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研究を「本棚」から「店の棚」へ―中国に学ぶイノベーションの作り方

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はじめに:なぜ研究が「商品」にならないのか 「日本の大学は研究力が高い」「中国は国家の力でどんどん技術を伸ばしている」——そんな話をニュースで見聞きすることは多いと思います。でも、少し立ち止まって考えてみてください。 大学の研究室で生まれた画期的な発見が、なぜそのまま私たちの生活を変える製品にならないのでしょうか。優秀な研究者と、資金力のある企業がいれば、自然とイノベーションは生まれそうなものです。 実は、そう単純ではありません。今回は、中国の大学改革の事例をヒントに、「研究成果を実際の技術や製品にする」ために何が必要なのかを、できるだけ身近な例で考えてみたいと思います。 大学と企業は、そもそも「見ている方向」が違う まず前提として押さえておきたいのは、大学と企業は目的がまったく違う組織だということです。 大学 は、時間がかかっても良いから「本当に新しいこと」「学問的に価値のあること」を追求する 企業 は、いつまでに、いくらで、どれだけ売れるものを作れるかを考える たとえるなら、大学は「何年かけても美味しい新種の野菜を開発したい農業研究者」、企業は「来年の収穫期までに売り物になる野菜が欲しい八百屋さん」のようなものです。どちらも大事な仕事ですが、話す言葉もスケジュール感もまったく違います。 この「違う言葉を話す二者」の間を誰がどうやって橋渡しするのか。これが、実はイノベーションを生み出すうえで一番難しい部分なのです。 中国が作った「どっちつかずの組織」 中国では近年、「新型研発機構(しんがたけんぱつきこう)」と呼ばれる、少し変わった組織が増えています。 これは大学・地方政府・企業が一緒にお金を出し合って作る組織で、面白いのは中国国内でも 「四不像(よんふしょう)」 ——つまり「大学でもない、研究所でもない、企業でもない、役所でもない」というあだ名で呼ばれていることです。 なぜこんな中途半端な組織があえて作られたのでしょうか。 普通の大学の研究室だと、 人を雇うにも大学のルールに縛られる お金の使い方も大学の会計ルールに従う 「儲かるかどうか」より「論文になるかどうか」が評価される ...

米ニューヨーク大学の東京進出検討で見えてきた、日本の教育界への5つのメリット

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アメリカの名門ニューヨーク大学(NYU)が東京にキャンパスを開設することを検討しているというニュースが話題になっています。このニュース、実は日本や日本の教育、日本の大学にとって、いくつかの「追い風」になりうる要素を含んでいます。 メリット1:「教育で選ばれる国・東京」としての存在感が上がる 東京都にとって、世界的に知名度の高いアメリカの大学を誘致できることは、そのままブランド価値の向上につながります。「アジアの中でも国際教育の拠点として信頼できる都市」というイメージが強まれば、NYU以外の海外大学や優秀な留学生・研究者を呼び込む呼び水にもなります。いわば、都市としての“教育力”に箔がつくということです。 メリット2:加速する留学生受け入れの流れに弾みがつく 日本はすでに2025年6月時点で43万人を超える外国人留学生を受け入れており、政府目標の「40万人」を予定より8年も前倒しで達成しています。少子高齢化で国内の大学進学者が減っていくなか、海外からの学生をどれだけ呼び込めるかは、日本の大学界全体にとって死活問題になりつつあります。NYUのような大学が東京に来ることは、この「留学生が増えている日本」という流れをさらに後押しし、日本全体の国際的な求心力を高めることにつながります。 メリット3:アメリカ留学をためらう学生の「受け皿」になれる いま、アメリカでは移民政策の変化により、留学生の在留期間を最長4年に制限する新しいビザ制度が導入されるなど、留学を取り巻く環境が厳しくなっています。「アメリカに行きたいけれど、見通しが立ちにくい」と感じる学生が増えれば、その代わりの選択肢として東京・日本が浮上する可能性があります。つまり日本は、アメリカ留学の“不確実性”を吸収する新たな受け皿になれるかもしれない、ということです。 メリット4:日本の大学が「割安な国際教育」としての強みを再認識される 日本の大学の学費は、一般的にアメリカの大学よりもかなり安い水準にあります。NYU東京キャンパスの存在は、「アメリカ品質の教育を、アメリカより身近なコストで受けられる場所」としての日本の立ち位置を、学生や海...

