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2月, 2015の投稿を表示しています

機能しない生活保護制度

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「 福祉が人を殺すとき-貧困大国ニッポンで機能しない社会福祉- 」(2015年2月26日BLOGOS) をご紹介します。 『福祉が人を殺すとき』 という衝撃的なテーマの本がある。27年前に出版されたものである。 社会福祉を学ぶ者にとっては、バイブルのような存在として重宝されている文献だ。 今も色あせない生々しいルポルタージュである。 当時、この本を出版したのは、埼玉県内の福祉事務所で生活保護の相談支援を担当していたケースワーカーの寺久保光良氏である。 28年前に3人の子どもを残して、母子家庭の母親が栄養失調により餓死をした状態で発見される衝撃的な事件があった。 享年39歳である。本書はこの事件の詳細や背景を取材し、記録したものだった。 そのなかで、紹介される一節がある。 彼女が子どもたちに残した遺言のようなものだ。 母さんは負けました この世で親を信じて生きた お前たち三人を残して 先立つことは とてもふびんでならないが もう、お前たちにかける声が 出ない 起きあがれない なさけない 涙もかれ、力もつきました お前たち 空腹だろう 許しておくれ 母さんを これを書いた母親はどれほど苦しく絶望のなかで息を引き取ったのだろうか。 その姿を見ていた3人の子どもたちは何を想っていたのだろうか。 この悲惨な事件を福祉が機能しなかった社会問題として、「福祉が人を殺した」と寺久保氏は表現した。 実はこのような事件は日本において、その後も頻発する。 そして、これから先も生まれるかもしれない。 最近では、2012年1月に、同じく札幌市で病弱な姉(42)と知的障害がある妹(40)の二人が室内で餓死している状態で発見された。 福祉事務所に姉が3回も訪問して、生活保護の申請意思も示していたが、申請は受理されなかった。 福祉事務所の違法運用が指摘されているところだ。 寺久保氏は、生活保護制度が必要な人に届いて、十分に機能していれば、このような悲惨な事件は防げると考える。 それにもかかわらず、なぜ福祉は必要な人々のもとに常に届かないのか。 彼の重大な問題提起であり、その背景には生活保護に対する私たちの意識の問題が含まれていることが分かる。 寺久保...

俺が俺がの「我」を捨てて、お陰お陰の「げ」で生きる

ブログ「 今日言葉 」から 「 しすぎない 」(2015-02-24) をご紹介します。 仕事というものは、全部をやってはいけない。 八分まででいい。八分までが困難の道である。 あとの二分はたれでも出来る。 その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。 それでなければ大事業というものはできない。 司馬 遼太郎 歴史小説「竜馬がゆく」の中で作者である司馬遼太郎氏が、坂本龍馬に語らせていたのが、上記の言葉です。 大政奉還を提案した龍馬が、その後の新政府において自らの役職や手柄を求めず、薩長や岩倉具視に譲ろうとした場面です。 司馬氏はあとがきでこのようにも語っています。 『私心を去って自分をむなしくしておかなければ人は集まらない。人が集まることによって知恵と力が持ち寄られてくる。仕事をする人間というものの条件のひとつなのである。』 他の誰から認められなくても自分は知っている、認めている。その強さと謙遜が強さになっていくのでしょう。 俺が俺がの「我」を捨てて、お陰お陰の「げ」で生きる。

一灯照隅、万灯照国

ブログ「 今日の言葉 」から 「 深く掘れ 」(2015-02-13) をご紹介します。 汝の立つ処 深く掘れ そこに必ず 泉あり 高山 蝸牛(かぎゅう) 今いる境遇や環境は意識的か無意識的かを問わず、 自分が選んでそこにあるのです。 だからそこにいることに意味と天命があるのです。 上甲晃氏の言葉を引用すると、 『私は、諸君に、“歴史を創り、歴史を変える人”になってほしいと切に願っています。 現実の仕事や家族を放り出して、「何か特別なこと」をしろと言っているのではありません。 「あなたが足場を置いている、その現実に立って、“歴史を創り、歴史を変える人”」になってほしいのです。 「あの人が、売り場のレジの“歴史を変えた人”」 「あの人が、職場のお茶くみの“歴史を創った人”」 「あの人が、鉄工所の職場環境の“歴史を変えた人”」 など、枚挙に暇がありません。』 これが自分の今いるところ、すなわち一隅を照らすということになるのです。

