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高等教育政策の動向

文部科学省高等教育局が全国の高等教育機関に発信しているメルマガ「高等教育政策情報」(2007年12月27日第18号)の中から主なもの(抜粋)をご紹介します。 平成20年度高等教育局予算(案)について 平成20年度予算の政府案が平成19年12月24日(月)に閣議決定されました。 文部科学省予算案は前年度に比較して33億円増(0.1%増)となりました。 その中で、高等教育局の主要な予算案は、 国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実等(65億円増) 奨学金事業(85億円増) 留学生事業(前年度同額) 国立大学運営費交付金(▲230億円) 私学助成(▲45億円)となっております。 国公私立大学を通じた支援の新規事業としては、 国公私の複数の大学による多様で特色ある大学間の戦略的な連携の取組を支援する「戦略的大学連携支援事業」(30億円) 大学病院が緊密に連携して医師のキャリア養成を行う循環型の医療人養成システムの推進を支援する「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」(15億円) 各大学の国際化戦略に基づいて、単位互換、ダブル・ディグリーなどの相互連携、英語による授業などを総合的・体系的に行う取組等を支援する「国際共同・連携支援」(5億円)が盛り込まれております。 独立行政法人の見直しについて 12月24日の閣議において、独立行政法人整理合理化計画が閣議決定されました。これは、「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日閣議決定)において、年内を目処に101の独立行政法人について原点に立ち返って見直すことが決定されたことを受けて、行政減量・効率化有識者会議において議論を重ね、11月27日とりまとめられた「独立行政法人整理合理化計画の策定に係る指摘事項」に基づき、政府が決定したものです。 独立行政法人整理合理化計画では、101ある独立行政法人を廃止・民営化、統合により16減らして85とするほか、一般競争入札の原則化、民間競争入札の導入等が定められました。 高等教育関係の独立行政法人については、以下のような事項が決定されました。 ■メディア教育開発教育センター →平成20年度末に法人を廃止した上で、事業の一部を放送大学学園において実施。 ■大学評価・学位授与機構及び国立大学財務・経営センター →...

規制改革推進のための第2次答申

前回に引き続き「答申もの」のご紹介です。 12月25日に政府の規制改革会議がとりまとめた 「規制改革推進のための第2次答申」 は、報道を見る限りでは「骨抜き」「後退」などと揶揄されていますが、高等教育関係についてはどうでしょうか。 答申中「具体的施策」として提言されている主なものを見てみましょう。 教育・研究分野 教育と研究の適切な評価に基づく公費配分ルールの見直し等 教育・研究の質向上に向け、大学独自の努力を促す観点から、公費の配分額を大学の努力と成果に応じたものとすることは必要なことである。 学生や国民に対する情報提供の観点から、各大学の独自性を損なわないような配慮を行った上で、例えば、教員一人当たりの学生数、校地校舎面積、図書館蔵書数、教員の研究業績等の共通の情報の提出・開示を求めるべきである。 教育研究の評価については、文章表現の巧拙によって評価が左右されることなどないよう、このような法人からの根拠資料・データを客観的に把握した上で、これを分析することを評価に含ませるべきである。 上記以外については、当初の目標を低く設定すればその達成が容易となり評価が高くなりかねない仕組みとならないよう、評価の客観性を担保するため、共通の観点も適用すべきである。 その際、「評価に係る業務が国立大学の教職員の過度の負担とならないよう努める」との国立大学法人法案の附帯決議を踏まえ、例えば、 自己点検・評価や認証評価のために整えた根拠データ等を、法人の判断で国立大学法人評価に活用できることとする 平成19年度評価と中期目標期間の評価について、これまでに提出した資料・データについては資料の添付を省略することとする 平成19年度における目標・計画の達成・実施状況を調査・分析するという作業の類似性に鑑み、平成19年度の業務実績に係る報告書と中期目標期間の業務実績に係る報告書(平成16年~平成19年度)の様式を一体のものとする など、法人の負担軽減及び評価の効率化に努めていくべきである。【平成20年度内に実施】 国立大学法人の次期中期目標期間における運営費交付金の配分に際して、上記内容を含め、各大学の教育・研究それぞれの努力と成果に応じた適切な評価を実施した上でその評価に基づいた適切な配分が実現できるよう、国立大学法人運営費...

教育再生会議第3次報告

政府の 教育再生会議 が、12月25日、第3次報告「 社会総がかりで教育再生を-学校、家庭、地域、企業、団体、メディア、行政が一体となって、全ての子供のために公教育を再生する- 」をまとめました。 報道は案の定こぞってネガティブに取り扱っていましたが、完全ではないにせよ我が国の教育の実態を明らかにし、改善の方向性を示したという意味では尊重すべきでしょうし、これを機に各方面の関係者は自分達に向けられた課題の解決を図るために何をしなければならないのか真剣に考え実行すべきではないかと思います。 第3次報告のうち、報道ではさほど熱心には取り扱われなかった高等教育関係について、主な部分をご紹介したいと思います。 大学・大学院の抜本的な改革-世界トップレベルの大学・大学院を作る- 1 大学・大学院教育の充実と、成績評価の厳格化により、卒業者の質を担保する ■大学は教養教育を重視し、産業界等との連携を深め、社会人としての基礎的能力を備えた卒業生を送り出す ■大学院は、質の高い学生のみを入学させ、定員充足に拘らない 我が国が、成長力を高め、国際競争に打ち勝っていくためには、教育においても、世界トップレベルの大学・大学院を作ることが必要であり、「学生の立場に立った」教育組織としての抜本的な改革が必要である。 学部教育については、専攻分野に拘わらず、教養教育を重視する。社会人として求められる汎用的な基礎能力の修得を図るため、学生参加型授業や課題解決型授業などを推進する。このため、国は、GP(Good Practice) *1 等を活用して各大学が切磋琢磨する環境作りを行う。また、効果的な教育プログラムの分析や、汎用的な基礎能力の到達度を測る仕組みの構築を促す。 大学は、卒業認定の厳格化と単位・進級の厳格化(GPA(Grade Point Average)制度 *2 の導入など)を図る。また、学術関係団体や民間機関による学力検定の実施等の仕組みを作り、大学卒業程度の学力や能力の保証に資するようにする。 大学院は、質の高い学生のみを入学させ、定員を充足することに拘らない。一定の水準を満たす短期大学の専攻科及び高等専門学校の専攻科の卒業生に大学院入学資格を与えることを拡大する。 大学の4月入学原則を撤廃する学校教育法施行規則の改正...