批判の陰で、まちが動き始めている

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武雄アジア大学(TAU)をめぐっては、入学者数の少なさや財政面の課題について、厳しい声が寄せられています。運営法人・旭学園が7月3日に公表した令和7年度決算では、定員140人に対し入学者数は37人、充足率26.4%という結果でした。こうした数字への懸念は、事実に基づくものであり、大学側も真摯に向き合っていく必要があるでしょう。 一方で、まちの中では、報道を通じて少しずつ「期待」の芽も見え始めています。今回はその一部をご紹介します。 教室に集まった137人の「学生」 4月15日、開学したばかりのTAUの教室で、60歳以上の市民を対象とした「武雄市民大学」の講義が始まりました。これまでは公民館のホールで行われていた講義が、今年度から大学の教室に会場を移し、市内外から講師を招いて来年1月まで全10回のプログラムが予定されています。 参加したのは60代から80代までの男女137人。講義に先立ち、小長谷有紀学長は「いくつになっても学ぶことは素晴らしい。地元にできた大学を大いに活用してほしい」と歓迎の言葉を述べました。派手なニュースにはなりにくい光景ですが、大学が若者だけでなく、高齢の世代にとっても「学びの場」として動き始めていることがうかがえます。 学生たちの、等身大の声 1期生自身の声も届き始めています。5月には、地元・御船が丘小学校の6年生約100人を対象に、1期生が特別授業を行いました。担当した重松大貴さんは「いろいろな縁があってこの大学に入学した。学びたいことを学べるので、大学で学ぶのは楽しい」と話しています。授業を受けた児童からも「開放感があって集中できそうな場所」「自分も大学に入れるように勉強を頑張りたい」といった感想が上がりました。 入学者数の少なさが繰り返し報じられる中でも、キャンパスの中では、学生一人ひとりが自分なりの理由でこの大学を選び、日々を過ごしています。 まちと大学、少しずつのすり合わせ 7月4日には、大学の運営や地域連携について話し合う「地域連携協議会」が、開学後初めて開かれました。この場で大学側は、自治体や高校との連携協定の締結、住民向け「出前講座」の実施、武雄高校への職員派遣といった取り組みの進捗を報告しています。 出席した地元委員からは、「武雄には伝統芸...

「事実無根」から一転、辞職。福岡県議会を揺るがす金銭授受疑惑

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6月20日の記事「税金3億円はどこへ?」、そして6月27日の続編「報告書公開も費用は未公表」で、福岡県議会の海外視察をめぐる問題をお伝えしてきました。あれから1カ月。事態は誰も予想しなかった方向に転がっています。 「議長・副議長のポストを得るために、現金を渡していた」 そんな証言が県議自身の口から飛び出し、7月24日、ついに現職の副議長が議員を辞職する事態にまで発展しました。今回は、これまでの経緯を振り返りながら、新たに浮上した「金銭授受疑惑」と、この1カ月の急展開を整理します。 おさらい:これまでの2つの記事 まず、これまでの流れを簡単に振り返ります。 第1弾(6月20日) では、福岡県議会の議員たちが3年間で22回、のべ97人、総額3億円超の海外視察を行っていたこと、その契約が「随意契約」で結ばれ、当初の見積もりから10倍以上に膨れ上がるケースが常態化していたことをお伝えしました。蔵内勇夫議長は「海外旅行は続けます」と明言し、批判の矢面に立つ中でも視察の継続を明言していました。 第2弾(6月27日) では、県議会が視察報告書7件を新たに公開したものの、肝心の費用の内訳は非公表のままだったこと、そして海外視察とは別に、県幹部職員の「部課長会」が議員のパーティー券を組織的に購入していた問題について、服部知事が第三者評価委員会の設置を表明したことをお伝えしました。 つまりこの時点で、福岡県政・県議会には 海外視察費用の不透明さ(議会側の問題) パーティー券の組織的購入(県庁側の問題) という「2つの火種」が同時にくすぶっていたわけです。そして7月、そこに 3つ目の、そして最も生々しい火種 が加わりました。 3つ目の火種:「議長・副議長ポストと現金」 7月中旬、福岡県議会の吉松源昭県議が、驚くべき証言を公にしました。「議長・副議長への就任前に、自民党県議団幹部へ現金を支払うよう求められた」というのです。証言に付随して、現金を要求するようなやり取りが録音されたとする音声データも明らかになりました。 規模の概要 1,000万円 吉松県議が求められたとされる金額 ...