ビジネスマナー

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PRESIDENT STOREから「ビジネスマナー・バイブル5講座セット」の「サンプル動画」 が公開されていますのでご紹介します( 決して商品の購入を促すものではありません )。 多忙な日常業務に追われ、OJTがなかなか機能しづらくなっている今日、このような動画を参考に部下や後輩への”しつけ”を行うことも一考かと思います。

無知の知

ブログ「 教授のひとりごと 」から「 底知れぬ「無知」 」(2015年02月13日)をご紹介します。 日経新聞(1/29付けの夕刊紙)に批評家の若松英輔氏が『底知れぬ「無知」』と題して寄稿している。 何かを本当に知りたいと思うなら、心のうちに無知の部屋を作らなくてはならない。分かったと思ったとき人は、なかなかそれ以上、探求を続けようとはしないからだ。 (略) 哲学の祖と呼ばれているソクラテスは、哲学の極意は「無知の知」を生きることだと語った。本当に知らない、と心の底から感じることが、哲学がはじまる場所だというのである。 ソクラテスがいう「哲学」とは、単に知識を積み重ねることではない。むしろこの人物は、いたずらな知識は不要だと感じていた。それは、真実にふれようとすること、あるいはそれを探求している状態を意味する。 (略) 哲学を意味するギリシア語は「知を愛する」ことを意味した。愛するという営みは、それが何であるかを断定しない、しかし、そこに語りえない意味を感じることだといえないだろうか。 仕事を愛するという人は、その仕事にめぐり合えたことの幸福を語る一方で、自分がそれを極めることはないだろうことを感じている。仕事は解き明かすことのできない、人生からの意味深い問いかけに映っている。また、愛することは、ときに静かな苦役を伴う。苦しみに意味があることを知っている。そうした道を生き抜こうとする者は皆、力を伴った徳を具(そな)えている。 ここでの「仕事」は、金銭を手に入れることを意味しない。人間が、その人に宿っている働きをもって、世界と交わることを意味する。子育て、病む者を介護することをはじめ、家族の無事をおもんばかることが、重要な人生の仕事であることはいうまでもない。 「仕事とは何か?」や「愛とは?」というテーマを語るのは難しい。仕事や愛のとらえ方は人によって異なるだろうし、「正解」というのはないのだろう。人それぞれが人生のなかで考えていくしかない。そういう意味でも我々は考え続けることが必要だといえる。 知らないことを知っている領域ならば、学習するなどの手立てがたてやすい。しかし、知らないことすら知らない領域をいかに意識できるかは大変だろう。やはり分野を超えた人たちとの議論が欠かせない。同じ分野・領域のなかだけで済む場合もあるかもしれないが...

経済成長と大学改革

関係者の皆様は既にご案内のとおり、現在、政府の 産業競争力会議 新陳代謝・イノベーションWG では、 大学改革・イノベーション に関する検討が精力的に行われています。 国立大学法人においては、第三期中期目標・中期計画(平成28年度から6年間)に向けた新たな制度設計が、政府全体でどのような考え方のもとに構築されようとしているのか注視しておかなければなりません。 これまでの議論に用いられた会議資料を抜粋してご紹介します。(下線は拙者) 新陳代謝・イノベーションWG(大学改革・イノベーション)検討すべき論点(平成26年10月21日 主査 橋本和仁) 1 大学改革・イノベーションの議論の必要性 2014年10月10日に開催された第3回 実行実現点検会合(大学改革及びイノベーション) において、 「日本再興戦略」改訂2014 に盛り込まれた大学改革に関する施策については、 国立大学改革プラン(2013年11月) に掲げられた強み・特色を生かした国立大学法人の機能強化の議論の中で全体設計が行われるべきと指摘したところである。  既に文部科学省においては、国立大学改革プランに沿って改革が鋭意進められているところではあるが、平成28年度が国立大学法人の第3期中期目標期間がスタートする節目の年となること、本年4月に甘利経済財政担当大臣のイニシアティブで「 我が国のイノベーション・ナショナルシステムの改革戦略 」が取りまとめられ、イノベーションの観点からの改革が強力に進められている時期に符合することからも、大学の機能強化については、こうした文脈をも踏まえ、イノベーションや地域活性化の観点など幅広い視点に立って改めて踏み込んだ検討を行うことが有意義であると考えられる。こうした認識に立って、第3回実行実現点検会合では、とりわけ文部科学省に対し、大学改革については、国立大学法人関係者や卓越した研究者、産業界や地域社会の関係者などの声を聴きつつ、大胆な改革構想をまとめ、来年度の法改正をも視野に入れて、来年央までに結論を得るべきと指摘したところである。 こうした指摘・会合での議論を踏まえ、甘利大臣からは、国立大学法人については、イノベーション・ナショナルシステムの構築に向け、「大学改革第2章」として、異次元の政策を講じるべく踏み...