教員と職員のあるべき関係「教職協働」

大学経営の成功の秘訣を言い表すキーワードとしてよく用いられる言葉ではないでしょうか。 しかし理想ではあるけれども現実にはなかなか難しい課題でもあります。 このブログでは、これまで大学経営の困難さ、教員や職員の意識の問題についての様々な有識者のご意見をご紹介していますが、その中によく出てくるのが「大学における教員と職員の関係」すなわち「大学における教職協働の大切さ」です。 誤解を恐れずに書くとすれば、大学には昔から「教員が主人で職員は使用人の関係」が存在していました。 また、そのことが原因で、これまで職員が様々な改革を進める際に、教員の理解が得られないために優れた施策が滞ってしまうことがありました。 逆に職員が教員とうまくいっていない関係を隠れ蓑にし、教員に責任を転化してやるべきことをやらないこともありました。 国立大学の教員と職員との関係について、国立大学の経営に参画する外部人材は次のような指摘 *1 をしています。 経営陣と事務組織、部局間、本部と部局、教員と職員などあらゆる部分にコミュニケーションの断絶あり。 教員と事務職員とが協働体制で法人を経営することが不可欠。基本的に教員上位という従来の大学の意識・体質を引きずっている限り、真の意味での協働は実現困難 教員と事務職員の溝は、法人化前とほとんど変わっていない。 教員、事務職員とも法人としての一体感がないので、改革に対する方向性が定まらない。 事務職員と教員の意思疎通が少ない。大学の目標を両者ともが明確に共有して、活力ある場を築き上げるべき 教員と職員との関係について、大学の現場の実態を正確に分析し、その真髄を明確に指摘しているブログがあります。 このブログは、私を含め多くの愛読者を持つ「 大学プロデューサーズ・ノート 」というブログです。いつも学ばせていただいています。 部分的ではありますが2つほどご紹介させていただきます。 我が国の大学では、未だに教員=アタマ、職員=手足という役割分担を行っている大学が少なくないのです。 以前の記事で、広報の素人である教員が持ち回りの「広報委員会」で意見を集めて広報方針を立て、(プロであるはずの)職員はただ決定事項を拝領し粛々と実行のための事務処理に努めるという、大学に見られがちなガバナンス構造について書きました。 こうい...

沖縄 2007・砂浜

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沖縄・恩納村にあるビーチ。波の静かな白い砂浜が美しい。 恩納村営ビーチ 万座毛と万座ビーチ間の恩納村営海浜公園内にあり、入口のシーサーが目印。 遊泳客がほとんど地元という穴場のビーチでプライベート気分を存分に味わえる。 バーベキュー機材の持ち込みは禁止だが、ビーチ内でレンタルは可能。 波も静かでとてもきれいな海。 海に向かって左側にある万座毛沖に沈むサンセットは絶景で、ロケーション的にもGOOD。 まさしく絶好の眺めが楽しめる最高のプライベートビーチ。

地方国立大学の挑戦

このブログでも以前ご紹介しましたが、去る12月14日(金)、15日(土)に、岐阜大学において「地方国立大学の挑戦」と題するシンポジウムが開催されました。この模様は衛星を通じて全国の国立大学にも配信されました。 地方国立大の意義訴え 岐大でシンポ 学長ら270人参加 地方国立大の必要性を訴えるシンポジウム「地方国立大学の挑戦」が14日、岐阜市の岐阜大で開かれた。 国の経済財政諮問会議のメンバーから国立大の存在を問う意見が相次ぐ中、岐阜大、三重大、金沢大、熊本大の学長らがあらためて意義をアピールした。 シンポは岐大が毎年開催してきた。今回は、経済財政諮問会議の議員が今年、「全県に国立大が必要か議論すべきだ」「ミニ東大型の総合大学は各県には要らない」などと発言したため、中部の大学に呼び掛けて国立大学協会とともに催した。 大学関係者や自治体や約270人が参加した。 パネル討論では、金沢大の林勇二郎学長は国立大の役割として「廉価な学費と確かな教育の機会均等」を挙げて地方国立大による教員や医師の養成の重要性を話した。 熊本大学長は、水俣市で「みなまた環境塾」を開き、人材育成していることを説明し「水俣市という不幸な歴史を持つ地で行うべきもの」と地方国立大学の使命を説いた。 三重大の豊田長康学長は、研究で成果主義が重視されつつあることに触れて「日本の企業が成果主義を導入することでかえって成果が下がったという報告をしていることを肝に銘じるべきだ」と批判した。(2007年12月15日付中日新聞) 1日目を聴講する機会を得ましたのでご紹介したいと思います。まず、各講演の主旨を配付資料から抜粋(敬称略)します。 開会挨拶(国立大学法人岐阜大学学長 黒木登志夫) 民間議員(経済財政諮問会議)たちは地方大学軽視、あるいは蔑視の考えを隠そうとしなかった。 曰く、「地方国立大学に元気がない。地方国立大学と首都圏の私大に合格したら、学生は私大を選ぶ。教員も首都圏の私大を職場に選ぶ。全都道府県に国立大が必ず一つずつ必要かどうか」(4月17日読売新聞)。「一律に運営費交付金を配分し、金太郎アメ的なミニ東大型の総合大学を各県に作る、そんな大量生産方式をやめなければならない」(5月8日朝日新聞)。 地方国立大学はそんなにダメな大学なのだろうか。われわれの...

