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悪いことするのはノンキャリア

わが目を疑う報道に接しました。憤りに絶えかねず抗議の日記を書きます。 真意のほどがわからない状況で一部報道に振り回されても仕方ありませんが、いやしくも国民を代表する国会議員がこのような失言をした責任は追及されてしかるべきです。 何を根拠にこのようなことが言えるのか、国民の前できちんと説明すべきです。 霞ヶ関界隈及び地方で、国民や市民のために身を粉にして必死になって働く多くのノンキャリア公務員、準公務員の名誉、使命感はこの失言でずたずたにされたことでしょう。 マスコミは、徹底して、失言の撤回と謝罪を求めるべきです。 自民・中馬議員「悪いことするのはノンキャリア」(2009年6月27日 朝日新聞) 自民党麻生派座長で党行革推進本部長の中馬弘毅衆院議員(大阪1区)は27日、大阪市内で開かれた会合で公務員制度改革に触れ、「悪いことをするのはノンキャリア。上に行けないから、職場の中で法に無いことをしてしまう」と発言した。 会合は自民党員から意見を聞くために党府連が主催し、約200人が参加。中馬氏は「上級職を通った人は、よほどのことがないとそういうことに手を染めない」とキャリア官僚のことは擁護した。 郵便不正事件に絡んで逮捕された厚生労働省キャリアの前局長については、民主党の国会議員の口添えが自称・障害者団体への偽の証明書発行の発端になった疑いがあると指摘されていることを念頭に、「相当な圧力がかかった例外」と語った。 http://www.asahi.com/politics/update/0627/OSK200906270091.html?ref=rss 「悪いことするのはノンキャリ」…中馬・元行革相が発言(2009年6月28日 読売新聞) 自民党麻生派座長の中馬弘毅・元行政改革相は27日、大阪市内で開かれた党大阪府連の集会で、公務員制度改革を巡り、「悪いことをするのはノンキャリア(の官僚)だ。上に行けないから、職場で、法にないことをする」などと述べた。 会場からの質問に応じた際の発言で、「上級職を通った人は、そういうことに手を染めない」とキャリア官僚をかばった。 中馬氏は集会の終了後、読売新聞の取材に対し、発言について、「ノンキャリアとキャリアの垣根をなくすための制度改革を進めることが必要だという趣旨だ」と説明した。 htt...

国立大学協会の逆襲

現在、政府内では、来るべき総選挙をにらみながら、来年度予算の概算要求基準の閣議決定に向けた作業が急ピッチで進められています。 概算要求基準の基礎となる骨太方針が、財政規律の維持を放棄した「骨抜き方針」となった今、期待できるものは何もありません。 また、高等教育予算に関して骨太方針では、「『教育振興基本計画』等に基づき、・・・高等教育については、国際的に開かれた大学づくり、高等教育の教育研究基盤の充実、競争的資金の拡充などの新たな時代に対応した教育施策に積極的に取り組む。」とだけ触れ、無味な文字が並んだだけのものとなりました。おそらく、財務省の骨抜き戦略が功を奏したのでしょう。 骨太方針に影響力を持つ、財政制度等審議会の財務大臣に対する建議(6月3日)については、すでにこの日記でも、「財務省一流の独断と偏見を多分に含む内容であり、財務省の戦略に基づく政策誘導そのものであること、また、多くの記述やデータが誤解を招くような形で作成されており、正確な情報が必ずしも一般国民の皆さんに提供されているとは思えないこと」についてコメントさせていただきました。さらに、「文部科学省は、財政審の建議に対して、透明性のある方法で、全ての国民に対し、財務省の指摘一つ一つに対する反論を正々堂々と公開していただきたい」とも書かせていただきました。 財務省の誤認識と文科省の説明不足 http://daisala.blogspot.jp/2009/06/blog-post_6435.html 私のこの思いが通じたのかどうかはわかりませんが、このたび、文部科学省ではなく、国立大学協会が、財政審の建議に対する所見を表明しました。(文部科学省と国立大学協会の水面下の連携があったのかもしれません。) 国立大学を取り巻く厳しい状況が実感として理解できる方々にとっては、この所見が関係者の願いを代弁する「神の声」に思えたことでしょう。 今日はこの所見全文をご紹介します。 財政制度等審議会建議に対する所見(平成21年6月24日 国立大学協会) 社団法人国立大学協会(国大協)では、5月に要望書 「『安心社会』実現に貢献する国立大学の振興に向けて」 をまとめ、各方面に対して財政支援の充実を訴えてきた。 一方、財政制度等審議会(財政審)では、去る6月3日、「平成22年度予算編...

