2021年6月30日水曜日

コロナ関連情報 2021/06/30

1日のワクチン接種回数 想定上回る 調整必要 河野規制改革相|NHKニュース

申請の受け付けを一時休止している職域接種について、河野大臣は、割りふられた3300万回分のうち、600万回分を大学での接種に充てるとしたうえで「職域接種は配送の限界にきていて、さまざまな調整をしており、今週中には、何らかの方針を示したい」と述べました。

重要なお知らせ:職域接種用の7月5日週のワクチン納品量の決定方法について|厚生労働省.pdf

新型コロナウイルスワクチン職域(学内)接種について|大阪大学

ワクチン接種に関する地域自治体の負担を軽減し、国民全体のワクチン接種の加速化に貢献するため、本学キャンパスで学ぶ方、勤務する方を広く対象として、ワクチン接種希望者に対して7月2日(金)から下記の通り接種を開始します。
なお、体質や持病などの理由で接種できない方や接種後の副反応が起こるリスクもあるため、接種を受けることは強制ではありません。接種を受けるかどうかは個人の自由意志によります。 
また、接種を希望しない方が接種の強制や不利益を受けることのないよう、十分なご配慮をお願いします。

新型コロナワクチン接種(大学拠点接種)に関するお知らせ|名古屋大学

学生及び教職員等を対象とする大学拠点接種について、下記のとおり実施します。接種の希望者は、後日お知らせするWEB予約システムからお申し込みください。

新型コロナワクチン接種(大学拠点接種)を開始しました|徳島大学

6月21日(月)から大塚講堂(蔵本キャンパス)において新型コロナワクチン接種(大学拠点接種)を開始しました。

6月は接種を希望している教職員を対象としており、初週は特に大きな混乱もなく、順調にワクチン接種を進めることができました。

今後、会場運営やワクチン接種後のケアをしっかりと確認したうえで、7月1日から本学学生のほか、鳴門教育大学の学生・教職員を対象としたワクチン接種を開始する予定です。

また、徳島県により実施されている新型コロナワクチン大規模集団接種に対する医師及び看護学生の派遣も引き続き行います。

本学一同、新型コロナワクチン接種に関する地域の負担軽減と感染症の収束に貢献できるよう、自治体と協力して取り組んで参ります。

新型コロナウイルスワクチン職域接種について|長崎大学

長崎大学で行われる職域接種にてワクチンを接種する場合は、以下の予診票を使用してください。

ワクチン接種後の熱・痛みに使える市販薬を公表 厚労省|朝日新聞デジタル

厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチン接種後に発熱や痛みがあった場合に使える市販薬の紹介を、ホームページで始めた。一部の解熱鎮痛薬が品薄になっており、ほかにも効果がある市販薬があることを示した。全国のドラッグストアの団体などにも通知した。

解熱鎮痛薬として使える市販薬は、子どもや妊婦にも使えるアセトアミノフェンがメディアなどで紹介されることが多く、需要が集中していた。厚労省は非ステロイド性抗炎症薬のイブプロフェンやロキソプロフェンも使えると紹介した。

“コロナ抗原検査キット 職場でも積極的な活用を” 西村大臣|NHKニュース

西村経済再生担当大臣は、高齢者施設などに配布している新型コロナウイルスの抗原検査キットについて、大学や高校などにも80万回分を配布する方向で調整を急ぐ考えを示しました。

そのうえで、感染者を早期に見つけられるよう、職場でも、医療機関と提携し、検査方法を習得した人が立ち会うなどの条件のもとで、抗原検査キットを使用できるようにしたとして「密になりがちな近い距離で作業する現場や、共同生活をすることもある業態や業種はぜひ活用してほしい」と述べ、積極的な活用を呼びかけました。

“もう少し遅かったらやばかった” アレルギーとワクチン接種|NHKニュース

アレルギーがある人は、新型コロナウイルスのワクチンを接種しても大丈夫なの? 万が一、接種後に重いアレルギー症状、アナフィラキシーが起きたらどう対処したらいいのか。その疑問、調べました。

コロナ禍での学生への経済援助 日本私立大学連盟が報告書|大学ジャーナルオンライン

遠隔講義を受ける環境を整えるための支援は、通信機器の貸出・給付や給付金・支援金の一律支給など約9割(89%)の大学が実施しており、春学期に困窮学生等支援があった大学は、83%(104校)だった。

学費の減額や一部返金をした大学は5校。内容はスクールバス維持費の春学期分を秋学期分に振り替え、施設拡充費の5万円減額、実験実習費の4割減免など。学生数が1万人を超すマンモス校では実施されず、大学の所在地では大きな差が見られなかった。

集客回復のきっかけに 関西大学がワクチン接種の学生に商店街のクーポン配布|大学ジャーナルオンライン

関西大学によると、クーポン券は500円券で、ワクチンの第1回接種時に配布する。費用は学生の保護者会に当たる教育後援会が負担する。クーポン券には2回目の購入の際に使用できるセカンドクーポンの50円券がついており、セカンドクーポンの費用は関大前商店会の負担となる。

関西大学は全学で学部学生、大学院生ら約3万人の学生が学んでいる。新型コロナの感染拡大前は阪急関大前駅から大学までの間に約50の店舗が並ぶ関大前商店会が大勢の学生でにぎわっていた。しかし、感染拡大に伴い、オンライン授業への転換などから通学する学生が減ったほか、感染対策で外食を避ける学生も増えたため、関大前商店会の加盟店が大打撃を受けている。

2021年6月29日火曜日

コロナ関連情報 2021/06/29

 ★文科省、大学拠点接種には学生アルバイト活用を|リシード

大学拠点接種では、各大学等が自大学等の教職員・学生等へのワクチン接種だけでなく、地域における教育関係者や学生等へのワクチン接種の拠点となることを目指している。

大学拠点接種を実施するにあたって、ワクチン接種は本人の希望に基づくことが大前提とし、周囲の圧力で接種が強制されることや、接種の有無で不当な扱いがなされることがないよう、適切な対応と教職員・学生等への周知を求めた。ワクチン接種前に、被接種者本人に対してワクチンの効果や副反応に関する説明を適切に実施するようお願いしている。

また、現在の学生等の経済状況を鑑み、ワクチン接種に必要な業務について、学生をアルバイトとして活用すること等の配慮をお願いした。

埼玉県、学生アルバイト採用で県内大学7校と協定締結|大学ジャーナルオンライン

埼玉県はコロナ禍に苦しむ学生のアルバイト先確保を目指し、日本薬科大学など県内大学7校と新たに協定を結んだ。既に包括協定を結んでいる埼玉大学を含めた8校の学生を県の新型コロナウイルスワクチン接種会場で補助業務員として積極採用する。

埼玉県によると、6月16日現在、新たに協定を結んだのは日本薬科大学のほか、浦和大学、日本工業大学、十文字学園女子大学、埼玉工業大学、埼玉東萌短期大学、城西大学。県の委託事業などの人材確保、アルバイト収入が減少した学生の支援、学生の就業体験促進などが内容で、新型コロナワクチン接種会場での補助業務、飲食店などに対する協力金審査の補助業務などに学生を積極的に活用するとしている。

(関連)埼玉県は県内大学とコロナ禍における学生アルバイトに関して協定を締結します|埼玉県

文科省、留学予定者に対するワクチン接種会場一覧を公開|リセマム

今夏に渡航を控える留学予定者が、ワクチン接種を理由に留学を断念し、貴重なチャンスを失うことがないよう、文部科学省は渡航先でワクチン接種が必要とされている海外留学予定者に対して、大学拠点接種の枠組みの中で接種を受けられるよう支援する仕組みを作った。

留学予定者ワクチン接種支援事業接種会場一覧によると、6月25日午後4時現在、22校の接種開始・予約受付開始期日が確定。北海道医療大学、東北大学、慶應義塾大学、大和大学、藤田医科大学、長崎国際大学、京都先端科学大学、近畿大学、鹿児島大学の9校では、接種・予約受付とも開始している。具体的な接種日は申請者と接種会場とのやり取りで決定するという。

九州大学、日本医科大学、秋田大学、東邦大学は接種開始または予約受付開始日が予定となっている。九州大学は接種開始が6月29日の予定、予約受付開始は調整中。

弘前大学の学生・教職員を対象としたワクチン接種がスタート|弘前大学

弘前大学は、2021(令和3)年6月27日(日)、学生・教職員を対象とした新型コロナウイルスワクチンの一括接種を開始しました。

対象となるのは弘前大学の学生・教職員の希望者で、オンラインシステムで事前予約をした約6,500人。ワクチンの打ち手は弘前大学医学部附属病院の医師や看護師、医学部の教員が担当します。また、会場では学生アルバイトも誘導の業務にあたりました。

初日は約700名が会場の大学会館(文京町キャンパス)を訪れ、ワクチンを接種しました。

弘前大学では、「大学コンソーシアム学都ひろさき」の市内4つの大学についても接種を実施することを想定しており、1回目は7月11日(日)以降、2回目は8月8日(日)以降に実施する予定で調整を進めています。

2021年6月28日月曜日

コロナ関連情報 2021/06/28

ワクチン職域接種 一時休止 河野大臣 来週中に考え方示す方針|NHKニュース

申請が、首都圏や近畿圏など都市部の企業に集中しているとしたうえで「自治体の接種と職域接種の分布状況をまず把握し、申請内容の精査を進めたい。来週中には『こういう考え方でいく』ということを示したい」と述べました。

また、河野大臣は、若い世代への接種をめぐり「高齢者と比べて『様子を見ています』という人の割合が増えるので、今後、予約が埋まらなくなる可能性もある」と指摘し、SNSなどを活用して接種を呼びかけていく考えを示しました。

日本国内のワクチン接種状況 副反応の情報 新型コロナウイルス|NHK特設サイト

日本国内でも2021年2月17日に始まった新型コロナのワクチン接種。これまでの接種回数や副反応の情報をまとめています。

ワクチン接種ミス 139件確認 使用済み注射器使用など 厚労省|NHKニュース

今月16日までに、全国で行われた2300万回余りの接種のうち、接種間隔を間違えたり、誤って生理食塩水だけを注射したりするミスが合わせて139件確認されたということです。

このうち70件は、すでに使用した注射器を別の人に使用したり、ワクチンの有効期限が切れていたりと、重大な健康被害につながりかねず、23件は血液感染を引き起こすリスクもあったということです。

厚生労働省は、報告されたミスの概要を自治体に周知したうえで、使用した注射器は速やかに廃棄するなど、再発防止を徹底するよう呼びかけています。

ワクチン供給支える冷凍庫 お荷物事業に訪れた転機は|朝日新聞デジタル

風向きが変わったのは、11年に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に置く冷凍庫を宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注したときだ。2台だけの受注では利益は出ないが、同年に社長を継いだ重明は技術陣の士気を保ちたかった。14年2月期に事業が初めて黒字化したものの、低空飛行は続いた。社長と役員が欧米を飛び回って営業したが、大型の受注にはつながらなかった。

新型コロナの感染拡大で厚労省に冷凍庫を売り込みに行ったが、すぐには決まらなかった。小型(幅69センチ、奥行き35センチ、高さ46センチ)で重さも16キロ。据え置き型を供給するメーカーは何社もあったが、持ち運び型は珍しく厚労省が5千台を発注。武田薬品工業からも5千台を受注した。

だが納期に間に合わせるには当初の10倍、月4千台を生産する必要があった。倉庫にあった家電の在庫を運び出し、検査などのスペースを確保。家電の組み立ては外部委託した。従業員300人の会社に燕三条地域の協力企業から50人を招き、部品の生産も依頼。厳しい納期を守った。

21年2月期は1・6億円の最終黒字(前年は1・3億円の赤字)に転換。鳴かず飛ばずの事業が特需で会社を救い、ワクチン接種という国家事業の一助となった。今も地方自治体からの問い合わせが増えている。

2021年6月27日日曜日

記事紹介|「学ぶ心に火をつける」ためには

教育現場の構成員をどれだけ広く巻き込めるか

大学はより良き方向に向かっているのだろうか。本連載を執筆しながら、常に問い続けてきた問題である。

国公私立全780校(2017年5月1日現在)それぞれに改革の進捗や成果が異なるのは当然である。同じ大学においても学部・学科間で取り組みに差が生じ、同じ学部・学科内でも教員間に温度差があるのが実情であろう。

学長を中心とする執行部が、意欲的な目標を掲げ、多様な施策を計画・推進し、自己点検・評価活動を通して進捗・成果を確認したとしても、個々の教員が自己の教育能力を持続的に向上させようとしなければ、加えて、教員間や教員・職員間の協働による教育の組織的展開が活発化しなければ、改革は画餅に帰すことになる。

例えば、内部質保証、学修成果の可視化、アクティブラーニング等、今日の大学教育改革において重視される諸概念は、教育現場でどれだけ強く意識され、実践されようとしているのであろうか。

いくつかの大学の自己点検・評価活動に外部委員として関わってみると、学長・副学長と学部長・研究科長の間にあった意識差や温度差が年々縮小し、必要性や方向性に関する認識が共有されつつあることを肌で感じることが多い。より根本的な問題はその先にあると言えそうである。

つまり、大学における教育改革は、学部長・研究科長まで巻き込むことにある程度成功しつつあり、さらにその先にいる構成員をどれだけ広く巻き込み、教育現場を変えることができるかに、改革の重心を移すべき段階にあるのではないかというのが筆者の認識である。

構成員を広く巻き込めていないとしたら、原因は何処にあるのだろうか。その問題の本質や構造を明らかにしない限り、有効な方法を導き出すこともできず、「現場が変わらない、教員が変わろうとしない」という無力感だけが広がることになる。

そのためにも、一人ひとりの教員と教育現場の実態に、これまで以上に目を向ける必要がある。何かを変えようとすれば、あるべき姿を描くだけでは不十分である。現状を正しく把握したうえで、それに近づけるための道筋や手順を明らかにしなければならない。

筆者は、理事・副学長や研究組織の長として管理運営に関わる一方で、ファカルティーの一員として、主として経営学分野の教育研究に携わってきた。全学的な方針を発する側にいながら、それらが現場にどう伝わり、受け止められているかを同時進行で実感する機会も体験した。

一大学における14年間という限られた経験ではあるが、企業における実務と大学における管理運営という二つの経験を有しながら、教員として仕事をしてきたことで、教育現場を多少なりとも客観的に観察することができ、より良き変革に向けて何が必要か、自分なりの考えを持つことができるようになった。