大学職員の能力開発(3)

これまで2回にわたって、国立大学を例にとり、有識者の見解をご紹介しながら、法人化前後の変化や全体としては思うように進んでいない大学職員の能力開発の現状について書いてきました。 しかし、そのような中でも、前々回ご紹介した記事の中で取り上げられていたいくつかの大学のように、経営改革を担う職員の能力開発を進めるための先進的な取り組みが行われています。 これらの取り組みは、全国の志の高い大学職員にとって、彼らの将来に光を見出すことのできる大変価値のある取り組みではないかと思います。 今回は、記事の中でも取り上げられていた山形大学の取り組みについてご紹介したいと思います。 既にこのブログでも「地方国立大学の役割と存在意義」としてご紹介しているところですが、山形大学は、これまで地方の国立大学にいろんな意味で元気を与えてくれる素晴らしい改革を進めてきました。その中に、大学職員の能力開発を進める取り組みの一つとして、特色あるSD活動があります。 まず、このSDへの取り組みについて、山形大学地域教育文化学部教授の小田隆治氏がある雑誌(文部科学教育通信 No.183 2007.11.12)に寄せられたレポート(抜粋)をご紹介したいと思います。 地方大学にとってなぜSDが必要なのか ■SDの成果と課題 (冒頭略) 企画力などという創造的能力は誰しもが均等に持っているわけではない。そもそも、それを持っている人を発掘することも難しい作業である。 SDでは、事務職員個々の企画力を開発し、伸ばすことを第一義の目的としているが、それと同時に誰が企画する能力を有しているかを発掘する作業でもあった。そうした事務職員をこのSDを通して発掘することができた。 しかしながら、彼らをその能力にふさわしい部署に就けるところまではいっていない。そもそも本学ではまだ事務職員が主体となってプランを練る組織体制ができていない。ボトムアップからトップダウンと言った時、機会均等に広く意見を聴取し、それを具体化していく創造的な(これが重要である)組織を設置し、それを活用できるシステムを構築することが必須である。それはこれからの課題である。 (途中略) 法人化になったからといって、学長が自由にできるお金は少ない。また使ったら使ったで、各学部には自分たちの研究費がそちらに回ったと...

沖縄 2007・ジンベエザメとマンタ

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沖縄・美ら海水族館で気持ちよさそうに泳ぐジンベエザメとマンタ 沖縄美ら海水族館(おきなわちゅらうみすいぞくかん) 沖縄県国頭郡本部町字石川の海洋博公園内にある水族館。 「チュらうみ」とは「清[きよ]ら(しい)海」の沖縄弁であり、「美」ら海の文字をあてることもある。 大水槽を泳ぐジンベエザメや、イルカショーが人気で、沖縄島の著名な観光地となっている。 水族館内には水量7500トンの世界最大級の大水槽『黒潮の海』を設置するほか、総展示槽数は77槽。 沖縄の海をコンセプトに、イノー(沖縄の方言で珊瑚礁の縁の浅瀬のこと)、珊瑚礁、黒潮の海、深海と様々な海の生物を紹介している。 中でも世界で初めて長期飼育に成功したジンベエザメやオニイトマキエイ(マンタ)が人気の展示となっており、ジンベエザメは美術館のキャラクターともなっている。 http://www.kaiyouhaku.com/

大学職員の能力開発(2)

前回は、法人化前の国立大学における大学職員の能力開発に関わる課題と法人化後の展望について、筑波大学大学研究センター長(現広島大学高等教育研究開発センター長)の山本眞一氏が書かれたコラムをご紹介しました。 法人化後4年目を迎えている現在、果たして山本氏の展望は現実のものとなっているのでしょうか。 ちょっと乱暴かもしれませんが、法人化後の国立大学職員の能力開発の状況について書かれたレポート *1 により検証してみたいと思います。 ◇ 事務部門の問題は、組織の問題である以上に職員の能力開発の問題である。 これまで、事務局の運営も、職員の採用から研修、移動、昇進にいたる人事も、全ては文部科学省と各大学の事務局長の責任であり、教授会は言うまでもなく、学長や評議会もそれに直接かかわることはなかった。 事務部門の管理運営の権限が、人事権を含めて全面的に学長と役員会の手に移ったのは、法人化がもたらした、まさに革命的な変化のひとつなのである。そして、初めてその実態に触れた学長たちの、事務部門と職員に向けられた目には厳しいものがある。 法人化に伴い、事務部門の専門性が強く求められるようになった。しかし従来はゼネラリスト指向の人事政策であったため、対応しきれていないのが現状である。今後できるだけ早い時期に、大学運営のプロを育成することが求められている。 法人化後、直面した新たな課題に対応していくためには、事務部門の縦割り構造や、これまでの業務のやり方に拘泥するような意識では対応していくことが困難。管理職からの意識改革が必要 事務職員の専門職能化、資質向上があまり進んでいない。 法人化前後で、あまり意識の変化、業務内容の変化がない。 公務員体質がなお持続している。 企画・実施能力及び迅速さは、課題と感じている。 一部職員の公務員意識の残存、交流人事の弊害、情報の非共有 法人化後も意識改革ができず、相変わらず前例主義・事なかれ主義・指示待ち型の、一部の事務系管理職員をどう教育するのかが、目下の大きな悩みでありテーマ しかし同時にそれが、職員の資質能力を高め、事務部門の強化を図り、職員をイコール・パートナーとしていくことなしに、効率的で円滑な大学経営は望みがたいという、学長たちの認識の反映でもあることを見落としてはなるまい。 ...

大学職員の能力開発(1)

このブログでも何度か取り上げてきましたが、大学を取り巻く環境の急激な変化とともに、大学経営に関する大学職員の担う役割や能力開発が益々重要になってきています。その実践例が紹介された記事が目にとまりました。 経営改革職員が主役 勝ち残り戦略、担い手に 教員の陰に隠れがちだった大学職員の存在感が増している。18歳人口が減るなか、大学間競争を勝ち抜く経営の担い手として期待されているからだ。 私大はもちろん、法人化を機に経営が求められるようになった国立大も事情は同じ。「地味」という大学職員のイメージは変わるかもしれない。 「教員は理不尽」「先生(教員)の言いなりになるな、と若い職員に言っている」 山形大で11月に開かれた「大学職員サミット」。パネリストと会場の意見交換が特に熱を帯びたのは、教員とのかかわりをめぐる話題が出たときだった。 「専門領域という“たこつぼ”に逃げ込む教員を引っ張り出すのは職員の腕だが、教員以上にかたくなな職員もいる」。 パネリストで玉川大知的財産本部の近藤誠事務部長は壇上で本物のたこつぼを取り出し、文部科学事務次官を退き9月に就任した結城章夫・山形大学長に贈った。「非協力的な教職員に直接言えないことを、つぼに叫んで下さい」とジョークを交えた。 サミットは、桜美林大大学院の高橋真義教授(大学アドミニストレーション専攻)のゼミ生らが企画した。多くは現役の大学職員だ。 高橋教授は日本私学振興財団(現・日本私立学校振興・共済事業団)職員だった約30年前、私大に職員として出向。 何事も教員中心で、職員は反論すらしない関係を変えようと職員の勉強会を始めた。「いまや職員が教育サービスをプロデュースしていかないと大学は立ちゆかない。“職員の時代”だ」と話す。 文科省の杉野剛・私学行政課長によると、私大で職員の存在感が増した背景には、大学設置基準の大綱化(91年)でカリキュラムが自由に作れるようになるなど規制緩和の進展がある。 職員が教員に働きかけ、他大学に差をつける戦略的な経営をしていかなければ、18歳人口が減るなかで大学間競争に勝ち残れなくなってきた、というわけだ。 ■産官への窓口 大学職員は「定型的な業務しかしない」と言われることもあった。だが、産学連携など大学改革にいち早く取り組んだ立命館大では「教職協働」...

