2017年11月30日木曜日

記事紹介|こういう人は絶対に成功しないという条件

以前、ある経営者に、人生で一番大切なものは何かと尋ねたことがある。

その人は「それは自分にもわからないが、こういう人は絶対に成功しないという条件はある」と答えられ、次の四項目を挙げられた。

一つは、言われたことしかしない人

二つは、楽をして仕事をしようとする…そういうことが可能だと思っている人

三つは、続かないという性格を直さない人

四つは、すぐ不貞腐(ふてくさ)れる人

省(かえり)みて、深くうなずけるものがある。

多くの人生の達人が教える人間学のエキスは、いつ、いかなる状態においても、常に精神を爽(さわ)やかに奮(ふる)い立たせることの大切さである。

精神爽奮(せいしんそうふん)。

いつも颯爽(さっそう)とした気分でいること。

そこに幸運の女神もほほえんでくるということだろう。

「言われたことしかしない人」は、気づきの少ない人。

気づきや好奇心がないから、自ら動こうとはしない。

指示待ち人間でもある。

リーダーとは最も対極にある人。

「続かないという性格を直さない人」は、忍耐や我慢が出来ない。

よき習慣を身につけることこそが続けるコツ。

どんな凡人も、長く続けることができれば、本物になる。

「すぐ不貞腐(ふてくさ)れる人」は、自分が甘えていることに気づかない。

不貞腐れることによって、自分の欲求を、言わなくても分かってほしいとアピールする。

だから、気に入らないことがあると、すぐに不貞腐れる。

「精神爽奮すれば則(すなわ)ち百廃倶(ひゃくはいとも)に興(おこ)る」(呂新吾)

精神がさわやかになって奮い立てば、多くのものが一斉に健全さを取り戻す。

その反対に、身体が弛緩(しかん)すれば、すべてに緩(ゆる)みが出て、ダメになっていく。

「いつも颯爽とした気分でいること」は、とても大事だ。

いつも颯爽とした気分でいること|人の心に灯をともす から

2017年11月29日水曜日

記事紹介|大学は目先の実利に傾きすぎていないか

大学の授業料の減免や奨学金制度の拡充は、大学改革とセットで――。首相が議長を務める「人生100年時代構想会議」でそんな声が高まっている。

無償化は格差の固定化を防ぐための政策であり、対象はそれに役立つ大学、つまり「企業が雇うに値する能力」の向上にとり組む大学に限るべきだといった考え方である。内閣官房の担当者は「真理の探究をやるので実務は関係ないという大学に、公費で学生を送るのは説明がつかない」と解説する。

税金を使う以上、それに見合う質を求めることは誤りではない。だが政府が進めてきた大学政策を重ね合わせると、この割り切りには危うさが漂う。

今春の経済財政諮問会議で、文部科学省は大学改革の狙いに「イノベーション(技術革新)創出と生産性向上」を掲げた。予算の配分でも、大学や研究者間の競争を重視する傾向が強まっている。いきおい、基礎研究より実用、人文社会より自然科学に有利に働くだろう。

2年前の文科相通知を思いおこす。後に軌道修正されたものの、文系学部の廃止や転換を進めると読める内容で、大きな社会問題になった。

大学にも選択と集中が必要だとしても、実利に傾きすぎていないか。目先の利益ばかり求めていては教育も研究も早晩やせ細る。国が学問分野によって有益・無益をあらかじめ判断し、選別するようなことにならないよう、慎重を期すべきだ。

そもそも大学で学んだ何が、どう役に立つかは、教育を受けた本人が、それをどう消化するかによる。国の都合で学生の進む道を縛るべきではない。

構想会議のメンバーはまた、大学の再編統合による教育の質の向上を訴える。学生を確保できない大学の撤退を唱える文科省の主張と重なるが、留意すべきは定員割れに苦しむ大学は地方に多いということだ。

競争による淘汰(とうた)に任せれば、都会と地方の進学格差はさらに広がる。そうさせないよう、財政や運営面で地方を支える手立てを急がなくてはならない。

気になるのは、こうした議論の底に「大学教育は役に立たない」という経済界の不信が見え隠れすることだ。だが当の企業も学生を採用する際、何を学んだかを重視してこなかったのではないか。それでは実社会を意識した授業改善が進むはずもない。大学での学びを正当に評価する選考方法を探るべきだ。

