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11月, 2009の投稿を表示しています

毎度後手の国大協

行政刷新会議が国立大学運営費交付金の見直しを求めたことを受け、国立大学協会は26日、予算充実を求める緊急アピールを発表しました。 毎度のことですが、国立大学協会のスピード感のなさにはがっかりします。ただ今回の声明文は従来より少しはわかりやすくなっているような気がします。今後とも、論文調・官僚用語の多用による紋切り型の文章はやめ、仕分け人のように国民にわかりやすく歯切れ良く訴えることが肝要かと思います。優秀な学長さんたちの集まりなのですからよくおわかりかとは思いますが。 声明文の全文を掲載します。 大学界との「対話」と大学予算の「充実」を -平成22年度予算編成に関する緊急アピール- 平成22年度予算について、本協会は、去る10月13日に政府への要望を行ったところですが(「平成22年度国立大学関係予算の確保・充実について(要望)」)、その直後に明らかになった概算要求の内容や予算編成に関する動向、行政刷新会議の下で行われているこれまでの事業仕分けの結果に接し、ここに、下記の点について緊急のアピールを行います。 記 1 大学予算の縮減は、国の知的基盤、発展の礎を崩壊させます。 これまで大学予算は削減を迫られてきましたが、平成22年度概算要求においても、多くの事業が厳しく抑制されています。社会的な問題となっている医師不足解消のための医師養成や大学病院の機能強化、大学奨学金等の充実といった重要課題については、「事項要求」という位置付けに止められています。万一、このような状況を踏まえた適切な対応がなされないならば、これまで大学が国民からの負託に応えるために行ってきた様々な取組の継続は困難となり、大学改革は頓挫してしまいます。その影響は、日本の未来を担う若者に対し、直接に及ぶことになるだけでなく、日本国民の市民生活を支える国力基盤の弱体化につながることになります。 かねて、公財政支出の対GDP比、政府支出に占める投資額の割合などの指標を通じ、日本の大学関係予算の貧しさはつとに指摘されてきました。私たち大学関係者は、先進諸国中最低レベルの公的投資の水準や家計における重い教育費負担といった問題の是正を訴え続けてまいりました。総理は、所信表明演説の中で、「コンクリートから人へ」の投資の転換を強調し、「すべての意志ある人が質の高い教育を受け...

国立大学の命運やいかに(続編)

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行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分けについては、昨日「国立大学運営費交付金」をはじめ、高等教育関係予算が俎上に上がり、評定結果が明らかになりました。 各種報道の論調を整理すると、国立大学については、「経営改善努力の継続、人件費・組織・教員配置の見直し、民間人登用による大学運営の見直し」などを促す指摘とともに、法人化した効果の検証も合わせて求められたようです。 評価の内容を眺めてみると至極当然、ごもっともの指摘が並んでいます。特に「法人化をしたことの意味」については、制度設計時の趣旨を活かした大学経営が実行されていないことはまさしく事実であり、大学人は大いに反省すべきこところです。 この際、各大学の学長はじめ教職員全員が、 「新しい「国立大学法人」像について」 (平成14年3月26日 国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議)を読み返し、法人化の原点に立ち返って考えることが必要なのではないでしょうか。 それにしても、この仕分け作業、国民に対する透明性・説明責任の観点では高く評価されるのではないでしょうか。インターネットを活用したライブ中継はもとより、配付された資料、仕分け人の意見、評定結果などがほぼリアルタイムに提供されています。素晴らしい方法です。 当日の配布資料(行政刷新会議) 国立大学運営費交付金 大学の先端的取り組み支援 大学等奨学金/高校奨学金 国立大学運営費交付金関係のビデオ映像 評価コメント(行政刷新会議) 国立大学運営費交付金(特別教育研究経費を除く) 独立行政法人化そのものの見直しが必要。 各大学の積立金についても可能な限り考慮しての国庫支出を。どんなに「大学側からの強い要請」があるとしても、天下り、現役出向は完全廃止し、その分だけのコスト削減(=交付金削減)を行う。 日本の高等教育の基盤として制度改革に努力し、足腰の強い、国際的にも評価されるものになって欲しい。そのための基本構想なしに、なし崩しにやっていると全体の力は落ちてしまう。 官僚出身者や出向者が効率的な経営を行うことは難しい。 独立行政法人化そのものを見直す(概ね3年以内)。国立大学の意義、目的、役割を再整理する。独立行政法人のままなら、文部科学省からの出向を禁止すべき。 政策を明...