高等教育政策の動向

文部科学省高等教育局が全国の高等教育機関に発信しているメルマガ「高等教育政策情報」(2007年12月7日第17号)の中から主なもの(抜粋)をご紹介します。 教育振興基本計画特別部会の審議状況 中央教育審議会教育振興基本計画特別部会は、12月5日に関係団体からのヒアリングを行いました。 高等教育関係の団体として、社団法人国立大学協会、公立大学協会、全国公立短期大学協会、日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会、全国専修学校各種学校総連合会、高等専門学校連合会が意見発表を行いました。 この中で、例えば以下のような意見が寄せられました。 0.5%と極めて低い状況にある我が国の国内総生産(GDP)に対する高等教育への公財政支出の比率を、大学の国際的通用性の確保はもとより、世界の平和と人類の発展に寄与するために、OECD諸国並み(約1%程度)の水準へと高めるべきである。 我が国の大学が国際的知的優位性を確保するとともに、我が国の発展を支える人材を輩出していくことができるよう、2030年において高等教育への5兆円の投資を実現するという長期的な見通しのもとに、高等教育への明確な資金投入の目標額が設定されることを強く期待する。 教育の振興に資する寄附の促進等について、税制上の措置等の充実を図ることは既に記述されているが、大学の特性として、最先端の研究を行っていく上でも多くの資金を必要とすることから、教育研究の振興に資する寄附の促進等、研究面も含めた表現にしていただきたい。 日本学生支援機構の見直しに関する議論 独立行政法人整理合理化計画に関して、12月5日、渡海文科大臣と渡辺行革担当大臣の折衝が行われました。 渡辺大臣からは、日本学生支援機構(以下、機構)について、 機構が直接学生に資金を貸すことをやめて、民間金融機関に対する債務保証・利子補給に移行すべきではないか。又は、国民生活金融公庫(以下、公庫)も教育ローンを行っていることから、学生に対するローンを行ってもおかしくないところであり、公庫へ移管すべきではないか 民間金融機関又は公庫で貸付、回収業務を行えば、機構は非常にスリムになるとのご提案がありました。 これに対して、渡海大臣は、この提案では、 低金利、在学中無利子、返還期限の猶予など、教育的配慮の下に学生に有利な条件...

沖縄 2007・ビーチ

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沖縄・海洋博公園の中にあるエメラルドビーチです 公園の北端にY字型の突き出したコーラルサンドのビーチ。 言葉に出来ないほどの色彩を 放つ鮮烈なコバルトブルーの大海原。 ここは全国でも唯一といってよい礁湖(ラグーン)内にあるビーチで、水質は“AA(もっとも良い)”と認められている。 平成10年5月には環境庁が指定した「日本の水浴場55選」に選ばれ、平成13年5月には環境省が新たに指定した「日本の水浴場88選」に再度選ばれた。 ビーチ内の「遊びの浜」「憩いの浜」「眺めの浜」と3区分された砂浜は、ゆうに3000人が遊べる。

平成20年度の大学予算

国会運営の影響から越年編成の可能性も取沙汰される中、ようやく来年度予算の編成方針が閣議決定されました。 これから編成作業の大詰めに入ることになります。編成方針のうち、高等教育関係部分をご紹介します。 平成20年度予算編成の基本方針(12月4日閣議決定) ■「希望と安心」の国に向けた予算の重点化・効率化 「希望と安心」の国を実現する観点から、「重点施策推進要望」も踏まえ、以下に掲げる取組で政策効果が顕著なものについて重点的かつ効率的に推進し、メリハリの効いた配分を行う。 また、歳出の無駄の排除を徹底するため、施策の推進に当たっては、政府全体として一層の経費の節減合理化を行う中で、成果目標、政策手段等を明確に掲げ、PDCAサイクルを着実に実施する。 活力ある経済社会の実現(成長力強化に向けた取組) 成長分野を伸ばし、創造力を高める戦略 大学(大学院を含む)のカリキュラム改革 健全性を確保した奨学金の充実 国際的な大学間の相互連携 留学生政策の推進 9月入学の促進 世界最高水準の大学院形成 「大学地域コンソーシアム」の形成 高等教育の基盤的経費や競争的資金の確保と重点的・効率的な投資 産学官連携の推進等 を推進する。 また、科学技術の振興を図るため、「第3期科学技術基本計画」及び「イノベーション25」を踏まえ、次世代投資の充実、社会還元を加速するプロジェクト、分野別の戦略的な研究開発、多様な基礎研究等を推進する。 また、高信頼性産業の育成や世界最先端を目指した知的財産戦略等を推進する。 運営費交付金という国立大学の生活費 運営費交付金とは、国立大学を維持運営するために必要な基幹的な経費として国(文部科学省)が、各国立大学法人に配分する資金のことで、国立大学全体で約1兆2千億円あります。 この資金の原資は全て国民の納める税金で、中規模大学の場合、大学全体の収入の約4割を占めます。 この資金は、国立大学が法人化される際、それまでの国立学校特別会計により各国立大学へ配分されていた歳出予算との格差をなくす(激変を緩和する)ため、各国立大学の学生数や教員数など、いわばその大学の規模に応じて積算され配分されています。 この運営費交付金には、大学内の事務事業の効率化を促す意味で、法人化以降全ての大学に対して、毎年...