行政書士を考える④ 入札参加資格は「ゴール」ではなく「スタート」だった

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「公共工事をやってみたいけれど、何から手をつければいいか分からない」——そんな声を、建設業に関わる方からよく耳にします。 実は今、公共工事の世界で大きな変化が起きています。今回は、その変化の背景と、実際に参入を目指す際に押さえておきたいポイントを、分かりやすく整理してみたいと思います。 今、建設業界で何が起きているのか 公共工事に「新規参入のチャンス」が生まれている 資材の値上がりや、働き方改革による残業規制の強化で、工事にかかる実際のコストが上がっています。ところが役所が用意する予算(予定価格)がそれに追いつかず、「入札しても誰も手を挙げない」「予定価格内で落札できない」というケースが全国で増えています。 これは裏を返せば、 発注する自治体の側も、工事を引き受けてくれる業者を探している ということです。今まで公共工事に縁がなかった会社にとって、扉が開きつつあるタイミングだと言えます。 ただし、参入には3つの関門がある 公共工事を元請けとして受注するには、次の3つのステップを順番にクリアする必要があります。 建設業許可 を取得する 経営事項審査(経審) を受けて、会社の経営体力・技術力を点数化してもらう 工事を発注する各自治体の 入札参加資格審査 に申請し、名簿に登録してもらう ここまでで、早くても数ヶ月かかります。しかも許可は5年ごと、経審は毎年、入札参加資格も自治体ごとに1〜2年ごとに更新が必要な、継続的な手続きです。 本当の壁は「登録した後」にある そして、ここが一番見落とされがちなポイントです。 名簿に登録されることは、ゴールではなくスタートに過ぎません。 多くの公共工事は、役所が「この会社にお願いしよう」と業者を選んで声をかける「指名競争入札」という方式で発注されます。そして役所が業者を選ぶとき、最も重視するのが 過去にどんな工事を無事にやり遂げてきたか(施工実績) です。 つまり、新しく参入した会社は、実績がないために指名されにくく、指名されないためにいつまでも実績を積めない——という悩ましい状況に陥りやすいのです。 行政書士は何を支援できるのか、建設会社は何を意識すべきか 行政書士の関わり方 行政書士は、建設業許可や経営事項審査の申請といった 行政手続きの専門家 です。この分...

週末ジョグ 真夏の35度ラン! 日陰ルートと博多港の青い空

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毎週土曜日は恒例の週末ジョグの日。 今日も気温35度を超える猛暑日ということで、少しでも涼しく走るためにビル群や街路樹の日陰をうまく繋ぐルートを設定してスタートしました。 折り返し地点の博多港に到着すると、青い海に巨大なクルーズ船が浮かび、頭上にはどこまでも澄み渡る夏の青空が広がっていて本当にキレイでした。 暑さは厳しかったですが、夏ならではの爽快な景色を満喫できた最高のランニングになりました。

海風とともに ― 海の日の博多湾ジョグと西公園展望施設

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3連休最終日は海の日。せっかくの祝日、酷暑ではありましたが博多漁港方面へジョグに出かけました。 港に着くと、造船所のクレーンが青空に向かって伸び、赤いタンカーが静かに停泊中。夏らしい入道雲と潮の匂いが心地よく、いいコースでした。 もう一つの目的は、昨日オープンしたばかりの福岡県西公園の展望施設。西公園といえば桜の名所として知られていますが、今回新たに、博多湾を一望できる展望施設が完成しました。 長さ約70メートル、高さ約14メートルという大きな構造物で、地上からまっすぐ伸びる木製の柱が整然と並び、その上を屋根がなだらかに連なっていく姿が印象的です。 地上から144段の階段をのぼると、そこは360度のパノラマビュー。博多湾に架かる橋や造船所のクレーン群、脊振山をはじめとする山並みまで見渡せて、思わず足を止めて見入ってしまいました。福岡市街のビル群も緑の木々の向こうに広がっていて、天気の良さも相まって最高の景色でした。 帰り道は光雲神社にも立ち寄り、参拝。境内は緑に囲まれ、静かで落ち着いた雰囲気でした。 酷暑ではありましたが、海風が抜けて意外と快適なジョグに。新しくなった西公園の展望施設、まだ知らない方もいると思うので、涼しくなったらぜひ訪れてみてください。