学べない子ども­たち

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一般社団法人 チャンス・フォー・チルドレン 代表理事の奥野慧氏による「 学べない子ども­たち 」のショートプレゼンテーション(2013年11月15日開催の神戸モトマ­チ大学「Sparks!」第4回)をご紹介します。

子どもの居場所

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「 子どもの貧困、支える「食堂」 手料理提供、各地で試み 」(2015年2月5日朝日新聞) をご紹介します。 出来合いの弁当や菓子パンだけで毎日の食事を済ます子。家計が苦しく食事を抜く子。心と体の成長の土台である「食」が揺らぐ。様々な生きづらさを抱えた子どもたちを、手作りの温かな食事で支えたい。そんな「子ども食堂」の試みが各地に広がり始めた。 「もう、ひとりぼっちで食べなくてすむ」「(給食がない)夏休みの食事が心配だった」。食卓を囲む子どもたちから、ふとそんな言葉がもれる。 京王線つつじケ丘駅前。飲食店が入居するビルの3階に、NPO「 青少年の居場所キートス 」(東京都調布市)はある。 2年前から通う男子中学生は、ここで初めて食べたミートソースの味が忘れられない。家ではパンやカップ麺が中心。それまでの数年間、親の手料理を口にしたことはほとんどなく、経済的事情から食事を抜く日も。「給食以外では何年かぶりのスパゲティ。最高だった」 市の中高生向け児童館で相談員をしていた白旗眞生(まき)さん(65)が5年前、キートスを立ち上げた。勉強をしたり、ゲームや昼寝をしたり。自由な居場所を、という思いだった。 活動開始後、満足に食事をしていない子が目立つことに気づいた。親の病気や貧困、虐待。理由は様々だった。週5回の活動日、昼食と夕食の提供を始めた。無条件ではなく、家庭状況を聞き、必要と判断した子が対象だ。 登録者は220人。市子ども家庭支援センターなどの紹介が多い。中高生ら15人ほどが毎日顔を出す。食事代は無料。家賃などの運営費は市の補助金や寄付などでまかなう。食材も農家や支援団体からの寄付が頼みの綱だ。 食を含む生活支援の大切さを白旗さんは強調する。「食がととのって初めて勉強にも目が向く。生活の土台となる食の支援は待ったなしです」 東京都大田区の青果店「 気まぐれ八百屋だんだん 」には月2回、店の入り口にのれんが掛かる。12年夏から続ける「子ども食堂」だ。かつて居酒屋だった空きスペースを活用する。店主の近藤博子さん(55)がボランティアと一緒に運営する。 献立はポトフなど野菜中心。毎回20人ほどがテーブルを囲む。共働きの両親の帰りを待つきょうだい。保育所に預けた子を引き取って来る勤め帰りの母親も。必ずしも生活に困った家庭ではない。それ...

今眠る者は夢を見る。今勉強する者は夢を叶える

ブログ「 今日の言葉 」から 「 夢 」(2015-02-05) をご紹介します。 1. 今眠る者は夢を見る。今勉強する者は夢を叶える。 2. 君が無駄にした今日は、多くの人が願っても叶わなかった明日である。 3. もう遅いと感じたその瞬間が、物事をはじめる一番のタイミングである。 4. 明日やるより、今日やるほうが何倍もよい。 5. 勉強の苦しみは一瞬、勉強しなかった苦しみは一生。 6. 勉強に足りないものは時間ではなく努力だ。 7. 幸福には順位はないが、成功には順位をつけることができる。 8. 確かに勉強は君の人生全てではない。しかし生涯にわたって共にするものだ。 9. 苦しみから逃れようとするくらいなら、それを楽しめ。 10. 成功への道は、人より早起きし、人より努力することである。 11. 楽して成功することは決してない。本当の成功に必要なものは徹底的な自己管理と忍耐力である。 12. 光陰矢の如し 13. 今日のよだれは将来の涙。 14. 犬の様に学び、紳士の様に遊べ。 15. 今日歩くことを止めれば、明日は走ることになる。 16. 最も現実的な人は、未来に投資する。 17. 教育の差が収入の差。 18. 今日は二度とこない。 19. 今この瞬間も相手は学んでいる。 20. 苦しみなくして、前に進むことはできない。 数年前にネットで話題になったハーバード大学図書館の壁に書かれたと言われる20個の落書き。 実際には存在していないとハーバード大学が見解を出しているようです。 簡単に情報が拡散される時代ですから、きちんと自分で裏を取ってみるという疑いの気持ちも大事ですね。 しかしながらここに書かれている内容自体は示唆に富んだものとなっているため参考になります。

