手な「目標達成型人材」を育成

AIがこれから各業界に本格的に導入されていくなかで、特に若手社員の育成には注意を払わなければなりません。今後AIでも行えるようになる旧来のスキルを高めても、その能力そのものが無駄になってしまう可能性があるからです。AIに置き換えられない、人でなければできない仕事の取り組み方を身につけ、将来有用な人材を育てていくことが重要です。

上記の分析に基づけば、「目標達成型の業務」が遂行できるようになれば、その人材はAI導入後も活躍できるようになると考えられます。目標達成型の業務を行えるようになるには、まず「目標」そのものを発見する能力が必要です。目標を発見するためには、一つには、「なぜ?」を考える習慣をつけることが重要です。なぜその問題は発生したのか、なぜクレームがたびたび発生するのか、なぜその商品は市場に受け入れられなくなったのか、といったことを考え、追究し、原因を突き止めていくということです。原因は一つではないかもしれません。あるいは原因と思われた事象の奥に、さらに根本的な原因が潜んでいるかもしれません。それをとことん突き詰めていくことで、真の原因が判明します。真の原因が分かれば、問題の発生しない態勢づくり、クレームを未然に防ぐ対策づくり、新たに市場に受け入れられる商品づくり、といった目標を打ち立てることができます。

このように「なぜ?」をとことん追究していく姿勢、思考能力を鍛えていくことで、若手社員の「目標達成能力」は高まっていくでしょう。

「日々の創意工夫」がAI時代を生き抜くカギに

もう一つ、おそらくAIには難しいと思われる「仕事への取り組み方」を紹介しておきましょう。職種によっては、毎日「同じ業務」「同じ作業」を繰り返すような仕事があるかもしれません。もちろん、決められたマニュアルがあって、それに従って行わなければならない仕事であれば、結果的に「同じ業務」「同じ作業」を反復しなければならない面もあるでしょう。このような仕事は、いずれAIに取って代わられる可能性もあります。

しかし、同じ仕事を繰り返していくなかでも、毎日ほんの少しずつでも改良を加えることによって、より品質を高めたり、よりスピードを速めたり、より効率を高めたりしていくことはできます。既存の技術を転用して、新しい商品を開発できるかもしれません。このように「日々、創意工夫」していくことができるのは、人ならではの能力だといえます。たとえ1日に1つでも、何か新しいことを発見したり、工夫したりしていく習慣をつけることで、AIにはできない仕事ができるようになるわけです。こうした習慣を若手社員につけさせるようにすれば、やがてAI時代に生き残っていける会社へと成長できるはずです。

日々、創意工夫を行うためには、例えば一日の仕事を終えたあと、毎日業務日誌をつけるなどして、気づいたことを記録する習慣をつける方法もあります。また折々に、常に創意工夫を重ねる大切さを伝え、若手社員の意識に植えつけていくことも大切です。AI時代においても、若手社員が「人にしか思いつかない新しい工夫」を行い、日々改善を積み重ねることで、人ならではの役割を果たしていけるのではないでしょうか。

AI時代にこそ求められる「性格スキル」の5つの要素とは

将来、AI時代が本格的に到来したとしても、各種のビジネスにおいて、人対人で交渉が行われる場面がまったくなくなることはないでしょう。事業の種類や規模にもよりますが、人と人とが対面し、信頼関係を結んだうえで取引が進められることは、これから先も多いはずです。人と対面しないインターネットを通じた取引においても、広告の出し方やメールでのやり取り、納品する商品の梱包の仕方なども含めて、そこに「人間性」が垣間見えることがあります。メールの文言一つで相手に不快感を与えることもあれば、反対に、ちょっとした気遣いが伝わってファンになってもらえることもあります。
そこで重視されるのが、人間一人ひとりの「性格スキル」という要素です。米シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授らは、ビジネスパーソンに求められる「性格スキル」を研究しており、その内容は日本の経済産業省でも注目されています。
「性格スキル」は、次の5つの要素で構成されています。

(1)開放性=新しい経験に対して好奇心を抱き、前向きに受け入れる傾向のこと
(2)まじめさ=責任感が強く、勤勉で、粘り強く、サボったり手を抜いたりしないこと
(3)外交性=明るくて、社交性や積極性があること
(4)協調性=周囲の人たちとよい人間関係をつくり、快く協力したり相手に合わせたりできること
(5)精神的安定性=激昂したり消沈したりすることが少なく、常に穏やかな精神状態をキープできること