行政書士を考える③ 中小企業を支える「もう一人の相談相手」

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七月二十日は「中小企業の日」。日本にある企業の実に九十九パーセントは、中小企業・小規模事業者だと言われています。近所のスーパーや飲食店、工事を頼む工務店、精緻な部品をつくる町工場——私たちの暮らしは、その一つひとつに支えられています。 けれども今、こうした企業は厳しい局面に立たされています。原材料や人件費は上がっても価格に転嫁できない。人を雇いたくても雇えない。後を継ぐ人がいない。賃上げをしたくても、その原資がない——。 こうした課題に対して、実は「行政書士」という専門家が、地味ながら確かな形で力になれることをご存じでしょうか。今回は、市民の方にもわかりやすく、行政書士が中小企業のために何ができるのかをご紹介します。 行政書士とは、そもそも何をする人か 行政書士は、役所に提出する書類の作成や、契約書づくりを専門とする国家資格者です。「代書屋」という古いイメージを持たれることもありますが、実際には、経営者が新しい挑戦をするときの許可を取ったり、事業を次の世代へ引き継ぐための道筋を書類の形で整えたりする、いわば「制度と経営をつなぐ専門家」です。 値上げがしにくい会社に、できること 「値上げをお願いしたいけれど、取引先に言い出せない」——そんな声をよく耳にします。行政書士は価格交渉そのものに立ち会うことはできませんが、値上げの裏付けとなる「公的なお墨付き」を取る手伝いができます。 たとえば、国や都道府県が行っている「経営革新計画」や「経営力向上計画」の認定を受けると、税制の優遇や融資の際の信用力アップにつながり、「うちはこれだけの努力をしている」という説得材料になります。こうした計画書の作成や、ものづくり補助金・持続化補助金といった補助金の申請書類づくりも、行政書士の仕事です。 人手不足に、できること 人手不足は今、多くの中小企業にとって死活問題です。ここは行政書士が特に力を発揮できる分野です。 外国人の方に働いてもらうためには、「在留資格」という国の許可が必要です。この申請を代理で行えるのが行政書士です。2027年には「育成就労」という新しい制度も始まる予定で、早いうちから受け入れの準備を進めたい企業にとって、頼れる相談相手になれます。 また、建設業など、許可を維持すること自体が事業継続の条件になっている業種では、その許可...

中小企業の日に —— 私たちの暮らしを支える、見えない力

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七月二十日は「中小企業の日」、そして七月の一月間は「中小企業魅力発信月間」と定められています。 これは、中小企業や小規模な事業者が社会に果たす役割と、その魅力への理解を広く醸成することを目的として、2019年に制定されたものです。由来は、中小企業経営の礎となる「中小企業基本法」が公布・施行された日が、まさに七月二十日であったことによります。 平素は意識される機会も少ないかもしれませんが、我が国にある企業の実に約99パーセントは中小企業・小規模事業者に分類されます。日々足を運ぶ近隣のスーパーマーケットや飲食店、工事を託す工務店、精緻な部品を生み出す町工場——そのいずれもが、この裾野を成しています。日本経済は、こうした身近な企業の営みによって支えられているのです。 中小企業を取り巻く、いまの情勢 「行きつけの店の値が張るようになった」「近所の商店がひっそりと店を畳んだ」——そうした変化を肌で感じておられる方も、少なくないのではないでしょうか。実際、中小企業は今、以下に述べるような厳しい局面に立たされています。 一、物価高騰に、価格が追いつかない 原材料費や光熱費、人件費が軒並み高騰する一方で、その上昇分を販売価格に的確に反映し得ている企業は、なお半数程度にとどまっています。取引先との力関係も相まって、「費用は増したものの、値上げを申し出づらい」という事業者が少なくありません。売上高は伸長しているように映っても、手元に利益がほとんど残らないという実感を語る経営者の声も、方々で聞かれます。 二、人手不足が、企業の存立を脅かしている 働き手を確保し得ず、事業の継続そのものが困難となる「人手不足倒産」は、統計開始以来、最多の件数を記録するに至りました。とりわけ地方、そして建設・小売・製造といった現場の担い手を要する業種において、その深刻さが際立っています。 三、後継者難が、のれんを絶やしかねない 経営者が高齢に達しても後継の任に当たる者が見つからず、やむなく廃業へと至る企業も増加の一途にあります。ただし、そこには一縷の光明もあります。近年では「継ぐ者なきゆえの廃業」ではなく、他の企業へと事業を託す(M&A)という、前向きな選択を採る事業者も着実に増えてきているのです。 四、賃上げの...