本当の失敗とは、挑戦するのをあきらめること

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ブログ「 人の心に灯をともす 」から「 うまくいかない方法を発見する 」(2015-01-31)をご紹介します。 ある日、エジソンは彼のもっとも有名な発明である白熱電球について、若い記者からこんな質問を受けた。 「電球を完成させるのに、1年以上も実験し、5000回も失敗したそうですが、そのときはどういうお気持ちでしたか?」 エジソンは記者の顔を見て、こう答えた。 「5000回も失敗した?そんなことはないよ。うまくいかない5000通りの方法を発見するのに成功したんだからね」 エジソンは、失敗を成功への布石と考えて努力を重ねた。 週に100時間以上も働き、世界史上もっとも多くの発明をし、生涯に1000を超える特許を取得したことで知られている。 また、19世紀末に設立したエジソン電気照明会社は、ゼネラルエレクトリック(GE)という世界最大の総合電機メーカーにまで発展した。 自信を持ち続けるうえでもっとも重要なことは、失敗を前向きにとらえることだ。 失敗したからといって失敗者ではない。 失敗の代償とは、成功の価値を理解するための「授業料」なのだ。 何かに挑戦すれば失敗するのは当然である。 失敗したことが一度もないとすれば、失敗するだけの価値があることに挑戦していない証しである。 本当の失敗とは、挑戦するのをあきらめることだ。 失敗しても絶望してはいけない。 失敗は一時的な回り道にすぎず、さらに前進するための起爆剤なのだ。 失敗へ恐怖が、行動を起こすうえで障害になることがある。 過去の失敗を思い出すと、怖くて前進できなくなるのだ。 しかし、後ろを振り返ってはいけない。 目標を達成できなかったときは、エジソンと同じように「うまくいかない方法を発見するのに成功した」と自分に言い聞かせるといい。 失敗を重ねるたびに、うまくいく方法の発見に近づきつづあると考えるのだ。 勇気を出して失敗する人だけが、成功をおさめることができる。 失敗の割合を2倍に高めるといい。 そうすれば経験が2倍に増え、障害を乗り越える知恵が得られる。 ◇ トーマス・エジソンはこんなことも言っている。 「私たちの最大の弱点は諦めることにある。 成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ...

「子どもの未来」を真剣に考える

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「 世界中の「大人」を6分間黙らせた、12歳の少女による「伝説のスピーチ」 」(TABILABO)をご紹介します。 1992年6月、ブラジルのリオデジャネイロで行われた地球サミット。世界に衝撃を与えた一人の少女のスピーチをあなたは知っているだろうか? セヴァン・カリス=スズキさん、当時12歳。9歳の時、自分で子ども環境NGOを立ち上げた環境活動家だ。 世界の指導者を前に、地球の危機を伝える、12歳とは思えない堂々たるスピーチを披露し、世界に衝撃を与えた。 身の周りで起こる環境の異変、出会ったストリートチルドレンからの言葉、資源の無駄づかいを続ける周りの大人たち・・・。 経験に基づいて語られる一つひとつのメッセージを、いま、私たちはもう一度思い出す必要がある。 「どうやって直すかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください。」 親たちはよく「大丈夫、すべてうまくいくよ」と言って子どもたちをなぐさめるものです。……しかし大人たちはもうこんななぐさめの言葉さえ使うことができなくなっているようです。お伺いしますが、我々「子どもの未来」を真剣に考えたことがありますか? 地球サミットで決まることが、未来に生きる若者に影響すると、幼い頃から気づいていたセヴァンさん。 彼女は大人になった今も、世界中の国際会議や学校に招かれ講演を行っている。彼女から行動を起こすことの大切さを学びたい。