命どぅ宝-沖縄戦を忘れない

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昨日6月23日(火曜日)は、「 沖縄慰霊の日 」でした。 私事ながらこの日は、娘の誕生日に当たり、我が家では毎年誕生会を兼ねた夕げの中で、尊い命を落とされた多くの戦没者の方々に対し黙祷を捧げることにしています。 さて「沖縄慰霊の日」とはどういう日なのか、以外とご存じない方が多いようです。平和というものにどっぷりと浸りきった現代の生活の中では、64年前、住民の4人に1人という多くの犠牲者を伴い終結した沖縄戦の悲惨さや冷酷さを感じ取ることはなかなかできません。 私達が享受している何不自由なく満たされた生活は、戦争終結を起点とした多くの先人達の努力の蓄積の上に成り立っていることを決して忘れてはなりません。 さらに重要なのは、悲惨な戦争を終結に至らしめたのは、アメリカ軍の本土上陸を盾となって阻止した沖縄戦における多くの「沖縄の人々の落命」によるものであることを、いかなる時代変化があろうとも決して忘れてはならないということです。 64年という歳月とともに、戦争体験を後世に伝えることが次第に難しくなってきました。「語り部」の高齢化、開発による戦跡の荒廃と消滅等々。一方、沖縄には2500トンもの不発弾が未だに眠っており、その処理にはあと80年もの時間が必要だそうです。残存した米軍基地の問題も含め、沖縄にとって戦争はまだ終わっていないのです。 私達は、戦争という名の大量殺戮という重犯罪を二度と起こさないこと、そして「命(ぬち)どぅ宝」という沖縄の言葉に託された多くの戦没者の願いをいつまでも子孫に伝え続けることを通じて、人としての責任を全うする義務があります。 多くの関連記事の中から、個人的に気になったものをご紹介します。 ◇ あす「慰霊の日」:5大学1129人、3割「由来知らない」(2009年6月22日 毎日新聞) 23日の「慰霊の日」を前に琉球新報社は16日から4日間、県内4年制総合5大学の学生(1129人)を対象に沖縄戦について知識や意識を問うアンケートを実施した。その結果、沖縄戦を学ぶことは99.4%が「大切」と答えた一方、牛島満司令官が自決した日として定められた「慰霊の日」の由来を「知らない」と答えた学生が29.4%に上ったほか、今年は沖縄戦終結から何年かとの質問で「64年」と正しく回答できたのは61.6%にとどまった。沖縄戦の体験...

新たな中期目標・計画への展望-2

国立大学における第2期中期目標・中期計画の策定に当たって、これまでの第1期6年間の十分な検証と戦略的な将来展望を具体化する必要があることは、前回の日記で触れたIDE「 国立大学法人-二期目への展望 」の各執筆者の主張から十分に学び取ることができます。 今回は、このIDEの中で、前回ご紹介しなかった「 法人と運営組織の課題 」(上杉道世氏)を全文転載します。大学にとって重要な経営基盤である組織・運営体制が果たして有効に機能しているかどうかの再検証に十分活用できる内容ではないかと思います。 法人と運営組織の課題(日本スポーツ振興センター理事・前東京大学理事 上杉道世) 1 法人運営の目指すもの 法人となった国立大学の運営組織が目指すものは何だろうか。論者によって様々な整理が可能だが、私は法人化以前の国立大学について指摘された、様々な問題点を克服する方向性を重視したい。ここでは次の3点を挙げておく。 厳しい行財政と社会環境の中にあって、教育研究の質を高めていくための、効率的でゆるみのない大学経営を実現する。そのためには学長がリーダーシップを発揮し、大学経営の方向性を明示し、全学の資源を有効に活用する経営でなければならない。 より良い教育研究を展開するためには、教員の自主性を尊重しなければならないのは当然であるが、同時にその自主性は大学全体としての経営基盤の上に実現していくべきものである。教育研究の自主性と責任ある大学経営の確立を両立させるための新たな工夫が必要である。 国民と社会から理解され支持される大学であるためには、国民と社会の期待を大学経営に反映し、長期的に国民と社会に利益を還元していくことが明らかになる、経営の在り方を実現しなければならない。 以下、このような問題意識のもとに運営組織の実態を見つつ、将来の在り方への課題提起を中心に記述していきたい。 2 法人法上の運営組織 (1)学長 法人法上は様々な権限が学長に集中し、その存在意義が飛躍的に高まったが、まだその真価は発揮されていない。権限があるといっても、それが機能を発揮するためには、様々な環境整備や仕組み上の工夫が必要である。 まして大学では、露骨な権限行使よりも関係者の納得を重視した物事の進め方が歓迎されている。学長のリーダーシップという言葉にも学長の積極的な方...