真夏の動植物園、静かな避暑地

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連休2日目。気温は35度、うだるような暑さが続いています。 こんな日でも走りたくなって、近所の動植物園までジョグに出かけました。 到着してまず驚いたのが、人の少なさ。さすがにこの暑さでは外出を控える人が多いようで、園内はまばら。動物たちもすっかり心得たもので、ほとんどが厩舎の中へ避難していて、姿を見せてくれませんでした。 一方で足を延ばした植物園エリアは、ちょっと様子が違いました。木々が作る日陰が多く、時折抜ける風も心地よくて、思いのほか快適。都心にいながらまるで避暑地に来たような感覚でした。バラやペチュニア、白いフロックス、背の高いひまわりなど、季節の花々が元気に咲き誇っていて、目にも涼やかです。 暑さの中でも人が少ない分、静かにゆったりと園内を楽しめる——真夏の穴場スポットとしては、案外「あり」かもしれません。 結局、大粒の汗まみれになりましたが、心身ともにリフレッシュできた、満足度の高い連休のひとときでした。

会社が消えるペース、過去最速に ~ 2025年、退出法人6万5,858社の衝撃 ~

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「最近、知り合いの会社が店をたたんだ」「取引先が急に廃業した」——そんな話を耳にすることが増えていないでしょうか。実は数字にもはっきりと表れています。東京商工リサーチの調査によると、2025年に倒産や自主廃業で市場から姿を消した会社の数が、統計開始以来もっとも多くなりました。 消えた会社は6万5,858社、4年連続で増加 2025年中に「倒産」または「休廃業・解散」によって市場から退出した会社(普通法人)は、 6万5,858社 にのぼりました。前年より6.8%増え、2013年の統計開始以来もっとも多い数字です。しかも4年連続の増加となっています。 内訳を見ると、 倒産 :8,795件(前年比+2.5%) 自主的な休廃業・解散 :5万7,063件(前年比+7.5%) 倒産よりも、経営者自らの判断でお店・会社をたたむケースの方が、より速いペースで増えていることが分かります。後継者不足や事業承継の難しさを抱える会社が多いことが背景にあるとみられています。一方、倒産の増加が比較的緩やかなのは、金融機関による支援や、裁判所を通さない私的な整理手続き、M&Aによる救済などが広がっているためのようです。 会社数自体は増えているのに、消える「率」も過去最高 日本全体の会社数(普通法人数)は302万社を超え、こちらも前年より増加しています。それでも「退出率」(全会社数のうち、消えた会社の割合)は 2.17% となり、前年の2.06%からさらに上昇、2年連続で過去最高を更新しました。つまり、会社の新陳代謝そのものが加速しているということです。 突出しているのは情報通信業 業種別に退出率を見ると、際立って高いのが 情報通信業で4.98% 。IT関連のソフト開発やホームページ制作などを手がける事業者が多く含まれます。2位の卸売業(3.06%)や3位の製造業(2.61%)を大きく引き離しています。 情報通信業は、比較的少ない元手で開業できる反面、競合も多い業界です。価格の安さだけを武器にしていた事業者から先に淘汰されているのではないか、という見方が示さ...