地方大学を活用した雇用創出・若者定着

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去る1月23日、総務大臣から各都道府県知事、各指定都市市長宛てに「 地方大学を活用した雇用創出・若者定着の取組の促進について 」と題する通知が発出されています。 通知の内容は以下のとおりです。地方創生の一環ですが、地方大学の在り方にも大きな影響をもたらす政策になりそうです。(下線は小生) ◇ 地方大学は、これまで、地域における高等教育機会の提供や学術研究の振興等の機能を通じ、地域社会における知的・文化的拠点としての中心的役割を担ってきました。今般、国を挙げて「人口減少 克服・地方創生」という課題に取り組む中で 、地方大学が地方公共団体や地元企業などと連携して「地方への新しいひとの流れをつく る」取組や「地方にしごとをつくる」取組を実施することが期待 さ れています。 とりわけ、地方からの人口流出は、大学進学時と卒業後の最初の就職時という2つの時点において顕著であることから、 大学進学時や就職時の学生に直接働きかけることや、卒業後に地方に定住して働くことのできる雇用を創出することが重要 であると考えており ます。 このため、 地方大学への進学、地元企業への就職や都市部の大学から地方企業への就職を促進するよう、総務省と文部科学省が連携 して、地方公共団体と地元産業界が協力し、将来の地域産業の担い手となる学生の奨学金返還を支援するための基金を造成する取組や、地方公共団体と大学等が具体的な数値目標を掲げた「協定」を締結し、連携して雇用創出・若者定着にあたる取組を促進するための 財政措置等を決定 したところです。なお、これらの取組においては、地元産業界の協力が必要であり、経済産業省とも連携し、協力要請を行うこととしております。 特に、 サテライトキャンパスを活用した都市部の大学との単位互換や、地元企業への長期インターンシップの実施などにより、地方 大学の魅力を向上させることが、有効 です。また、 大学が有する教育研究機関としてのポテンシャルを活かして、地域の中核企業等との共同研究による産業振興や雇用創出も重要 です。 各地方公共団体におかれては、今般の財政措置等も踏まえ、それ ぞれの地域の実情に応じて、地方大学を活用した雇用創出・若者定着に積極的に取り組んでいただくようお願いします。 なお、特に公立大学は、地方公共団体が設置する大学として...

国立大学の行く末

「 NUPSパンダのブログ 」から 「 国立大学は既に国立とは言えないのではないか? 」(2015年2月13日) をご紹介します。 国立大学法人は、自らの競争力強化を図る投資は優に及ばず、当面の運営費を賄う収入さえ確保できなくなりつつある。 これまでも折に触れて警鐘を鳴らしてきたが、私のような実務担当の目から見ても、国立大学法人の財務の破綻を回避するには、2016年4月からの第3期には授業料値上げが避けられない状況になっている。 恐らく多くの国立大学では、運営費交付金への影響がないとされる標準額プラス20%までの授業料値上げの検討が行われる可能性が高い。 かりにそれだけの上昇があったとしても、私立大学の大半よりはまだ受益者負担は小さいので、授業料を据え置かなくては学生募集に支障があると考えているような気弱な国立大学は、いよいよ統廃合の対象にならざるを得ないだろう。 10年にわたり真綿で首を絞めるような手法で、国立大学法人の財務を圧迫してきた効果(?)が得られつつある。 財務省は、18歳人口減少が進行する中で、国立大学全体を規模縮小に導くという筋書きが、順調に運んだと手ごたえを感じているのかもしれない。 法人化の際に、運営費交付金は大学法人の収支差を埋める補助だと聞かされたが、それ以降、一律削減が続いたために、そうした説明はとうの昔に実態に合わなくなっている。 財務面で見れば、既に国立大学は、国が設置し運営に責任を持っているとは言えず、元々はそうした存在だった大学=元国立大学とも呼ぶべきものになっている。 このところの状況を具に分析すれば、国立大学法人は一段と支出増圧力にさらされている。 特に、人事院勧告に準拠した給与改訂に関して、完全実施する方針を基本とするものの、財務状況がそれを許さなくなっている法人が26年度現在で4割ほどに上っている。 東日本大震災後の予算編成において、国家公務員給与を2年間にわたり平均7,8%抑制した際に、これと同様の措置を行った大半の国立大学法人は、今になって国家公務員に準拠した給与改訂を行わない訳にもいかない。 下げるときは合わせると言っておいて、上げるときは別だというのは、いかに財務状況が苦しいとしても二枚舌の誹りを免れないからである。 国家公務員準拠の決断をした法人も、恐らく物件費...

