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大学は職員を育てない

近時、多くの大学で、多様なSD活動が展開されるようになりました。その必要性や意義は言うまでもありませんが、方法や効果については、未だ成長過程にあるのではないでしょうか。 今日は、学校法人工学院大学総合企画部長の杉原明さんが書かれた「 「大学は人を育てない」と言われないために 」( 文部科学教育通信 No.391 2016・7・11 )をご紹介(転載)します。多くの鋭い示唆が含まれているように思います(下線は拙者)。 大学は職員を育てていない 大学職員も人材の流動化が進んできたように思う。就職、広報、財務、国際などの部門を中心にさまざまな業界から優秀な人材が流入し、大学職員として活躍している。大学間での職員の異動(転職)も普通に見られるようになってきた。一方で、新卒で大学職員としてキャリアを積んだ者が、外の業界に転出して活躍する例をあまり聞いたことがない。業界の特殊性と言ってしまえばそれまでであるが、 人材の育成を生業としているにもかかわらず、職場としての大学は人を育てておらず、「紺屋の白袴」と言われかねない状況 である。 各大学が育成する学生の能力については、中央教育審議会の「学士課程教育の構築に向けて」答申以来、汎用的技能(コミュニケーションスキル、量的スキル、問題解決能力等)や態度・志向性(自己管理力、チームワーク、倫理観、社会的責任等)などをうたう大学が増えている。しかしながら、 大学職員が他の業界の職業人に比べ、これらの能力で特に優れているということはなさそう である。そもそも、 職務を通してこのような能力の開発を積極的かつ組織的に実施している大学は少数 であろう。 本連載でも既に述べた通り、職員の育成は採用や評価・処遇を含めた人事制度全体の中で行われるべきものである。普段から職員が責任ある仕事を任される組織風土であれば、成長の速度は格段に速まる。しかしながら、 職務の中心が教員の補助業務であったり、また部署長が教員であっても職員であっても、所属する職員の育成に関心を持たないもしくは、経験が乏しいなどの理由で、人事制度が実質的に機能しない大学が未だ多い 。 その結果、職員の育成に「SD」という看板を掲げたものの、初期のFD同様に、業界で名の知れた人の講演会を実施する「SD研修」でお茶を濁すことになる。一般的に大学職員の労働条件は良いと...