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大学の経営基盤強化

去る1月19日(水曜日)に開催された中央教育審議会大学分科会の資料「 審議経過と更に検討すべき課題 」の中から「 教育研究機能の充実のための組織・経営の基盤強化について 」に関する記述を抜粋してご紹介します。 全文をご覧になりたい方はこちらをどうぞ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1301944.htm 教育研究機能の充実のための組織・経営の基盤強化について 教育研究機能の充実のための組織・経営の基盤強化について、これまでの成果を踏まえながら、さらに具体的に検討する必要がある。 (組織・経営基盤の強化に関し検討を要する事項) 国公私立のそれぞれの設置形態において、大学・法人としてのガバナンスを強化していくための具体的検討。 国公私立を超えた大学間連携、地域の産業界や公的セクター等との連携。 組織基盤の強化に向けた大学職員の専門的資質の一層の向上。そのための大学を支援する団体、大学間連携による研修支援や、大学院の課程や履修証明プログラムのような大学教育を通じた研修。 大学の主体的判断を促す情報提供の仕組みの整備。 国は、各大学の自主的・自律的な取組を支援し、地域別・分野別の設置認可の動向や、人口当たり学生数の状況(分野別・学位段階別・地域別)等の各種の情報提供のための仕組みを整備。 大学を支援する団体が、大学の教学・組織・経営に関する情報を整理・分析し、大学がそうした情報を活用。 公財政に関し、1)基盤的経費、2)国公私立大学を通じた教育改革の支援、3)学生への経済的支援を通じた財政基盤の確立。また、大学の規模・分野等の多様性を踏まえつつ、機能別分化に対応したファンディング。 各大学への経営相談等を充実。各大学が、自主的・自律的な機能別分化を通じて、それぞれの有する分野・機能に関し、自立・発展,連携・共同、撤退等の方向性を早期に判断できるよう支援。また、そのための支援体制の整備。 知識基盤社会において、大学は、社会の持続的な発展と成長に不可欠の存在であり、とりわけ、大学を取り巻く環境の変化や、多様化する社会的課題と要請にこたえていくことが求められる。そのためには、大学に求められる役割・機能を再認識した上で、大学教育の質の...

大学のヒエラルキー

大学生の厳しい就職事情に関する報道が目につく昨今、学生の就職における出身大学のヒエラルキーについての記事を目にしました。学歴社会が生んだ負の遺産とも言うべきシステムが未だに残っていることにやや驚きでした。 さて、この「大学のヒエラルキー」、様々なものがあります。学生の受験や就職に関わるものだけではありません。例えば、国立大学法人の場合代表的なものとしては、東京大学を頂点とした旧帝大、旧六、新八といった大学の歴史的成り立ちに由来する序列。国立大学法人は未だにこのような序列の下に、様々な資源・制度・処遇面での格差が存在しています。また、法人化後は、国から措置される運営費交付金、補助金、競争的資金はもとより、授業料免除・奨学金制度など学生支援の面、教職員の人事・給与など処遇の面など、大学間格差は益々拡大傾向にあります。 旧帝大から地方単科大学に至る大学間格差は、事務職員の内面にも大きな影響を与えています。例えば、管理職の人事です。大学の事務職員の人事権は、法人化によって各大学長に委譲されました。しかし、現実には未だに文部科学省がその実権を握り続けています。 文部科学省出身の管理職の多くは、大学現場におけるやる気や能力の有無に関わらず、手当など処遇の手厚い大規模大学に優先的に配属され、2~3年のローテションで文部科学省や彼らにとって居心地のいい(やりやすい)大学への転勤をくり返しながら最短ルートで事務局長や理事へと昇進し、報酬も増え続けていきます。しかも、定年後の天下り先への斡旋付き。一方、大学出身の管理職は、同じノンキャリアでありながら、かついかに能力があろうとも小・中規模大学を回り続け、昇進もうまくいって部長どまりです。 こういった文部科学省の既得権益が国立大学法人を支配し続けている以上、各大学長は、法人化の趣旨に則った戦略遂行を進めていくことは不可能です。所属する会社の経営者(学長)ではなく、文部科学省の役人の顔色を見、その意向に沿って行動することが自身にとって有利であると信じて疑わない管理職に、責任をもった大学改革などできるはずはないでしょう。多くの学長がこのような不合理に大きな不満を持っているという話をよく耳にします。 また、このような管理職と日々の仕事を共にしている事務職員に与える心理的な影響も懸念されることの一つです。文部科学省や管理職の思...