「性格スキル」を向上させることで、その人の人間性や人格を高めていくことができます。性格のよい人、人間性の豊かな人、人格的に優れた人は、周囲の人たちや取引先からも好かれ、信頼されるようになります。人として信頼されることで、ビジネスパーソンとしての評価が上がり、さらに成長していくことができます。もちろん企業の発展にも直結しています。こうした要素は、AIには求められないものといえるでしょう。

「まじめさ」と「協調性」

企業は、マンパワーの底上げを図る意味でも、若手社員や中堅社員に対して、「性格スキル」を向上させるような人材教育を検討していくべきだといえます。人間の基本的な性格は幼少期に形成されるものですが、実は青年期においても、さまざまな経験や学びを通して「性格スキル」を伸ばす可能性が十分にあります。
「性格スキル」の5つの要素の中でも、「まじめさ」と「協調性」は特に重要です。国内のある調査においても、「まじめさ」のポイントが高いと判定された人物は、低い人に比べて高学歴の傾向があり、社会人になってからも実績を残して高収入を得ているという統計が出ています。当たり前ですが、まじめな人は勉強も仕事もサボったりせず、常に努力し、何事も根気よく最後までやり抜きます。それがさまざまな面でよい結果を生み出すのです。
また企業や団体においては、複数の人間が一つの目標に向かって役割を分担したり、協力し合ったりしなければなりません。仕事を高いレベルで遂行していくには、高い「協調性」が必要です。そうした意味で、「まじめさ」と「協調性」が特に重視されるのです。

若手・中堅社員の「性格スキル」を高めるには

では、企業の人材育成において、この「性格スキル」は、どのようにすれば高めることができるでしょうか。
一つには「責任ある仕事を任せる」という方法があります。人は誰でも「任される」ことによって責任感が高まり、それをやり遂げようとして精一杯努力するものです。その過程で「まじめさ」が向上していくと考えられます。仕事を任せて結果が出たとき、上司がそれをきちんと認めて評価することも重要です。
また「協調性」を高める方法としては、「転勤」や他の部署への「配置換え」を行うのも有効でしょう。新しい職場で新たに人間関係を構築しながら、互いに協力して仕事を行うことで、「協調性」のスキルが向上します。
このように、今後、企業においては、若手・中堅社員の育成を考える際に、「性格スキル」を意図的に高めていくような取り組みに力を入れていくべきでしょう。AIに取って代わられることのない「人間力」を備えた人材が、これからの企業を牽引していくことは間違いありません。

AI時代突入を前に若手社員の5つの「性格スキル」をどう育成する?|PHP人材開発 から

2019年3月19日火曜日

記事紹介|自分が正しいと信じる未来を果敢に切り拓く

AI時代を生き抜く3原則

このように期待と不安が交錯するスリリングな時代を生き抜く上で、君たちの心に留めておいて欲しいことが3つあります。

まず何より重要なことは、自分にとって本当に幸せなこと、何にも代え難く大切なものとは何なのか、それがしっかりとわかっている自分でいることだと思います。

そのためには、常に自分の頭で物事を考え自分の心で感じ、自分なりの「価値観」を確立して行かなければなりません。

君自身の価値観、それこそが人生という大海原を進んで行く上での"羅針盤"となります。

正しい羅針盤さえ持っていれば、どんな荒波や強風が来ても、君たちは流されることなく自身の思い描く幸福という目的地に向かって力強く航海を続けることができるでしょう。

その次に大切なことは、過去を見据えながら未来を見晴るかす「イマジネーション」だと思います。

前にも述べた通り、ある問題を解決して便利になるということは、新たな問題が生まれることでもあるのです。

新しいアイディアや技術によってどのような未来がやって来るかを予見し、プラスの効果を最大に、マイナスの効果を最小にするよう考え行動することなしに、人が幸せにたどり着くことはできません。

そしてそうした予見できる力を培う上でも忘れてならない3点目が、自然や歴史へのリスペクト、「畏敬の念」です。

イノベーションを起こすような新たな技術やアイディアは、ともするとこれまで築いてきた人の営みを破壊し、自然の摂理まで侵してしまいます。

真の幸福とは何なのかという本質的な疑問を持つこともなく、イノベーション競争の勝利だけに血道をあげる人間の驕りは、必ずや大きなしっぺ返しを受け、人類の破滅を引き起こしかねません。