大学における会計のあり方を 考える

「 「会計」を教育活動と経営の高度化に結びつける 」(リクルートカレッジマネジメント190/Jan.-Feb.2015) を抜粋してご紹介します。 学校法人会計基準の改正を「会計」理解の好機に 国立大学についても、優れた取り組みを行う大学を重点支援する一方で、何もしない又はあまり優れていない取り組みを行う大学に対しては、教育研究組織の合理化・再編、他大学との再編統合等を通じた機能強化を促すとの運営費交付金の改革案が財務省より示され、国立大学関係者の間で大きな波紋を呼んでいる。地方財政の状況を考えると公立大学の状況も同様に厳しさを増しつつあるものと思われる。 一方で、大学には、教育の質保証、研究の高度化、社会・地域貢献、グローバル化といった課題への取り組みを加速し、その成果を広く社会に示すことが強く求められている。これらは個々の大学の持続可能性を高めるためにも必須な事柄であるが、これまで以上に多くの労力や経費を要することになる。とりわけ、教育の質保証については、新たな教育方法の導入、少人数教育、きめ細やかな学生支援など費用増に繋がる施策が多い。 質の高い教育活動(以下「教育活動」という場合、研究を含む教学全般の活動を指す)を持続的に展開するためには、安定した財政基盤が不可欠である。そのためにも、自校の財政状況を経理・財務担当の理事や職員のみならず、大学全体で広く共有する必要がある。 私立大学にとって学校法人会計基準の改正はその好機でもある。国公立大学においても、現下の情勢を考えると、広く役員・教職員が「会計」を通して、教育活動の基盤となる財政状況に対する理解を深める必要がある。 「会計」の理解なしに真の経営はあり得ない そのような中で、法人化に伴い、国立大学法人や公立大学法人の会計に複式簿記が導入されたが、その意味や仕組みが役員・教職員にどれだけ理解され、法人経営に活かされているか疑問である。年度実績報告書に記載されている業務改善や財務改善に係る個々の施策が財務諸表にどう結びついているか不明なことが多い。 前述の通り、会計の目的や仕組みは法人の性格によって異なるが、会計を理解することは、経営の成り立ちを理解することであり、利害関係者に知らせるべき情報とその意味を理解することである。従って、会計の理解なしに真の経営はあり得ない。 「...

研究と大学経営

「 科学研究費助成事業の分野別採択状況からみる「強み」と大学経営 」(リクルートカレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015) を抜粋してご紹介します。 5 転換期を迎える大学・学術政策 今、大学・学術政策は大きな転換期を迎えている。厳しい財政状況にあっても「科学技術関係予算」は増加しているにも拘わらず、大学における知の創出力や人材育成力が低下し、学術研究に対する厳しい見方が止まないのはなぜか。そう感じる大学関係者は少なくないだろう。 科学技術・学術審議会学術分科会(平野眞一分科会長)が 2014年5月にとりまとめた「 学術研究の推進方策に関する総合的な審議について(中間報告) 」は、この問いを率直に分析した。 その結果、その最大の原因は、本来基盤的経費により長期的な視野に基づく多様な教育研究基盤を確保するとともに、競争的資金等により教育研究活動の革新や高度化・拠点化を図るはずの「デュアルサポートシステム」が機能不全を起こしていることであり、政府に対しては予算・制度両面にわたって学術政策・大学政策・科学技術政策に横串を通し、基盤的経費・科研費・科研費以外の競争的資金等の一体的改革によるデュアルサポートシステムの再生を、大学には明確で周到な戦略のビジョンに基づく自らの教育研究上の強みの明確化と学内外の資源の柔軟な再配分や共有を求めた。 中間報告の構想力は経済界関係者を含む多くの要路の共通理解の形成を促し、「 日本再興戦略2014 」、「 科学技術イノベーション総合戦略 2014 」(2014年6月閣議決定)、学術分科会「 我が国の学術研究の振興と科研費改革について」(中間まとめ) (同年8月)に反映された。 また、現在、文部科学省や総合科学技術・イノベーション会議、産業競争力会議においては、第三期国立大学中期目標期間と第五期科学技術基本計画がスタートする2016年に向けて、①各大学のビジョン・強みを踏まえた教育研究組織の再編成や学内資源の再配分を促すための(国立)大学改革、②研究者の研究ステージに応じ、細目を超える創造的な研究を引き出す科研費改革、③大学における学術研究を真理の探究と社会実装へと展開するための構造化など競争的資金改革、が一体的に検討されているが、これらの議論のベースとなっているのも、前述した中間報告である。...