職員育成システムの現状と課題

事務職員の職能開発の重要性・必要性を踏まえ、現在多くの大学では、事務職員のための研修方針・研修規程・研修マニュアル等が整備されています。 しかし、国立大学法人の中には、法人化以前の国家公務員としての研修体系をそのまま維持し、人事院による研修を中心としたメニューから脱皮することなく、相変わらず”公務員”を育成している大学も少なくありません。 次代の大学職員を育成するための考え方や方法が確立していない大学は、やがて衰退の一途をたどって行く危険性が大きく、”化石”ような研修制度を後生大事に維持している大学の学長や事務局長は、すぐさま意識の改革を図るべきでしょう。 さらに、研修担当の部署、責任者、担当者といった推進体制と彼らの責任と権限を明確にし、よりより研修体系の開発と推進を重要課題として認識させていくことも必須の事項ではないかと思います。 今回は、この日記ではおなじみの、日本福祉大学常任理事 篠田道夫さんが 文部科学教育通信 (No260 2011.1.24)に寄稿された「職員の力量向上の取り組み」をご紹介します。(※太字強調は私の判断で行ったものです。) 職員の力量向上の取り組み (日本福祉大学常任理事 篠田道夫) 問われる職員の開発力 学生満足度を向上させるための仕掛けをどう作るか、入学者確保のためにどんな企画が必要か、収支を安定させるための投資と経費削減の施策など、大学の進路や運営をめぐる現場レベルからの提案力、開発力量が問われている。大学危機の深化は、職員の専門性の強化、執行機能のレベルアップとともに、競争を勝ち抜く改革を担う開発力育成へのシフトを求めている。職員の役割への期待の高まりや職務の高度化に対応し、職員育成制度も従来型からの転換を迫られている。直面する危機を打開するためには、各分野の現場で厳しい事態に直面し、ニーズや要望また批判を受けながら苦闘している職員の、開発と統治の力量の向上が不可欠だ。 職員の専門力量を高めるための育成システムは、大学の内外を問わず急速に整備されてきたといえる。しかし、 今もっとも肝心な大学の戦略遂行を担う開発力量、すなわち、現状を調査・分析、ベンチマークし、政策に取りまとめ、提案、決定後はその遂行マネジメントを行う力量の形成 という点では、まだ十分とはいえない。今日までの職員育成システム...

会議録からみる大学の姿

「大学の社会的責任」の重要な要素の一つに「情報公開」があります。学校教育法施行規則の一部が改正され今年4月1日から施行、全ての大学に共通した情報の公開が義務化されます。 (参考) 学校教育法施行規則等の一部を改正する省令の施行について(平成22年6月16日付文部科学大臣政務官通知) これまで、一般社会の方々には、大学の中で何が行われているのか非常に見えづらい状況が続いてきましたので、今回の義務化を機に透明性が高まり、「大学と社会の常識の乖離」が少しでも改善されることを願っています。 さて、大学には様々な目的・役割があり、その使命達成のために多くの教職員が働いています。大学が健全な経営を成し遂げていくための仕組みも用意されています。特に国立大学法人は、その運営財源の多くが国民の血税に依っていることから、国立大学法人法に基づく自主的・自律的な経営、さらなるガバナンスの強化を図ることが求められています。 ガバナンスの強化を図っていくためには、学長のリーダーシップが遺憾なく発揮されること、大学の意思決定システムが迅速かつ効率的であり、責任のある決定がなされることが重要になります。 では、各国立大学法人はどのようなプロセスや学内議論を経て意思決定を行っているのでしょうか。各国立大学法人がホームページで公開している会議の記録を通じて、その一端を垣間見ることができます。 国立大学法人には、国立大学法人法によって、役員会、経営協議会、教育研究評議会という会議を設置することが義務付けられています。このうち、構成員のほとんどが学内の教職員である教育研究評議会について見てみましょう。教育研究評議会は、当該大学の「教育研究に関する重要事項を審議する機関」です。国立大学法人法には次のように規定されています。 国立大学法人法(抄) 第21条 国立大学法人に、国立大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究評議会を置く。 3  教育研究評議会は、次に掲げる事項について審議する。 (1)中期目標についての意見に関する事項(前条第4項第1号に掲げる事項を除く。) (2)中期計画及び年度計画に関する事項(前条第4項第2号に掲げる事項を除く。) (3)学則(国立大学法人の経営に関する部分を除く。)その他の教育研究に係る重要な規則の制定又は改廃に...