君たちが生きるこれからの時代をデザインし、思い通りの世の中へと作り上げて行くのは、誰でもない君たち自身です。

どうか天から与えられたその頭脳と心と身体を存分に使って、ワクワク、ドキドキを忘れずに、自分が正しいと信じる未来を果敢に切り拓いて行ってください。

AI時代を生きる君たちへ〜平成最後の卒業式を前に|ハフポスト から

2019年3月18日月曜日

記事紹介|時間の有効な使い方

オバマ前大統領には在任中、仕事用の「制服」があった。灰色か青色のスーツしか着なかったのだ。オバマはヴァニティ・フェア誌に対し、その理由は日々下さなければいけない決断を減らすためだったと語っている。

「私は決断する回数を減らそうとしている。食べるものや着るものについて、決断したくない。他に決断すべきことがあまりに多いから」

決断はどんなものでも多少の時間と精神的な努力が必要であり、政界や実業界の有力なリーダーたちは、自分の時間という最も貴重な資産を守る必要に迫られている。

世の経営者は、歴代大統領のユニークな働き方から多くのことを学べる。例えばルーズベルト元大統領は、その超人的な生産性で有名だった。朝食前に本を数冊完読していたとされ、自身の著作も50冊ある。

ルーズベルトは勉学でも優秀だったが、周囲よりも長く勉強しているようには見えなかった。その代わり、非常に短時間で集中して取り組み、またその間は妨げとなるものを全て締め出すことに長けていた。

雑音を締め出すのがうまかったのは、ルーズベルトだけではない。アイゼンハワー元大統領は1954年の演説で、「現代人のジレンマ」として、ノースウェスタン大学のJ・ロスコ―・ミラー学長による次の言葉を紹介した。「私には2種類の問題がある。緊急なものと重要なものだ。緊急なものは重要ではなく、重要なものは決して緊急ではない」

そしてアイゼンハワーは、効率性が向上する、シンプルな4つの四角形からなる表を作ったとされる。「アイゼンハワー・マトリクス」あるいは「緊急性・重要性マトリクス」と呼ばれるこの表では、やるべきことを全てリスト化し、ひとつずつ表に配置していく。これにより、忙しい人が最初に取り組むべきもの、他の人に任せるべきもの、時間の無駄になるものについて判断できる。ルールは次のとおりだ。

・緊急かつ重要:自分で今すぐ対応する
・重要だが、緊急ではない:自分でやるが、後回しにする
・緊急だが、重要ではない:他の人に任せる
・緊急でも重要でもない:排除する

この方法が効果的な理由は、緊急の仕事によって重要な仕事が後回しになってしまうことが非常に多いからだ。やることリストを徹底的に見直し、行動に移す前にストレステストにかければ、意味のない仕事や、他の人が(もしかしたら自分よりうまく)できる仕事で自分の時間を無駄にせずにすむ。

人は自然と、緊急の仕事に真っ先に着手し、その後は、一つ終わるたびにちょっとした満足感を得られるようなこまごまとした仕事に取り組みたくなってしまう。だがこのやり方では、複雑であることが多い重要なタスクから気がそれてしまう。

その理由の一つは、起業家の多くが、自分は何に時間を費やすべきで、何が時間の無駄なのかをほとんど分かっていないことにある。スタートアップ経営者から私が最も頻繁に受ける質問は、「自分は何に取り組んだらいいのか?」というものだ。

職務内容を書き出す

生産性を高めるために最適なエクササイズの一つに、自分の職務内容を書き出すことがある。起業家の中には、これを一度もしたことがない人もいるだろう。

米大統領の職務内容は、(少なくとも名目上は)並外れたもので、外交官、儀典長、最高行政官、自政党の指導者、全国民の代表、公共政策立案者、軍最高司令官を同時に担っている。また、その合間にわずかばかりの私生活も確保しなければならない。

一方、私のような新興企業経営者の職務内容はおおむね以下のようになるだろう。

・成長戦略(計画と実行)
・採用と人材保持の改善
・チームの主要メンバーと時間を過ごす
・成功の妨げとなる複雑な問題の解決

アイゼンハワーのテクニックと同様、この職務内容から外れるタスクは全て委託するか、緊急でも重要でもないものについては排除すべきだ。あなたは米大統領ではないかもしれないが、可能な限りの規律をもって自分の時間を大切にする必要がある。