大学事務改革の方向性

大学における事務改革は、大学執行部をトップとした全学的な取組みとすることが欠かせないと言われています。 大学トップの総長の号令の下、役員を改革の責任者に据え、取り組みを推進している東京大学の例などは、同じ国立大学にとって大変参考になるのではないでしょうか。 今回は、東京大学で事務改革の推進に努められ、自らその牽引役となってこられた上杉道世前理事が策定された「 事務職員等の人事・組織・業務の改善プラン 」の一部を以下にご紹介したいと思います。 地方の中小規模の国立大学が、巨大な東京大学と同様の手法で改革を進めることは現実的ではないのかもしれませんが、このプランの根底に流れる基本的な考え方や姿勢は、多くの国立大学が見習うべきものではないかと思います。 プランの性格 抽象的なあるべき論を述べるのではなく、具体的な実行方法とともに、課題とその解決策を提案するもの 職員が受身なままで上や外から与えられるものではなく、職員自身の発案を大切にしながら作成されたプラン。同時に、科所長はじめ各構成員の意見を取り入れつつプラン自身が改善されていくプラン 様々な問題点が指摘されている現在の職員の状態は、長年の蓄積によって生じているものであり、一方的に批判するのではなく、職員自身の納得感を形成しながら、一つずつ解決していくべきもの ある一点を変えればすべてが変わるといった魔法の解決策はない。人事の改善、組織の見直し、業務の見直しを同時並行的にかつ継続的に進めようとするプラン 職員像の大転換 これまでの職員の実態はあまりにも問題が多い。例えば、 基本的能力が不足している。 物事に受身であり積極的姿勢がない。 なんでも前例を守ろうとする。 既存のルールに照らして可否を判断するに留まっている。 すぐに誰かに頼り自分で判断しようとしない。 大事なことはみな教員が決めるものだと逃げの姿勢である。 縦割りの事務分掌に閉じこもって全体を見ようとしない。 スピード感に欠けている。 外からどう見られるかという感覚がない。 文章が書けない。 人前できちんとした話ができない。 このような批判が、ことあるごとに教員から出されている。 しかし考えてほしい。これは、職員自身の問題であると同時に、長年にわたって教員がとも...

沖縄 2007・夕日

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沖縄・読谷村の海岸からみた夕日です。

大学教職員の評価

法人化により国立大学にもたらされた大きな変化の一つが「教職員の個人評価の導入」若しくは「厳格化」ではないかと思います。 前回までにご紹介した「教育の質の保証」や「教員の意識改革」などを解決するための一つのツールとしても重要なものだと思います。 教職員評価のうち教員評価への取り組みは、先の国立大学法人評価委員会による平成18年度の業務実績評価においても特に重視され、積極的な取組みを行っている大学が高い評価を得ていました。 教員評価への取り組みの遅れは、来年度に実施される中期計画期間中の法人評価において、致命的なマイナス評価となり、引いては、次期中期計画期間中の運営費交付金の配分にも影響すると言われています。 各国立大学は、最悪のシナリオにならないよう何らかの手を打たねばならないと悩ましい日々を送っていることでしょう。 ◇ 国立大学の教員評価への取組状況について、岩手大学の大川一毅准教授らが行った調査 *1 の結果が記事に掲載されています(2007年10月8日日本経済新聞)のでその一部をご紹介したいと思います。(副題は読みやすくするために私が勝手につけたものです。) 教員個人評価「動機づくり」課題 結果、賞与などにどう反映? 先送り傾向強く 法人化を契機に、教員の個人評価制度を導入する国立大学が増えてきた。 大川一毅岩手大学准教授は、評価制度に課題は多いが、教員の資質向上や学生サービスの改善に効果があると期待を寄せる。 18歳人口の減少や厳しい財政事情の下にあって、世界水準の研究・教育の実施、高等教育機会の確保など、時代や社会の要請に応えるべく、国立大学の一層の改革が求められている。 改革の一環として、教員個人評価システムの開発や評価の実施が進んでいる。 国立大学は、何を目的に、どのような評価をしようとしているのだろうか。 教員評価の目的は「教育・研究の推進」 調査に対し、67大学(回答大学の97.1%)が、教員の個人評価を実施、または実施に向けた具体的準備を進めていると答えた。 「教員個人評価に取り組まない」と回答した大学は皆無だった。 教員個人評価を導入・実施する目的を聞いたところ、64大学(同92.7%)が、「教員活動の活性化や教育・研究活動の促進」をあげた。 「査定の手段」と回答した大学は1大学...

大学教員の意識改革

前回ご紹介した大学教育の質の保証をはじめとして、大学の教育改革を進めていく上で避けて通れないのが、人材養成の最前線にいる教員の「意識改革」の問題ではないかと思います。 法人化によって、国立大学の教員の意識改革がどこまで進んだか。 ある報告書 *1 で、教員の意識に関する学長へのアンケート調査の結果が披露されていました。 結論的には必ずしも学長の評価は高いとは言えない内容で、また、学長や理事といった執行部と一般の教員の間に、法人化に伴う改革の必要性や現実についての認識にギャップがあることについて指摘されていました。 法人化は、国立大学における教員集団の意識改革(集団無責任体制から代表民主制による機能的な自立運営体制)への大きな契機のはずだったが、大学により、それが進んでいるところと、そうでないところの差が大きくなりつつある。 法人化後数年経過した現在でも、多くの国立大学にこのような状況があり、制度設計上の法人化の理念や目的は思うように達成されていないようです。 教員の意識改革の遅れに起因する諸問題 また、別の報告書 *2 では、教員の意識改革の遅れに起因する諸問題について、主として次のような指摘がなされています。 民間企業等から国立大学の経営に参画している外部人材から見た教員の意識改革の遅れは、決して放置しておくことができない状況に至っているようです。 学長の権限が拡大したはずであったが、十分に機能していない。大学の古い体質、また全学一丸となって改革に取り組むという教員の意識が低いことが主たる要因ではないか。 全学で危機意識を共有しているようには思えない。私学の理事を務めているが落差を感じる。 旧来の大学自治組織の残影が払拭されていない点は改善の余地がある。 「象牙の塔」にとどまらず、もっともっと社会の意見を吸収する柔軟さが必要。 教員は既得権を守るのに必死である。 「変わりたくない」という意識が強い。 組織防衛的な考えが先にたつ。 教員に改革マインドが薄く、現状維持派になりやすい。世の中のグローバル化が進む中で、当然ながら講義は英語でやらなければならない時代が来ている。しかし、これは教員の抵抗が強く改善できないでいる。 将来に対しての教員の危機意識が薄い。 道州制の議論...