新たな中期目標・計画への展望-1

国立大学が法人化され、はや6年。国立大学法人は第1期中期目標期間の最終年度を迎えています。来年度からいよいよ第2期がスタートするわけですが、いま全ての国立大学法人は、来期6年間の中期計画の策定に苦闘しています。各大学が策定する新たな達成目標・計画は、年度内に文部科学大臣の認可を受ける必要があり、そのために、今月末までに、「素案」というものを文部科学省に提出し、国立大学法人評価委員会のチエックを受けなければなりません。 今回は、第1期の時とは異なり、記載内容全体のボリュームが格段に減ったことにより大学の特色・個性をより鮮明に打ち出す必要があること、中教審における指摘等を踏まえ、いわゆる「機能別分化」を明確にする必要があること、さらには、国立大学本来の使命・役割を踏まえた組織や業務全般にわたる見直しを求めた 文部科学大臣決定 に沿った検討を行い、その結果を目標・計画に反映する必要があることなど、様々な条件の下での作業を余儀なくされています。 目標・計画の策定に当たって、認可権を持つ文部科学省からこのような様々な指示が出されていることについては、個人的には、国立大学に自主的・自律的経営を求めた法人化の趣旨から考えれば、少々やりすぎではないかと感じるところがありますが、いずれの大学も未だに親方日の丸の意識が抜けないのか、はたまた運営費交付金という生活費をもらうためには従順にならざるをえないのか、今のところ大きなクレームの声は聞こえていません。 これまで6年間、各大学は意識改革のままならない教職員の納得をなんとか取り付けながら、先の見えないトンネルの中で、試行錯誤を繰り返しながら、法人化のメリットを最大限活かすべく様々な改革に努力してきたのではないかと思います。もちろん満点ではないにせよ、「大学の自治」思想に支配されてきた古き良き時代からみれば、格段の進歩ではないかと思います。 第2期は、国立大学法人評価委員会や大学評価・学位授与機構が行った中期目標期間の評価結果も参考にしながら、自大学の取り組みを検証し、なお一層の改革改善に取り組まなければなりません。 ◇ 前置きが長くなりました。今日は、 IDE現代の高等教育( IDE大学協会 誌)「国立大学法人-二期目への展望」(No511・2009年6月号) の中から、各執筆者の「結び」の部分をひろってご紹介...