米国の歴代大統領に学ぶ、時間の有効な使い方|Forbes JAPAN から

2019年3月17日日曜日

ニュースクリップ 2019.03.11 - 03.17

約1週間の主な大学関係ニュースをピックアップしました。


《政策動向》

今後の科学コミュニケーションのあり方について|文部科学省


《経 営》

裏切られても信じ切る、金八先生に学ぶ部下育成の極意 「驚かせたい」意欲を引き出す「期待しない」育成法|JBpress

新人に対して、「怒る」「叱る」に代わる効果的な指導法とは?|ダイヤモンド・オンライン

ペーパーレス化がもたらす真のメリットや可能性を企業へ、社会へ|プレジデントオンライン

ネーミングライツ:神戸大フリールーム 辰巳商会に命名権|毎日新聞

神戸大学とNTTデータがネーミングライツに関する協定を更新しました|神戸大学

多忙な経営者がメールで守る"3つの原則"|プレジデントオンライン

学校と家庭のやり取り機械化する新システム試験導入|NHK

日野市が職員による職員のための職員手帳「絶対に人に見せてはいけない職員手帳」を制作|Glocal Mission Times

10連休、大学は「カヤの外」? 日程ずらせず7日間授業も|毎日新聞

大学の多くは20年後にはなくなるのではないか?|NUPSパンダのブログ


《研 究》

私学事業団が奨励金創設 若手・女性の挑戦的研究に|日本経済新聞

日本の大学はなぜ変われないのか…「研究力」という言葉への違和感|現代ビジネス

4歳の子供を連れて学会に参加してみた


《産学連携・ベンチャー》

「名古屋⼤学・東海地区⼤学広域ベンチャー2号投資事業組合」の創設について|三重大学

AI、産学官で「教え合い」 経産省が学校たちあげ|日本経済新聞


《教 育》

東京都教育委員会と東京農工大学が連携、高校から研究者育成|大学ジャーナルオンライン

授業をなめるトップアスリート 問われ始めた学業軽視|朝日新聞デジタル

加速する中国のAI教育 国内大学に約400の学科・専攻を新設|Forbes JAPAN


《入 試》

長崎大学 入試の小論文で解答例も配る 受験生に謝罪し再試験|NHK


《学 生》

高等教育の負担減免する法案 衆院で審議入り 参院では論戦続く|NHK

学生バイト増の理由は生活苦か、就活の好調か 国会論争で「認識の断絶」浮き彫り|J-CASTニュース

政府、奨学金の保証人制度の廃止検討 慎重論も|毎日新聞-Yahoo!ニュース

(異議あり)大学無償化、現役世代の格差助長 日本社会を分析してきた学者、吉川徹さん|朝日新聞デジタル


《就 職》

学業欄はどこまで書く? エントリーシートの5大疑問|NIKKEI STYLE


《働き方改革》

パフォーマンス・生産性が上がるオフィスの新常識「ABW」とは?|日経ビジネス

組織の生産性向上を促す 働き方改革の新常識「職場の基礎代謝」とは|人事ONLINE


《その他》

ダウンロード規制見送り 著作権法改正案提出せず|日本経済新聞

行政手続きデジタル化 通知カード廃止、閣議決定へ|日本経済新聞

正しいコスト感を身につけること|星野マリエのスピーチ

時代が変わる、男女らしさの壁を越えていけ|ボイス・オブ・ユースJAPAN

★ピエール瀧さんの薬物使用報道について一言【せやろがいおじさん】

記事紹介|リーダーは問題解決を図り、アジテーターは問題対処に終始する

リーダーとアジテーターの4つの違い

組織において、「人を動かす」人にリーダーとアジテーターがいるというのは前回「組織におけるリーダーとアジテーターの違い」で述べて通りですが、この2者には下記のような違いがあります。

【リーダーとアジテーターの4つの違い】
1.リーダーは勇気や希望で先導し、アジテーターは恐怖や怒りで扇動する
2.リーダーは問題解決を図り、アジテーターは問題対処に終始する
3.リーダーは共通の仲間をつくり、アジテーターは共通の敵をつくる
4.リーダーは仲間を主役にし、アジテーターは自分を主役にする

今回は、4つの違いのうち「2.リーダーは問題解決を図り、アジテーターは問題対処に終始する」について、具体的に話をしていきます。

2.リーダーは問題解決を図り、アジテーターは問題対処に終始する

組織の仕事には課題や問題の発生は付きものであり、どのような組織であってもその組織に応じた問題が発生します。問題を抱えていない組織など、一つもありません。

組織に発生する問題とは、見方を変えると「その組織が成長するタイミングであることを知らせるサイン」であると言えます。これはどういうことかというと、そもそも問題というものには

・何かを達成するその道すがらにおいて、今の自分たちの実力では乗り越えることのできない壁
・その壁を乗り越えることができなければ、達成したい何か、を得ることはできない
・その壁としっかり向き合い乗り越える工夫や努力をすると、その壁の高さに応じた成長が訪れる