自分の道を進む

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自分が周囲から浮いているように感じることがあるのはあなただけではない。信じられないかもしれないが、ほとんどの人がそういう経験をしている。その対策を紹介しよう。 自分の交友関係を検証する 。あなたは周囲の人と共通点がないように感じているのかもしれない。彼らとは別の関心事を持つようになったのかもしれない。人は数年間たつと変わるものだ。そろそろ同じ関心事を持つ新しい友人を探したほうがいいかもしれない。 自分の仕事を検証する 。自分に合っていない仕事をしているために、浮いているように感じるのかもしれない。戸外で体を動かして働くのが好きなのに、一日中オフィスの中でパソコンに向き合っているのでは、ストレスがたまるばかりだ。ワクワクして、しかも自分の才能を発揮できる仕事を見つけることが大切だ。 自分のユニークな性格を大切にする 。その他大勢と違っている人は誤解されやすい。しかし、他の人の迷惑にならないかぎり、自分の思いどおりに生きればいい。成功者は独特の人生観を持っている風変わりな人が多い。他の人のまねをするより自分の個性を生かしたほうが成功する可能性が高いのだ。 成長の法則 ジェフ・ケラー ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日:2006-06-15 ブクログでレビューを見る»

大学の社会的責任

大学において、ガバナンス、コンプライアンス、アカウンタビリティ等を考える際に、その前提として「 大学の社会的責任:USR(University Social Responsibility) 」を十分に認識しておくことが必要になります。 今回は、日本私立大学協会教育学術オンライン(平成18年  第2243号(8月23日) 、 第2247号(9月27日) 、 第2251号(10月25日) )に掲載された、新日本監査法人 公認会計士 植草茂樹さんの論考「 大学がUSRに取り組むために 」を抜粋してご紹介します。少し長くなりますがおつきあいください。 大学にしかできない社会的責任 組織の社会的責任を考える際には、組織と「社会」のあり方を考えることが必要である。社会を構成する「市民セクター、企業セクター、政府セクター等」において、大学がどのような役割を果たし、どのような存在意義を示すべきなのかを考えることは重要である。小さな政府を目指す中で、企業や市民に求められる役割は大きくなっていくが、大学は(違った立場で)企業や市民の先頭に立って社会課題の解決に自ら取組み、先導していく役割が期待される。大学は教育・研究を通して、未来を創造する役割を担っている。その中で潜在的社会課題を予測し、問題の提起を含めて事前の取組みを教育・研究活動により積極的に行うことが、まさに大学独自の社会的責任を果たすことになるのではないか。 少子化が進む中で、大学の経営状況は厳しい時代だが、それぞれの大学が社会の中での存在意義を見出すことは、社会にとっても大学にとっても持続的発展につながる。今までも私立大学においては、建学の精神や経営戦略・経営計画が存在し、大学としての存在意義を発揮してきた。ところが、国立大学が法人化され個性を打ち出しており、国立大学と私立大学とは何が違うのかが見えにくくなってきている。改めて、自大学としての「社会」の中での存在意義が問われるだろう。大学という高等教育機関が環境保全を含む社会的責任を果たすことによって、持続可能な社会の実現がより確実になり、その結果大学自身の持続可能性を高めることが可能となると考えるべきであろう。 大学は環境の保全もしくは社会の持続的発展に資する教育・研究を積極的に行い、学生や地域等の取組みについてサポート・指導する役割が求められ、かつ持...