国立大学の命運やいかに

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今日から、行政刷新会議による事業仕分けの後半戦が始まりました。今日は鳩山首相も視察に訪れたようで、益々熱気を帯びてくる事業仕分けです。 いよいよ 明日には、「国立大学の運営費交付金」が舞台に上がります。 「大学の先端的取り組み支援」、「大学等奨学金・高校奨学金」に関する事業仕分けも予定されています。 この国民監視下の事業仕分け、既にいろんな場所でいろんな意見が飛び交っていますが、最近では、科学技術予算の大幅削減に対する強い危機感の表れか、学長や学部長さんの集まり、学者さんの集まりによる抗議の連呼もますます盛んになってきています。 今日は、東京大学や京都大学など国立7校(旧帝国大学)と早稲田大学、慶応義塾大学の私立2校の総長・塾長さんが、東京都内で記者会見を開き、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」によって学術・大学関連の予算が大幅に削減される恐れがあるとして、「大学の研究力と学術の未来を憂う」と題する共同声明を発表しました。 種を撒き育てる学術研究分野にメスが入る、一見無駄に見えても単純に成果だけを見て判断するのはどうか、経済界、ひいては町工場にも懸念が広がっています。 一方、将来のことよりも、まずは疲弊した国民生活を何よりも重視すべきだとの意見もあります。立場や生活環境で意見は随分変わってきます。なかなか難しい問題ですが、最終的には政治判断で決すべきことでしょう。 さて、本日の9大学の学長さん達の共同声明をご紹介したいと思います。これまでこの日記でも何度か申し上げてきたところですが、こういった声明は、大学に勤める人間にはよく理解できるものの、はっきり言って、自前主義といいますか、学者のご都合主義のような感じがしてなりません。したがって国民の耳には全く入らないと思います。 高額所得学者の目線でいくら偉そうなことを言ったって、グローバリズム(国際競争力)を主張したって、苦しい生活の中から税金を納めている国民にはほとんど無意味ですし、説得力はないと思います。国民生活には論文は不要なのです。なぜ学術研究は必要なのか、科学技術の進歩は国民の生活にどう関わるのか、どれほど重要なのかなど、国民目線に立ってもっとわかりやすく説明しなければ国民は納得できないと思うのです。 国立大学協会会員大学の皆様(抜粋) 御承知のとおり、政府の行政刷新...

規範意識の低下

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社会規範を守る意識の低下を指摘する記事を目にすることが多くなりました。社会・経済構造の変化とともに、凶悪犯罪は増え、犯罪者の低年齢化が進んでいます。街中ではマナーを守らない大人や若者を多く目にするようになりました。 理由も対策も様々あろうかと思います。親、地域、学校、職場、政府それぞれがそれぞれの立場で、時代に合ったあるべき姿を真剣に考えていかなければ最悪の結果を更新するだけの世の中になってしまいます。 最近では、大学で人間として基本的なマナーを教えなければならなくなってきています。社会の衰退に不安を覚えるのは私だけでしょうか。 最近の関連記事を抜粋して3つほど。 社説:犯罪白書 「規範意識」が低下した(2009年11月19日 毎日新聞) 安藤隆春警察庁長官は今月6日、日本記者クラブの講演で「日本の良好な治安を支えてきた国民の高い規範意識と、学校や地域などの共同体の存在感が共に低下しているのではないか」と懸念を示した。各地の少年補導員に聞いたとして長官が披露した話を一部紹介したい。 最近の非行少年は、万引きをしても「皆がやっているのに、何で悪いのか」という反応が返ってくる。家庭や学校に居場所がなく、親の年齢や職業、自分の住所さえ知らない。一方の親は「代金を払えば済むのに、なぜ警察に通報したんだ」と店に食ってかかる、というのだ。 いかにも寒々しい風景だ。若者が社会ルールを守る意識に乏しいのは親世代に責任があることを示す。この話の教訓として、防犯教育の必要性も指摘しておきたい。罪を犯せばペナルティーがある。例えば窃盗でも最高10年の懲役だ。また、被害に遭わないためにはどうするか。警察は学校と連携し一部で防犯教室を実施しているが、さらに積極的な展開が必要ではないか。 通勤車内で飲食する大人たち すたれる公共マナー 寛大な風潮が助長か(2009年11月17日 産経新聞) 近距離の電車やバスの中で、おにぎりや弁当、ハンバーガーなどを食べている若者やサラリーマンを見かけたことはありませんか。低下する大人の飲食マナー。個人の良識に委ねられる部分が大きいとはいえ、迷惑行為に目をつぶらない社会のコンセンサスが問われそうだ。 10月初旬、東京郊外を走る私鉄車内。大学名の入ったジャージー姿の女子大生3人が、熱々のおでんを食べな...