大学教育の質の保証

大学再生 勉学意欲引き出す教育を (平成19年11月26日 産経ニュース) 大学教育について、文部科学省の中央教育審議会が卒業認定の厳格化など抜本改革を検討している。学生の質や意欲の低下が心配されるアンケート結果もでている。全入時代を迎え、高等教育の質向上を真剣に考えるときだ。 「入るのは難しく出るのはやさしい」「受験勉強はするが入学後は勉強しない」という日本の大学、学生の実態は以前から批判されてきた。 中教審では10年前の旧大学審議会時代、授業に出なくても「優」が取れる大学教育には警鐘を鳴らし、単位認定の厳格化などを求めた。 その後、大学によっては、取得単位の平均成績が一定基準に満たないと進級させない米国型の「 GPA (グレード・ポイント・アベレージ)」を導入するといった取り組みもみられる。 だが、成績が悪ければ退学を勧告する厳しい姿勢の大学は一部だ。大学は変わっていないという不信が強まり、逆に大学生の質低下への懸念はさらに広がっている。 総務省などの調査 *1 によると、学生の学習時間は1日平均3時間足らずで、学外での予習勉強は「ほとんどしない」学生が半数にのぼる。海外の大学生では考えられない数字だ。 東京大学の研究グループが全国の学生を対象に実施したアンケート *2 では、「授業はきっかけで後は自分で学びたい」という回答は約25%にすぎず、「必要なことは授業のなかですべて扱ってほしい」が約74%と圧倒的に多かった。「難しくてもチャレンジングな授業」を敬遠する傾向もでた。 学生を受け入れる企業側には大学教育への不満が強い。むしろ期待しない風潮の方が定着しつつある。 就職活動も早期化し、4年生の初めには内定してしまう。こうした状況にあって、大学で何を学ぶか、高等教育のあり方そのものが問われている。 中教審小委員会が卒業認定の厳格化などを提言した報告の中では、就職を過度に意識するあまり、大学が資格取得や専門学校のような教育に走る傾向にくぎをさしている。 大学は「入るのもやさしい」という全入時代を迎え、各学部・学科が教育方針を明確にして卒業させる責任がより高まっている。大学本来の責任と教育内容を再考してほしい。 厳格な成績評価 全入時代を迎えた今、我が国の高等教育の将来や、社会を支えることとなる人材の養成を考え...

給与法の改正と人件費改革

給与法改正案が成立、審議官以上の手当引き上げ見送り 今年度の人事院勧告を受けた改正給与法が26日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。 勧告に従い、国家公務員の初任給など若年層に限定した月給や、期末・勤勉手当(ボーナス)などを引き上げる。 一方、厳しい財政状況や相次ぐ官僚の不祥事を受け、政府は勧告のうち審議官級以上の「指定職」の期末・勤勉手当などの引き上げを見送った。(平成19年11月26日 日本経済新聞) ◇ 平成19年の人事院勧告に対する給与法の改正は11月30日に公布・施行されることになっています。 4月1日に遡って適用され、報道によれば、総額で約440億円の人件費が追加発生するそうです。 なお、これは国家公務員に限った数字ですから、連動して実施されることになる(であろう)独立行政法人や地方自治体など公的セクターを含めた全体では想像を絶する大きな数字になることでしょう。 国立大学における給与改定 国家公務員の場合は、追加財政需要としての補正予算が組まれ、4月に遡及した差額が支給されることになりますが、つい4年ほど前まで同じ国家公務員であった国立大学の教職員については、国家公務員に準じた給与体系とはなってはいるものの、安易に追従することは大変難しい状況にあります。 その理由は、法人化後の国立大学の財政構造にあります。 国立大学の経営は、主に、学生納付金、附属病院収入、寄付金など自己努力で確保する財源と、国から交付される運営費交付金という税金 *1 により賄われています。 このうち、運営費交付金は、いわゆる渡しきり経費として交付され、使途が特定されない裁量性の高い資金である反面、年度途中に国から追加交付を受けることはできない資金でもあります。 つまり、今回のように国家公務員の給与の引き上げが行われ、それに準じた取り扱いをしようと思っても、国家公務員のように補正予算が組まれ、そのための財源が自動的に配分されるようなしくみにはなっていないわけです。 したがって、既に交付された運営費交付金の範囲内で、自助努力によって財源を捻出しなければならないことになります。今回のように若年層に限定した増額改定であっても、中規模大学では数千万円の財源を調達しなければならないことになります。 国立大学における人件費管理 法人化後...