危機感のない大学は社会から支援されない

大学人は、大学を取り巻く厳しい環境や、社会からの期待や要請を迅速かつ的確に捉え、教育研究機関としての社会的責任と公共的使命を自覚し、社会の信頼を確保することに努める必要があります。 そのためには、危機意識を持ち、社会の常識との乖離が生じないよう、常に自身への問いかけを怠らないようにしなければなりません。 論考紹介が続いておりますが、今回は、筑波大学大学研究センター長・大学院ビジネス科学研究科教授の吉武博通さんが、リクルートカレッジマネジメントNo166に寄稿された「 大学の危機と経営人材の養成 」を抜粋してご紹介します。 現状を大学の危機ととらえて変革の好機とすべき 大学を取り巻く財政環境が一段と厳しさを増してきたことは明らかである。国立大学は法人化したとはいえ国の財政状況は全86大学の経営に直結する共通問題である。悪化の一途の地方財政が公立大学をどこまで支えられるのかという問題もある。私立大学も既に半数近くが赤字経営を余儀なくされている。 入り口についても定員割れの大学が増え続け、学力の低下にも歯止めがかかっていないと言われている。そのようななかで2010年10月1日時点での就職率が過去最低を記録するなど、大学の出口も深刻な問題を抱えるようになってきた。 研究面では研究に専念できる時間が減り、我が国の発表論文数が減少傾向にあるとの指摘もなされている。大学が統廃合を余儀なくされ大学教員市場の縮小が進めば、研究者の育成やキャリア形成がさらに困難をきわめることも危惧される。 大学ごとに事情は大きく異なるものの、多くの大学が、あるいは日本の大学システム自体が、危機と呼ぶべき状況にあると認識すべきではなかろうか。 危機克服に向けた本気度が社会的合意の形成を促す トップから現場の従業員にいたるまで情報や認識が共有されやすい組織である点も日本企業の特徴だろう。さらに、株式公開会社の場合、四半期毎に決算が開示され、社内外に経営状態の変化が知れ渡る。経営の安全性を示す指標や目安も広く共有されており、危機のシグナルが認識されやすいと言える。 それに対して、大学経営を取り巻く環境は総じて緩やかに変化する。18歳人口の減少や国・地方の財政状況の悪化などは見通せる変化であるにもかからず、深刻な経営状態に置かれない限り、危機はリア...

アドミニストレーターへの飛躍 2

日本福祉大学常任理事の 篠田道夫 さんが、 文部科学教育通信 (No259 2011.1.10)に寄稿されている「 『戦略遂行を担う職員』の続編 」をご紹介します。 (過去記事) アドミニストレーターへの飛躍 1(2011年1月11日) ちなみに、篠田さんは、リクルートが発行している カレッジマネジメント (No166 Jan.-Feb.2011)でも、「 戦略立案・遂行を担う新たな職員の役割 」と題する同様の論考を寄稿されています。あわせてどうぞ。 戦略遂行を担う職員 2 教学、経営職員に求められる力 教学、経営職員には、具体的にどのような仕事が求められているのか。例えば教学分野では、全入時代の中、多様な学生を育成するための教育の充実は焦眉の課題である。それは正課授業のみならず、入学前教育からキャリア教育、資格教育、情報教育やeラーニング、実習やインターンシップ教育、国際交流、学習支援や各種相談業務など多岐にわたる。そして職員は、これら正課外教育体系を中心とする業務を企画段階から担っており、職員の教育マネジメントなしに成り立たない教育分野は急速に拡大している。これまでの教育条件整備的仕事から、学生の成長に入学から卒業まで直接責任を負い、教員任せでなく「エンロールメントマネジメント」 *1 としてトータルに学習支援するという姿勢なしに、真の学生満足度の向上や学生の成長は望めない。教育の事務処理から、教育を共に担い教育を作るスタンスへの転換が求められている。 今注目のIR(Institutional Research)も、学習到達度や授業評価、履修実態などの各種データに基づき教育成果を検証し、改善課題を明らかにし、恒常的な教育の充実を推進する上で大きな役割を果たす。ここでもデータを持つ職員の力は欠かせない。中退率を減らす取り組みなど、従来型の課の縦割り業務では解決できない課題が急増しており、横断的プロジェクトや教育開発専門部署の設置も必要となっている。 研究領域においても同様に、研究を企業・自治体や社会のニーズと繋ぎ、地域と連携して進めることが、大学の社会貢献を前進させ、また研究の活性化を促す。自大学の研究資源を把握し、外部ニーズと結びつける「研究プロデューサー」とも呼ぶべき職員業務、外部資金を獲得するための研究計画の策定支援やテーマに基...