大学間、あるいは学問分野間で実態は大きく異なり、安易に一般化することはできないが、現場を巻き込んだ教育改革を実現するための視点や手掛りの提供にはなり得ると考え、教育現場での経験を振り返ることにした。

教員組織が内包する危うさや脆さ

筆者は、国立大学が法人化される1年前の2003年4月、当時筑波大学に置かれていた「企画調査室」の教授として着任した。法人化の準備業務を含む大学改革が主たる任務であったが、全ての教員は学系という教員組織に所属することになっていたため、経営学分野の教員が所属する学系に籍を置いた。

着任に当たり、企画調査室にポストがなくなった場合は当学系からも外れるという誓約書を学系長に提出させられた。雇用契約上任期は付されていないのに、機関の意思とは別に、教員組織の意思が存在することに一筋縄ではいかない大学運営の難しさを実感させられた。

他の教員と同様に研究費も配分されたが、筆者の所属を快く思っていない教員、無関心な教員、大学執行部との繋がりを期待する教員等、反応は様々であった。その中で自分の授業の中で講義をしてみないかと誘ってくれた教員がいたことは幸運であった。

企業であれば、人事は会社の意思であり、配属部署の意思でもある。少なくとも表向きは全員が歓迎し、仕事に慣れるまでは支援もしてくれる。「協働」が当たり前の一般の組織と大学の教員組織の隔たりは大きい。

大学の管理運営に関わる中で、組織内で心ない言葉を浴びせられた教員の訴えを聞くこともあった。教育機関である大学で、なぜ互いを尊重したり、若手教員をエンカレッジしたりすることができないのだろうか。筆者が幾度も感じた疑問である。

大学教員の多くはまじめで責任感があり、互いに協力し、円滑に物事を進めなければならないことも理解している。しかしながら、一度問題が生じると、組織内に軋轢が生じ、疑心暗鬼や相互不信が広がることで組織運営の健全性が損なわれ、それが常態化する。教員組織はそのような危うさと脆さを有している。

そのトリガーとなる要因はいくつか考えられる。

例えば、専門の異なる複数の学問分野で教員組織が編成されている場合、リソース(教員ポストや教授・准教授枠、予算、スペース)配分、授業負担等の調整、論文審査や研究業績評価等で、分野間の利害が衝突したり、基準が異なったりすることで、軋轢が生じることがある。

また、有力な教授同士が対立し、他の教員がそれに巻き込まれたり、一部教員の不規則な言動が円滑な組織運営を阻害したりすることもある。

近年のガバナンス改革においては、学長や学部長・研究科長等に権限を集中することで、より統制の取れた組織運営を目指すことが意図されているが、それだけで、教員組織がより良き方向に向かうのか甚だ疑問である。

問題の発生や深刻化を抑制する仕組みを構築

教員組織は、前述のような問題さえ生じなければ、あるいは仮に生じても早期に手を打てれば、少なくとも表面上は円滑に運営され、教員の負担やストレスも抑えることができる。そのためには、問題の発生や深刻化を抑制する仕組みが必要である。

その一つが「組織運営のルールづくり」である。互いを尊重し、協力し合うこと等、当該組織において重視すべき要素を簡潔にまとめ、規範化する。新たに採用する教員に周知するとともに、教員評価においても、規範に照らして適切に行動したかを問う等して、その定着を図る必要がある。

二つめは「相談役・調整役となるシニア教員の存在」である。学部長や学科長等の役職は教授昇任後の早い時期に経験させ、シニア教員が学部長・学科長を支えながら、組織内で生じる問題の相談役や調整役を務めるという考え方である。シニア教員が権威を振りかざすことで問題が深刻化するケースは少なくない。教員組織にも年代に応じた役割分担があってよいのではなかろうか。

三つめは「組織運営への職員の参画」である。学部や学科の教員会議の運営等、職員に任せられるものは任せるほうが、手続きに則って効率的に処理できる可能性が高い。些細な事柄まで教員が決めようとすることで、負荷やストレスが増し、無用の軋轢を生じるリスクも高まる。

教員採用は決定的に重要な意味を持つ

教員組織の健全な運営は、現場を巻き込んだ教育改革を実現するための必要条件ではあるが、そのことが直ちに個々の教員による教育改善や教育の組織的展開に繋がるわけではない。

大学教員や教員組織を画一的に論じることはできないが、強い自尊感情を持ち、何を研究し、何を教えるかは自分が決めると考えているのが大学教員であり、その前提に立って運営されているのが教員組織という実態は、多くの大学に共通していると思われる。

研究が教員個々の興味・関心に基づくものであることは言うまでもない。教育の内容や方法についても教員任せという点については様々な考え方もあるだろうが、採用間もない若手教員であっても、当人からの求めがない限り、教育の内容や方法に関する助言すら難しいというのが筆者の実感である。

その一方で、学生による授業評価を見ると、全学共通科目の中でも、同じ教育組織内であっても科目間で評価に大きなバラツキがある。授業評価のみで教育の質を測ることはできないが、バラツキを最小に抑え、分布全体を上方にシフトさせることは、教育の質保証の本質的課題である。

教員組織の実態を踏まえながら、教育の質を向上させていくために何が必要か。この点で、教員採用は決定的に重要な意味を持つ。

多くの大学において、教員選考は研究業績に重きを置いて行われているのが実情であろう。大学として高い研究力を確保しようと考えれば当然である。同時に、大学院や研究員時代の研究環境とそこで身につけた学問への向き合い方が、研究能力のみならず教育能力にも大きな影響を与えるという点を十分に踏まえておく必要がある。

学問分野が細かく専門分化し、狭い領域でオリジナリティを競う傾向が強まる中、近接領域を含めて学問を広く俯瞰的に捉え、研究テーマの位置付けや意義を明確に説明できることは、論文投稿や競争的資金の獲得において極めて重要である。

また、国際的な競争の熾烈化を背景に、学術研究は著しい発展を遂げつつある。教育の水準を維持・向上させるためにも、最先端への関心は不可欠である。

このような人材を確保できるかは、大学によって、あるいは学問分野によって、状況が大きく異なるはずである。研究業績に重きを置いた場合、研究能力の高い人材ほどいわゆる有力校に集中することは避けられず、若い優秀な教員を採用しても業績が上がると、より条件の良い大学から引き抜かれてしまう。一部の有力校を除く多くの大学が経験する現実であろう。

それ故に、将来的にどのような教員構成を目指すのか長期方針を定め、自校にふさわしい教員とは如何なる教員か、期待する役割と要件を明確にしたうえで、そのような教員をどうすれば確保できるか、採用戦略を綿密に練り上げる必要がある。

図 「現場が変わる」教育改革の実現に向けて(概念図)

教員が主体的に教育改善に取り組む環境を整える

次に、教員による持続的な教育改善への取り組みと教育の組織的展開を促進するための方策について考えてみたい。

教育の内容や方法は個々の教員の自律性に委ねざるを得ないとの前提に立てば、教員自身が不断の改善の必要性を認識するとともに、自ら主体的に教育内容を見直し、教育方法を学び、実践するような環境を整えていく必要がある。

教育内容については、学生に如何なる知識を身につけさせるべきか、教員自身が問い続けることが大切である。大学が授ける知識が社会での活躍に直接結びつくことはむしろ稀であり、その意味で確かな答えは容易に得られないかもしれない。教員の問い続ける姿勢こそが、教育を豊かなものにするのではなかろうか。

教育方法については、アクティブラーニング、ルーブリック等、様々な方法が紹介され、具体的な事例も学べるようになってきたが、その一方で、教えるべき内容が増え、授業時間が窮屈になってきたと感じる教員も多いのではないかと思われる。また、これらの方法を導入した場合の準備時間の確保も大きな課題である。

以上のような認識を踏まえて、三つの方法を提案したい。

一つめは、就職活動を終えた学生、卒業生、実務家等を交えて大学教育を振り返る場を、教育組織単位で年一回程度開催するという提案である。教育内容を問い直す一つの契機となることが期待される。

二つめは、複数教員による共同授業の開講である。専門を超えた組み合わせ、年代を超えた組み合わせ、研究者教員と実務家教員の組み合わせ等、教員同士が協働し、互いの授業を学び合う機会を持つことは有益である。

三つめは、教育活動に対する表彰制度を充実させることである。教育重視の姿勢を明示するとともに、表彰教員の授業を学内公開することで、優れた取り組みを広く紹介することができる。

「学生」起点に協働し、教育改革に繋げる

教育現場での経験を振り返り、「教育は学生と教員が学び合う双方向のプロセス」であることを改めて感じる。

複数の他校での授業経験を含め、授業における学生の反応、態度、発言やレポート、授業評価等を通して気づくこと、教えられることは実に多かった。

「学ぶ心に火をつける」のは、教育段階に拘わらず教員の最大の役割の一つだが、高い目的意識を持って受講する学生から、興味を引き出すことが容易ではない学生まで、その幅は大きかった。

同じ大学内でも学生の基礎学力や留学生の日本語力に差があるが、大学を超えるとその差がさらに広がり、同じ事柄を説明するのに何倍も時間がかかることがあった。私語を止めない学生、大半がコピペのレポート等に暗澹たる思いをしたこともある。その度に教育の質や質保証とはそもそも何なのか、自問を繰り返した。

その一方で、学生の目の輝きが増してくると、こちらの気分も高揚し、テンポのいいやりとりができるようになる。とりわけ、職務を通した問題意識を持ち、自らの資金と時間を投入して入学してくる社会人向けの大学院での授業と研究指導は、教員の側も学ぶこと、刺激を受けることが多い。

留学生や障がいのある学生から学ぶことも多かった。特に、後者については、障がいの種類に応じた特別の配慮も求められるが、ハンディを背負いながらも明るく学ぶ姿に力をもらった。

教育改革を進める場合、まず国の政策と社会の動向を起点に物事を考えがちである。しかし、検討に必要な最も新鮮で多様な素材を提供してくれるのは目の前の学生である。

学生と向き合い、学生を起点に物事を考えることが、教員間、教職間の協働にも繋がる。

現場が自ら変革の必要性を感じ、主体的に変わろうとする。教育改革の主体を現場に担わせるための知恵が求められている。

出典:「現場が変わる」教育改革をどう実現するか-教育現場での経験を通して考えたこと 吉武博通|カレッジマネジメント|リクルート進学総研

経済財政運営と改革の基本方針 2021|大学関係抜粋

経済財政運営と改革の基本方針 2021|令和3年6月18日閣議決定

第2章 次なる時代をリードする新たな成長の源泉~4つの原動力と基盤づくり~

2. 官民挙げたデジタル化の加速

(3)デジタル人材の育成、デジタルデバイドの解消、サイバーセキュリティ対策

全国の大学・高等専門学校・専門学校等において数理・データサイエンス・AI教育の充実や、デジタル関連学部や修士・博士課程プログラムの拡充・再編を図ることとし、モデルカリキュラムの普及、国際競争力のある分野横断型の博士課程教育プログラムの創設、ダブルメジャー等を推進する。デジタル人材の裾野拡大のため、職業訓練と教育訓練給付のデジタル人材育成への重点化を図ることとし、デジタル関連プログラムの拡充等の強化を行う。

(8)分散型国づくりと個性を活かした地域づくり

地域の知と人材が集積する地方大学の力を強化する政策パッケージを本年度中に策定し、STEAM 教育を中心とした人材育成や研究開発により地方の産業創出を推進する。東京圏の大学の地方サテライトキャンパスの設置を促進する。専門高校・専修学校において、地域の産業界等との連携・協働による実践的な職業教育を推進する。

5. 4つの原動力を支える基盤づくり

(1)デジタル時代の質の高い教育の実現、イノベーションの促進

高度人材教育や起業家教育を強化するため、企業等と連携・協働した教育プログラムの実施、高等専門学校の高度化・国際化、大学の学部段階における文理融合教育、キャンパスの共創拠点化 等を推進する。各地方自治体や企業等による奨学金返還支援を促進するとともに、貸与型奨学金について返還困難者に対する返還支援 を着実に推進する。感染症による影響を含め、高等教育無償化等の実施状況の検証を行い、中間所得層における大学等へのアクセス状況等を見極めつつ、その機会均等の在り方について検討を促進する。

世界トップレベルの研究基盤の構築に向け、本年度中に運用を始める大学ファンドについて、経営と教学の分離の推進、外部資金の拡大等の参画大学の要件を年内に具体化するとともに、大学改革の制度設計等を踏まえつつ、10兆円規模への拡充について、本年度内に目途を立てる。研究の生産性を高めるため、研究DX を推進するとともに、研究を支える専門職人材の配置を促進する 。基礎研究を始めとする研究力の強化に向け、優れた研究者や留学生が世界中から集まる多様性に富んだ国際研究拠点の形成や国際共同研究等の充実により、感染症で停滞した国際頭脳循環を推進する。社会課題の解決に向け、研究成果を社会実装につなげるために、スタートアップの創出や産学官の共創によるイノベーション・エコシステムの全国的な形成を促進する。スタートアップを生み出し、その規模を拡大する環境の整備を進めるため、兼業の仕組みを改革するとともに、資金調達環境の整備や大企業との取引適正化を始めとした包括的な支援策を講じていく。知財戦略 を推進するとともに、官民が連携し、先端技術・システム等の標準活用戦略を加速する。破壊的イノベーションの創出に向けた優れた人材の発掘、創発的研究の推進、ムーンショット型研究開発の抜本的な強化とともに、AI技術、バイオテクノロジー、量子技術、マテリアル、環境エネルギー、安全・安心、健康・医療 、小型衛星コンステレーションの構築や月・火星探査等の宇宙分野、北極を含む海洋、食料・農林水産業など、我が国における重要分野の研究開発を推進する。

(2)女性の活躍

IT分野を始めとした理工系分野において、特に女性の身近なロールモデルを創出するとともに、本分野の女性教員の割合を向上する取組を進める。学校推薦型選抜や総合型選抜に女子を対象とする枠の設定やオープンキャンパスの実施、女子学生向けのSTEAM教育拠点の整備、理系分野で優れた業績を残している女性研究者の話を聞くことができる機会の充実等の総合的な支援策を講ずることにより、地方大学を含めた理工系学部における女子学生の割合の向上を促す 。

(3)若者の活躍

若手研究者の活躍を促進するため、安定的な経済的支援による博士課程学生の処遇向上や研究に専念できる環境の確保、競争的研究費における効果的な枠設定等による若手研究者への重点化や手続の簡素化・効率化、より多くの若手研究者が活躍する大学への運営費交付金の重点配分を行う。産業界への就職、起業といった様々なキャリアパスを円滑に歩むことができる官民連携教育プログラムを拡大する。研究者の起業や兼業を促すためのガイドラインを充実するとともに、大学に対し、勤務時間外だけの兼業を認める規則等の見直しや手続の簡素化・迅速化を含め、研究者等の起業を総合的に支援する体制の整備を促す。