財務省の誤認識と文科省の説明不足

いわゆる「骨太方針2009」に反映させるべく財務省が苦心してこしらえた「財政審建議」については、財務省一流の独断と偏見を多分に含む内容であり、財務省の戦略に基づく政策誘導そのものであること、また、多くの記述やデータが誤解を招くような形で作成されており、正確な情報が必ずしも一般国民の皆さんに提供されているとは思えないことについて、既にこの日記でもご紹介しました。 ○平成22年度予算に係る財政審の建議(大学サラリーマン日記) この間、建議あるいは審議会における議論の過程で財務省が指摘した「国立大学法人の多額の剰余金」に関する不正確な情報に関しては、文部科学大臣が「心外」とのコメントを発するなど、財務省の世論誘導を阻止する行動をとった文部科学省ではありますが、財務省の主計官が審議会の中で説明した一つ一つの指摘に対しては、全国の学長会議や財務担当の部課長会議など身内の会議で自己満足程度の説明しか行っておらず、財務省の指摘がいかに独断・偏見・誤報に満ちたものであるかをもっと世の中に広く訴える必要があるのではないでしょうか。 ○平成22年度予算編成の基本的考え方について(平成21年6月3日 財政制度等審議会) ○財政制度等審議会財政制度分科会財政構造改革部会(平成21年5月15日) 配付資料 ・ 議事録 ○大学運営費:「国立大に余剰金」財政審指摘は心外…文科相(2009年6月12日 毎日新聞) このたび、文部科学省から各国立大学に以下のような資料が送られてきました。財政審建議に関する国会での質疑応答の抜粋です。財政審建議に対する文部科学省の考えを全国の国立大学関係者に周知するために送られたものと推察されます。このような普段なかなか読むことのない国会での議論の一端を、しかもタイムリーに提供していただくことは、国立大学の現場にとっては大変意味のあることと考えます。また、せっかくのチャンスなのでこうしてプライベートな日記でもご紹介しています。 しかし、個人的には、文部科学省は、このような遠まわしな方法による仲間内あての周知を図るだけでなく、もっと透明性のある方法で、全ての国民に対し、財務省の指摘一つ一つに対する反論を正々堂々と公開していただきたいと思いました。 第171回国会衆・文部科学委員会(2009年6月10日 社民党:日森文尋議員質疑の抜粋) ...

教育界への信頼が崩壊していく

連日の残業にもへこたれず、疲れきった体に鞭を打ちながら、学校現場で起こる様々な教育課題の解決に懸命に取り組んでいる多くの教員に対する冒涜とも言えるようなニュースが毎日のように報じられています。 例えば、今日報じられた次の2つのニュースは、内容も次元も全く異なるものですが、私達の頭の中で合体した瞬間、この国の将来は、教育はどうなっていくんだろうという大きな不安となって私達を悩ませます。 京教大集団準強姦事件 「目撃」の元学生、小学校教諭に(2009年6月17日 産経新聞) 京都教育大学の男子学生6人が逮捕された女子学生(20)に対する集団準強姦(ごうかん)事件で、現場となった京都市中京区の居酒屋の部屋など近くに居合わせた男子学生3人のうち1人が、今春から奈良県内の小学校で教員として勤務していることが16日、捜査関係者などへの取材で分かった。この元学生は、京都府警の任意の聴取に「部屋には入っていない」と話しているが、ほかの学生の説明と食い違う部分も多いといい、府警は当時の状況について慎重に裏付けを進めている。・・・ 教員汚職1年 節目の会議 “居眠り”教育次長を更迭(2009年6月17日 読売新聞) 大分県教委は16日、県教員汚職事件発覚から1年の節目に開いた臨時教育委員会で、首藤博文・教育次長(58)が居眠りをしているように見えたとして、戒告の懲戒処分にし、知事部局へ異動させた。首藤教育次長は居眠りを否定しているが、小矢文則・県教育長は「職責への自覚が欠けている」と語った。・・・ 国立の教員養成大学である京都教育大学の事件は、多くの国民に大きな衝撃を与えました。同時に我が国の教員養成大学・学部に対する各方面からの強い批判や不信感が拡がっています。 このような状況の中、日本教育大学協会は、このたび、すべての加盟大学及び教職員に対し、次のような注意喚起を促す異例の文書を会長名で発出しているようです。異常で情けない国 ニッポンですね。 国立教員養成系大学の理念と意義の徹底について 今般、発覚した教員養成大学学生による不祥事と、その後の大学の対応について、多方面から御批判をいただきました。国立教員養成系大学で構成する日本教育大学協会としても、極めて遺憾であります。 今回の事件は、一大学での不祥事に止まらず、全ての国立教員養成系大学に...

