国立大学協会が作成した資料によれば、検討方法、事項等は以下のとおりです。
(1)国立大学の機能強化に関する委員会WGでは、文部科学省が今年度中に策定する「大学ビジョン」と「国立大学改革基本方針」、また来年度央に策定する「国立大学改革プラン」に対し、国立大学の自主性を堅持する立場から、国立大学協会としての「ビジョン」、「在るべき姿」の原案をできるだけ速やかに作成することを目標とする。(その後、国立大学の機能強化に関する委員会等での検討を経て、国大協として政府に提言することを想定。)
(2)(1)に先立ち、サブWGでは、各グループの大学群が抱える問題・課題を検討、整理し、①それらの問題・課題を解決する方向性(中長期的に検討する事項)、②「大学ビジョン」と「国立大学改革基本方針」に記載されると想定される内容への対案(短期的に検討する事項)を作成し、WGに提案する。
※留意事項
- 検討事項は、短期的な頂目と、中長期的な項目に分けて議論する。
- 短期的な項目は平成24年12月頃までに結論を出し、中長期的な項目は大枠の検討を進めておき、平成25年度当初を目途に議論を深めていく。
2 サブWGにおける検討事項について
(1)4つのサブWGに共通の検討事項
★中長期的に検討する事項例(可能な範囲で行う。)
①超高齢化、少子化を踏まえた社会保障制度など、わが国の国家政策の在り方に関する提言(教育セクターを超えた視点からのアプ□-チ)
②わが国において、国立大学が担う役割に関する提言
③学部系統別分野の在り方に関する提言
・社会からの需要の変化に伴う重点の変化
④国家を担う人材(グローバルリーダー)の養成に関する提言
・トップリーダーを育てるフレキシブルな仕組みの構築
・優秀な官僚等を厳選して育成する仕組みの構築
・大学教員が国の政策に関与する機会の創設(人事ローテーションとして)
★短期的に検討する事項
①「国立大学改革基本方針」の策定前に、国立大学として主張すべき事項
②「大学ビジョンの内容の構成イメージ」に掲げられる各項目に対し、国立大学として主張すべき事頂(各サブWGに関連する項目)
-文部科学省「大学改革実行プラン」(平成24年6月)P7~
1 20~30年後の日本の将来像、求められる人材像 (1)20~30年後の日本と世界の展望を踏まえた、日本が直面する課題 少子高齢化、産業構造・就業構造の変化、高付加価値を有するイノベーションの創出、高い専門的、汎用的能力を有する人材の質的確保 等 (2)この課題解決のために、求められる能力 様々な分野での卓越した能力、異文化・異言語の相手との協同、世代・立場を超えたコミュニケーション能力 等 (3)求められる人材像・大学教育に対する進学需要 ①新たな価値を創造する人材、優れた価値をグローバルに展開する人材、地域を支える人材 ②新たな雇用が見込まれる成長分野(医療・介護等)で必要とされる高等教育修了者 等 2 大学の果たすべき役割・機能と課題 (1)大学が果たすべき役割・機能 ①生涯学び続け、主体的に考える力を持った人材育成 ②社会・経済の発展を牽引する人材育成 ③世界的な研究成果とイノベーションの創出 ④地域再生・地域課題解決における中核としての成果の発揮 等 (2)現在の大学の課題 ①大学教育が、社会経済の求める人材ニーズに対応していない ②社会人学生・留学生の割合が低く、人材の流動性を促す仕組として不十分 ③経営上・教学上課題のある大学の存在 ④研究で世界と戦える大学数が少なくその地域が低下している ⑤大学の持つシーズ・リソースが社会で十分いかされていない 等 3 大学政策の方向性 (1)大学教育の質的転換(P8、9) ①高校教育改革、入試、大学教育改革の一体実施 ②学修時間の増加、教員の組織的教育、学修環境の整備等 ③学修成果の把握(アセスメントテスト等) ④社会人学生・留学生の受入れ拡大 ⑤高等教育における実践的キャ.リア教育・職業教育の充実 等 (2)戦略的な機能強化 ①層の厚い「リサーチ・ユニバーシティ」・研究拠点の形成(P13)
(3)システム・基盤整備 ①大学ビジョン等に基づく、メリハリある戦略的資源配分(P21)
④大学の質保証の徹底推進(質確保のためのトータルシステムの確立、きめ細かい経営指導や支援、教学上問題のある大学への厳格な対応) ⑤質的転換のための公財政投資の充実、大学のガバナンス強化 等 |
(2)4つのサブWG個別の検討事項例
【研究、総合】
- 世界に打ち勝つ研究を行うためのビジョン
- 大学の世界ランキング向上への課題
- イノベーションに必要な、継続的な基盤研究の実施(基礎研究が細分化し、多大な人的資源、資金が必要になっている)
- 教育・研究への支援体制の確保(競争的資金の申請に多大な時間がかかる等)
- 医療人材の育成に必要な事項の検討
- 社会保障制度や医療システムなど、医療の未来像の提言
- 「地域」の再定義
- 地方大学の卒業生が地域に根付かない(就職しない等)
- 強化する分野に関する地域のニーズ
- 単科系大学が供給する人材の必要性(ミッションの確認)
- 一法人複数大学(財政的な縮減にはつながらない等)
- 単科大学と総合大学の関係
- 人文社会系の人材流出(私立大学へ)
- 教員養成の問題(18歳人口の減少等)