(5)多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践、リカレント教育の充実

(リカレント教育等人材育成の抜本強化)

博士号・修士号の取得を促すとともに、これらを有する企業人材やデジタル人材等の高度人材の育成を図る。このため、産学官連携の下、時代や企業のニーズに合ったリカレントプログラムを大学・大学院・専門学校等において積極的に提供する。企業、受講者、大学等に対する具体的なインセンティブ措置を検討 し、必要な施策を講じてリカレント教育を推進する。博士号取得者の採用拡大に向け、企業との効果的なマッチング機会を支援する。

第3章 感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革

4.デジタル化等に対応する文教・科学技術の改革

デジタル化に伴う学生の多様な学びのニーズに対応するため 、施設等の基準、定員管理、授業方法等に関する大学設置基準等の見直しについて本年度内に結論を得て、順次改訂する。国は、真に独立した、個性的、戦略的自律経営を行う、世界に伍する国立大学を実現するため、国立大学との新たな自律的契約関係の法的枠組みにつき、年内に結論を得る。ガバナンス抜本改革等と合わせ、法制化を行う。手厚い税制優遇を受ける公益法人としての学校法人に相応しいガバナンスの抜本改革 につき、年内に結論を得、法制化を行う。国立大学法人運営費交付金について、客観・共通指標による成果に基づく配分の見直しを更に進めながら、新たな配分ルールを本年度内に策定し、私学助成等を含めた大学への財政支援の配分のメリハリを強化する。国公私立の枠を超えた大学の連携・統合を促進する。

出典:経済財政運営と改革の基本方針2021|内閣府

記事紹介|自分を知る

細かいところによく気がつく人、「気が利くね」とよく言われる人、とくに目配りをしているわけでもないようなのに、いろいろなことを見つけたり気づいたりする人、あなたの周りにも一人や二人はいるのではないでしょうか。

こういう人は、運にも愛されると思います。

周りに対して好奇心が旺盛ですし、観察力もあり、注意力もあるので、どんな小さな出来事にも「あれ? 待てよ?」 と立ち止まり、考えます。

そして「これはこういうことだったのか」とそこから学ぶからです。

この「気づく力」がある人は、自分で自然に、さまざまなことに気づきます。

ですから、ものごとを吸収しやすく、成長もしやすいのです。 

こう書くと、「私も気づく力が欲しいと思っています。どうやったらそれは手に入るんですか」と思う人もいるでしょう。

実際、私は意外とよく気がつくほうなので、友人や知人から「どうやったら薫さんみたいにいろんなことに気がつくように なりますか」と聞かれることがよくあります。 

そんなときに私が言うのが、「とにかく、なんにでも興味を持ち、相手が喜ぶことを考えなさい」ということです。

興味や好奇心がなく、周りのことに無関心で無頓着な人には気づきはありません。 

人生はたくさんのチャンスやヒントや学びであふれていますが、こういった人はそれがまったくわからず、目に入らない気の毒な方です。

これは私の勝手な意見ですが、仕事があまりできない人というのは、才能や技術や経験などによってではなく、単に好奇心がたりなく、仕事に対して無関心になっているからだと思います。 

自分がいま何をやっているのか、なんのためにやっているのか、これをやることによってどんな結果になるのかに興味がなければ、おざなりな仕事になります。

また、一緒に仕事をする相手に関心がなければ、相手だってあなたに無関心になります。

自分の無関心が返ってきます。

相手に興味を持ち、相手がどうしたら喜ぶかを考えない仕事は、いい結果にはつながらないのです。 

周りに無関心な人は、周りもあなたに対して無関心です。

すると情報も入ってこないし、人も集まってこないし、何かあったときに便宜を図ってもらえるということもありません。

気づかない人は、気づくチャンスすら与えられないのです。 

これに対して、気づく力のある人は、つねに「気づく準備」が整っていますから、 ふとしたことでいろいろなことに気づきます。

時には、相手が自分でも気がつかなかったことに気がついて、その人の成長の手助けをすることにもなります。

すると、 自分もまたそこで成長するのです。 

他人のことを根掘り葉掘り聞けというわけではありませんが、差し障りのない範囲で、周りにいる人に関する情報はいつも集めておいたほうが絶対にいいのです。 

そのためには、好奇心と興味を持ち、質問をよくするようにすること。

人の話をぼんやり聞いていたのでは質問はできませんから、誰かと話をするときには、「このあと質問を三つしよう」などと決めておいて、好奇心のアンテナにひっかかったことをどんどん質問していきましょう。 

私の経験上、質問をするくせのある人は成功する人が多い。

人生では、そして仕事ではとくに「人を知る」ということはものすごく重要ですし、相手に「あなたに興味を持っています」とアピールすることは大切なことです。

それが「自分を知る」ということでもあるのです。 

自分の持つ「気づく力」を大きく伸ばすためにも、好奇心と興味を持つことをいつも忘れないようにすることです。

出典:「気づき」は好奇心が連れてくる|人の心に灯をともす 

2021年6月26日土曜日

コロナ関連情報 2021/06/26

 ★ワクチン職域接種 “すでに申請の不承認もありえる” 河野大臣|NHKニュース

ワクチンの配送が追いついていないとして、企業などからの申請内容を精査し、必要に応じて配送時期の先延ばしを要請するほか、すでに受け付けた申請でもワクチンの供給量を上回る場合には、承認しないこともありえるという認識を示しました。

(関連)河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月25日(午後)|内閣府

「大学拠点接種」実施にあたっての留意点等について(周知)(令和3年6月25日)|文部科学省.pdf

1.「大学拠点接種」実施にあたっての留意点について

(1)本人の意思を尊重した接種の必要性・同調圧力や不当な扱いの禁止 

(2)ワクチン接種後の感染予防策継続の必要性 

(3)学生アルバイトの活用について 

2.「大学拠点接種」を実施する大学等への支援策

(1)大学の附属病院において大学拠点接種を行う場合の支援策 

(2)外部の医療機関から医師等の派遣を受け大学拠点接種を行う場合の支援策

3.職域接種会場申請サイトの受付一時休止

(1)職域接種会場申請サイトの受付一時休止について

(2)「大学拠点接種」実施にあたっての文部科学省への相談について 

大学ワクチン接種も一時申請停止へ 文科相|日本経済新聞

ワクチンの職場接種の新規受け付け停止については、河野太郎規制改革相が23日の記者会見で発表した。申請が増え、米モデルナ製のワクチンの供給上限に達する見込みとなったためだ。

文科省によると、24日正午時点で288大学がすでに申請を済ませた。萩生田氏は申請が終わっていない75大学については「相談内容を精査した上で、供給できるように調整したい」と説明した。他大学での余剰ワクチンのマッチングなどを検討しワクチン確保を目指す。

職域接種の受付休止 「申請済み大学は打てるよう配慮」|朝日新聞デジタル

文科省によると、接種について24日正午までに363大学から相談があり、うち288大学が申請を済ませた。萩生田文科相は、申請済みの大学については「政府全体で協力しながら、心配のないようしっかり対応する」と強調。申請が間に合わなかった大学には実施中の大学に受け入れてもらったり、余剰分を工面したりするなどして、接種できるよう対応していく考えを示した。

6月28日週に「大学拠点接種」を開始する大学の状況について|文部科学省.pdf

新型コロナウイルスワクチン職域接種実施の延期について(お知らせ)|福岡大学

本学としては、アンケートで「接種希望」と回答された方へ「予約システム」を準備する等して予約受付を行う予定でしたが、既に報道されているとおり国内におけるワクチン供給が間に合っておらず、今般、国から「現時点ではワクチンの納期の目途が立たない」旨の連絡がありました。

ついては、本学の職域接種に関しては、予定していた接種開始時期を延期することとしました。国のワクチン供給が整い次第、あらためて「FUポータル」よび福岡大学公式ウェブサイトにてお知らせします。

コロナでバイト収入減の大学生、接種会場スタッフに 埼玉県(産経新聞)|Yahoo!ニュース

採用された学生は、集団接種会場での誘導の業務や予診票の記入補助を担う。

県は、日本薬科大(伊奈町)や日本工業大(宮代町)、城西大(坂戸市)など県内7大学と求人情報提供に関する協定を結んだ。大学側は、県から伝えられた情報を学内での掲示やメールなどで学生に周知する。埼玉大(さいたま市)に対しては、平成19年に結んだ連携協定に基づいて同様に求人情報を提供する。

県は今後さらに情報提供先の大学を増やしていく方針で、担当者は「学生の支援に加え、新型コロナ対応に携わる人手の確保にもつなげたい」と話している。

ワクチンを再冷凍 管理不十分でおよそ3000回分を廃棄 新潟|NHKニュース

ワクチンを受け取った担当者は、具体的にいつ会場に運ぶのかを認識しておらず、いったん市役所の冷凍庫に保管するものだと思っていたということです。

ファイザーのワクチンは、いったん解凍すると再び冷凍して使うことができない仕様になっている。

再発防止のため、ワクチンが入った保冷バッグに「再冷凍禁止」と書かれた表示を付けるなど、対策を検討するとしています。

★希望者を対象にした新型コロナウイルス・ワクチン接種の実施について|東京外国語大学

6月28日(月)の朝6時より予約を受け付けます。

予約の方法は、下記をご覧ください。

また、接種に必要な情報やワクチンに関する情報は、下記をご覧ください。

新型コロナウイルスワクチン職域接種を開始しました|鹿児島大学

接種対象となるのは、学生・教職員及び構内で勤務する全ての構成員で、対象者は本学の「鹿児島大学ワクチン接種申請予約システム」から希望日時を予約します。

初日は、事前予約を行った100名が、会場の第二体育館(郡元キャンパス)を訪れ、ワクチンを接種しました。

2021年6月25日金曜日

コロナ関連情報 2021/06/25

職域接種に関するお知らせ|厚生労働省

職域接種については、大変多くのご申請をいただいており、ワクチンの出荷可能な量を超えることが見込まれるため、6月25日(金)午後5時から、職域接種に係る新規の申請の受付を一旦休止させていただきます。準備いただいている企業等の関係者の皆様には、ご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご理解賜りますようお願いいたします。

なお、これまでにいただいた申請については、内容を確認し、順次、ご連絡させていただいています。お時間をいただいておりますが、なにとぞご了承ください。

職域接種に関する Q&A(令和3年6月23日追加分)|厚生労働省.pdf

Q2-3.保管冷凍庫から会場まで距離がある場合、接種会場に冷蔵庫をおいてワクチンを管理しても大丈夫ですか?

A.冷凍庫は接種会場に設置することが前提です。保管冷凍庫から接種会場へのワクチンの運搬はできません。

Q4-8.接種希望人数が正確に決まっていないため、必要ワクチン量を多めに見積もって申請してもよいですか?

A.ワクチン量には限りがあり、また配送後未使用分は返品や他会場へ移動することは認められないため、余剰が出ないよう、しっかりとした接種計画を立ててから申請を行ってください。

Q6-3.ファイザー社のワクチンを使用して市町村の予防接種事業を行っている医療機関が、その接種体制の余力を使って、武田/モデルナ社のワクチンを使用して職域接種を行うことはできますか?

A.ワクチンごとに接種間隔や管理方法等が異なるため、一つの接種実施医療機関では1種類のワクチンのみを用いることが原則です。ただし、職域接種を実施する間は、それぞれのワクチンで接種や管理を明確に区分することを条件として、ファイザー社のワクチンで接種を行っている医療機関で、モデルナ社ワクチンを一時的に併用することを認めることとしています。明確に区分する方法についてはこちらをご参照ください。

大学拠点におけるコロナワクチン職域接種に関する実態調査(西日本地域395大学)|RESERVA Digital

全国811の大学機関のホームページ情報などから職域接種の「開始予定」「検討中」「未定」「見送り判断」これらの見解について独自に調査をしました。西日本の大学の調査結果について解説します。

ワクチン接種後 発熱時服用できる解熱鎮痛剤の成分示す 厚労省|NHKニュース

接種後に服用できる解熱鎮痛剤の成分として厚生労働省が示したのは▽アセトアミノフェン、▽イブプロフェン、▽ロキソプロフェンなどです。

厚生労働省は、当初、解熱鎮痛剤の成分を具体的に示していませんでしたが6月に入ってドラッグストアを経営する複数の企業から、「アセトアミノフェンを成分とする市販薬が品薄になっている」と報告が寄せられたということです。

このため厚生労働省は、アセトアミノフェン以外を成分とする市販薬も服用できることをホームページで明示し、全国のドラッグストアや業界団体などにも通知しました。

大学に“ワクチン格差”…苦戦する非医療系、小規模校の実情|西日本新聞

ある文系大学の担当者は「地域の医療系大学が核となって接種できるよう、国や行政に音頭を取ってほしかった」と不満を漏らす。

医学部と付属病院を抱える久留米大(福岡県久留米市)は市内の大学、短大、高専でつくる連携の枠組みを活用し、久留米高専と久留米工大の一部の計約1200人の接種を担う。看護学部がある聖マリア学院大(同市)が久留米信愛短大と久留米工大の残りを受け持つことで人数の壁をクリア。市内の大学、短大、高専の全てをカバーする態勢が整った。

新型コロナウイルスワクチン接種(大学拠点接種)の実施について|名古屋大学

東海国立大学機構 名古屋大学は、名城大学、中京大学、南山大学、名古屋工業大学、豊田工業高等専門学校と共同で学生を中心とした大学拠点接種を実施します。

筑波大学 学生・教職員対象「職域接種」実施 7月下旬から|NHK 茨城県のニュース

接種にあたるのは大学の保健管理センターや附属病院に所属する医師や看護師で、1日800人から1000人程度の規模で行うということです。

年齢の高い教職員や留学を予定している学生などから優先して接種し、9月下旬までに希望者全員に2回の接種を完了させたいとしています。

福岡市のワクチン接種 24時間体制に 深夜接種できる会場開設へ|NHKニュース

福岡市は新たに博多区の福岡市民病院に毎日午後10時から翌日の午前8時まで接種を受けられる会場を開設します。

この会場では7月1日以降、インターネットで64歳以下の市民から年代別に順次予約を受け付け、7月20日から接種を始めるということです。

福岡市では、診療所やほかの集団接種会場で日中や夜間に接種を行っていて、深夜でも接種できる会場を開設することで24時間、接種が可能な体制が確保されるとしています。

また、保育士などに優先接種を行っている博多港のクルーズセンターでは、7月5日から開設時間や受け入れ人数を拡大し、64歳以下の市民の接種も開始するということです。

ワクチンデマについて|衆議院議員 河野太郎公式サイト

ワクチンデマを流す目的は、一、ワクチンを批判して、自分の出版物やオリジナル商品に注目を引き寄せて、お金を稼ぐ、二、科学よりも自分の信奉するイデオロギーに基づいて主張する、三、過去に誤ったことを発言したために抜け出せなくなっている、四、自分に注目を集めたい、ということが大きいと言われています。