世界の子どもを思う

少し前になりますが、10月28日(水曜日)の朝日新聞に、国連児童基金(ユニセフ)親善大使の黒柳徹子さんのインタビュー記事「世界の子どもを思う」が載っていました。ほぼ一面にぎっしりと書かれた記事に絶句し、平和で飽食の生活に浸りきった私の人間としての小ささ、座して何もできない自分の無能さを痛感させられた記事でした。 この記事を是非多くの方にお伝えしたいと考え、ネットを通じて探しましたが残念ながら見当たりませんでしたので、主な部分について転載しご紹介したいと思います。 この四半世紀で、世界の子どもの置かれた状況は変わったのでしょうか。 25年前、5歳未満で死んでしまう子どもは、世界で年間1400万人いました。今は880万人です。世界中の人が悲惨な境遇にある子どものことを考えるようになった結果でうれしい。でも戦争や貧困がもたらす悲劇は続いています。 今年は、内戦が終結したネパールを訪れ、14歳で兵隊になった女の子に会いました。大人が銃を渡し、人を撃つと「偉い」と褒める。「怖い」と言うと麻薬を打って感覚をまひさせる。今は社会から、「人殺し」扱いです。 時代や場所やそのあらわれ方は変わっても、問題はなくならない。 そう。そして大人の世界の問題は全部子どもたちにしわ寄せが行っちゃう。 民族対立による内戦で大虐殺が起き、80万人が殺されたと言われるルワンダ。目の前で、お母さんがレイプされたり、兄や姉が働かせるためにどこかへ連れて行かれたり、そして自分も手足を切られたり。凄惨な状況です。子どもには内戦の理由などわからない。親が殺されたのは「言うことを聞かぬ悪い子だったから」と、自分を責めていました。 隣のコンゴ(当時はザイール)東部のゴマの難民キャンプに避難していた5歳ぐらいの子どもの話です。親が亡くなった理由を尋ねると「わからない」という。でも、後から追いかけてきて「本当は知っているよ。殺されたんだ」と言います。なぜ最初に答えなかったか聞いたら、「だってさっき通訳していた人が殺したんだもの」。20万人もいる難民キャンプに殺した側も殺された側もいて、自分の親を殺した人間にあってしまう。10年後の再訪では、いつもお漏らししている5歳の女の子に会いました。レイプされて膀胱が裂けてしまったのだそうです。地元にはエイズウイルス(HIV)に感染しても「処女と交わ...

始まるか 行刷・財務 VS 文科

行政刷新会議の「事業仕分け」作業が日々勢いを増す中、本日(16日)文部科学省のホームページに次のような記事が掲載されました。 行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(文部科学省) 現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。 この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、広く国民の皆様からご意見を募集いたします。 予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm 上記の文章に続き、各事業の詳細(番号、事業名、資料へのリンク先、事業仕分けの結果)が一覧化され、意見の提出先として、政治主導を意識してか「担当副大臣・政務官のメールアドレス」が記載されてあります。 文部科学省は、この意見募集の目的を、「事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に活かしていく」ためとしていますが、真意のほどはよくわかりません。 少しうがった見方をすれば、今後の予算編成における行政刷新会議・財務省連合軍からの猛攻撃に備えた理論武装を国民に求めているのかもしれません。 いずれにしても、行政刷新会議が求める効率性一辺倒の政策決定が、この国の教育にとって果たしてどれだけの意味があるのかを直接国民に問うことはとても大事なことだと思います。 (関連記事) 事業仕分けに反撃?文科省、HPで意見募集(2009年11月17日 朝日新聞)