地域創生とグローバル大学へ向けた教育改革

「 地域創生とグローバル大学へ向けた教育改革 」(リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015) をご紹介します。 2011年に大学設置基準が改正され、「大学は、生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指し、教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むこと」が明記され、就業力育成は大学教育の重要な課題となっている。各大学が活動の方向性を模索するなか、地域産業人材の育成や地域経済の活性化にもつながるような就業力育成の取り組みが注目されている。 この連載では、産業界との連携や地元自治体との協働によって学生の就業力を高めることに成功している事例などを、積極的に紹介していきたい。 今回は、2014年度「スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU事業)」「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択された熊本大学で、谷口功学長にお話をうかがった。国際化と地域創生とを一体的に捉えた取り組みは、地方国立大学の目指す教育改革の方向性として注目される。 課題は学生のエンカレッジ 旧制五高の伝統を持ち、現在も地域のトップ校である熊本大学。谷口功学長は、「うちの学生は高いポテンシャルを持っていて、社会で十分に活躍できる。ただ、東京にいる人たちに比べて自己表現力や積極性がちょっと劣る。関西圏とか東京の学生は自分で自分を売り込むというのをやるでしょ。武士の社会を基盤とする熊本の文化的な特徴かもしれないけど、あまり自分を売り込むというのを良しとしないのです。そういう特性を捉えて、就職支援では学生一人ひとりの良いところをちゃんと主張できるように上手にエンカレッジ(刺激)して指導するようにと言っています」 出席率95%超の学長特別講義 学生の意識を醸成し、エンカレッジするために学長自らが手がけるのが『学長特別講義』だ。全学部の1年次全員(約2000人)が受講するため、4月から6月までかけて、約25回の講義が設定される。正課外の講義なので単位はつかない。講義時間は18時から19時30分。にもかかわらず、出席率は95%以上という。 始めたきっかけは、2011年3月の東日本大震災だ。 「当時、学生がちょっと浮き足立ったのです。被災地に応援に行かなくちゃ、ボランティアに行かなくちゃ、先生、行っていいですかと。気持ちは非...

自分の回りにいる人は、自分の鏡である

ブログ「今日の言葉」から 「 変えるなら 」(2015-01-29) をご紹介します。 誉めても叱りつけても どのように接したとしても 人は、それに応じた育ち方をする 子を見れば、親がわかり、 部下を見れば、上司がわかり 社員を見れば、社長がわかる 人が勝手にひとりで育つことはない 人が育てたように、育っている 自分の回りにいる人は、自分の鏡である 相手がそうしているのは、自分がそうしてきたから 相手が本気にならないのは、自分が本気になっていないから 怒らないとやらないのは、怒ってやらせてきたから まわりが助けてくれないのは、自分がまわりを助けてこなかったから 部下が上司を信頼しないのは、上司が部下を信頼してこなかったから 収入が少ないのは、価値を与えていないから つまり 得るものを変えるためには、まず与えるものを変えれば良い 他人を変えたければ、自分を変えれば良い 人を育てたければ、自分が育つ姿を見せることである 「鏡の法則」や「引き寄せの法則」で語られているように、この世の中は自分が感じている世の中であり、自分が作り出している世の中といえるのでしょう。 同じことを見ても受け取り方や反応が人によって異なるように、物事を良くとるか悪くとるかで自分の人生そのものの価値が変わって来るのです。 他の誰かが代わってくれるものではなく、また自分のために他の誰かが変わってくれることは無いのです。 だとしたら、自分自身が変わっていくことが良い人生を生きるために必要なことなのですね。

虚にして往き、実にして帰る

ブログ「今日の言葉」から 「 持ち帰る 」(2015-01-27) をご紹介します。 私は中学生の時、満州から引き揚げてきた国語の先生から 「虚にして往き、実にして帰る」 という言葉を教わり、こう言われました。 「毎朝、何も入っていない袋を持って家を出た人が、 その日一日頑張って、その袋にたくさんの収穫物を入れて帰るように、 君たちも毎日の生活から必ず何か役に立つことを学んで帰りなさい。 満州から辛い思いをしながら幸運にも帰国できた私が言うのだら信じなさい」 田中 真澄 「なにがしかの満足が味わえたと思えなければ、その日は無駄に終わったのだ」というアイゼンハワー元大統領にもあるように、何か自分が成長したり、新しい気付きを得られたり、スキルを身に付けたり、新しい人間関係が増えたり、友人や知り合いとの仲が深まったりと、その日その日で得られるものは必ず何か有るはず。 大事なのは、「何かを持ち帰る」という目標意識でしょう。 この話を読んで思い出したのが、出雲大社でも祀られている大国主命です。 袋を背負って大黒様としても有名ですが、その背負っている袋のように私たち一人一人がその袋に価値あるものを背負ってそれを増やしていきましょう。