日本で流布されるデマは、当初、海外で発信され、しばらくして日本にたどり着いたものが多くなっています。

LINEでワクチン予約 職域接種プランが登場:部署ごとに予約枠を作る|ITmedia ビジネスオンライン

社員番号や学生番号などによる接種登録のほか、部署や学部ごとに予約枠をカスタマイズできる。LINEアカウントの新設は不要で、最短3営業日で導入可能。

これまで病院やクリニックに提供していたシステムを、企業や学校にも提供する。初期導入費用は27万5000円からで、月額利用料は1万9800円。

企業や学校側は、部署や支店、学部などで予約枠を設定し、年度年齢や満年齢などで予約制限が可能。ファイザーやモデルナなど、複数種類のワクチン接種予約に対応している。予約数の管理機能や、2回目予約の誘導機能も搭載。2回目未接種者の抽出もできる。

2021年6月24日木曜日

コロナ関連情報 2021/06/24

新型コロナ: 職場接種、新規受付を一時休止 ワクチン配送追いつかず|日本経済新聞

河野太郎規制改革相は23日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの職場接種の新規受け付けを、25日午後5時で一時休止すると表明した。企業からの申請が殺到し、職場接種で使う米モデルナ製ワクチンの配送が追いつかないおそれがあると説明した。

河野氏によると大学での接種分は別枠で確保しており、今回の休止措置は主に企業向けという。

自治体の大規模接種と職域接種 新規受け付け一時休止 河野大臣 |NHKニュース

河野規制改革担当大臣は23日夜、記者会見し、企業や大学などでの職域接種が今週から本格的に始まったことに関連し「モデルナのワクチンを使って、職域接種と自治体の大規模接種をお願いをしているが、双方ともに相当な勢いで申請をいただいている」と述べました。

そのうえで「現時点で、職域接種と大学での接種の合計でおそらく3300万回を超え、自治体の大規模接種が1200万回を超えてかなり上限に近くなっている。それに加え、モデルナのワクチンの一日の可能配送量はもう上限に達している。このままいくと、供給できる総量を超えてしまう」と述べ、自治体の大規模接種は23日で、また職域接種は25日の午後5時で新規の申請の受け付けを一時休止すると発表しました。

そして、再開の時期は未定だとする一方、これまでに申請を受け付けた大規模接種と職域接種については、内容を精査したうえで配送していく考えを示しました。

28大学が拠点接種開始…小中高教職員等にも拡大|リシード

文部科学省では、若者や教育関係者へのワクチン接種の加速化という大学拠点接種の意義に鑑み、接種を開始する大学に対しては、地域の要請に応じて、自大学の教職員・学生のみならず、近隣の大学や教育関係者等への接種対象者の拡大を要請しており、一覧には近隣地域への接種対象拡大についても記載している。

大学拠点接種、文科大臣がメッセージ発表|リシード

大学拠点接種を実施できる規模を有し、医療人材や接種会場等を確保できる大学は限られていることから、「自分が所属する大学ではワクチンの接種をできない場合でも、希望する学生はどこかの大学でワクチン接種を受けることができるようにしたいと考えている」と説明。

大学拠点接種を実施する大学には、他大学の学生や教職員、海外留学を予定している人等へのワクチン接種にも対応し、近隣の大学等にも積極的に声をかけるよう呼び掛けている。

政府として、拠点として地域に貢献できる大学には、外部の医療機関が出張して職域接種を行う場合で、一定の要件を満たすときに経費補助を行うとも記載。大学拠点接種を実施する大学には、支援も活用しながらワクチン接種を加速化してほしいとしている。

「強制ないように」 大学でのワクチン接種めぐり文科相|朝日新聞デジタル

接種を行う大学に対しては「近隣大学などに積極的に声をかけるとともに、一人でも多くの学生や教職員、地域の方々にワクチンが行き届くよう積極的なご協力を」と求めた。

一方、留意点として、周囲の圧力で接種を強制されたり、接種の有無で不当な扱いをされたりすることがないよう訴えた。

新型コロナウイルス感染症のワクチンの職域接種について(保証人の皆様へ)|西南学院大学

今回接種するワクチンは、接種後に副反応が生じる事例も報告されております。接種後の体調については、保証人・保護者の皆様におかれましても見守っていただきたいと考えておりますので、お子様と接種日の情報を事前に共有いただきますようお願いします。

新型コロナ: 広島大、職場接種を近畿大工学部にも拡大|日本経済新聞

広島大学は23日、広島県東広島市と共同で東広島キャンパス内で実施している新型コロナウイルスワクチンの職場接種の対象を、近畿大学工学部の学生・教職員にも拡大すると発表した。広大は学生・教職員約2万人を対象とした職場接種を21日から始めているが、予約状況から余剰が出るとみて、これを活用する。

東京都 青学などと連携…ワクチン接種促進(日本テレビ系(NNN)) |Yahoo!ニュース

東京都は、青山学院大学と一橋大学、都立大学と連携してワクチンの共同接種会場を設置し、学生の夏休みに合わせて来月下旬から接種をスタートすると発表しました。ほかの大学の学生や教職員なども幅広く受け入れ、ワクチン接種を加速したい考えです。

(関連)東京都との連携による新型コロナウイルスワクチン接種の実施について|青山学院大学

都内の大学ならびに短期大学の学生、教職員等の皆様の接種にも協力することにより、新型コロナウイルス感染症の収束に向け、社会的責任を果たすことができるものと考えております。

山梨大学で教職員300人にワクチン接種開始|NHK 山梨県のニュース

山梨大学と連携している山梨県立大学と、接種の依頼を受けた山梨英和大学と身延山大学の学生と教職員、それに県内の障害者施設の従事者への接種も行い、すべてあわせて最大1万6000人に接種を行うということです。

山梨大学の島田眞路学長は、「ワクチン接種は感染抑制には一番の大きな対策であり、われわれがやるしかないと思い、いち早く動き出したつもりです」と話していました。

新型コロナウイルス感染症ワクチン接種(職域接種)の準備状況(2021年6月22日現在)|公立大学法人大阪

厚生労働省よりワクチン等の手配が間に合わないとの連絡があったため、接種開始日を変更します。

医療安全に万全を期するために接種会場を1か所に集約します。

本学での新型コロナワクチン職域接種について|駿河台大学

本学において、職域接種について継続的に検討を行なって参りましたが、医療系の学部を持たない本学では、大学独自による医療系人材の確保をはじめとする職域接種の要件を満たすことが困難であることから、現時点では職域接種を見送ることといたしました。

学生、教職員の皆様におかれましては、ワクチン接種を希望される場合には、自治体が実施するワクチン接種を受けてくださいますよう、お願いいたします。

労災基準20年ぶり見直し 「過労死ライン」以外も重視|朝日新聞デジタル

月80時間に設定されている残業時間の「過労死ライン」に達しなくても、それに近い残業時間があるうえに労働時間以外の要因が認められる場合は、過労死ラインに達したケースと同等に労災認定できるとした。

労働時間以外の要因として、新たに「勤務間インターバルがおおむね11時間未満」「休日のない連続勤務」が追加された。現状の認定基準では「出張の多い業務」「深夜勤務」などがある。また「心理的負担がある業務」に加えて「身体的負担がある業務」も盛り込む方向になっている。

2021年6月23日水曜日

コロナ関連情報 2021/06/23

 ★「大学拠点接種」に関する文部科学大臣メッセージ(令和3年6月22日)|文部科学省.pdf

私はこれまでも、この「大学拠点接種」が民間企業等における一般的な「職域接種」とは趣旨や役割が異なるということを再三申し上げてきました。新型コロナワクチンの接種に関する地域の負担を軽減するとともに、接種の加速化を図るため、自治体接種に影響を与えない範囲で学校を含むそれぞれの企業等が自前の人材や資源を用いて「職域接種」を行うことは、各企業等が自らの従業員やその家族などを守るとともに、社会全体が安全・安心な日常を取り戻すために有効であり、非常に意義深いものです。

「大学拠点接種」を実施する大学には、他大学の学生や教職員、海外留学を予定している方々などへのワクチン接種にも御対応いただき、是非、社会貢献を形にしていただきたいと考えております。大学におけるワクチン接種が独自の役割を持つ「大学拠点接種」であることの意味はここにあるのです。

「大学拠点接種」を実施する大学におかれては、今一度、大学でワクチン接種を行うことの意義や、「拠点」であることの意味をお考えいただき、近隣の大学等に積極的に声をかけるとともに、周辺の自治体の要請も踏まえて、一人でも多くの学生や教職員の皆様、地域の方々にワクチンが行き届くよう、積極的な御協力を心からお願いいたします。

あわせて、「大学拠点接種」に当たって、いくつかの留意点をお示しします。

一つ目は、本人の意思を尊重したワクチン接種の必要性と、同調圧力や不当な扱いの禁止についてです。ワクチン接種は、被接種者本人の同意が必要であり、本人の希望に基づくことが前提です。そのため、周囲の圧力で接種を強制されるようなことや、接種の有無で不当な扱いがなされることがないようお願いいたします。

二つ目は、ワクチン接種後の感染予防策継続の必要性についてです。大学拠点接種を進めるのは、安全・安心な教育研究活動が一刻も早く行われるようにするためです。このため、ワクチンを接種後でも、「3つの密(密集・密接・密閉)」の回避、マスクの着用、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒などの感染予防対策は継続していただくようお願いします。

「職域接種の実施に伴い複数種類のワクチンを同一医療機関等で使用する場合の取扱いについて」(事務連絡)|厚生労働省.pdf

新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に当たっては、現在、ファイザー社ワクチンを用いて広く高齢者等の住民への接種が行われているところです。

今般、企業等が職域接種を進めるにあたり、既にファイザー社ワクチンを用いて住民への接種を実施している医療機関及び特設会場(以下「医療機関等」という。)と連携して実施することも考えられます。この場合、同一の医療機関等において住民への接種と職域接種を実施するため複数種類のワクチンを使用することから、具体的な留意点について以下のとおりまとめましたので、これを御了知の上、接種を予定する医療機関及び関係団体に周知いただくようお願いします。

新型コロナ予防接種の間違いの防止について(その2)|厚生労働省.pdf

今般、令和3年6月16日までに報告された予防接種の間違いの概要をまとめるとともに、自治体向け手引き様式4-7-2を用いて重大な健康被害につながるおそれのある間違いとして報告されたもののうち、血液感染を起こしうるもの及び希釈間違いについて、実際に予防接種に携わった方に対して間違いが起こった要因や再発防止策等をヒアリングし、具体的な留意点をまとめました。

これらを参考に、あらためて予防接種の手順を見直し、予防接種に係る間違いの発生防止に努めていただき、引き続き、新型コロナ予防接種の適切な実施に向けた取組を進めていただいますようお願いします。

新型コロナ: 職場の〝ワクハラ〟に注意 「打たないと退職」強要例も|日本経済新聞

厚生労働省によると、新型コロナのワクチンは予防接種法で「接種を受けるよう努めなければならない」とされているが、接種が義務付けられているわけではない。風疹や麻疹などの予防接種と同じく強制は許されず、個人が副作用などに納得した上で接種を判断できる。

過去にアナフィラキシーを起こしたり、基礎疾患があったりしてワクチン接種をためらう人もいるが、全国の職場や学校では理解を欠いた言動に悩まされるケースが後を絶たない。

ワクチン接種の有無「職場に○×で貼り出し」はNG? 企業が絶対にしてはいけない対応例|ITmedia ビジネスオンライン

企業は、接種の「指示」や「命令」はできないが、適切な方法による「勧奨」は許される。

従業員が接種に同意している場合でも、実質的に「拒否することが困難な状況」がないか、注意する。

新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を生徒に対して集団で実施することについての考え方及び留意点等について|文部科学省.pdf

生徒に対する新型コロナワクチンの接種について、学校を会場とし、当該学校に所属する生徒に接種を行う形態の集団接種(以下、「学校集団接種」という。)により、実施することについての考え方及び留意点等について、以下のとおり、取りまとめたのでお知らせいたします。

(関連)萩生田文科相 学校での集団接種を推奨せず 希望者は個別接種で|NHKニュース

12歳以上を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種を学校で行う「学校集団接種」について、国は保護者への説明の機会が乏しいことや、接種への同調圧力を生みがちであるなどとして「現時点で推奨するものではない」とする指針をまとめ、22日、全国の教育委員会などに通知しました。

(関連)新型コロナ: 学校での集団接種「推奨せず」 文科省、自治体に通知|日本経済新聞

指針は学校での集団接種について、接種への同調圧力を生む恐れがあり、副作用が出た場合に対応できる医療従事者の確保が困難だとして、慎重な見解を示した。

地域の医療体制によって個別接種が難しい場合については集団接種の実施も認める。その際も接種に伴ういじめや差別を避けるため、接種が強制とならないよう配慮を要請。具体的には保護者の同意、放課後や休日など授業時間外での実施、接種を学校行事への参加条件としないことなどを求めた。

若い世代に働きかけワクチン接種率を高めたい 河野規制改革相|NHKニュース

河野規制改革担当大臣は「高齢者は、かなり接種に前向きだが、年齢が下がるにしたがって無関心というか、特に打たなくてもいいかなと思っている人たちの割合が増えてきている」と述べ、職域接種が本格的に始まったことを踏まえ、若い世代への働きかけを行って、全体の接種率を高めたいという考えを示しました。

ワクチン職域接種 必要以上の量の供給申請も 余剰発生のおそれ|NHKニュース

河野規制改革担当大臣は「ワクチンは国が無料で提供するもので、企業が社員に費用を請求することは認められていない」と述べ、職域接種で、会場や医師の確保にかかった費用を従業員などに請求しないよう求めました。