未来につながっているか、それとも過去の続きか

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私たちはなぜ「いつもの選択」をしてしまうのか 今日食べたランチ、通った道、見たニュース。振り返ってみると、ほとんどが「前にもやったこと」ではないでしょうか。 これは意志が弱いからではありません。人間には、知らないものを警戒し、慣れ親しんだものを選ぶという本能があるからです。生き延びるためには「今まで通り」が一番安全だったからこそ、私たちの脳はそう作られています。 さらに厄介なのは、毎日使っているスマホやインターネットです。検索結果もSNSのおすすめも、すべて「あなたが過去に選んだもの」をもとに表示されています。放っておくと、私たちの目に入る情報はどんどん「過去の延長線上」だけになっていくのです。 慣れたことばかり繰り返していると、深く考えなくなります。さらに進むと、何かを感じる力そのものも鈍っていく。それが本当の怖さです。 判断基準はシンプル:「未来につながっているか」 そこで提案されているのが、とてもシンプルな問いです。 その選択は、「未知」か「既知」か? 新しいものであれば、それだけで未来につながっている可能性が高い。逆に、知っているものばかり選んでいれば、未来ではなく過去とつながり続けることになります。 実践のコツとして紹介されているのが、こんな小さなルールです。 食事のメニューに迷ったら、食べたことのないものを選ぶ たまには、入ったことのないお店に入ってみる 意識してトレーニングしないと、人は必ず「知っているもの」を選んでしまいます。それが習慣であり、癖だからです。 なぜ今、「未知」への挑戦が大事なのか これまでの時代は、「知識や情報を持っていること」自体に価値がありました。しかし、AIが普及すれば、知識や情報は誰でも瞬時に手に入るようになります。 これからの時代に人間に求められるのは、 「クリエイティブ」で「ユニーク」であること 。そしてそれを育てるのが、まさに「未知」への挑戦だというのです。 やったことのないことに挑戦する 会ったことのない人に会う 行ったことのない場所へ行く 読んだことのない本を読む 学んだことのない分野を学ぶ こうした経験こそが、AIには代替できない、その人ならではの個性や発想を育てていく。それが伝えたいメッセージです。 まとめ 人は本能的...

夏のビーチへ週末ジョグ。雲と日陰を味方につけて

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連日、本当に暑い日が続いていますね。今日も気温は35度。 危険な暑さではありますが、週末ということで、今日は夏のビーチ方面へジョグに行ってしてきました。 外に出ると刺すような日差しで、走り出してすぐに大粒の汗が滴り落ちてきます。 実は先週、空港方面へ走ったときに暑さで失敗してしまったので、今日はその教訓を活かしました。空の雲の動きを見たり、日陰を選んだりしながら、直射日光をなるべく避けて走る作戦です。 その甲斐あって、なんとか無事に走りきることができました。 しっかり汗をかいた後の、気持ちのいい疲労感に包まれています。 皆さんも、無理のない範囲で熱中症には十分気をつけてお過ごしください。

「わたし」を明け渡さないために

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スマホが鳴ると、つい反射的に手が伸びてしまいます。そんな一日を、私たちはもう何百回とくり返しているのではないでしょうか。 テクノロジーは道具であって、主人ではありません 便利さは、いつのまにか支配に変わってしまうことがあります。気づけば何時間も画面を眺めていたり、通知が気になって食事や会話に集中できなかったり。「使っている」つもりが、いつしか「使われている」——そんな感覚に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。 意志の力だけでは勝てません 面白いのは、これを「我慢」や「意志の強さ」で解決しようとしても、たいてい長続きしないということです。人間の意志は、思っているよりもずっと脆いものです。 だからこそ、発想を変える必要があります。誘惑と戦うのではなく、そもそも誘惑に出会わない仕組みをつくることです。たとえば、通知を切る。寝室にスマホを持ち込まない。手の届かない場所に置く。そして何より、散歩や習い事、人と会う時間、季節の行事など、画面以外に心を向ける先を増やしていくことです。環境が変われば、意志の力を使わなくても自然と距離ができていきます。 本当のゴールは「奪われない自分」ではなく「喜べる自分」 ここで終わってもよいのですが、実はもう一歩先があります。 人を喜ばせようとすることはとても大切です。しかし、それ以上に大切なのは、自分自身が「どんな小さなことにも喜べる人」でいることではないでしょうか。誰かに何かをしてもらったとき、些細な出来事の中にも喜びを見つけられる感受性——それこそが、実は一番の防御になるのです。 スマホやSNS、AIといったテクノロジーは、私たちの「物足りなさ」や「退屈」につけ込んできます。逆にいえば、日常の中にすでに喜びを見出せる人には、その隙がないのです。 まとめ テクノロジーに支配されないために必要なのは、根性論ではなく仕組みづくりです。そして、その先にあるのは、外からの刺激に頼らずとも、日々の小さなことに満たされる自分をつくることです。それこそが、道具に振り回されない生き方の土台になるのではないでし...