学生に対する経済的支援方策の在り方

学ぶ意欲と能力があるのに、経済的な理由によって学業を断念せざるを得ない学生を救うための、経済的な支援策の拡充が求められています。 昨年12月24日、中央教育審議会大学分科会学生支援検討ワーキンググループは、「 今後の学生に対する経済的支援方策の在り方について(論点整理) 」を公表しました。 抜粋版を作成しましたのでご紹介します。 今後の学生に対する経済的支援方策の在り方について(論点整理)(抜粋) 経済・雇用情勢の悪化など教育を取り巻く社会の変化から、経済的に困窮する学生に対する経済的支援の充実や「新たな公共」の担い手を育成するための社会的自立に向けた支援など、社会や学生からの多様なニーズが求められている。 1 現状と課題 (1)学生を取り巻く経済・雇用情勢等について 我が国の高等教育費に占める家計負担の割合は国際的に極めて高く、諸外国の状況と比較した場合、日本の大学等の授業料は高く、奨学金の受給率は低い状況。 親の平均給与に占める大学の授業料の割合が年々上昇するなど、教育費の負担は増加傾向。 経済情勢等の悪化等により、近年の平均給与所得は減少傾向にあり、学生の生活費に占める家計からの給付も減少し、アルバイトや奨学金に依存する学生の割合が増加。 両親の年収が高等教育への進学率に影響しているなどの調査結果もあり、教育の機会均等を図る観点からも、経済的に困難な者が修学を断念することがないよう、一層の教育費負担軽減策を充実することが必要。 (2)これまでの大学教育が有する公共性の役割と課題 大学教育が持つ公共性や学生がこれまで受けてきた公的支援の意義等について、これまで学生に十分認知されていない。大学においては、学生が現在受けている、あるいは過去受けてきた教育自体が公共性を有し、社会から支えられていることを学生に自覚させ、大学での教育を通じて獲得した知識・技能等を現在及び将来においても社会へ還元していくよう促すこと。 大学教育の公共性、教育を通じて学生が獲得した知識・技能、大学教育や研究活動において学生が担っている役割等について、広く社会に対し発信することは、大学の教育活動への公財政投資の必要性を示す観点からも有効。大学においては、教育に投じられた国費やその成果等について、適切な指標等を通じ、大学教育や学生支援等による...

大学は自覚を持って社会的責務を果たすべき

最近、文部科学省のホームページに、昨年12月24日(金曜日)に行われた、政務三役による平成23年度文部科学省予算(案)の記者会見の内容が公表されました。 http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1301258.htm 掲載されたテキスト版の中から「高等教育関連部分」を抜粋してみましたのでご紹介します。 この中で、鈴木副大臣の「現状維持的大学ではなく改革をしてほしいということが我々のメッセージである。目的意識と計画性を持って大学改革をしてほしい。我が国は人と知恵でやるしかない。人と知恵の正に交差点というのは大学だ。大学のパワーアップが日本の浮沈にイコールかかっている。単に大学の自主性に任せるということから、正に社会総ぐるみで取り組んでいく」「これだけの血税を投入してやっているわけだから、大学も自覚を持って社会的責務を果たしてもらいたい」とのコメントが印象的でした。 大臣 本日、政府予算案が閣議決定されました。平成23年度予算案も、私どもがこれまで訴えてきたように、「コンクリートから人へ」の理念を継承して、我が国の成長の原動力である強い人材、これを実現する観点から、文部科学省予算として5兆5,420億円を確保いたしました。財政状況、極めて厳しい中ではありますが、対前年度マイナス0.9パーセントの微減にとどめ、補正予算・予備費を含めると、対前年度2.8パーセントの増となっております。 特に今回の予算編成の特色であります、元気な日本復活特別枠で要望した10項目については、国民の皆さん方からいただいた28万通に及ぶパブリックコメントに支えられて、粘り強い折衝を重ねられました。その結果、補正予算と合わせて、要望総額の9割を超える予算額を確保できました。国民の皆様、特にコメントをお寄せいただきました多くの方々に、この場を借りまして改めて感謝を申し上げたいと思います。 科学研究費補助金については、これは菅総理のイニシアティブによりまして、要求をはるかに上回る過去最大の633億円の増額が認められるとともに、若手研究者の参画による熟議などを通じて、現場の声として特に要望の強かった基金化が認められることになりました。 35人以下学級と科学研究費補助金の基金化は、先ほども申し上げましたように、政策コンテストや熟...