という本質があります。そして、リーダーはその本質に気づいて、組織に対してリーダーシップを発揮するのに対し、アジテーターはその本質に気づかず、組織をアジテート(扇動)しようとするのです。

リーダーのいる組織は、問題解決を通して成長を積み重ねる

ドイツ生まれの物理学者、アルベルト・アインシュタインは問題というものの本質について次のような言葉を残しています。

「われわれが直面する重大な問題というものは、その問題を起こした時と同じ思考では解決できない」

アインシュタインは物理学者であったため「思考」と表現をしましたが、問題の解決には思考を含めた能力全般が必要です。つまり問題というものには、組織が目指している物事の達成だけではなく、組織の成長の種が埋まっているということなのです。

リーダーはそのことをしっかりと理解しているので、仕事で発生する問題に対して表面的な対処で済ませるようなことはしません。組織のメンバーと共に根本的な解決を図り、仕事の成果だけではなく、組織の成長をも得ています。(根本的な解決とは、「同様の問題が発生しない状態になること」「類似の問題が発生しても、組織のメンバーが過去の経験を応用・工夫し、自力で十分に解決できる状態になること」です。)

アジテーターのいる組織には、大きな成長はない

リーダーはその「問題の本質」をしっかりと組織のメンバーに伝え、問題に対する心身の向き合い方を組織全体で統一しています。では、一方のアジテーターはどうかというと、問題を対処で済ませようとします。対処とはつまるところ、「その場しのぎ」です。

たとえば、花壇に植えた花が枯れてしまったとします。対処的な対応とは、その原因を調べようとせず新しい花を植え直す、といった感じです。花が枯れた原因は、肥料のやりすぎかもしれませんし、水不足かもしれませんし、害虫の仕業かもしれません。問題の根本を探すことをせずに、その場しのぎの対処に明け暮れても、問題が解決していなければきっとまた花壇の花は枯れてしまいます。

その様な感じで、アジテーターは問題の本質に気がついていないため、問題のことをただの厄介事と捉えています。どのようなカタチでもよいので、できるだけ早くその問題から離れるように、組織のメンバーに指示命令を下します。まさに、臭いものには蓋をするという思考です。

しかし、そこには組織の成長はありません。組織は同じ所でずっと停滞をしているため、アジテーターの指揮する組織では、いつまで経ってもより良い仕事の成果に結びつくこともなく、より高度な次元の仕事と向き合うこともないのです。