住民監査請求ってなに? -ある補助金騒動から考える

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地方自治のしくみを読み解く 今年4月、地方のある自治体で開学した私立大学。定員に対して、入学者数が大幅に下回るという事態が起きました。これを受けて地元の市民団体が、大学の運営法人に対して交付された補助金の返還を求め、市の監査委員に「住民監査請求」を行いました。 「住民監査請求」「監査委員」と聞いても、あまり馴染みのない言葉かもしれません。今回は、この制度がどんな仕組みで、何を調べ、どんな結果につながるのかを、できるだけわかりやすく説明します。 そもそも何が問題視されているのか この自治体は、大学を運営する学校法人に対して、総額約19.5億円もの補助金を交付していました。市民団体は、この補助金交付の決定過程に問題があったと主張しています。 議会の特別委員会で、大学の財政や学生確保の見通しについて厳しい指摘があったのに、十分な検討がされなかった 補助金交付の「合理的な根拠」が示されないまま、懸念点の具体的な検証もなく決定された といった点です。要するに「なぜちゃんと調べずにお金を出したのか」を問うているわけです。実際、定員に対する入学者数は3割にも満たない水準にとどまりました。 「住民監査請求」って誰でもできるの? できます。これは地方自治法という法律に基づく制度で、 その自治体の住民であれば誰でも 、市や県のお金の使い方がおかしいと思ったときに、監査委員に調査を求めることができます。裁判を起こす前の、いわば「まず身内でチェックしてもらう」制度です。 監査委員は何を調べるのか 監査委員が調べるのは、 税金の使い方(お金の流れ)が適切だったかどうか です。大学の教育内容そのものを評価するわけではありません。あくまで「補助金を出すという判断に至った過程が妥当だったか」がテーマです。 今回で言えば、 補助金を出すと決めた時点で、学生が本当に集まる見込みがあったのか 運営法人の経営計画はきちんと精査されたのか 議会で出た疑問の声に、行政はちゃんと向き合ったのか といった点を、資料や関係者への聞き取りなどを通...

6,000円から30万円へ——共生社会のゆくえ

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日本に在留する外国人の手続き費用が、この秋、大きく変わろうとしています。制度の内容と、そこにある論点を整理しました。 制度の概要 日本に在留する外国人は、就労、留学、結婚など目的に応じた在留資格を取得し、数年ごとにその更新手続きを行う義務を負っています。出入国在留管理庁はこのたび、当該手続きにかかる手数料を大幅に引き上げる政令案を公表しました。改定は10月1日申請分より適用される見込みです。 引き上げの内容 現行、在留資格の変更・更新手数料は一律 6,000円 ですが、改定後は在留期間に応じて 1万円から7万5,000円 に、永住許可については 1万円から20万円 へと引き上げられます。 一例を挙げますと、「定住者」の資格を有する4人家族が5年ごとに更新を行う場合、これまで2万4,000円であった負担は 約30万円 に達します。実に10倍を超える引き上げ幅です。 政府の説明とそれへの疑義 政府はこの措置を、外国人にも応分の負担を求める「応益負担」の原則によるものと説明しています。しかし、外国人材が深刻な労働力不足を支え、納税義務も等しく果たしていることを踏まえれば、手続きに要する費用は社会全体で分かち合うべきであるとの見方も根強くあります。とりわけ、非正規滞在者の送還費用までもが在留外国人全体の負担に組み込まれている点については、排外主義的であるとの批判も出ています。 難民認定申請者への影響 とりわけ厳しい状況に置かれるのが、難民認定を申請する人々です。申請から最初の1年間で在留期間の更新を4回行う必要があり、その支払額は従来の2倍となります。加えて、申請から8カ月間は就労が認められません。 生活困窮者向けの減額措置も設けられてはいますが、その対象は保護費受給者に限定されています。2024年の実績を見ますと、申請者約1万2,000人に対し保護費受給者はわずか 710人 にとどまり、大多数の申請者が実質的な救済を受けられない構造となっています。 なお、英国、カナダ、フランス、ドイツといった国々では、難民認定申請にかかる手数料そのものが存在しません。国際的な水準に照らしても、日本の対応の厳しさが際立つ結果となっています。 展望 円安と経済の低迷により、...