いいアイディアを見きわめる

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いいアイデアが思い浮かんだかどうか、どうすればわかるのか。その指標となるポイントは次のとおりである。 ワクワクする。いいアイデアが思い浮かぶと、片時もそれを忘れることができなくなる。夜寝る前も、朝起きたときも、それについて考えている。 一部の人がそのアイデアを拒絶する。そういう人は「それはうまくいくはずがない」「今までやってみたがダメだった」と言うが、それは人生があなたの決意を試しているのだと考えよう。がっかりする必要はない。多くのいいアイデアは受け入れられる前に酷評されるものなのだ。 あなたの能力に合致している。アイデアはあなたの能力を生かすときにうまくいく。そのアイデアがあなたに合っていることの証しである。 独創的である。誰も試したことのないアイデアなら独創的なアイデアだ。独創性というのは、完全に新しいものを考案するという意味ではない。新しいコンセプトとは、従来のコンセプトを5パーセント変えたもので十分だ。 アイデアを生かす条件が揃う。いいアイデアが思い浮かんで、それを実行に移そうという強い意志があれば、あなたの探し求める条件は自然と揃うものだ。 いいアイデアが思い浮かんだら行動を起こそう 。行動を起こせば必ず成功するという保証はないが、行動を起こさないかぎり成功しない。 成長の法則 ジェフ・ケラー ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日:2006-06-15 ブクログでレビューを見る»

戦略を着実に実現していくことのできる組織づくり

標題は、大学の在り様を真剣に考える大学人であれば誰しもが悩み求め続けるテーマではないかと思います。 岩田雅明氏(共愛学園前橋国際大学入試広報・進路支援センター長)が アルカディア学報(教育学術新聞掲載コラム No.429) に掲載された「 戦略を実現できる組織に 意欲を高める組織風土づくり 」をご紹介します。 ◇ 組織が生き残っていくためには、戦略的ポジショニング(Strategic Positioning)と組織能力(Organizational Capability)が必要だとされている。戦略的ポジショニングとは、差別化された存在意義ということで、例えば旅館業界であれば、最高の料理や空間を提供してくれる高級旅館と、家庭的なサービスで廉価で泊まれる旅館というように、それぞれが個性を発揮している状態である。大学の場合であれば、設置学部や教育内容、教育手法、就職支援等のサービス内容がその要素となる。この戦略的ポジショニングの取り方が重要であることはもちろんであるが、大学の場合、人が人に対して、しかも4年間という長期間、教育サービスを提供するという組織体であることからすると、組織能力、中でも構成メンバーの意欲といったことが最も大切になってくると考えられる。 前稿(アルカディア学報421、平成22年10月6日付)でビジョンを持つことの大切さと、ビジョン実現のための戦略づくりという戦略的ポジショニングについて述べたが、今回はその戦略を着実に実現していくことのできる組織づくりについて私見を述べたい。 その大学の魅力的な将来ビジョンが描けたら、それを着実に実現していくことが成果を出すためには当然ながら不可欠である。そのために必要なことは、実施に当たる教職員の意欲である。前稿で、アメリカでの調査によると、強い意欲を持って業務を遂行しているビジネスパーソンの割合はわずか19%という結果であると書いたが、最近、大手企業の人材育成を担当している研修会社の幹部の方に話を聞いたら、日本もほぼ同じか、もしくはそれより悪いというのが現状ではないかと話していた。先日、人事担当者対象の研修会で、参加者に対して自分の会社で意欲的に働いている人の比率はどのくらいかという質問をしてみたところ、最高で80%、最低が20%未満という結果であった。同じ人数の組織であっても、働き方に4倍の...