08年度の国立大業務実績評価結果

文部科学省の国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)は11月6日(金曜日)開催の総会で、国立大学等の全90法人に対する2008年度の業務実績評価をまとめ、公表しました。 この法人評価は、大きく、1)業務運営の改善・効率化、2)財務内容の改善、3)自己点検・評価及び情報提供、4)その他業務運営の4項目を「特筆すべき進捗状況にある」「順調に進んでいる」「おおむね順調に進んでいる」「やや遅れている」「重大な改善事項がある」の5段階で評価したもので、報道によれば、4項目とも「重大な改善事項がある」との評価の法人はなく、どの項目も92~99%の法人が「おおむね順調」以上だったようですが、福島大学など12法人が、いずれかの項目で「やや遅れている」とされています。 このうち、12法人(秋田大学、弘前大学、福島大学、政策研究大学院大学、上越教育大学、北陸先端科学技術大学院大学、山梨大学、信州大学、愛知教育大学、兵庫教育大学、奈良先端科学技術大学院大学、鳴門教育大学)が、大学院修士、博士、専門職学位のいずれかで定員充足率が90%を満たしておらず、定員充足に向けた取り組みが必要として改善を促されいています。中でも弘前大学、山梨大学の博士課程と信州大学の法科大学院は、2007年度も充足率が9割を切っていたのに定員を見直しておらず、評価委員会は速やかな定員削減を求めています。 また、業務運営関係では、7法人で学外の有識者も含めた経営協議会での適切な審議がなされておらず、このうち東京学芸大学は、決算に関する経営協議会が定足数を満たさず不成立、また、教職員の給与改定など経営協議会で審議すべき事項なのに報告で済ませた例が室蘭工業大学、福島大学、筑波技術大学、埼玉大学、信州大学、京都工芸繊維大学で見つかっています。 国立大学の第一期中期目標期間も今年度が最終年度です。その前年度の評価において「重大な改善事項」の指摘はなかったものの、国立大学法人法に定められた経営協議会において審議すべき事項を審議していないなどといった”法令遵守違反”がまかり通っていること自体由々しき問題です。大学のガバナンスが機能していないことを如実に表していると言えるでしょう。第二期に向けた検証と改善が求められます。 (参 考) 国立大学法人等の平成20年度に係る業務の実績に関する評価結果について(文部...

教育は人なり

去る11月4日(水曜日)、文部科学省は「 公立学校教職員の人事行政の状況調査について 」という報告書を公表しました。 主な内容は、1年間の試用期間後に正式採用とならなかった学校教員は平成20年度:315人で過去最多。そのうち88人(30%)は精神疾患による依願退職。また、教育委員会が、学習計画が立てられない、子供とコミュニケーションが取れない、間違いが多いなど「指導力不足」と認定した教員は306人(前年度比65人減)、そのうち40~50代のベテランが245人(80%)、全体で78人が研修後に現場復帰したが、50人が依願退職。といった驚くべき内容でした。 このような学校教員の実態は、近年、以下のように、不祥事で懲戒処分を受ける教員の存在と相まって、教員不信を高める要因にもなっており、深刻な問題となっています。 わいせつ、放火、覚せい剤・・・教職員懲戒免98人、4~10月 教委「危機的状況」(2009年11月5日 読売新聞) 酒気帯び運転や生徒へのわいせつ行為などで懲戒免職になった教職員が、今年4~10月の7か月で98人に上ることが4日、読売新聞のまとめでわかった。覚せい剤を乱用したなどとして逮捕される事案も相次ぎ、深刻な事態になっている。各教育委員会は「危機的な状況」と受け止めているが、有効な再発防止策を見つけられないのが現状だ。・・・ http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20091105kk02.htm このたび文部科学省が公表した報告書の内容は、既に多くのメディアを通じて発信され、社説・論評はもとより、ブログ等個人レベルにおいても様々な受け止め方が社会に披露されていますが、まだ報告書に目を通しておられない方のために、簡単に要点をご紹介しておきましょう。 なお、詳細をお知りになりたい方は 文部科学省のホームページ をご覧ください。 公立学校教職員の人事行政の状況調査について(平成21年11月4日 文部科学省) 1 調査の目的 都道府県・指定都市教育委員会の教職員の人事管理に係る施策の企画・立案に資するため、公立学校(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)教職員の人事行政の状況について調査 2 調査結果(事項) 指導が不適切な教員 *1 の人事管理に関する取組等...