河野大臣、職域接種で「過大申請」 廃棄発生の恐れも|朝日新聞デジタル

河野氏は「申請の中には過大な接種量を申請しているところが散見され、余剰ワクチンが相当数発生をする恐れがある」と説明した。そのうえで、「総接種量と週ごとの(ワクチンの)配送数が合わないなど、いろんな状況があるので個別に調査している」と述べた。

また河野氏は、自治体向けの集団接種を請け負っている医療機関が、並行して企業への職域接種にも取り組む場合は、米モデルナ社製のワクチンの使用を認める考えを示した。自治体向けに供給される米製薬大手ファイザー社製との併用になるが、日時や管理の責任者を明確に分けることなどを条件として認める。河野氏は「医療機関ならば複数のワクチンをこれまでも使っている。明確に動線を分けて、やっていただいても構わない」と話した。

関西大学 ワクチン接種済みの学生に500円分の商品券配布|NHKニュース

大学では様子をみたいという学生が多いのではないかとみていて、接種への関心を高めてもらおうと今回の取り組みを始めたということです。

大学はことし9月までにすべての希望者への接種を終え、対面授業の全面再開を目指したいとしています。

コロナ長期化 大学生支援に飲食クーポン配付 別府大学|NHK 大分県のニュース

配付の対象はおよそ2800人の学生で、1人あたり3000円分、学内の食堂や売店で食料や飲料を買うことができます。

別府大学が去年5月に行ったアンケートでは「新型コロナウイルスの影響でアルバイトの収入が減少した」と回答した学生が8割を占め、大学では、ことしも厳しい状況が続いているとみています。

別府大学の飯沼賢司学長は「苦しんでいる学生たちを生活面でサポートをすることで少しでも気持ちを明るくできればいい」と話していました。

2021年6月22日火曜日

コロナ関連情報 2021/06/22

 ★大学ワクチン接種、抗原簡易キット配布…基本的対処方針を変更|リシード

6月21日(月)から「大学拠点接種」の開始大学一覧(6月21日(月)10:00時点)|文部科学省.pdf

新型コロナ: 福岡・中洲の屋台、明るいうちから満席 宣言解除初日|日本経済新聞

日本大の理工学部駿河台キャンパス(東京・千代田)の校舎では午後2時ごろ、接種が始まった。6階建ての校舎を1棟まるごと使い、歯、法、経済学部の学生や教職員など2万1000人の接種を7月2日までに終わらせる。会場には15個の接種ブースが並び、予診票を持った学生らが次々と入ってきた。

「歯科医師も打ち手の許可が下りたので、歯学部だけで100人の打ち手を確保できた」と推進本部副責任者の本田和也さん。歯科医師や医師、看護師などが1日6交代で接種にあたる。歯学部の山岸佳子さん(21)は「大学側から事前に予診票の書き方や集合時間を指定されたので効率よく受けられた。帰省しやすくなった」と話した。

近畿大の東大阪キャンパス(大阪府東大阪市)の体育館では午前10時ごろ、学生や教職員らを対象とした接種が始まった。近大病院の医師が問診を、看護師が打ち手を担当した。同キャンパスの学生ら約3万4000人のうち、21日午前時点で約1万5500人が申し込んでいるという。

午前中に接種を受けた薬学部1年の女子学生(19)は「感染リスクが減ると考え、接種した。早く対面での授業を受けてみたい」と話した。近大はスマートフォンで使える専用の予約サイトを立ち上げた。8月上旬までに希望者全員の接種を終え、対面授業の早期再開につなげたい考えだ。

立命館大の衣笠キャンパス(京都市)では21日、緊急事態宣言解除を受けて多くの授業がオンラインから対面形式に切り替えられ、朝から続々と学生が登校した。感染防止対策として、学生はキャンパス正門で体温を測定し、教室内では前後左右を1席ずつ空けて座った。

午前中の授業に出席した大学2年の女子学生は「久しぶりの登校。友人に会えて嬉しい」と笑顔を見せた。立命館大は対策徹底を条件にサークル活動などの制限も緩和し、合宿や他校との練習試合も認める方針だ。

【保護者・学生の皆様】コロナワクチン職域接種について|京都ノートルダム女子大学

接種対象:学生と同居する18歳以上の家族。先着順。

決定してからの日時の変更は不可。ワクチン接種学生には食堂で使える「プリペイドカード500円分」を進呈

新型コロナウイルスワクチンの職域接種の実施について|上智大学

接種対象:上智大学・上智大学短期大学部・上智社会福祉専門学校の学生・教職員等で接種を希望する者

ワクチン職域接種 専門の学会が事業者向け注意点まとめる|新型コロナ ワクチン(日本国内)|NHKニュース

副反応については、まれに起こるとされる激しいアレルギー反応「アナフィラキシー」は若い世代の方が起こりやすいとして、会場に薬を準備するなど体制を整えておくことが重要

また、発熱などの副反応は多くは1日から2日で消えるものの、2回目の接種後は症状が強く、仕事を休む人が出るとみられることから、同じ業務グループの人は別々の日に接種するなど欠勤に備えることが求められる。

新型コロナウイルスワクチンの個別接種の促進策の継続及び職域接種における支援策について|厚生労働省.pdf

職域接種については6月21日から開始することを可能としておりますが、中小企業や大学等が実施する場合については、接種費用とは別に、会場設置等に要する経費を新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金により実費補助することとしました。

2.職域接種における支援策について

(1)支援の対象となる職域接種

大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の職域接種で所属の学生も対象とし、文部科学省が定める地域貢献の基準を満たすもの

(2)支援策

都道府県が設置する大規模接種会場において支援対象とする経費と同等の経費を対象として、1,000 円×接種回数を上限に実費補助

「医療従事者等向けに配分されたワクチンの有効活用について(訂正)」に関する質疑応答集(Q&A)|厚生労働省.pdf

自施設において医療従事者等への接種が具体的に予定されていない場合は、高齢者を含む一般住民向け接種への使用、他施設への融通等により、迅速にワクチンを使用するようお願いしているところですが、このように医療機関に残存するワクチンについては、自治体と相談の上、ワクチンの余剰が発生した場合の取扱いと同様に、当該医療機関の患者等に対して接種することは差し支えありません。

★大学拠点接種に向けた医療人材の確保について(周知)|文部科学省

ワクチンの大学拠点接種につきまして、医療人材の確保にあたり、「医療のお仕事 Key-Net」及び「都道府県看護協会・ナースセンター」を活用することができます。

大学拠点接種を実施いただく際に参照いただけますと幸いです。

1 「医療のお仕事 Key-Net」を活用した医療人材の確保について

「医療のお仕事 Key-Net」(以下「Key-Net」という)は、新型コロナウイルス感染症に対応する中、地域医療を支える医療機関における人材確保を促進するために厚生労働省が開設した、医療機関・保健所等の医療人材の求人情報サイトです。

「Key-Net」の利用は医療機関・保健所等に限定されておりましたが、職域接種申請を行った方においても活用できるよう厚生労働省でシステム改修していただきました。

6/18より利用できる状態となっておりますので、医療人材の確保に活用いただくようお願いします。(手数料はかかりません。)

ただし、厚生労働省「職域接種会場申請サイト」での申請が完了していることが利用条件となっておりますのでご注意ください。

活用の使途としては、「職域接種会場申請サイト」への申請後、不測の事態によりお願いしていた医師・看護師が確保できなくなった、又は、ワクチン接種開始後に、新たに医療人材が必要となる場合などになるかと思います。

なお、既に医療機関登録がされている大学等においては、「Key-Net」画面右上の【掲載希望の医療機関・保健所等の方はこちら】から募集が可能です。

2)「都道府県看護協会・ナースセンター」を活用した看護師及び准看護師の確保について

都道府県看護協会・ナースセンターに、全国で4,200名の看護職員が、ワクチン接種に係る研修を終え、すぐに接種会場で勤務できる状態で登録されておりますので、大学拠点接種の実施に当たり、看護師及び准看護師が不足する場合にご活用ください。(手数料はかかりません。)

2021年6月21日月曜日

記事紹介|大学という組織をうまく機能させるためには何が必要か、優れた組織とは

「改革」という名の「組織弄り」に陥っていないか

社会に必要な財やサービスの多くが「組織」によって生み出され、日本の就業者の約9割が雇用者として「組織」で働く時代である。当たり前のように感じられるが、雇用者が就業者の半数以上を占めるようになってからわずか数十年しか経っていない。

組織とは何か、組織と個人の関係をどのように考えればよいのか、組織をうまく機能させるためには何が必要か、といった点について、日々組織と関わりながら、私たちはどれほど深く考えてきたであろうか。

とりわけ、組織への帰属意識が低いといわれる教員が多数を占める大学では、このような疑問すら湧きにくい状況にあったと思われる。そのようななかで、大学の活動領域は広がり、教育をはじめ組織的取り組みがこれまで以上に求められ、ガバナンスやリーダーシップが強調されるようになった。学内組織の新設や統廃合こそが改革との風潮も、政策当局を含む関係者の間で広がっている。そのことに右往左往させられる大学の現場の声も聞こえてくる。

組織を理解することなく、組織の中の個人を理解することなく、「組織弄り」を繰り返すことほど危ういことはない。誰のための、何のための改革なのかという疑問や徒労感が現場を覆い、学生や学問にじっくり向き合う物理的・心理的余裕も失われていく。

組織マネジメントは興味の尽きない創造的営為

主体的に考える力を身につけさせるための教育改革、基礎研究の深化と社会的課題を解決するための応用研究の展開、地域・社会への貢献、これらを促すための競争的環境の創出や評価の確立等、いずれも重要な課題である。

問題は、大学という組織がこれらの課題を効果的・効率的に処理できる装置として機能し得る状態にあるのかという点である。装置の処理能力を知ることなく、原材料を投入し、フル稼働させれば、やがて装置は故障し、修復に多大な時間と費用を要することになる。組織と機械は違うとの反論もあろうが、組織を構成する人間は機械以上にデリケートであり、期待以上の力を発揮することもあれば、期待に応えてくれない時もある。

製造現場を歩くと、機械装置の状態に目を配り、微かな異音も聞き逃すまいとする技術者・技能者の姿を目の当たりにする。ましてや組織は生身の人間の集まりである。その処理能力や状態を知ることは容易ではない。機械装置に対するものとは比較にならないレベルの目配りや心配りが必要なことは言うまでもない。

理事長・学長や役員・副学長・事務局長、あるいは学部長や部課長等、指導的立場にある人々は、自分が率いる組織の処理能力や状態をどれほど理解しているだろうか。より深く正しく知ろうと努力を重ねているだろうか。

組織とは何か、大学組織はいかなる特質を持ったものなのか、個人の能力を引き出し、組織を最大限に機能させるために何が必要か等、絶えず自らに問い続け、実践と内省を繰り返しながら、自分なりの組織観やマネジメント手法を身につけていくことは極めて重要であり、興味の尽きない創造的営為でもある。

『エクセレント・カンパニー』に学ぶ

本連載でも述べてきたが、明確な指揮・命令系統によって整序された経営体的組織(法人組織や事務局組織)と自律性の高い教員の集団である共同体的組織が併存する大学を企業組織と同一に論じることはできない。しかしながら、経営環境の変化を受けやすく、組織の優劣が成果に直結する企業が経験を通して培ってきた考え方や手法、それらを観察し分析することで蓄積されてきた経営学上の理論には、学ぶべき事柄が多い。

そもそも「優れた組織」とはどのような組織を意味するのだろうか。

ビジネス分野で世界的に注目された一冊に、『エクセレント・カンパニー』というマッキンゼー社の2人のコンサルタントによる著書がある。1980年前後の米国の超優良企業に共通する特質を抽出したものであり、日本企業の経営改革にも大きな影響を与えた。

その特質とは、①行動の重視、②顧客に密着する、③自主性と企業家精神、④ひとを通じての生産性向上、⑤価値観に基づく実践、⑥基軸から離れない、⑦単純な組織・小さな本社、⑧厳しさと緩やかさの両面を同時に持つ、の8つである。

「行動の重視」とは、まずやってみて、だめなら直せという意味である。日本ではサントリーの「やってみなはれ」が知られているが、それと同じおおらかさを感じる価値観である。

「顧客に密着する」は説明するまでもないが、大学でも学生、保護者、高校、就職先等から得る情報は貴重である。とりわけ学生に密着し、理解することで、教育や学生支援機能を充実させる様々なアイデアが生まれ、それを実践することで、競争優位性を高めることができるはずである。

「自主性と起業家精神」、「ひとを通じての生産性向上」は、使う者と使われる者、管理する者と管理される者を区別するのではなく、個人とその自主性を尊重する。そして、組織内の至るところで地位に関係なくリーダーシップを発揮する人材が生まれる。そのような状態を指すものである。

「価値観に基づく実践」は、当該企業が大切にする理念やフィロソフィーが、組織内の隅々まで浸透し、日々の判断や行動にまで貫かれている状態である。そのような考え方が徹底されているからこそ、構成員の自主性に委ねることができるのである。

「単純な組織・小さな本社」は、読んで字のごとくであり、本部や機構、委員会等次々に新たな組織を設置し、複雑さを増す大学組織に警鐘をならす言葉でもある。法人・大学の本部機能や企画管理機能が重視され、教育研究現場や学生支援に係る機能に十分な戦力が割けないといった状況があるとすれば、小さな本社の考え方に則って、見直しを行うべきであろう。

「厳しさと緩やかさの両面を同時に持つ」は、権限を分散し、現場の自主性に委ねる一方で、全社共通の価値観は末端まで貫くことを意味する。最近では、大胆な権限委譲を行う一方で、共通の価値観・ルールの徹底とリアルタイムの実績把握を通して内外の子会社や事業部門を統制する方法も広がっている。ただ、集権と分権のバランスはいつの時代のいかなる組織においても難しい課題であることは理解しておく必要がある。

「基軸から離れない」は、自社が熟知していない業種に無闇に手を広げることを戒めたものであるが、大学が新たな学部の設置や活動領域を広げる時など、意識しておくべき視点でもある。

持続可能な組織をつくり出すことがトップの役割

前掲書から約10 年後に、『ビジョナリー・カンパニー』というスタンフォード大学の2人の研究者による著書が出版され、注目を集めた。同じ業種の金メダル企業(ビジョナリー・カンパニー)と銀メダルか銅メダルに相当する企業(比較対象企業)を比較し、前者の優位性の源泉を分析したものである。