健全な労組活動を

6年前まで、国立大学の職員は国家公務員だったこともあって、私はこれまで労働組合又はこれに類似する団体に加入したことがなく、したがって組合活動なるものを経験したことがありません。これは幸せなことなのか不幸せなことかよくわかりませんが、組合員になって大学職員のために健全な組合活動というものをしてみたかったと思うことはあります。なぜならば、私のこれまでの経験から申し上げれば、大学における組合活動は決して大学の構成員のためになっているようには思えないからです。 組合員を経験したことのない私が組合活動について軽々に申し上げることは適切ではないのかもしれませんが、大学の組合員の方々、あるいは組合は、正直申し上げて、現在大学に突きつけられている厳しい現実を自分のこととして受け止めているようには見えませんし、経営改革や教育改革など大学の発展に資するような取り組みをしているようには思えません。逆に何かにつけ足かせになるような行動しかしていないように思えます。 法人化後、国から絶大なる権限を付与された学長や役員のリーダーシップがなかなか発揮できない理由の一つとして、遠い昔から非難され続けている「学部の自治」というものがあります。未だに、教授会の威信を維持・拡大しようとする勢力が大学の中にはいます。その多くは現在組合活動を行っている方々もしくは過去にそのような立場にあった方々ではないかと思います。 経営トップの考えや行動に対して、民主主義とか合意形成というの美名の下に、事あるごとにクレームをつける、あるいは、意志決定プロセスにちょっとした齟齬(屋上屋を重ねる会議での審議の順番が変わった程度のもの)があったものなら、鬼の首をとったかのように執拗な非難を繰り返す、60年代の学生運動を思わせるような激高した論調で書かれたビラをメール等を通じてまき散らす、最悪の場合は、学長や役員を全く根拠のない思い込みによって中傷し辞任に追い込む運動を展開する、などなど恐ろしいことをライフワークのようにしている組合員もしくはそのOBの方々がいることを時折耳にします。また、以下のような記事の当事者になっている方々もいます。 「教員の政治活動禁止」徹底を要求 自民の日教組議連が文科省に(2009年6月16日 産経新聞) 自民党有志議員による「日教組問題究明議員連盟」(会長・森山真弓元文相)は1...

第2期中期目標期間に向けた課題

国立大学法人の第2期中期目標期間に向けた対応として、去る2月5日に文部科学省(国立大学法人評価委員会)から「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」が、また、5月21日に総務省(政策評価・独立行政法人評価委員会)から「国立大学法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」が示されたことは既にこの日記でもご紹介しました。 国立大学の組織等の見直しに関する視点 国立大学法人の事務・事業の改廃に関する勧告 これらを踏まえ、 「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しについて」(文部科学大臣決定) の案が、5月27日開催の国立大学法人評価委員会総会において審議され、6月5日付けで各大学に通知されました。また、大臣決定に合わせ、野依良治  国立大学法人評価委員会委員長所見 も通知されています。 特に所見の中で、「総人口が減少期に入る局面において、現在、中央教育審議会でも大学の機能別分化や量的規模の検討がなされているところです。各法人における再編統合を含めた組織等の自主的な見直しを促すための財政的な仕組みを整えることも必要であると考えます。」と記述されている部分については、個人的には大変気になるところであり、今後の文部科学省や国立大学法人の動向が注目されるところです。 今後、各国立大学法人は、自ら策定する第2期中期目標・中期計画が、本決定等に沿った内容となっているかどうかなどについて最終的な検証を行い、「素案」を今月末までに文部科学省に提出することになっています。 関連する報道からご紹介します。 大学院博士課程:定員減を 大学院重視を転換、教員養成も見直し-文科省(2009年6月6日毎日新聞) 大学院博士課程の修了者の就職難が問題化していることなどを受け、文部科学省は5日、全国の国立大学に対して、博士課程の定員削減を要請する通知を出した。これまでの大学院重視の政策を大きく転換することになる。また、少子化の進展を踏まえて教員養成系学部の定員の削減なども要請しており、現場のリーダー養成を目指して08年度に始まった教職大学院制度にも影響を与えそうだ。文科省は通知で各大学が6月中に素案をまとめる10年度からの中期目標(6年間分)に反映させることを求めている。・・・ 以下が文部科学省から通知された内容です。 国立大学法人...