大学の倫理観とディスクローズ

「目安箱」で大学変えます 全入時代に向け広がる 庶民の声を施策に生かそうと、江戸時代に将軍徳川吉宗が設けた「目安箱」。 その大学版とも言える取り組みが広がり始めた。学長に学生や職員が「直訴」できる仕組みだ。 間近に迫る「全入時代」や国立大学の法人化で、一層の経営改善を求められている昨今の大学。享保の改革ならぬ平成の大学改革に、学生らの声を生かせるか。 「学長直行便」。成蹊大(東京都武蔵野市)は05年11月、そう名付けたポスト型の箱を学内3カ所に設置した。 直行便は、栗田恵輔学長の発案で始まった。今や電子メールが全盛の時代。学生の意見をメールで募る大学は珍しくないが、なぜ本物の箱を置いて手書きの意見を投函してもらうのか。 栗田学長は「メールだと、あまり深く物事を考えないで惰性で人に意見を伝えることがあると思った。きちんと字を書いてもらうことに意味がある」。 原則記名式で、月に2度回収。これまでに240通が集まった。意見にはすべて栗田学長が目を通し、必要ならば関係部署と相談して回答する。意見と回答は学内のウェブで公表される。 「成蹊大は社会活動やボランティアへの支援策が手薄では」。そんな意見を受け、学内に外部の団体との連絡窓口となる「ボランティアセンター」の設立準備室ができた。 「不親切」などの意見が目立った職員の対応を改善したら、学内の調査で学生の不満度がほぼ半減した。成果は表れてきている。 広島経済大(広島市)は03年12月に意見箱「聞いて学長!」を食堂など学内3カ所に設置。 「学生の声を改革に生かしたい」という石田恒夫学長の思いを実現させた。 これまでに寄せられた意見は約500件。すべて学長が目を通し、回答と一緒に箱の近くなどに掲示するようにしている。 山の中腹にキャンパスがあるため、通学に苦労していた学生から改善を求める意見が多く寄せられ、約500台分の駐車場を整備する大規模事業につながったことも。 ただ、これだけ集まれば、単なる「わがまま」のような意見も少なくない。同大はそんな意見にも、「懇切丁寧に、学生でもわかりやすいよう回答しています」(入試広報室)という。 東京大(文京区)は06年7月、小宮山宏総長の発案で目安箱制度を始めた。 ウェブ上で書き込む形に加え、象徴の意味も込め、同年8月に本物の箱を三つ設置。 ...

科学技術の振興

「研究開発人材」5年で質量とも低下 文科省調査 国内の研究開発人材が、この5年で質量ともに低下していると、第一線の研究者が感じていることが、文部科学省科学技術政策研究所の意識調査で分かった。 国は96年から5年ごとに科学技術基本計画を立て、10年間で科学技術分野に約38兆7000億円を重点配分してきたが、人材育成に関しては期待したほど成果が上がっていないようだ。 調査は昨年11~12月、大学の学長や研究所の管理職、基本計画で重点の置かれた生命科学や材料科学、エネルギーなど8分野の一線の研究者ら約1400人に実施。研究資金や人材、産学連携などの現状を質問し、約1200人からの回答を分野ごとにまとめた。 研究者の数や質を5年前と比較する設問では、「質が上がった」という分野は皆無。 情報通信やものづくり、エネルギーなど5分野では「やや低くなった」と評価された。 研究者の数もほとんどが「横ばい」か「やや減った」とされた。 自由記述では、「ポストの減少で数も質も劣化」(環境)▽「博士号取得者は増えたが、全体として質は低下」(ナノ・材料)▽「分野内の領域ごとに偏りがある」(生命科学)--などの回答があった。 同研究所の桑原輝雄・総務研究官は「現場の実感では、政策の効果が十分に表れていないと受け取れる。 今後、聞き取り調査などで理由を探りたい」と話している。 現在必要な取り組みとしては、各分野とも「人材育成と確保」がトップ。 特に、基礎研究を担う人材育成が急務とされた。 また、若手育成では、博士やポスドク(任期付き博士研究員)の就職支援を求める声が多かった。(平成19年11月23日付毎日新聞) ◇ 科学技術基本計画の成果は 平成7年11月、「科学技術基本法」という法律が制定されました。 この法律は、議員立法により全会一致で可決成立した法律で、21世紀に向けて我が国が「科学技術創造立国」を目指して、科学技術の振興を強力に推進していく上での大きなバックボーンとなるものとして作られました。 また、この法律の制定を受け、平成8年7月には「科学技術基本計画」が策定されました。 これは、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画で、現在、平成18年3月に作られた第3期計画により関連施策が進められてい...

大学事務職員の役割と意識改革

事務部門の運営上の問題点 最近、大学事務職員の役割・機能を論じる記事や、能力開発に関する活動を紹介した記事等を読む機会が増えました。 少子化社会の到来とともに、大学経営の重要性が従来以上に認識されてきていることの表れなのかもしれません。 特に、法人化によって、国の附属組織から、独立した経営体として自分の足で歩き始めなければならなくなった国立大学にとっては、事務職員の担う役割が非常に重要になってきており、平和な公務員生活を送ってきた事務職員は大きな意識変革を迫られることになりました。 既に法人化後4年目を迎えていますが、彼らは期待どおりの役割を果たすことができているのでしょうか。 法人化後の国立大学の事務職員の役割や当面する課題については、これまでもいろんな形で有識者による分析が行われていますが、今回は、国立大学の内情に詳しい 天野郁夫氏(国立大学財務・経営センター)のレポート *1 をご紹介したいと思います。 教員頼みの大学運営は、事務機構の整備や職員の能力開発の遅れと深くかかわっている。これまでの教授会自治を基盤にした、教員中心の運営方式の下では、事務局に求められたのは、定められた諸規則にもとづくルーティン化した事務処理が大部分であり、職員に大学運営に直接かかわる企画立案等の能力や責任が求められることは、ほとんどなかった。 文部科学省の厳しい官僚主義的な統制が、それをさらに強化する役割を果たしてきたことはいうまでもない。また、具体的な個別の業務にかかわる能力についても、ゼネラリスト重視の官僚の世界を反映して、総務・人事・会計・施設といった大まかな領域設定はあっても、それぞれの職員の専門性が重視され、系統的な人材の育成や能力開発が図られることはなかった。 それだけでなく、法人化前の国立大学では、事務局の指揮命令権限は、人事を含めて文部科学省から異動官職としてやってくる、事務局長をはじめとする幹部職員にあり、学長には何の権限も認められていなかった。 法人化後、事務局の編成から人事まで、権限は文部科学省から大学・学長に全面的に移譲されることになった。その結果、事務局長を置くか置かないかを含めて、各大学とも、事務局の再編や人事について様々な工夫を凝らすようになったことを、調査の結果から知ることができる。 例えば事務局長制についてみれ...