この中で、ビジョナリー・カンパニーのリーダーは、「偉大な指導者になることよりも、長く続く組織をつくり出すことに力を注いだ」と指摘している。

また、「確かに、利益を追求してはいるが、単なるカネ儲けを超えた基本的価値観や目的といった基本理念も、同じように大切にされている」とし、「決定的な点は、理念の内容ではなく、いかに一貫して理念が実践され、息づき、現れているかだ」と述べている。

さらに、綿密で複雑な戦略を立てて実行するのではなく、実験、試行錯誤、臨機応変によって生まれたものが多いとしたうえで、競争に勝つことよりも自らに勝つことを第一に考え、「明日にはどうすれば、今日よりうまくやれるか」を厳しく問い続けた結果が成功につながると主張する。

両書に共通するのは、基本的な理念や価値観の重要性であり、それが組織内に広く行きわたり、判断や行動に貫かれていること、そのうえで、自主性を尊重し、行動や試行錯誤を通した進歩を重視していることである。自ら方向性を示し、強い指導力で組織を率いるよりも、基本的な理念や価値観を守りながら、変革を続ける持続可能な組織をつくり上げる。そこにトップリーダーの役割を見いだしていることは重要なポイントである。

自由で豊かな発想、行動の重視、個人と組織の成長

両書の主張は、大学組織にも通じ、十分に活かされるべきものである。

問題は、両書の観察対象が合理的な管理構造の基本とされる官僚制システムで成り立つ大企業だという点である。これに対して大学は、既述のとおり経営体的組織と共同体的組織が併存し、「協働システムとしての組織」の成熟度は決して高くない。個々の教員の自律性を尊重したうえで、教員間の協働や教員・職員間の協働をどう促すか、法人組織や事務局組織に見られがちな形式主義、事なかれ主義、セクショナリズム等「官僚制の逆機能」と呼ばれる弊害をどう克服するか等、解決すべき問題の難度は高い。

組織を変革する場合、一つか二つの仕組みや制度を変更したからといって容易に効果が出るものではない。多くの場合、それらは相互に補完し合う関係にあることから、組織を成り立たせている考え方、仕組み、制度等を再整理し、相互の関係性を理解したうえで、手順を考えながら戦略的に変革に取り組む必要がある。

下図は、2つの前掲書、経営学の理論、筆者自身の経験などに基づいて、「優れた組織」づくりのための枠組みを示したものである。

図は4つのボックスで構成されている。中段に「組織の設計」と「人事管理の確立」を配置し、それを上段から「自校の使命・理念・将来像」、下段から「共有する価値・重視すべき考え」が挟み込む形である。目指すのは、「自由で豊かな発想と行動を重視し、個人の成長と組織の成長の好循環が生まれる組織」である。

仕事は決して楽なものではない。本来厳しいものであり、大学の役員・教職員にはさらに厳しさを求めるべきかもしれない。その中で、安易に思考を止めることなく、様々な知恵を巡らせ、行動し、試行錯誤を繰り返しながら、教育研究と経営を高度化させる。

そのプロセスを通して自らを成長させ、それが組織の成長・発展につながり、そのことが個人の働き甲斐やさらなる成長につながる。「優れた組織」とはそのようなものを指すのではなかろうか。

以下、4つのボックスについて、それぞれの要点を解説する。

組織と人事は車の両輪

最初に中段であるが、組織と人事は車の両輪との考えに基づき、左右に配置している。

組織というと、学部、本部、機構、部課、委員会など容れ物としての組織を考えがちであるが、それは組織設計の一部に過ぎない。また、大学の場合、組織や職位を設けてもそこに位置づける機能、権限、責任が明確に規定されていないことが多い。意思決定プロセスを含めて、これらを明確化することは組織設計の基本である。

そのうえで、業務の標準化、ICTの高度利用、見える化を進めるとともに、コミュニケーションの密度を高める仕組みや持続的な改善を促す仕掛けを工夫する必要がある。

内容については、本連載で述べてきたものもあることから本稿では詳述しないが、これらの要素が合わさって初めて「組織の設計」と呼べることを強調しておきたい。

人事については、教員と職員で人事管理のあり方は異なるものの、職種を超えて個々人が大学で働くことに何を求めているのかを理解することが全ての出発点となる。人事管理の本質は、組織の目的と個人の目的を調和させることにある。個人は様々な動機・目的を持って組織で働く。重視する要素、関心の置き方、働き方に対する考え等は人によって異なる。

そのことを十分に理解したうえで、求める役職者像・教員像・職員像を明確化し、キャリアパスや評価基準を示す必要がある。そして、公平な評価と処遇のための最大限の努力を行う。全ての構成員が納得する評価・処遇などあり得ないが、公平であろうと努める姿勢を示すことは、組織を健全に持続・発展させるうえで極めて大切である。

体系的な人材育成システムでは、特に、中小規模の大学に制約が多いことに留意する必要がある。学外の研修機会の活用や他機関との連携・交流等も含めて、自校に相応しい育成システムを工夫する必要がある。また、役職教職員の教育、新任教員研修や教育能力開発を含む教員向け教育の実質化にも取り組む必要がある。

どこを目指し、何を重視して行動するか

次に、上段の自校の使命・理念・将来像について考えてみたい。建学の理念が明確であり、その精神が構成員に受け継がれている場合はそれを拠り所にすることができるが、新たに使命や理念を制定したり、将来像を構想したりする場合、多くの人々の心に落ちる言葉や説得力あるビジョンを打ち出すことは容易ではない。

重要なことは、自分たちは何者であり、何を目的に、どこを目指して進んでいるのかを教員・職員や役職・一般を超えて話し合う機会を設け、日々の活動においても考え続けることである。そのプロセスを通して何をなすべきかが見えてきて、それが競争力につながるはずである。

下段の共有する価値・重視すべき考えは、バリューやウェイとも呼ばれ、判断や行動の基準となり得るものである。単なる作文や標語で終わらせるのでなく、これらの基準に則って行動したかどうかを人事評価で問うなどして徹底し、組織文化として定着させなければならない。

どこを目指し、何を重視して行動するかを共有したうえで、多様な構成員の主体性に委ねる。「優れた組織」づくりは時間がかかるが、大学の持続可能性を高めるために避けることのできない道である。

【参考文献】

T・J・ピーターズ、R・H・ウォーターマン(大前研一訳)『エクセレント・カンパニー』講談社、1983

ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス(山岡洋一訳)『ビジョナリー・カンパニー-時代を超える生存の原則』日経BP 社、1995

出典:大学を強くする「大学経営改革」[75] 「優れた組織」をつくり上げるために何が必要か 吉武博通|カレッジマネジメント|リクルート進学総研 

コロナ関連情報 2021/06/21

【学長メッセージ】コロナワクチン接種について|東京外国語大学

この接種は、4大学連合でご一緒している東京医科歯科大学のご協力により可能になりました。また、先行接種の日には、東京工業大学、一橋大学の留学予定者の皆さんも一緒に接種を行います。大学間の協力でこうした取り組みが可能になり、とてもうれしく思います。

新型コロナワクチン接種(大学拠点接種)の実施について|徳島大学

接種対象者:約9,500名(予定)、本学学生・教職員等、鳴門教育大学学生・教職員等

接種スタッフ:本学及び鳴門教育大学の医師・看護師等

岡山県のワクチン集団接種会場へ岡山大学病院の医療従事者を派遣|岡山大学

岡山大学病院は、岡山県が県南部健康づくりセンターで独自に運営する新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場に、6月17日から当院の医療従事者を派遣しています。同日から9月30日(予定)まで、医師3人と看護師11人を毎日派遣する予定です。立ち上げの1週間は、統括医師1人とワクチン管理を担当する薬剤師1人も配置し、集団接種のスムーズな運用に協力しています。

コロナ禍の学生支援 3000円クーポン配布へ 学食などで使用可能 大分・別府大学(フジテレビ系(FNN))|Yahoo!ニュース

クーポン券が配布されるのは別府大学と別府大学短期大学部の学生、合わせておよそ2600人で、1人あたり3000円分です。敷地内にある売店や学食などで利用できるということです。総額およそ860万円のうち国の補助金は2割ほど、残りは大学が負担します。

児童生徒ワクチン接種“近く文科省が方針示す”河野規制改革相|NHKニュース

河野大臣は、12歳から15歳の児童・生徒に対する新型コロナウイルスのワクチン接種について、「有効性も安全性も、年齢による差がほとんどないことが分かっている。義務ではないので学校の授業時間に集団で打つことはないと思うが、夏休みに打ってもらい、2学期は心配せずに学校に行ける状況にできたらいい」と述べました。

2021年6月19日土曜日

コロナ関連情報 2021/06/19

6月21日から「大学拠点接種」を開始予定の大学一覧|文部科学省.pdf

6月21日からの「大学拠点接種」の開始目途が立っている大学の接種対象拡大について(例)|文部科学省.pdf

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の変更等について(周知)|文部科学省.pdf

「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更等について、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室より周知がありましたので、その内容をお知らせします。学校の取扱いに関する記載に変更はありませんので、各大学等におかれては、引き続き、感染対策の徹底と学生の学修機会の確保を両立する工夫等をお願いします。また、大学等における抗原簡易キットの活用及び大学を拠点とするワクチンの接種については、先にお示ししている事務連絡や今後の周知事項等を参照の上、適切に御対応いただくようお願いします。
大阪大学は吹田市の職域接種に協力します|大阪大学
吹田市が実施する新型コロナワクチンの「職域接種」に関し、保育・学校教育施設従事者等への優先接種に協力します。

2021年6月17日木曜日

コロナ関連情報 2021/06/17

 ★ワクチン接種が留学先から求められている今秋留学予定の皆さんへ|文部科学省

沖縄除く9都道府県 緊急事態宣言解除へ 政府方針固める|NHKニュース

政府は緊急事態宣言が出されている10都道府県のうち沖縄を除く9都道府県は期限の6月20日で解除し、このうち北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の7都道府県は7月11日までの期間、まん延防止等重点措置に移行させる方針を固め、与党側に伝えました。

職域接種に関するQ&A(令和3年6月16日版)|厚生労働省.pdf

新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口|日本医師会

コロナワクチン接種に従事する「医師」「看護師」の人材確保の相談や企業の職域接種に関する相談を受け付けています。

大学拠点接種、8大学が6/21よりワクチン接種開始|リシード

新型コロナウイルスワクチンの「職域接種」予約・現場管理システムを提供開始|株式会社シャノン

2021年6月16日水曜日

コロナ関連情報 2021/06/16

 ★大学拠点接種とは|文部科学省

ワクチン職域接種 “雇用形態で区別せずに”厚労省|NHKニュース

  • 正社員や非正規雇用など雇用形態によって一律に対象者を区別することは望ましくない。
  • 感染リスクの高い人を優先するなど、ワクチンの接種を適切に受けられるよう対応を。
  • 接種にあたっては本人の意思を確認するとともに、強制することがないよう留意すること。
  • 接種を受けた人の個人情報は、目的外の使用は決してしないこと。
  • 職域接種の実施のために事務局の体制を確保するなどして準備を進めてほしい。

新型コロナ: ワクチン接種、99大学が申請 慶大など8校は21日開始|日本経済新聞

萩生田氏は「大学には自校(の関係者)のみならず、近くの大学や小中高校の先生もぜひ受け入れてほしい。地域の接種の拠点となるよう各校と一体となって取り組みを進める」と話した。

全国99大学が接種会場として実施申請 8校は21日から 文科相|NHKニュース

萩生田大臣は「それぞれの大学が単体で自校の職員や学生のみに行うのではなく、大学が地域における新型コロナワクチンの接種拠点となることを想定している」と述べ、接種の環境が整わない近隣の大学や専門学校の学生や職員も受け入れるなど、積極的な接種の実施に期待する考えを示しました。

職域接種めぐり 河野規制改革相“近隣住民に拡大など柔軟に”|NHKニュース

新型コロナワクチンの職域接種をめぐり、河野規制改革担当大臣は、必要に応じて対象を近隣住民にも拡大するなど、できるだけ多くの人に接種できるよう、企業などに柔軟な対応を取るよう求める考えを示しました。

職域接種で用いるモデルナのワクチンは、2回目の接種までに4週間の間隔を開ける必要があるとして「2回目まで、毎日1回目の接種が続くよう努力をお願いしたい。隣近所や関連会社、社員の家族に積極的に声を掛け、むだのないようにしていただきたい」と述べ、できるだけ多くの人に接種できるよう企業などに柔軟な対応を取るよう求める考えを示しました。

職域接種 申請企業にワクチンなど到着 各地で準備進む|NHKニュース

河野規制改革担当大臣は、記者団に対し「職域と近隣住民、そして医療従事者に打っていただくというモデルが立ち上がり、大変うれしく思っている。近隣住民まで広げてもらうと、効率やスピードアップの観点からもありがたく、積極的に展開してもらいたい」と述べました。

そのうえで「高齢者に比べ、若い世代は『積極的に打ちたい』という割合が低いので、いろいろなことを考えていかなければならない。野球の試合を安全に見られるということは、若者のインセンティブになると思うので期待したい」と述べました。

職域接種加速へ産学官が連携 福岡市「最速の挑戦続ける」|西日本新聞me

原則として市内の企業や大学を対象に、打ち手として協力する医療機関を紹介したり、接種会場を運営するノウハウを伝えたりする。特設サイト「エール!フクオカ」の専用フォームで相談を受け付ける。

市は、50人以上の事業所の従業員や大学生、専門学校生らの約4割にあたる約20万人の職域接種を見込む。高島宗一郎市長は「今後(64歳以下の)予約が集中する。職域接種と市の接種を組み合わせて最速のチャレンジを続けたい」と述べた。

中小の「職場接種」、活路は代行サービス?:不満の声|ITmedia ビジネスオンライン

ワクチン保管の冷凍庫 一部製品で温度が急に上昇の可能性|NHKニュース

在学生への給付金や奨学金支給…明治学院大学|リセマム

明治学院大学は、新型コロナウイルスの影響で家計が急変し、勉学の継続に支障をきたした学生を対象に、2020年5月に独自の「新型コロナウイルス感染症対応給付奨学金」を創設した。2021年度も継続して実施する。

新型コロナ: メールよりチャット テレワークでITツール主役交代|日本経済新聞

「Google Chat」のチャットルームが今夏、コラボレーションの基盤「スペース」へ|窓の杜

2021年6月15日火曜日

コロナ関連情報 2021/06/15

 ★新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の変更等について(周知)|文部科学省

政府は、クラスターの大規模化及び医療のひっ迫を防ぐ観点から、健康観察アプリも活用し、医療機関との連携体制の確立を図りつつ、大学、専門学校、高校、特別支援学校等に対して、最大約80万回程度分の抗原簡易キットの可能な限り早い配布を進め、抗原簡易キットを活用した軽症状者(発熱、せき、のどの痛み等軽い症状を有する者をいう。)に対する積極的検査を速やかに実施し、陽性者発見時には、幅広い接触者に対して、保健所の事務負担の軽減を図りつつ、迅速かつ機動的にPCR検査等を行政検査として実施する。(中略)このため、学校及び職場等における検査の実施体制及び促進策、重点的な働きかけを行う職場その他の関連する事項について早急に具体化を図る。(抜粋)