成長する組織のリーダーは、問題解決にどう取り組むのか?|PHP人材開発 から

2019年3月16日土曜日

記事紹介|一利を興すは一害を除くに如かず。一事を生むは一事を減らすに如かず

いま日本には、政治を筆頭に行政でも経済でも教育でも、あらゆる分野で「変革」の言葉が踊っています。

時代が大きく転換しようとしているのです。

それを感じ取っているからこそ、「変革」の叫び声がさまざまなところで高くなるのは当然と言えます。

しかし、どうでしょう。

ちょっと大雑把な言い方になるかもしれませんが、いま行われようとしている変革がバナナの叩き売りのように感じられるのは、私だけでしょうか。

何でもかんでも思いつくままに手を出して、どれもがはかばかしい成果を見ない。

あるいは中途半端な結果に終わってしまう。

そいういうものが多すぎるように思います。

改革といっても、やり方は一様ではありません。

日本は民度が高く、あらゆる分野が整っています。

そこにはいいものがたくさんあります。

あらゆるものが未発達未整備な開発途上国を改革するのとは訳が違うのです。

ほとんどのものが整っているという状況の中でやっていくのが、日本の改革なのです。

とすれば、この状況の中でやる改革のやり方というものがあるはずです。

耶律楚材(やりつそざい)はチンギスハンに重用され、モンゴル民族の政権である元の中国大陸支配の基礎を築いた重臣です。

それまで中国大陸支配に君臨していたのは漢民族です。

漢民族は当時の世界でトップクラスの文化文明を備えていました。

文化文明の点ではモンゴル民族よりはるかに上でした。

そこに入っていってモンゴル民族の権力基盤を揺るぎないものにするには、それに対応したやり方をしなければなりません。

耶律楚材はそのやり方を明快な言葉に残しています。

「一利を興すは一害を除くに如かず。一事を生むは一事を減らすに如かず」

無闇に新しいものを始めるのではなく、まず害になるものを除くことを優先させたのです。

民度が高く、ほとんどのものが揃い、整備されている日本では、何か新しいことを始めようとすると、それと重なるものが必ず妨げる力となって働きます。

だから、まず初めに妨げる力となるものを取り除いてします。

そののちに新しいことを始める。

民間主導型の活性化を目指す構造改革は、硬直した制度を取り除く規制撤廃の具体化がその骨子です。

その後、新しいルールを作ることも大事です。

改革とは派手なパフォーマンスを打ち上げて、耳目を集めることだけではありません。

肝心なのは実を上げることなのです。

実を上げない改革など意味がありません。

そのためにも、一害を除いて一利を興す、一事を減らして一事を始める、そういう着実な歩みが、いまの改革にはもっと求められるものなのではないでしょうか。

変革は、まず初めに一害を除き、一事を減らすことから始まる|人の心に灯をともす から

2019年3月15日金曜日

記事紹介|為すべきは人にあり、成るべきは天にあり

為すべきは人にあり、成るべきは天にあり。杉田 玄白(蘭学者)

意味は、努力もせずに良い結果だけを神頼みしても報われないということでしょう。

「人事を尽くして天命を待つ」という諺にも通じる言葉でしょう。

または、上杉鷹山の『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』という言葉同様、まずは人の努力が結果に先んじるということ。