平成22年度予算と教育再生懇談会

今年度の高等教育予算は、いわゆる骨太方針2006に基づき1%の削減を余儀なくされました。平成22年度もこの縛りから抜け出せるような財政状況ではありません。この国の高等教育予算を増やすためには、まずは、中教審における指摘を踏まえ、大学の質を高め、医療等に向けられた目を高等教育に振り向ける必要があります。 教育費の家計負担の軽減、そのための高等教育への公財政出の拡大が大きく求められている中、特に国立大学は、第2期中期目標期間を目前にした今、国民に意識してもらえるかどうかの試金石に立たされており、責任ある行動が求められています。 前回の日記では、来年度予算に関する財務省の持論展開である建議「平成22年度予算編成の基本的考え方について」をご紹介しました。今回は、その財務省と対峙する文部科学省の立場から、先般国立大学協会がとりまとめた「 『安心社会』実現に貢献する国立大学の振興に向けて 」という関係者に向けた要望書と、去る5月28日に 教育再生懇談会がとりまとめた第4次報告 をご紹介します。 ◇ 「安心社会」実現に貢献する国立大学の振興に向けて(要望)-活力ある人材育成と教育の機会均等- この要望書は、国会議員や安心社会実現会議委員等をはじめとした各方面への働きかけに活用するために国立大学協会で作成したものです。 要望事項 1 「骨太方針2006」による国立大学運営費交付金の1%削減の撤廃と拡充 2 学生に対する経済的支援の充実(授業料標準額の減額、授業料の減免の拡大、奨学金の拡充など) 3 OECD諸国水準を目指した大学等への公財政支出の拡充 現在我が国は、深刻な「経済危機」に見舞われています。本協会は、我が国が、この未曾有の危機を克服し、国民の不安を払拭して持続的な発展を図るためには、従来から国立大学が果たしてきた、我が国の知の創造拠点としての役割(国際競争力の源としてのナショナルセンター機能と、地域社会・経済を支えるリージヨナルセンター機能)を更に強化・充実することが不可欠であると考えております。 しかるに、国立大学の基盤を支える運営費交付金は、「骨太方針2006」により、平成23年度までの5年間にわたって対前年度比1%の削減が続けられる予定となっています。各法人ではそれぞれ懸命の努力により対応しているものの、このままでは、遠...

平成22年度予算に係る財政審の建議

毎年のことではありますが、衣替えの時期になると、次年度予算の獲得拡大に向けた財務省VS各府省のつばぜり合いが始まります。今年も概算要求シーリングを有利に確保するためのいわゆる夏の陣が始まっています。 昨年、理論・データの両面において、くしくも財務省に勝ることができなかった文部科学省は、この1年、来るべき財務省との闘いに備え、準備に余念がなかったのではないかと思います。 今年は、経済財政諮問会議だけでなく、「教育再生懇談会」や「安心社会実現会議」における文部科学省が示した資料を拝見すると、「教育経費負担の軽減」問題を前面に据え、豊富なバックデータを用意し、国民や世論に訴える努力を惜しみなく発揮しているように思えます。 一方、財務省も相変わらずしたたかで、去る6月3日に取りまとめた財政制度等審議会による建議「平成22年度予算編成の基本的考え方について」においては、昨年度より精度の高いデータを裏付けとして、より高度な理論(というより持論)を展開しているようです。 しかもこの建議では、高等教育関係の記述が、昨年度まではお決まりパターンであった「文教予算(高等教育予算)」「科学技術予算」という構成から一変し、「大学予算」という独立した括りを設けた上で、大幅な紙面拡大を図っており、国民の興味関心を意識した独自の視点に基づいた「大学予算を減らすこと」のみに集中した持論が展開されています。 ◇ 「歳出引き締め」後退、再建は消費増税頼み 財政審(2009年6月4日 朝日新聞) 財務相の諮問機関の財政制度等審議会(財政審)は3日、10年度予算編成に向けた意見書を公表した。経済危機を受け、これまでの「引き締め路線」の軌道修正が目立つ。政府の経済財政諮問会議が着手した財政再建の新目標づくりも増税が前提。高齢化や格差拡大で社会保障費の抑制は難しくなり、将来の消費税アップは避けられないとの思いがちらついている。 大学予算については、国立大学法人に、横並び意識を捨てて研究や教育成果を評価した上で予算の配分を決める「成果主義」を強化することを促した。 ・・・ http://www.asahi.com/politics/update/0604/TKY200906030428.html 国立大学に「埋蔵金」3000億円 07年度段階(2009年6月6日 朝日新聞)...