福岡市が職域接種を支援へ 全国初、市と産学官のチーム発足|西日本新聞

(関連)エール!FUKUOKA|福岡市

大学ワクチン接種、弘前や広島等32大学が申請|リシード

新型コロナウイルスワクチンの職域接種について|千葉大学

新型コロナウイルスワクチン接種の実施概要について|慶應義塾大学塾生サイト

新型コロナウイルスワクチン職域接種について(塾長メッセージ)|慶應義塾

神戸大学、産学官の新型コロナワクチン大規模接種に参画|大学ジャーナルオンライン

2021年6月12日土曜日

教育再生実行会議提言「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」

6月3日、政府の「教育再生実行会議」が開催され、座長から、「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」(第十二次提言)が菅総理に手渡された。

本文・参考資料

大学関連(抜粋)

2 ニューノーマルにおける高等教育の姿、国際戦略と実現のための方策

(1)ニューノーマルにおける高等教育の姿

① 遠隔・オンライン教育の推進

  • 大学等は、デジタル技術を活用した遠隔・オンライン教育の進展も踏まえ、学修者本位の教育の実現、学生の学びの質の向上、STEAM人材や地域社会の担い手の育成を図る観点から、次のような取組を積極的に進める。国は、こうした大学の取組を支援し、高等教育のDXを迅速かつ強力に推進する。

▷遠隔・オンラインでの事前学修をもとに対面で演習を中心に意見交換を行う反転授業や同じ授業を対面とオンラインとで同時に行う授業、オンラインと地域実践学修を組み合わせた教育プログラムなど、面接授業と遠隔・オンライン授業を効果的に組み合わせたハイブリッド型の教育の実施

▷LMSの活用により、学生の学修内容や理解度をデータとして可視化し、これを利用した学生個人に応じた教育の実施(学生の理解度に応じた授業の工夫や、より体系化されたカリキュラム編成の促進、学生の学修履歴を踏まえた履修指導など)

▷バーチャル・リアリティ(VR)等を活用した効果的な実験・実習・臨床教育の導入

▷オンライン環境下での試験実施方法の開発など、新たな学修評価方法の開発

▷遠隔・オンライン教育を含む大学教育の質の向上のためのファカルティ・ディベロップメント(FD)、スタッフ・ディベロップメント(SD)の充実・高度化

  • 国は、大学等が設置者の枠組みを超えて遠隔・オンライン教育等のリソースを共有・有効活用し、学生の多様な学修ニーズにきめ細かに対応できるよう、大学等連携推進法人の活用や大学コンソーシアム・大学間連携などの取組を通じた単位互換制度の活用、MOOKの戦略的な活用を促す。また、大学等はこれらのリソースを国内外に向けて積極的に公開する。
  • 国は、高等教育のDXに向けたアイデアを募集し、公開イベントでの提案やコミュニティの形成を通じて、デジタル技術を用いて授業等を改善する機運の醸成、教育にエフォートを割く教員の奨励、社会の高等教育への参画を促すとともに、デジタル技術を活用した授業等改善の知見の蓄積・共有を図る。
  • 国は、遠隔・オンライン教育の単位数上限(60単位)算定の考え方の明確化を図り、周知する。また、国や大学等は、遠隔・オンライン教育がどのような属性の学生に対してどのような効果があるのか、どのような授業に適しているのか、面接授業との効果的な組み合わせの在り方はどのようなものかなどについて、学修者のニーズや質保証の観点も踏まえながら検証・評価を行い、遠隔・オンライン教育の単位修得の柔軟化を速やかに検討する。
  • 国は、ニューノーマルにおける大学等の姿を実現するための仕組みを構築する観点から、遠隔・オンライン教育の単位修得の柔軟化の検討と併せて、通学制と通信制の区分を含めた大学設置基準の在り方や設置認可制度、認証評価制度の見直しなど、時代に即した質保証システムの在り方について見直しに向けた検討を速やかに行う。その際、教育施設の在り方についても、大学教育の質保証の観点も踏まえて検討する。

② 教学の改善等を通じた質の保証

  • 大学は、「出口における質保証」を考える上で、大学教育の成果の把握、評価・検証が重要であることから、卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針(以下「3つの方針」という)に基づく体系的で組織的な大学教育を展開し、「教学マネジメント指針」に基づき、3つの方針を通じた学修目標の具体化、次のような教学の改善・改革を行うとともに、大学教育の成果や効果ある教育実践等について周知等を図る。

▷学生の学修目標及び卒業生に最低限備わっているべき能力の保証として機能するよう、「卒業認定・学位授与の方針」の具体的かつ明確な設定

▷密度の高い主体的な学修を可能とする前提としての授業科目の精選・統合、学生が同時に履修する授業科目数の絞り込み

▷複数の情報を組み合わせて、学修成果・教育成果を多元的に把握・可視化

▷学修成果・教育成果の把握・可視化の前提として、各大学の学生の成績分布の公表などを通じた成績評価の信頼性の確保

▷FD及びSDを通じた教職員の能力向上や教育改善活動の進展

▷教育成果や教学に係る取組状況などの大学の質に関する情報や「全国学生調査」等を通じた学生の成長実感など学びの実態に関する情報の積極的な公表

  • 国は、各大学の教育改善、我が国の大学に対する社会の理解の促進や政策立案に際しての基礎資料として活用するため、「全国学生調査」の本格実施に向けた調査設計の改善や課題の整理を進める。
  • 国は、教育行政の改善を目的とした研究における行政データの利活用に向けて一層の環境整備に努めるほか、データ貸与の改善による研究へのフィードバックの効率化を図る。

③ 学びの複線化・多様化

  • 国は、WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築の早期実現を図り、高等学校と大学等とが連携した先取り履修などの学習プログラム等を開発し、全ての高校生がオンライン・オフラインで参加可能とする。(一部再掲)
  • 国は、飛び入学した大学での一定の単位の修得状況をもとに、高等学校の3年間の課程を修了した者と「同等以上の学力」を有することを文部科学大臣が認定し、高等学校卒業資格を付与する制度を創設する。(再掲)
  • 国は、大学等が高校生を対象として行う遠隔・オンラインも活用した教育機会の提供を促進する。また、高校生が大学の授業科目を履修し、その後、当該大学に入学した場合には、当該大学において卒業単位として認められる先取り履修の活用を図るため、修業年限の柔軟化が可能となるよう制度改正を行うとともに、大学は、他大学で修得した単位についても、当該大学の教育課程の一部に相当し教育上有益と判断する場合には、単位互換を認めることができる旨を周知する。
  • 大学等は、多様な学修ニーズへの対応や「出口における質保証」の観点から、通信制課程において、特に遠隔・オンライン教育を積極的に活用する。国は、通信制課程において遠隔・オンライン教育の単位数上限がないことを周知するなど、遠隔・オンライン教育の活用を促進する。また、現在は通信制課程を置いていない大学においても、コロナ禍において蓄積された知見・ノウハウを生かして、遠隔・オンライン教育による新たなカリキュラムの開発・実施を検討する。
  • 国は、社会・経済活動のニーズに対応したリカレント教育を推進する観点から、大学院における高度な専門教育に関し、遠隔・オンライン教育の積極的な活用や個別の単位に分けて学修するマイクロクレデンシャル(micro credential)の提供など、より多くの人がアクセスしやすい取組を促進する。その際、履修単位を積み重ねることにより学位が取得できるような柔軟な仕組みの在り方や国際通用性の確保などについて検討を進める。
  • 大学等は、誰もがいくつになっても新たなチャレンジができる社会を構築するため、社会人や企業のニーズに応じた実践的・専門的な教育プログラムの提供や中退者等の再入学希望に対する柔軟な対応を推進するとともに、長期履修制度に係る解釈の明示化・周知等を通じて、多様な学修者の学びを促進する。国は、社会人の学び直しを含む実践的な教育を支える実務家教員を育成・活用するシステムの構築や、多様な学修者が学びに関する情報に容易に接触できる機会を確保する。
  • 専門学校は、職種転換を考えている人などへの教育機会の提供として、短期の学びを中心としたリカレント教育プログラムの開発を行う。また、高等学校教育と専門学校教育の連携・接続の取組の促進や地域等での産学連携による職業教育機能の強化など、地域社会や産業界のニーズに応じた教育プログラムの開発を行う。国は、こうした取組を支援するとともに、専門学校の魅力ある取組の情報発信を更に推進する。
  • また、国は、高等教育機関の連携を促進し、社会や経済ニーズに対応した教育プログラムの提供を推進する。
  • 国は、生涯学習の一環であるリカレント教育を振興し、個人の学びを促進する。社会人がリカレント教育を受講しやすいように、eラーニングの活用などを含め、有効と考えられる講座の認定や体系化等、高等教育機関等へのインセンティブ設計を行う。また、リカレント教育の社会人受講者数のほか、その教育効果や社会への影響を評価できる指標の開発を進める。産業界は、高等教育機関における学び直しの促進に向けたインセンティブとなる評価体系や人事制度の整備を進めていくことが求められる。
  • 国は、AIと他分野を融合して課題解決につなげる人材育成体制の構築、防災・減災・防疫に関する教育研究の新たな実施など、社会的ニーズに対応した人材を育成するための高等専門学校教育の高度化を推進する。

④ デジタル化への対応(学務・教務等のデジタル化、デジタル化を担う人材の育成)

  • 大学等は、学修歴証明書のデジタル化に関する実証実験等を行う。国は、これらの実証実験等を踏まえつつ、学修歴証明書のデジタル化を普及・定着させるため、周知や活用促進を図る。
  • 大学等は、LMSの活用により、学生の学修内容や理解度をデータとして可視化し、これを利用した学生個人に応じた教育(学生の理解度に応じた授業の工夫や、より体系化されたカリキュラムの編成の促進、学生の学修履歴を踏まえた履修指導など)等の取組を実施する。国は、こうした大学の取組を支援し、高等教育のDXを迅速かつ強力に推進する。(一部再掲)
  • 大学等は、学内のDXを推進し、教育の質の向上を図る観点から、FD・SDの充実・高度化に取り組む。
  • 国は、全ての学生が、文系・理系の垣根なくデジタル時代の「読み・書き・そろばん」である数理・データサイエンス・AIの基礎などの必要な力を身に付けることができるよう、全学的な数理・データサイエンス・AI教育の教材等の開発、教育に活用可能な社会の実課題・実データの収集・整備等の実施を支援し、全国の大学等への普及・展開を図るとともに、教える側の体制強化を図る。また、私立大学等における数理・データサイエンス・AI教育の充実のための支援を行う。
  • 国は、大学等において、数理・データサイエンス・AIの知識を様々な専門分野へ応用・活用できる教育プログラムが機動的に展開されるよう、産業界と連携し、AI×専門分野やデータの社会実装を進めるための高度専門人材を育成する教育を推進する。また、学部等連携課程の周知や活用促進を図る。
  • 国は、数理・データサイエンス・AIに関する学修成果が社会で評価されるよう、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」の周知・広報を行い、大学等の認定取得を促進するとともに、AI社会課題等を解決できる実践力の修得を目指した教育プログラムの認定制度(応用基礎レベル)を創設する。

⑤ 学生等への支援の充実

  • 国・高等教育機関は、意欲と能力のある者に高等教育機関への学びの機会が確保されるよう、高等教育の修学支援新制度や日本学生支援機構の奨学金事業(自治体や企業による返還支援制度を含む)等について一層の周知・広報を行う。
  • 国は、今後、感染症や災害等による家計急変世帯やアルバイト収入の減少に対する奨学金等の支援が常態化していく可能性があることを踏まえ、高等教育無償化等の実施状況の検証を行い、中間所得層における高等教育機関へのアクセス状況等を見極めつつ、その機会均等について検討する。
  • 国は、新型コロナウイルス感染症が就職活動に及ぼしている影響を踏まえ、新卒応援ハローワークの支援対象に3年以内の既卒者も含まれることについて更なる周知・広報を行うとともに、大学のキャリアセンター等との連携を強化し、就職支援ナビゲーターの定期的な大学等訪問、未内定・内定取消にあった学生等へのきめ細かな支援など、新卒者等への就職支援の一層の充実を図る。
  • 国は、障害のある学生に対する各大学等の修学・就労支援体制の整備を促進するとともに、大学等と関係機関の連携を促進し、障害のある学生の修学を支援する。
  • 国は、特別研究員制度の充実、日本学生支援機構奨学金(業績優秀者返還免除)や各大学の大学院生に対する授業料減免による継続的な支援、大学ファンドの運用益の活用やそれに先駆けた博士後期課程学生への支援を強化する取組等を進める。
  • 国や大学は、博士後期課程学生がリサーチアシスタント(RA)として働く場合、競争的研究費や共同研究費から適正な水準で給与が支給されるよう、RAの雇用・謝金に係るRA経費の支出ルールを策定し、実施する。
  • 国は、博士後期課程学生の処遇向上のため、学内フェローシップと博士課程修了後のキャリアパスの確保を一体として実施する大学を支援する。

⑥ 施設・設備の整備の推進

  • 国は、国立大学法人等(国立大学法人、大学共同利用機関法人及び国立高等専門学校を指す)の施設について、教育研究施設だけでなく食堂や寮、屋外空間等も含めキャンパス全体が有機的に連携し、様々な分野や場面で、学内外の多様な人材が積極的に関わりながら共創できる拠点としての「イノベーション・コモンズ(共創拠点)」の実現を目指して、「第5次国立大学法人等施設整備5か年計画」に基づき、継続的な支援を行う。国立大学法人等は、戦略的な施設整備や施設マネジメント等を通じて、計画的・重点的な施設整備を進める。
  • 国は、私立大学等の個性・特色を生かした教育研究の基盤となる設備・装置や、面接授業や遠隔授業実施の基盤となる構内LANの整備等に対する支援を行う。
  • 地方公共団体は、大学等のキャンパスの意義を踏まえ、公立大学等における地方創生の推進や地域人材の担い手育成の観点から、教育研究活動の基盤となる施設・設備の整備を進める。