しかしもう一歩いえば、

努力をしたからといっても必ず報われるかどうかは分からない

というメッセージでもあるのでしょう。

だから、プロセスを自らコントロールすることが必要なのですね。

為す|今日の言葉 から

2019年3月14日木曜日

記事紹介|何もしないということは、後退していること

「せめて私ぐらいは」と実践を始めた諸君は、みんなから冷ややかな目で見られるかもしれません。

「あんなことをしても、そのうち止めるよ。続くはずがない」

そんな目が、あなたに向くのです。

そこを超えられるかどうかは、あなたの学びが本物であったかどうかの、試験です。


「せめて私くらいは」と始めることと、「私なんかが何かしても」と何もしないのでは、その結果は数年後に大きな差となって現れてくる。

微差力を大事にすることで、自分自身の変化が生まれてくるのです。

何もしないということは、リスクがない代わりに成功もないと思われがちですが、実は何もしないということは、後退していることなのです。

成功もないだけではなく、リスクも積み上げていることになる。

難もなくやり遂げられたことと、難を乗り越えてやり遂げたことでは、後者の方がのちに振り返って人に話す時に、面白く、人に勇気を与える話になる。

人生はそうやって一つ一つの課題をクリアして、物事を得ていくようになっているのでしょう。

そのスタートラインに立つかどうかはいつも自分次第ですね。

実践と継続|今日の言葉 から

2019年3月13日水曜日

記事紹介|当たり前をやめる覚悟を持つ

インターネットをはじめとするデジタル革命によって、様々な業界で大変革が起きている。

そして、今ある多くの仕事や職業がなくなろうとしている。

日本は、平成元年、世界の時価総額ランキング上位50社のうち32社が入っていた。

しかし、30年経った今は、たった1社しか入っていない。

GAFAと呼ばれる、Google、Apple、Facebook、Amazonをはじめとする多くの新興企業が台頭してきたからだ。

日本ではこの平成30年の間、世界で活躍する企業が一社も育たなかったということだ。

その大きな原因の一つは、日本の教育にあると言われている。

覚えること、記憶することを主とした教育は、創造性や独創性や自主性を育てなかった。

つまり、「自律」するための教育がおろそかにされてきたのだ。

何かを変えようとすると決まって、旧勢力から反対される。

それを変えていくには、すさまじいエネルギーと覚悟がいる。

そして、多くの人は、その壁の前で撃沈し、昨日と同じ今日を続けることになる。

『学校の「当たり前」をやめた』

自分も社会も組織において…

「当たり前」をやめる覚悟を持てる人でありたい。

学校の「当たり前」をやめた|人の心に灯をともす から

2019年3月12日火曜日

記事紹介|自分との約束を守る

人がどんな人間かっていうのは、人が見ているところで見える姿ではなくて、人の見えないところでどんな自分であるかということが、その人であるのかなという気がします。

自分一人で頑張らなきゃいけないときに頑張るというのは力がいるし、難しいことなんですね。

だから、常に自分に自分はどうなんだということを問うというか、そんな人間、大人になってほしい。

イチロー


昨年12月に行われたイチロー杯争奪学童軟式野球大会で、イチローが子供達に語った言葉です。

他の人から見えないところでも、努力を重ねたり、正しいと思うことを貫けるかどうか。

それはまさに昨年のイチロー自身のメジャーリーグにおける立場とも重なるのでしょう。

一人だったら、手を抜くこともできるでしょう。

でもその結果の影響を受けるのも自分であり、また、「自分」を「信」じられるかどうかで、「自信」を持てるかどうかにも関わってくるのだと思います。

それは自分との約束を守るということ。

他の人は見ていなくても、自分自身が見ている、お天道様だって見ているという思いが、自分を創っていくのでしょう。

本当の自分|今日の言葉 から

2019年3月11日月曜日

記事紹介|立ち上がる

打ちのめされたとしても、あなたはそのとき世間が思っているほどまぬけではないということを認識してほしい。

打ちのめされたとき大事なのは、立ち上がってほこりを払い、もっと強くバットを振ることだ。

スコット・ギャロウェイ


失敗しても、戦いに負けても、思い通りにならなくても、自分自身を否定する必要はない。

その時、うまくいかない方法だったり、タイミングだったり、心の持ちようだったりしただけで、あなたの全てが否定された訳ではないのですから。

挑戦する気持ちを忘れずに、もう一度立ち上がれば、今度はまた違った景色が見えてくることでしょう。

「生まれ変わるなら、行きているうちに」が鉄則ですよ。

諦めない|今日の言葉 から

2019年3月10日日曜日

ニュースクリップ 2019.03.01 - 03.10

約1週間の主な大学関係ニュースをピックアップしました。

《経 営》

混乱にみち、根拠なき最近の高等教育政策|アルカディア学報

運営・教育と研究の一体改革 大学人も含め誰もが納得の連動策へ|日刊工業新聞

静大、浜松医大統合 新法人名固まる|中日新聞

私立大学改革支援事業、東京都市大学など278校に|大学ジャーナルオンライン

文部科学省の私立大学支援事業、汚職事件で支援期間を短縮|大学ジャーナルオンライン

財務省から科学技術・イノベーション政策について聞く|経団連タイムス

財務省幹部が言う国公立大学「生産性低下説」に根拠はあるか|マネー現代

「教学IR」は万能か? 困難を極める大学教育の評価 「IR」は大学改革の切り札になるか|JBpress

大学を強くする「大学経営改革」 地域の持続可能性と大学の果たす役割 吉武博通|カレッジマネジメント

記事紹介 一流の研究者・教育者が、優れた経営者になれるとは限らない|大学サラリーマン日記


《研 究》

科学論文を出版するエルゼビアとの購読契約を完全に打ち切ったとカリフォルニア大学が発表|GIGAZINE

手術が苦手で逃げ出した、鬱病にもなった - ノーベル賞・山中伸弥氏が高校生に贈った言葉は「人間万事塞翁が馬」|ログミーBiz

ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅氏「視野の狭い研究者ほど客観指標に依存する」|日刊工業新聞


《産学連携・ベンチャー》

8大学と産総研参加のもと第3回東大・経団連ベンチャー協創会議総会を開催|経団連タイムス


《教 育》

大学改革支援・学位授与機構とJABEEの相互協力に関する申合せ|一般社団法人 日本技術者教育認定機構


《学 生》

大学入学までにやってみても良いこと|発声練習


《就 職》

最新版「就職に力を入れている大学」ランキング|東洋経済オンライン


《国 際》

カレッジマネジメント【215】Mar.-Apr.2019「高等教育の国際展開」|リクルート進学総研

海外留学、2週間未満が急増 就活を気にして長期は敬遠|朝日新聞


《その他》

成功に大卒である必要はない ティム・クック|BUSINESS INSIDER JAPAN

★トイレで長時間スマホいじる奴に一言【せやろがいおじさん】

記事紹介|一流の研究者・教育者が、優れた経営者になれるとは限らない

大学は社会からの期待に応えるために、一層の改革が求められており、中でも学長のリーダーシップに対する期待は大きい。近年、学校教育法改正などの制度見直しで学長の権限は大きくなり、同時に責任も一層重くなったのに、大学関係者の間では「学長を中心とする大学経営人材が育っていない」という見方が多い。

欧米諸国では大学の管理職は大学経営に関する教育研修を受けてから就任するのが一般的だ。だが、日本では研修の受講率も高くないし、受講しても大学団体などが主催する半日程度の研修がせいぜい。内容も文部科学行政の解説や個別大学の事例発表などを聞くインプット型が中心である。

東京大学が2015年に実施した「大学上級管理職調査」では、学長は他の大学上級管理職と比べて業務の範囲が広く、業務に必要な能力も多様で、極めて困難な仕事に取り組む専門職であることが再確認できた。学長の多くは、学部長や副学長などの学内役職を経て就任しているが、学内役職経験の有無と学長としての職務遂行力の間に明確な関連もみられない。

