危機を乗り越える
世界を吹き荒れる厳しい不況の嵐が、様々な人の生き方を変えようとしています。 派遣、非正規雇用者が次々と職を失い、路頭に迷い、極寒の路上生活を余儀なくされています。 とてもつらいことですが、是非とも目標をひたむきに追い求め、強く生きて危機を乗り越えていただきたいと心から願うばかりです。 日系3世の君へ(2008年12月27日 朝日新聞夕刊:論説委員室から) お元気ですか、智恵美さん。 日系ブラジル人3世の君とは、3月に静岡市で開かれたシンポジウムでお会いしましたね。柳瀬フラヴィア智恵美というのが本名でした。 9歳の時に来日した君は、苦学しながら3年前、国際基督教大学に合格しました。「将来は、外国人差別のない社会を作りたい」。壇上からそう訴える君に満場の拍手が送られたのを覚えています。 あれから9カ月、不況の嵐が日系ブラジル人社会にも吹き荒れています。 静岡県で派遣労働者として働くご両親について聞くと、電話口の君は「いつ両親が解雇されるか、心配でたまりません」とつらそうでした。 日本にいる日経ブラジル人30万人の子弟のうち、大学進学を果たした若者はわずかです。多くの後輩が君の後に続いてほしいのに、不況の嵐が子どもたちの生活をめちゃめちゃにしています。 親が仕事を失って授業料が払えず、ブラジル人学校を中退する子どもが増えています。もともと日本語の壁がある上に学校に通えなくなっては、荒れる子どもが増えても不思議ではありません。 いてもたってもいられないのでしょう、君は年末、失業した日系ブラジル人のために浜松市のボランティア団体で働くとのことでした。 暗い年の瀬です。でも君は「危機は乗り越えていかねば」と言います。そのたくましさが新年に幸運を招き寄せることを切に祈っています。 関連記事 ブラジル人学校、消えゆく生徒 失業の親、学費払えず(2008年12月28日 朝日新聞) 日本の学校になじめずブラジル人学校に通う子どもたちが、その居場所も次々に奪われている。製造業の現場を支えてきた日系ブラジル人労働者たちが「派遣切り」などで職を失い、授業料を払えなくなっているからだ。冬休みが終わって新学期を迎える時、友だちはどれだけ減っているのだろうか。 《続き》 http://www.asahi.com/national/upda...