アドミニストレーターへの飛躍 1

新年に入り1週間が経ちました。皆さんは、大学職員(事務職員)としての今年一年の抱負をどのようにお考えでしょうか。 今回は、今私たち大学職員に何が求められているのか、そのために私たちは何を考え、どう行動しなかればならないのかなど、大学職員のあるべき姿について、ひとつの示唆を与えてくれる論考をご紹介します。 日本福祉大学常任理事  篠田道夫 氏が、 文部科学教育通信 (No258 2010.12.27)に掲載された「 戦略遂行を担う職員 」です。年頭にふさわしい内容だと思います。ご一読いただければ幸いです。 戦略遂行を担う職員 1 戦略経営の確立 「大学の市場化」の中、私大の最重要課題はこれと切り結ぶ、目標を鮮明にした経営の確立であり、私大の職員像は、まさにこの課題を担い推進することにある。 この間、私学高等教育研究所が訪問調査した大学経営の特徴を要約すると、第一に、ミッションに基づく戦略や目標が明示され、強みや伝統に特化した事業に資源を選択集中している。しかもトップダウンだけではなく、現場からの適切なボトムアップを生かす仕組みが機能している。また専門的な企画部門を置いて計画をリサーチ、立案している。第二に、こうした戦略を実行計画に落とし込み、教育計画や業務計画、予算編成に具体化し、PDCAサイクルが年間スケジュールとして実体化している。第三には、そうした戦略をトップ自らが直接構成員に語り掛け浸透を図るとともに、各組織が政策推進に知恵を出し、責任分担や期限をはっきり定めて実践に取り組む組織運営に努力している。そして第四に挙げられるのは経営・教学の政策一致、事務局も含む全学協力体制の構築だ。 戦略遂行を担う職員 では、なぜ職員がこうした改革推進に中心的な役割を担い得るのか。今日、戦略が現実課題の解決に有効性を持つためには、現場の実態から出発し、実際のデータや現実の問題点に立脚したものでなければならない。 私大の職員は経営や数学の現場におり、学生と接し、大学の評価に繋がる高校や企業や地域との接点に立っている。外からのニーズ、要望あるいは批判がまず最初に来るのは、この現場にいる職員のところであり、学長や理事長ではない。ここがどのような感度、問題意識を持って業務を遂行し、またそこからどんなレベルの提案が出てくるのか、ここに大学総体の改革水準が...

正月の風物詩・どんと焼き

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近所の神社で行われた町内会主催の「どんと焼き」を見に行きました。 どんと焼きとは、正月飾りを焼いて、1年の家内安全や無病息災を願う年中行事のひとつです。 あいにくの天気でしたが、近所の子ども達やお年寄りが松飾りやしめ縄をたくさん持ち寄って燃やしていました。 書初めを燃やし、燃えた炎が高く上がると字が上達するという言い伝えもあるようで、我が家ではしめ縄とともに、子ども達が書いた書初めを持参し燃やしました。 今日は「成人の日」です。各紙の社説をご紹介します。身の引き締まる思いです。 成人の日に―仲間とつながり世の中へ(朝日新聞) 新成人へ 世界に大きくはばたこう(読売新聞) 成人の日 古い船を動かせるのは(毎日新聞) 若者たちがもっと活躍する社会に(日本経済新聞) 新成人に 君らの元気が次代を作る(産経新聞) 成人の日に考える 人は一日にして成らず(東京新聞) 今年も皆様にとりましてよりよい年になりますように。

年のはじめに渾身の一枚

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週末に、小学生の娘が参加した書初め大会を見に行ってきました。このような大会は各地で行われているようですが、私が見にいった大会は、県下の予選を通過した小中学生約1200人が出場し、毛筆の半紙と条幅、硬筆の3部門で健筆を競うものでした。 当日会場で発表された課題を制限時間の1時間以内に5枚清書し、その中から自分で1枚選んで提出するというルール。審査は、公開で行われ、各学年の最優秀者が選ばれていました。 子どもたちは、大勢の保護者や引率者が見守る中、緊張しながらも、日頃の練習の成果を発揮すべく一筆入魂の熱戦を繰り広げていました。中でも感心したのは、毛筆に挑戦したほとんどの子どもたちが、昔と違って普段の生活ではほとんどすることのない正座の姿勢を1時間以上続けていたことでした。 このような大会は、子どもにとっても、大人にとっても、とても意義のあるいい取り組みではないかと思った年の初めの一日でした。 健筆を競う1200人の子ども達

