地方国立大学と地域貢献
前回の日記では、「国立大学の存在意義」について触れましたが、現在我が国には86の国立大学が設置され、規模・教育研究分野・立地条件等により、それぞれの使命や役割が異なっています。特に、地方に位置する国立大学は、大都市圏に立地する大学と異なり、立地する地域に根ざした取り組みを一つの特色としてその存在意義を確かなものにする戦略を考えていかなければなりません。また、国立大学の教育研究成果の地域への還元の期待は高く、地方国立大学における地域貢献は、大学が生きていく上で不可欠な存在意義のひとつになっています。 地方国立大学は、大都市圏にある大学に比べ、寄付金や研究資金など外部からの資金獲得面において劣性に立たされています。このため、大学経営は、税金を原資とした運営費交付金へ依存せざるを得ません。しかし、そういった資金獲得面の制約の中でも、地方国立大学は、他大学にはない特色や個性を発揮しながら様々な改革努力を重ね、いわゆるリージョナルセンターとしての役割を果たしていかなければなりません。 現在、中央教育審議会など政府レベルでは、少子化など今日の大学を取り巻く状況を踏まえ、「質の保証」、「国際競争力の向上」など様々な課題について、我が国の大学の将来展望と対策についての議論が進められています。中でも、「人口減少期における我が国の大学の適正規模」といった課題の解決策として、いわゆる「機能別分化」を超えた取り組みの一つとして、今後、経営上危機的な状態にある私立大学や、国の政策に適合しない分野を有する国立大学については、収容定員の適正化のほか、組織的連携、つまり大学の統合・再編といった大胆な改善手法を求められる可能性は十分にあります。 こういった状況を踏まえれば、地方大学における地域貢献は、当該大学の存在意義をより強力に主張していくためにも、より積極的な方向に変容していくことになっていくことでしょう。しかし、このことが一方では、国立大学の存在意義に疑問を呈することにもなりかねないことを注意しておかなければなりません。 最近では、立地する地域の自治体や企業等との間で、連携協力のための協定を締結する大学が多く見受けられるようになりました。特定の事項に関する協定もあれば、総合的相補的関係を主眼とした包括的な協定を締結する大学もあります。こういった動き、つまり協定締結の結果として、...