今、国会論戦がおもしろい

昨日(11月2日)、衆議院予算委員会を舞台に、鳩山内閣発足後初めての本格的な論戦の火ぶたが切られました。 国民が政権交代を選択し約1か月半、高い国民の支持率を基盤に、鳩山内閣は精力的に様々な政治課題に取り組んでいます。 これまで野党として国会に臨んできた民主党が支える政権は、これからは野党の追及に対応することになります。どのような答弁を展開していくのか大変興味があり、テレビ中継を録画して見てみました。 論戦の内容は、既に新聞等で詳細にわたり報道されていますので、今回は、鳩山総理や閣僚の皆さんの答弁ぶりを中心に目で見て感じたことをご紹介したいと思います。 まず、会議場である委員会室の風景としてこれまでと変わった点。 必要に応じ答弁を行っていた政府委員と呼ばれる役人や、答弁内容担当の役人の姿が消えた代わりに、各省庁の副大臣、政務官の席が議場側面に設けられ、各氏とも真剣な面持ちで質疑応答を聴きメモをとっていました。中には求められ答弁を行った政務官もいました。”政治主導”の実践でしょうか。 民主党委員席の後ろの壁際には、おそらく1年生議員だと思われますが、大勢の議員が肩を寄せ合って窮屈そうに列席(一部立ち見)していました。委員会現場での”実習”だったのでしょうか。であれば新人としての積極的な姿勢が評価されます。 次に、鳩山総理をはじめとする閣僚の答弁について。 政治主導と豪語しているだけあって、誰一人として、役人が作成した答弁メモを持たず、自分の言葉でわかりやすく答えていました。当然ながら以前のように役人が”耳打ち”する姿もありません。話しぶりも、野党(自民党)議員の挑発にも乗らず、常に冷静かつ謙虚でした。 質問に対して、複数の大臣が発言を求めて挙手を行うなど、国民への説明を積極的に果たそうという姿勢が見受けられました。 このように、鳩山内閣の国会対応は、これまでの自民党政権下における対応とは全く様変わりし、その真摯な姿勢にテレビをご覧になった多くの国民の皆様は、民主党に対する更なる希望と期待を感じたのではないかと思います。今後は、質問者も含め、”政治家の質”がためされます。それを評価するのは私達国民です。 それにしても、前自民党政権が残した、借金問題、沖縄問題、年金問題など多くの課題の解決に向け、今や、民主党政権が必死になって...

教員の基礎資格の高学歴化

今、政権交代に伴う、いくつかの大きな教育政策の転換が大きく取り沙汰されています。 そのうち、教員養成に関わる政策課題としては、「免許状更新講習制度の廃止」問題、さらには、「教員養成6年制の導入」問題があります。 先日、我が国の教員養成系大学・学部が加盟する日本教育大学協会が、この二つの政策課題について各会員校へ意見聴取を行い、その結果、会員校からは主に次のような意見が出されたようです。抜粋・編集しご紹介します。 「免許状更新講習制度」の廃止について 賛成意見 10年研修等など教員研修システムの中での検討課題が残されており、廃止に異議はない。 「最新の知識技能を身に付ける」という点で意味のないことではないが、日々の実践と学んだ知識技能を結びつけるのは、個々の教員まかせとなりその効果は限定的。 教員免許状の発行権者でも任命権者でもない大学に、免許状の失効にかかわる権限・責任が任されていること、不適格教員の排除も目的とされているところがあること、受講料負担を含め、個人の責任とされていること、など問題が多い。 将来的なことを考えるとできるだけ早く廃止すべき。今後の教員養成制度を構築するなかで、免許状更新講習制度は大幅に変更せざるを得ない。 実施する大学の負担が非常に大きいし、受講生、学校、教育委員会の負担の重さもあり、中止することもやむを得ない。 「更新制」と「更新講習制度」は分けて考えるべき。30時間の座学中心の講習制度は、現場のニーズに合致しているか疑問。別の形の研修制度と組み合わせるのが現実的ではないか。 各都道府県により講習内容がまちまちであり、教員の質保証の妥当性が充分あるとは言い難い。 10年経験者研修との関連性が明確でないし、免許状更新講習制度は知識のリニューアルが目的であり、問題教師の排除を目的とするものではないことが理解されていない。 教員研修は県教育センター中心に実施され、県も市町村も学校もそれぞれの企画が特色をもって行われていることが多く、現行の研修制度に屋上屋を架す制度の感が否めない。免許状更新講習は教育委員会の各種研修に吸収するのが妥当。 受講者(教員)は、実践現場の対応に追われ全体に時間的なゆとりがなくなり、子どもと向き合う時間不足から焦燥感を抱いている。免許状更新講習のため学校を空けることで、かえって学校...