多様な人材を世に送り出す。そのためには、学問の多様さと大学の個性が欠かせない。

社説 大学改革 目先の利益傾く危うさ|朝日新聞 から

2017年11月28日火曜日

記事紹介|働けど貧しい

日本の失業率は、先進国でも最低の2%台だ。欧州には10%を超える国もあり、世界がうらやむ「完全雇用」を実現している。しかし、働く人々はうれしそうではない。

国税庁によると、民間企業で働く社員やパートらが昨年手にした給与は平均約422万円で前年より1万円以上多かった。とはいえ、世界経済が一気に冷え込んだリーマン・ショックの前年2007年の約437万円には届いていない。

そして、雇用形態による格差がある。正社員は約487万円で非正規社員は約172万円と、立場の違いが315万円の差を生んでいる。正規・非正規の分類が始まった12年以降、格差は年々広がっている。

厚生労働省の調査によると、働く人の数はこの間、5161万人から5391万人に増えた。だが、企業はもっぱら低コストの雇用拡大に力を入れ、非正規が1816万人から2023万人に増加している。

一人親世帯の貧困50%

政府が民間に正規雇用増や春闘での賃上げを働きかけ、圧力をかけても限界がある。4年連続のベースアップは、経団連加盟の大手企業の正社員に限った話なのだ。

そして、年172万円あれば、将来の生活設計を描けるかという現実問題が立ちはだかる。

厚労省は「国民生活基礎調査」で日本の貧困状況を明らかにしている。15年の相対的貧困率は3年前の16・1%から15・6%に下がった。だが、一人親世帯に限れば50・8%と経済協力開発機構(OECD)加盟国で最悪の水準にある。

この調査は生活の状況も聞いており、母子家庭では38%が「貯蓄がない」と答え、「生活が苦しい」は83%にのぼる。OECDによれば、日本の一人親世帯は親が働いていても貧困に陥る率が高く、多くの国でそうした世帯の貧困率が10~25%なのに比べ対照的だという。

困窮を象徴する悲劇が3年前、千葉県内で起きた。40代の母が中学2年の娘を殺した事件である。

給食センターのパート収入と児童扶養手当をあわせ手取りは月約12万円。だが、娘に不自由をさせたくない思いで制服や体操着を買うために借金をする一方、県営住宅の家賃1万2800円を滞納した。

裁判では、勤め先に「掛け持ちのアルバイトは無理と言われていた」と話し、生活保護を相談した市役所では「仕事をしているなどの理由で断られ頼れなかった」と説明した。

部屋を明け渡す強制執行の日、心中するつもりで犯行に及んだ。

身勝手な動機や無知を責めることはたやすい。県や市の対応にも問題がある。しかし、なぜ、こうした悲劇が生まれたかを政策面や制度から考える必要はないだろうか。

社会の分断、不安定招く

10月の衆院選では、ほとんどの政党が公約に貧困問題への取り組みを盛り込んだ。

「貧困の連鎖を断つため」

「格差と貧困の是正」

「子どもの貧困対策を強化」

政治的な立場を超えて共通認識になったことが、問題の重さを裏付けている。かつてのように「自己責任」と突き放すのではなく、放置すれば社会保障制度自体が危ういという意識が広がりつつある。

総務省の調査によると、昨年の時点で親と同居する35~44歳の未婚者は全国に288万人いる。うち52万人は経済的にも親に依存し、潜在的な貧困層と言える。

「働けど貧しい」世帯も、親に生活を頼る層も、日々の暮らしを維持するのに手いっぱいだ。社会保険料を負担するなど、制度を支える側としての役割を期待するのは難しい。

さらに貧困世帯の多くは、子どもの進学・教育の機会が閉ざされるという不安が強い。「働けど貧しい」が次世代に引き継がれる悪循環が広がれば、支える側はますますやせ細るだろう。

欧米は1990年代から低所得の労働者「ワーキングプア」の問題について国際会議などで議論を重ねてきた。社会保障の持続性を損ない、社会の分断や国の不安定化を招くと考えたためだ。

そして、税制や社会保障手当の仕組みなどを使って、問題解消を図ろうとした。だが、成果はおぼつかず、いまだ試行錯誤である。

世界に先駆けて超高齢化を迎える日本にとって手本はない。長期的な視点に立った方策に、早急に取り組まなくてはならない。

社説 危機の社会保障 「働けど貧しい」 支える側がやせ細っていく|毎日新聞 から