こうした結果から、日本でも学長などの大学経営人材の育成に真剣に取り組まなければならないと考えるようになった。「学長を育てる」というとおこがましく聞こえるかもしれないが、実際に多くの学長と接すると、それが切実に求められていることを実感する。

学長人材育成が最も進んでいる米国では、実践者によるノウハウの蓄積をもとに実践へのヒント集のような本も多く出版され、様々な研修の機会も多い。参考になる視点は多いが、日米では意思決定と執行の仕組みが異なるため、そのまま参考にできない点も多い。日本の実情に合ったヒント集の作成や研修の充実が急務であり、それには少なくとも3つの課題があると考える。

第1は優れた学長人材がどのような点を重視して経営しているのか、また彼らがどのように育ってきたのかという経験知を集積すること。第2は初任者の学長が大学を経営していくうえで、どのような困難に直面し、悩んでいるのかを把握すること。第3はそうした悩みを共有し、ヒントを得ることができる相互研さんの場を増やし、ネットワーキングの支援をして、その効果を検証していくこと――である。

それでも、近年の国公立大学は参加者同士の意見交換を取り入れた研修が増加傾向にある。気になるのは私立大学で、制度的に多様なガバナンス形態が認められていることや、理事長との関係によって学長の役割が変わることもあり、国公立ほどに変化は見られない。従来型のインプット型研修にも一定の意義と役割はあるが、アウトプット型研修への潜在需要は根強いはずだ。

第1の課題について、経営手腕に定評がある学長十数人に対するインタビュー調査を行った結果、共通性や個別性が見えてきた。共通点は大きく2つある。

1つは、教職員の理解や協力を引き出す工夫で、「自分の考えを正確にわかりやすく伝える能力」「教職員と丁寧に、真剣に話を聞くこと・誠実さ」「データでの説得・エビデンスの重要性」などである。

もう1つは、ビジョンや目標を示して組織を引っ張る能力で、「優れた提案力」「やると決めたらやり抜く強い覚悟・ぶれないことの大切さ」「理念や大きな方向を示して、賛同を得ておく」「他の執行部との関係づくり」「教職協働・職員の経営参画の重要さ」などである。

優れた学長たちは機会をとらえて、大学経営や高等教育政策を相当勉強しており、そのことが学長職を務めるうえで重要なこともわかった。

問題は第2、第3の課題である。そこで筆者が所属する東京大学の大学経営・政策コースは18年末、日本私立学校振興・共済事業団、日本私立大学連盟、日本私立大学協会の後援を得て、半日の初任者学長セミナーを試行的に実施した。

セミナーは、関西学院大学の村田治学長(中央教育審議会委員、私大連副会長)による基調講演の後、現職学長5人がアドバイザーとして参加、班別に分かれた受講者と意見交換をする形で進めた。いずれの班でも、初任者学長が直面している悩みをリラックスした様子で語り、アドバイザーを含めた活発で自由な意見交換が行われた。

受講対象を就任1年未満の初任者学長と学長就任予定者として、全国の私立大学・短期大学に定員20人で呼びかけたところ、募集開始から数日で定員に達し、その後も「ぜひ参加したい」という声が続いたため、急きょ30人(うち就任予定者10人)に定員を増やした。私立大学の学長は、理事長と兼任型、別人型があるが、今回の受講者は全員が別人型であった。

セミナーの実施で初任者学長、特に別人型の学長の間でアウトプット型研修のニーズが極めて高いことが裏付けられた。ただ、あくまでもこれは試行であり、一大学が単発でできることは限られる。学長人材の育成は日本の大学全体の課題だという発想を行政も社会も大学界も共有し、継続的で組織的な実践につなげることが重要である。

それがなくては、学長職は責任が重いだけの損な役回りとして忌避され、学長のリーダーシップに基づく大学改革という政策が砂上の楼閣になってしまうだろう。

大学文化の理解、実行力が不可欠

大学のガバナンス改革では常に学長のリーダーシップが議論され、権限強化が図られてきた。学長選挙が目の敵にされるのも、「学内の人気投票で選ばれた学長では痛みを伴う改革は断行できない」という指摘が根強いからだ。

だが、制度改正でいくら学長権限を強めても、学長自身が大学経営に関する深い理解と実行能力がなければ、リーダーシップは発揮できない。

一流の研究者・教育者が、優れた経営者になれるとは限らない。企業のように早くから将来の幹部候補を絞り込み、"帝王学"を学ばせることが難しい以上、大学の文化に合った経営人材育成法の確立が必要だ。

学長人材の育成、経営ノウハウ共有が急務|日本経済新聞 から