(2)グローバルな視点での新たな高等教育の国際戦略

① グローバル化に対応した教育環境の実現、学生のグローバル対応力の育成

  • 国は、世界トップレベル大学との交流、人事・教務システムの改革などの体質改善、学生のグローバル対応力育成のための体制強化など、徹底した国際化に取り組む大学を重点的に支援する。
  • 国は、大学教育のグローバル展開力の強化を図るため、我が国にとって戦略的に重要な地域・大学との質保証を伴った国際連携・学生交流等を推進する。具体的には、単位の相互認定や成績管理、学位授与等、教育交流プログラムの開発・実施を行う大学を支援する。その際、COILプログラムの開発・実施など、遠隔・オンライン教育も活用した大学間交流を積極的に支援する。
  • 国は、大学が国内外の協定大学との間で、質保証を伴う遠隔・オンライン教育のリソースを相互に提供するシステム作りを支援し、学生等が自国にいながら授業を履修し、教員は世界に対し発信することを促進する。
  • 国は、JDの更なる拡大に向けて、開設に係る設置手続きの見直し、複数大学の参加を促進するための各参加大学における最低修得単位数の縮減、より優秀な留学生の獲得に資する方策など、質を担保した上での推進方策について検討を行う。
  • 国は、高校生段階からの留学生交流が新型コロナウイルス感染症の影響を受けている場合、その継続や再開に向けた取組等を支援し、日本人学生・生徒が海外留学を継続できるよう必要な支援を行う。
  • 官民協働の海外留学創出プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」については、令和4年度以降の後継事業に向けた取組を推進するとともに、社会総掛かりで若者の海外留学の機運を醸成し、日本人学生のグローバル人材育成を強力に推進する。具体的には、高等学校段階からの海外留学機会の充実による国際性の涵養や、留学成果を定着させるための取組の推進、帰国した日本人留学生の活躍機会の促進等を通じ、多くの若者が海外留学を志すようになる好循環を形成する。
  • 国は、諸外国のニーズを踏まえた高等専門学校の海外展開や高専教育の高度化・質保証のための国際標準化を推進するとともに、海外インターンシップや単位互換協定校への留学等を推進する体制の構築を支援し、高等専門学校の国際化を推進する。
  • 国は、世界的な人材獲得競争や、コロナ禍で拡大した遠隔・オンライン教育による国際交流等も踏まえ、ポストコロナ期を見据えた質の高い国際流動性を実現していくため、より具体的かつ戦略的な目標の設定に向けた検討を行う。

② 優秀な外国人留学生の戦略的な獲得

  • 国や大学は、海外の優秀な留学生の獲得に向けて、世界の大学やインターナショナルスクールを含む現地の教育機関等に対して、日本の強みや魅力ある教育などの情報発信を進めるとともに、大学は、世界のインターナショナルスクールが加盟するIBDPやAS&A Levelの卒業成績を用いた特別入試の実施などの活用など、効果的な取組を導入する。
  • 国は、大学による責任をもった適切な在籍管理を前提としつつ、優秀な留学生の獲得に向けて、大学の戦略に応じた柔軟な運用が可能となるよう、留学生の受入方策を検討する。特に、頭脳循環の拠点となる大学において優秀な外国人留学生の獲得に資する制度の在り方等を速やかに検討する。
  • 国は、COILプログラムなどオンラインによる学修も契機として、実際に訪日して学ぶ外国人留学生が安心して勉学に専念できる環境を整備するため、大学等における日本語教育の充実や地域・企業等との交流、生活支援等の取組を促進する。大学等は、日本語教育機関や地方公共団体等とも連携して、日本語教育機会の充実、日本人学生や地域住民との交流機会の提供等を行うとともに、居住・生活等に関する相談体制の充実を図る。
  • 国は、優秀な外国人留学生が卒業後も我が国に定着して活躍できるよう、大学等において企業等と連携した日本語教育やキャリア教育、インターンシップ等を一体として提供する取組を促進する。また、外国人雇用サービスセンター等による就職支援を実施するとともに、外国人が働きやすい職場環境の整備促進に向けて高等教育機関に必要な情報を周知する。企業は受入環境を整備し、優秀な外国人留学生の採用を積極的に行う。
  • 国及び大学等は、外国人留学生が帰国後も親日人材として人的ネットワークを維持・強化して活躍できるよう、帰国留学生会の活動支援や帰国後のフォローアップの充実を図る。

③ 学事暦・修業年限の多様化・柔軟化と社会との接続の在り方

  • 大学等は、国際化を通じた教育研究力の向上やキャリアパスに応じた多様な学びの実現の観点から、秋季入学や4学期制など学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を図る。その際、多様な履修モデルの提供に加え、入学者選抜の方法や授業料の設定・徴収の在り方についても、教育の質保証の在り方と併せて必要な検討・対応を行う。
  • 国は、大学等の国際化やリカレント教育など学びの多様化に対応した学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を進める観点から、大学等の早期卒業・修了制度に係る解釈の明示化・周知、ギャップタームの取組成果の普及促進、定員の設定・管理の在り方や授業料の設定・徴収の在り方に係る考え方の整理など必要な支援を行う。
  • 大学は、学生が身に付けたスキル・資質・能力の明確化や、卒業・成績要件の厳格化、学生の学修時間の増加などの授業の実質化等の質保証の取組を行うとともに、学生のダブルメジャーの促進など、国際通用性を見据えた取組を進める。
  • また、国においては、新たな大学入学者選抜の在り方を明確に示すことにより、各大学において、春秋の入学時期を問わず、選抜区分の特性に応じたより多面的・総合的な選抜方法への転換を促進していくことが望まれる。
  • 産業界は、企業の採用・雇用の多様化・複線化が進展しつつある状況を踏まえ、これを更に推進する。また、大学や学生だけでなく広く社会に対して、学修成果(ディプロマ・サプリメントや学修ポートフォリオなど)を重視した採用選考活動の実施、オンラインによる企業説明会や面接・試験の実施、秋採用・最終学年6月以降の通年採用などによる一層の募集機会の提供等、採用選考に関する情報発信等が求められる。
  • 国、大学、産業界は、ジョブ型採用を見据えたインターンシップの先行的・試行的実施の状況等も踏まえて、引き続き、学生・大学及び企業にとってより多くの成果をもたらすインターンシップの在り方や、社会が大学等における学修成果を評価する採用選考活動の在り方を検討する。

3 教育と社会全体の連携による学びの充実のための方策

(1)大学等における入学・卒業時期の多様化・柔軟化の推進

  • 大学等は、国際化を通じた教育研究力の向上やキャリアパスに応じた多様な学びの実現の観点から、秋季入学や4学期制など学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を図る。その際、多様な履修モデルの提供に加え、入学者選抜の方法や授業料の設定・徴収の在り方についても、教育の質保証の在り方と併せて必要な検討・対応を行う。(再掲)
  • 国は、大学等の国際化やリカレント教育など学びの多様化に対応した学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を進める観点から、大学等の早期卒業・修了制度に係る解釈の明示化・周知、ギャップタームの取組成果の普及促進、定員の設定・管理の在り方や授業料の設定・徴収の在り方に係る考え方の整理など必要な支援を行う。(再掲)
  • 産業界は、企業の採用・雇用の多様化・複線化が進展しつつある状況を踏まえ、これを更に推進する。また、大学や学生だけでなく広く社会に対して、学修成果(ディプロマ・サプリメントや学修ポートフォリオなど)を重視した採用選考活動の実施、オンラインによる企業説明会や面接・試験の実施、秋採用・最終学年6月以降の通年採用などによる一層の募集機会の提供等、採用選考に関する情報発信等が求められる。(再掲)
  • 国は、飛び入学した大学での一定の単位の修得状況をもとに、高等学校の3年間の課程を修了した者と「同等以上の学力」を有することを文部科学大臣が認定し、高等学校卒業資格を付与する制度を創設する。(再掲)
関連報道

規制改革推進に関する答申 -デジタル社会に向けた規制改革の「実現」-

  • 規制改革推進会議(小林喜光議長)は6月1日、首相官邸で第3回規制改革推進会議議長・座長会合を開催し、「規制改革推進に関する答申」を取りまとめ、会議に出席した菅首相に提出
  • 答申を受け取った菅首相は、「規制改革を着実に進め、悪しき前例主義、行政の縦割りを打破することで、次の成長の突破口を作っていく」との考えを表明
  • 政府は、答申を受けて規制改革実施計画を策定し、月内にも閣議決定を行う見込み
  • 答申は、「成長戦略」「雇用・人づくり」「投資」「医療・介護」「農林水産」「デジタルガバメント」の各ワーキンググループの議論を反映させたもの
  • 行政手続の書面・押印・対面の見直し、オンライン教育の推進など多くの規制改革項目が盛り込まれている。

本文

大学関連(抜粋)

Ⅱ 各分野における規制改革の推進

2 雇用・人づくりワーキング・グループ

(4)デジタル時代の日本を支えるイベノーション人材育成の環境整備

ア デジタル時代を踏まえた大学設置基準等の見直し

<実施事項>

a 「遠隔授業の方法により修得する単位数の上限(60単位)」については、一部のみオンラインで実施する場合はこの上限の範囲内には入らないことが明確化されたが、通学制と通信制の設置基準の見直しに当たっては、通学制と通信制の差異が相対化していることを踏まえ、それぞれの長所を生かした形で大学が独自性を活かすことができるよう、更なる見直しが必要であり、関係者の意見を聞きながら検討を行う。

b 現在、多くの大学は対面方式と遠隔方式を組み合わせた「ハイブリッド方式」を取り入れているが、この方式において授業が行われた場合に、対面/遠隔で受講した学生から見て、それぞれ対面授業とカウントされるのか、遠隔授業とカウ ントされるのか(60単位に含まれるのか)ルールを明示化し、周知する。

c 卒業に必要な124単位のうち、遠隔授業の方法により修得する単位数の上限は60単位、対面授業が求められるのは64単位であるが、「遠隔授業が半以数下の場合は対面授業とみなされる範囲は、124単位全てに適用される」というオンライン教育に関する活用の趣旨の大学現場への浸透を図るとともに、コロナ禍において特例的に認められている措置(対面授業を実施することが困難である場合、遠隔授業等を行う弾力的な運用が認められる措置)が、いつまで適用されるのか、早急に周知する。

d 大学設置基準では、授業の主たる実施場所は大学の校舎等であることが求められ、学外の施設の利用は授業の一部のみで認められているが、オンライン授業の普及・利用状況を踏まえ、また大学に今後期待されるリカレント教育の実施に向けた社会人の利使性等の観点から、校地・校舎面積の物理的空間としての規制、例えば「校舎等施設」(「大学設懺基準」第36条)、「校地の面積」(同第37条)、「校舎の面積」(同第37条の2)並びに「運動場」(同第35条)等の基準について、大学の独自性を考慮した上で、柔軟に対応できるよう見直しを実施する。また、デジタル書籍の利用やオンライン授業が今後更に広がると想定される中で、大学設置基準における体育館を始めとした施設の設置義務等の妥当性について検討し、見直すとともに、必ずしも「紙の本」の図書館や教員の個室は必要ないという点と併せて、周知する。

e 国際的活躍を目指す学生のキャリア形成の過程において、海外大学院への進学は珍しくないが、大学設置基準において、卒業要件は、「大学に4年以上在学し、124単位以上を修得する」と定められている。大学卒業要件は、大学に何年在学したかではなく、何を修得したかで認められるべきであり、「単位」(「大学設置基準」第21条)を取得した場合には、4年未満であっても卒業できるように見直しを行う。同時に、入学時期や卒業時期についても、海外への大学留学・大学院進学における利便性も踏まえ、柔軟な設定を可能とする。

f 時間的、地理的な制約が緩和されるデジタル時代においては、対面教育のみを前提とした現行の厳格な定員管理は、より柔軟かつ合理的な定員管理に見直される必要がある。定員管理について、個別の事情(例えば医学部における実習可能数の上限等)がある場合を除いて、「学部単位の入学定員」をより柔軟化するとともに、単年度での管理についても、複数年度の平均値での管理など、より現実的な方法に変更を行う。また、社会人学生や留学生に関する定員についても、より柔軟な設定をすることを可能とする。

g 大学設置基準において、「「当該大学に置く学部の種類及び規模に応じ定める教授等の数」と「大学全体の収容定員に応じ定められる教授等の」数の合計した数以上」と定められている専任教員数の規定について、学部の種類や各大学の実態に即した形で見直す。

h 魅力的な大学・専門職大学の設立に当たっては、優れた実務家教員の採用による民間ビジネスの実態に合わせた環境の整備等は必須であるが、その基準は必ずしも明示化されていない。したがって、「実務家教員」の定義(実務家教員の研究・教育実績の明確化)や学校名(どのような学校名なら認可されるか、不認可となるか、またその基準について)等については、大学等の設置認可の申請に当たり、誰もが分かりやすい形で明示化する。

i 大学設置基準において、単位互換が認められるのは60単位の上限があるが、海外からの留学生の取り込み、国内の日本人の海外留学の促進、大学間の単位互換の促進などの観点から、単位互換制度の活用状況や将来的なニーズ、また、自ら定める学位授与方針等との整合性や質保証の観点等も踏まえ、単位互換制度の在り方について議論を行う。

(5)オンライン教育等にかかる規制・制度の見直し

<実施事項>

g 通学制の大学におけるオンラインを活用した授業により取得できる単位数上限について、単位取得のために必要な授業数の半数を超えない範囲でオンラインを活用した授業をした場合等には、単位数上限に加算しないことを明確化する。また、通信制の大学においては、オンラインを活用した授業のみで上限なく全ての単位を取得できることも併せて周知を図る。あわせて、例えば、オンライン教育の活用による留学を促進する観点から、日本人学生が海外に滞在しながら、また、外国人学生が自国にいながら日本の大学の授業を受ける場合、通学制の大学においても、海外からのオンラインを活用した授業と日本での対面授業の柔軟な組み合わせによる教育が可能であることなどの周知を図る。同時に、通学制の大学は、学生がキャンパスに来て学ぶことを前提とした学校であり、各大学は、学生に寄り添い、学生が安心し、十分納得した形で学修できるように対応することが重要である旨を併せて周知する。

h 教育の質保証の観点も含めて、デジタル化時代に即したものとなるよう、大学設置基準、大学通信教育設置基準(昭和56年文部省令第33号)の見直しについて、令和4年度からの実施を念頭に、結論を得る。

2021年6月11日金曜日

コロナ関連情報 2021/06/11