大学におけるブランド構築の本質

「 大学におけるブランド構築の本質を考える 」(吉武博通・筑波大学 大学研究センター長・ビジネスサイエンス系教授)(リクルート カレッジマネジメント189 / Nov. - Dec. 2014) をご紹介します。 ブランドを切り口に大学が為すべきことを検討する 本誌前号の特集「進学ブランド力調査」に象徴されるように、大学ブランドへの関心は高まり、ブランド価値やブランド・イメージを高めるための取り組みに力を入れる大学も多い。受験生や保護者に選択してもらえるか否かが大学の生き残りを左右する厳しい時代になったことがその背景にある。 その一方で、大学はブランドを論じる前に、教育研究の質を高めることを徹底し、その取り組みや成果を広く開示することで社会に対する説明責任を果たすべきという考え方も根強い。 公的資金への依存度の高い国公立大学の場合、説明責任が問われるのは当然であり、教育の質の保証や情報公開の充実は、国公私立を問わず全ての大学に求められている社会的要請でもある。 他方で、地道な教育改善や特色ある研究を行いながら、注目度が低く、志願者が集まりにくい、あるいは学生や教職員が自校に誇りを持てないといった状況に置かれている大学も少なくない。後者の大学が自校のブランド価値を高めたいと考えることは十分に理解できる。 これら2つの考え方は共に重要であり、ブランドや説明責任の表層のみを論じるのではなく、大学機能の根幹をなす教育研究や組織運営を含めて、トータルでその構造を捉え、あるべき姿を追求する必要がある。 このような考え方に基づき、大学におけるブランドの意味を問い直し、ブランドを切り口に大学が為すべきことを検討したものが本稿である。 ブランディングの起源は品質を保証するための商標 ブランド(brand)は、「銘柄」や「商標」を表す英語の名詞であるが、動詞が「焼き印を押す」ことを意味する通り、放牧場で自分の牛を識別するために牛の脇腹に焼き印を押したことなどが、今日の銘柄や商標につながったと言われている。 小川(2011)は、近代的な商業活動につながるブランディングは、中世ヨーロッパにおいて、商業ギルドが、品質を保証するために、商標(Trade Mark)を用いたのが始まりとした上で、現代的な意味でのブランドを「自社商品を他メーカーから容易に区...

大学の地方創生戦略

「 大学の地方創生戦略 」(清成忠男・事業構想大学院大学学長)(リクルートカレッジマネジメント189 / Nov. - Dec. 2014 )をご紹介します。 政府の地方創生政策が本格的に動き出した。前号では、地方創生における大学の役割について検討した。今回は、具体的な大学の地方創生戦略を取り上げる。 戦略の課題 地方の活性化は、地方に立地する大学の存立基盤を強化する。したがって、地方の大学は、地方創生戦略展開の主たる担い手にならなければならない。 まず、注目すべきは、流動性の大きい若者の動向である。地方は若者の流出を抑制し、流入を促進する必要がある。困難ではあるが、地方は人口の社会増をはかることが望ましい。 問題は、地方の範囲である。ここでは、全国を数カ所に分けた広域的な地方圏を単位として考える。圏域内では、大学は機能分化を進め、ネットワーク化をはかる。各圏域では、大学志願者の東京圏への流出を抑制する。そして、東京圏における大学卒業者のUターンや Iターンを促進する。 ただ、東京一極集中にはそれなりの理由がある。東京には中枢管理機能が集積されている。多様な知的資源も蓄積されている。その結果、高い付加価値が生み出される。同時に、大量の雇用が創出されている。 したがって、大学志願者には、将来における雇用の機会の豊富な東京圏の大学への進学を志向する者が多くなる。地方大学の卒業生も地元に就職の機会が乏しいとなると、東京圏に流出することになる。 もちろん、東京には独自の都市文化が存在し、地方の人々を惹きつける。だが、東京には、影の部分も存在する。東京の 2013年の合計特殊出生率は、1.13と全国最低の水準にある。仕事優先という状況とともに、子育ての条件が必ずしも整備されていない。少子化は当然の結果である。自然環境という点でも、東京が望ましい状況にあるとはいえない。 最近では、若者の価値観は多様化している。若者の東京志向にも変化が見られるのである。地方の大学志願者は、東京の状況をトータルに判断して進学先を決めるはずである。 いずれにしても、地方創生は、若者の地方回帰を前提とする。それでは、大学の志願状況は、どのように推移しているのであろうか。 志願者地元志向の動向 地元大学への進学希望が強まる傾向にあるという調査がある。リク...