財務省との合意にご注目

来年度の大学関係予算の動向については、昨年末ご紹介したところですが、このうち、文部科学省所管の科学技術関係予算については、厳しい財政事情の中で、理系出身の管総理の強い意向もあり、大幅な増額が図られているようです。 政府全体の科学技術振興費は、対前年度18億円(0.1%)増の13,352億円ですが、このうち、文部科学省所管の科学技術振興費は、他府省(環境省を除く)が▲0.9%~▲17.1%の軒並み減額となっている中で、対前年度357億円(4.2%)増の8,929億円と唯一、断トツの増額です。 (関連) 国立大学法人運営費交付金の削減止まらず(2010年12月26日 大学サラリーマン日記) 関連して少し気になる記事をご紹介します。 憂楽帳:主計官の苦笑(2010年12月28日 毎日新聞) 「スーパー高度の政治判断です」。研究者に配られる科学研究費補助金が文部科学省の要求額より533億円、25%も上積みされた異例の11年度予算案。記者に問われた財務省主計官は、苦笑交じりに理由を述べた。 「多いにこしたことはないが、積算根拠があるのは要求額まで」と文科省も当惑を隠さない。「科学技術予算を減らすな」という菅直人首相の意向で伸縮自在な補助金を増額、中でも少額の若手支援拡大で帳尻を合わせた。 事業仕分けで批判を浴びたスーパーコンピューター開発や宇宙開発もほぼ満額が認められ、国立大の収入の大半を賄う運営費交付金も、大学法人化後初めて減額に歯止めがかかった。 「理系首相の英断」に沸く関係者。 だが、喜ぶのは早い。大学予算の据え置きは1年以内に大学間の合従連衡や「すみ分け」の改革案を出すとの条件付き。定員割れの私学には容赦なく補助金半減の「規律強化」で臨む条項も入った。「未来への投資」のため借金してツケも未来へ回すのか、増税か。苦笑の意味は深そうだ。 http://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20101228k0000e070060000c.html 特に、最後のパラグラフは気になります。どういうことなのか詳細はよくわかりませんが、、今後の財務省や文部科学省の動向を注視しておく必要がありそうです。 ◇ 参考までに、財務省が作成しホームページで公表している「 平成23年度文教・科学...

新春おすすめ読本

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広島大学教授・高等教育研究開発センター長の山本眞一さんが、 文部科学教育通信 (No258 2010.12.27号)「冬休みの読書~2010年新刊から」で、高等教育の現状や今後を考えるに当たって参考となる書物を紹介されていました。一部ご案内します。 大学の危機(草原克豪著・弘文堂) 大学の危機―日本は21世紀の人材を養成しているか 草原克豪 弘文堂 発売日:2010-10 ブクログでレビューを見る» ホームレス博士(水月昭道著・光文社) ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書) 水月昭道 光文社 発売日:2010-09-17 ブクログでレビューを見る» 大学教授の資格(松野弘著・NTT出版) 大学教授の資格 (NTT出版ライブラリーレゾナント062) 松野弘 エヌティティ出版 発売日:2010-08-12 ブクログでレビューを見る» 教育政策入門 3(渡辺一雄著・玉川出版部) 大学の制度と機能 (教育政策入門) 玉川大学出版部 発売日:2010-11-11 ブクログでレビューを見る» 教育政策入門 4(渡辺一雄著・玉川出版部) 大学の運営と展望 (教育政策入門) 玉川大学出版部 発売日:2010-11-11 ブクログでレビューを見る» 日本の留学生政策の評価(佐藤由利子著・東信堂) 日本の留学生政策の評価―人材養成、友好促進、経済効果の視点から 佐藤由利子 東信堂 発売日:2010-05 ブクログでレビューを見る» 現代日本の大学革新(清成忠男著・法政大学出版部) 現代日本の大学革新―教学改革と法人経営 清成忠男 法政大学出版局 発売日:2010-06 ブクログでレビューを見る»

謹賀新年

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新年明けましておめでとうございます。 旧年中はこの日記を気にしていただきまして誠にありがとうございました。 2011年 初日の出 年末からの記録的な大雪により、交通網の遮断や停電などで大変な状況に遭遇され、平穏な年明けとはいかなかった方々も多数おられたようですが、皆様はいかがでしょうか。 来年度の大学関係予算はなんとか激減に歯止めがかかったようですが、一方、次世代にツケを廻し、甘いことばかりを語り、現実の厳しさには向き合おうとせず、この国の将来のために真摯に国民に負担を語ろうとしない日本の愚かな政治は健在のようです。 迷走する民主党政権に振り回されるこの国の在り様は、どこか大学の経営に似通ったところがあります。今年は、理屈、評論から、実行、実践、実現、実績へ着実に移行できる一年でありたいと心に念じてがんばりたいと思っています。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。