地方国立大学の役割と存在意義

地方国立大学の挑戦 来る12月14日(金)、15日(土)に岐阜大学において、「地方国立大学の挑戦」と題したシンポジウム(岐阜大学、国立大学協会主催)が開催されます。 ■日時 2007年12月14日(金)~15日(土) ■場所 岐阜大学講堂(入場無料、申し込み不要) ■主催 国立大学法人岐阜大学、社団法人国立大学協会 ■目的 地域社会の活性化を担う知の拠点としての地方国立大学の大学像について、大学長らを中心とする専門家による討論の場を設け、大学関係者及び市民等に地方大学の活動と役割について広く意見を発信し、深い理解を得ることを目的とします。 ■日程等 岐阜大学ホームページ 競争原理VS経済効果 今夏6月に経済財政諮問会議によって取りまとめられた「骨太方針2007」への道のりで、財務省と文部科学省が特に力を入れたテーマの一つが「大学・大学院改革」であり、「国立大学への競争原理の導入」でした。国立大学の運営費交付金を研究実績に応じて傾斜配分する「競争原理」の導入を迫る財務省に対し、文部科学省は国立大学の地方貢献を強調することにより成果主義導入案に対抗しました。 中でも、文部科学省は、これまでの「地域の知の拠点」一点張りの論法に変化を加え、これまで未検証だった「地方国立大学が地域に与える経済効果」という経済面でのアピールを行いました。文部科学省が財団法人日本経済研究所に委託した調査によって、地方国立大学が地域に与える経済効果(1大学当たりの生産誘発効果)は400億円~700億円、雇用創出数は6000人から9000人に上ることが明らかになりました。 これは、地方に立地する附属病院を持つ総合大学が当該県に与える経済効果をシミュレーションしたものですが、例えば、生産誘発額、雇用創出数で見た場合、 弘前大学 406億円(6774人) 群馬大学 597億円(9114人) 三重大学 428億円(6895人) 山口大学 667億円(9007人) となっており、雇用創出数は各大学とも県全体の1%を占め、鹿児島県での九州新幹線開業による効果166億円、九州地方のJ1リーグサッカーチームによる効果 24億円よりも経済効果があるとしています。このほかにも、九州大学、高知大学などでは独自に経済効果を算出し地域に根ざす大学としてのアピー...

役員の役割と存在意義

軍需専門商社と防衛省の守屋前事務次官との疑わしい関係に東京地検特捜部のメスが入り事実関係の解明が進められていますが、この過程で閣僚の関与が取り立たされ、現在、福田政権は、安倍前内閣同様、閣僚の品格にかかわる問題で大変難しい舵取りを迫られています。 さて、例えが正確かどうかは別として、法人化後の国立大学には、内閣に相当するしくみが法律によって整備されています。 学長を総理大臣とすれば、閣僚に相当するものが「理事」といわれる役員ということになるでしょう。 現在の国立大学には、前回ご紹介した、いわゆる「外部人材」により指摘された数多くの問題点や課題が山積していますが、解決のための重要なポイントの一つが「大学のトップマネジメントの在り方」ではないかと思います。 (参考)現在の理事体制について「外部人材」が指摘した主な内容 法人のトップは、「運営」と「経営」の違いを本質的かつ根本的に理解し、真の意味の「法人化」を実現しようと心底コミットしているようには見えない。 PDCAのサイクルがなかなか定着しない。執行部がその模範を示すべきではないか。本当の意味での法人化を希求するのであれば、執行部並びに事務の中枢部門に複数の人材を採用すべきであろう。経営のわかる人間が組織の一部となり、旧来の官僚主義と闘う必要がある。 組織経営の基本や方法に関する知識や認識が経営陣に不足している。外部の人材をより一層活用し、組織改革・方法論取得を加速させる必要がある。 学長・理事・部局長のリーダーシップと率先垂範が不十分である。 経営について、もっと専門家を入れるべき。教員では経営はできない。 理事の経営者としての意識が欠如しており、無難な道を選択したがる。 学長・理事を含めた執行部の体制が弱い。 理事に直結した事務組織体制をとっているが、理事間及び事務組織間の連携が十分取れていない。 学長、理事は、経営責任があることをもっと認識すべきである。 大学の運営能力のあるメンバーが極めて少なく、高等教育論的な知識も欠けている。 学長が学部長を任命する人事など、学長のリーダーシップを発揮できる環境を整備すること。 今回は、経営資源の大半を国民の税金に依存している国立大学で、その税金から高額の報酬を得ている経営者たる理事について考えてみたいと思い...

財政審の建議

財務大臣の私的諮問機関である財政制度等審議会は、19日、 平成20年度予算の編成等に関する建議 を取りまとめました。 毎年のことではありますが、この建議を機に、今後予算編成が本格化していきます。 高等教育関係については、これまでの審議経過でも明らかなように、財務省の思惑どおりの内容になっています。 事項立ては例年どおりのようですが、今回の建議における主な内容(抜粋)は次のようなものです。 公務員人件費(国家公務員等) 国立大学法人等においても、国家公務員の総人件費改革を踏まえた改革を引き続き推進し、財政支出の抑制に反映させなければならない。また、国家公務員の給与水準を考慮して国民の理解が得られる適正な給与水準とするよう必要な見直しを行うべき。 国立大学法人運営費交付金 「基本方針2006」に則り、▲1%の削減は行うべき。 学長のリーダーシップの問題や教職員の意識改革の遅れ、業務・人事・組織の非効率性などが学外関係者から指摘されていること (注1) 、民間から海外研究機関への研究費支出は伸びており、これを国内大学へ引き寄せる余地があることなどから、改革努力を更に進めていく必要。 現行の配分ルールのままでは、国立大学法人間でのダイナミックな資源配分のシフトを行い、世界で通用する大学を実現していくことには大きな制約があるため、平成22年度以降の第2期中期目標・計画に向け、「6月建議」 (注2) でも述べたとおり、国立大学法人運営費交付金の配分ルールについては、国立大学法人の教育・研究等の機能分化、再編・集約化に資するよう、大学の成果や実績、競争原理に基づく配分へと大胆に見直す必要。平成19年度中にこれらの見直しの方向性を示すべき。 (注1)学外から見た国立大学の改革意識 *1 <経営協議会学外委員> 学外委員は、経営協議会などを通じて「教員、職員の意識改革の遅れ」などの課題を看取する一方、運営費交付金の削減、法人化後も残る政府の規制、財務面での制約などに懸念をもっている。事務組織の非効率性、職員の親方日の丸意識や、幹部職員が短期で交代していくことの問題なども少なからぬ指摘があった。 <学外理事> 学外理事の多くは企業出身者であり、企業人としての経験から国立大学の教職員の意識改革の遅れや、意...