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「留学生の受入れが厳しくなった」は高校にも当てはまる?日本の高校留学の現在地

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外国人留学生をめぐる在留資格の運用は、2026年に入り、見直しが進んでいます。 もっとも、こうした議論で中心になるのは、大学や日本語教育機関で学ぶ留学生です。では、日本の高校で学ぶ留学生については、どのような変化が起きているのでしょうか。 実は、高校留学については注意が必要です。2026年に示された、 日本語教育機関への入学者に対する日本語能力確認の見直し は、高校への留学には適用されません。高校留学には、今回の見直しとは別に、入国時に満たす必要がある基準(いわゆる 上陸基準 )があります。留学生全体では運用の見直しが進んでいますが、その中心は日本語教育機関です。 一方で、高校留学生には別の変化も起きています。2026年度の新入生から、在留資格「留学」の生徒は 新しい高等学校等就学支援金 の対象外となりました。さらに、文部科学省の2026年度予算資料では、新入生向けの「高校生等・新修学支援」についても「留学生を除く」とされています。在校生については経過措置があります。なお、通知本文と予算資料で表現が異なる部分もあるため、個別のケースについては学校や都道府県の案内を確認する必要があります。 また、海外から直接出願できる学校の少なさ、日本語能力、学費や寮費、未成年者の生活支援、卒業後の進路など、入国後も含めたさまざまな課題があります。 1,864人 高校留学生 (3か月以上・令和5年度) 約71% 過去最多(平成29年度 2,621人)に対する水準 約8割 私立高校が受け入れ (1,489人) 中国 869人 最大の出身国・地域 (全体の約47%) そこでこの記事では、公表資料をもとに、次の4点を順に整理します。 高校留学生は実際に増えているのか 2026年の在留資格をめぐる制度変更は、高校生にどう関係するのか 高校留学にはどのような壁があるのか 今後、高校留学はどう動くのか なお、以下の数字や制度は、2026年9月時点で確認できた公表資料によります。 1. 前提:留学生をめぐる運用の「適正化」が進んでいます 出入国在留管理庁は、政府の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(2026年1月23日の関係閣僚会議決定)を踏まえ、在留資格「留学」に係る運用の一層の...

建設業の人手不足は、なぜ日本の成長戦略に関わるのか? 370兆円の数字とあわせて整理

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「建設業の人手不足」と聞くと、建設会社や職人さんの問題だと思うかもしれません。ところが、今回この問題を取り上げているのは、建設業界だけではありません。政府が「成長戦略を実行するうえでの課題」として、建設分野の労働力不足への対応を検討する方向で調整しています。 なぜ、建設業の人手不足が、日本全体の成長戦略につながるのでしょうか。 背景には、工場、データセンター、電力設備、道路など、これから国内で増やしていこうとしているさまざまな施設があります。そして、これらを実際につくるのは建設業です。 この記事では、2026年9月30日に報じられたニュースを入り口に、建設業の人手不足と国の成長戦略がどのようにつながっているのかを、できるだけ専門用語を使わずに整理します。 この記事のポイント 政府は、建設分野の労働力不足を、国内投資を進めるうえでの課題と位置づけ、関係省庁の検討の場を設ける方向で調整しています。 建設業では、働き手が減り、高齢化が進んでいます。 国は、賃金や労務費の確保、働き方の見直し、省人化の技術づくりなどを進めています。 今回の政策パッケージの中身は、まだ公表されていません。 1 NHKが報じた内容 2026年9月30日、NHKが「政府が、成長戦略の実行に向けて、建設分野の労働力不足への対応策を検討する方向で調整している」と 報じました 。 報道によると、政府は7月、AI・半導体や造船など17の分野に、国と民間が連携して投資する計画を盛り込んだ新しい成長戦略をまとめました。近く日本成長戦略会議を開き、実行に向けた当面の課題を確認する予定です。 その課題の一つが、建設分野の労働力不足です。国内で投資を進めるうえでの課題として、関係省庁の検討の場を設け、対応策を盛り込んだ政策パッケージをまとめる方向で調整しているとされています。このほか、AIの推進に向けた規制の見直しや、データセンターなどの拡大に伴う電力インフラの確保も検討する方針です。政府は、これらの検討結果も踏まえて、年末にかけて、複数年度にわたる実行計画をまとめるとしています。 2 「370兆円」とは何のお金か 成長戦略の中で、大きな数字として示されたのが「370兆円超」です。 これは、17の戦略分野に関連する主要な製品・技術などへの、国と民...

大学の「見えない食支援」――中国と日本、学生をそっと支える仕組みの違い

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大学の学生支援は、単に「いくら配るか」だけではなく、「どうやって必要な学生に届けるか」という段階に入っています。 従来の学生支援では、困っている学生が自ら申請し、大学が審査したうえで奨学金や給付金を支給する仕組みが一般的でした。 一方、中国の大学では近年、学生の食堂利用などのデータを分析し、支援が必要と考えられる学生を大学側から見つけ、本人からの申請なしに生活費や食費を支給する「隠形資助(インフォーマルな表現として「見えない支援」「気づかれにくい支援」とも訳せる)」の取り組みが複数の大学で確認できます。 代表例が、厦門大学(アモイ大学)の取り組みです。 日本でも、100円朝食、食事券、食堂で使える電子マネー、プリペイドカードなど、学生の食費負担を直接軽くする取り組みが広がっています。 ただし、公開資料を比較すると、両国では「支援の方法」だけでなく、「支援が必要な学生をどう見つけるか」という部分に違いがあります。 中国で広がる「申請を待たない」食費支援 厦門大学――食堂データから支援候補者を抽出 2024年から「隠形資助」を試行している厦門大学では、学生資助管理中心と情報・ネットワーク部門が、学内食堂の消費データを分析しています。 具体的には、食堂での利用回数が学校平均より多い一方、1回あたりの消費額が平均よりかなり低い学生を初期候補として抽出。その後、カウンセラーが学生一人ひとりの経済状況などを確認し、最終的な支援対象者を決めます。 つまり、単純に「食費が少ない=困窮」と自動判定しているわけではありません。 例えば、健康上の理由やダイエットなどによって食費が少ない学生も考えられるため、データによる抽出の後に人的な確認を入れています。 最終的な支援は、800元、500元、300元の3段階で、学生本人の銀行口座に直接振り込まれます。学生からの申請は必要ありません。 実際に学生には、「最近、食事量が少ないことがビッグデータ分析で分かった」という趣旨のメッセージが送られ、...

「力かルールか」2026年国連総会、7人の演説から見えた世界の分かれ道

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世界を動かすのは、力なのか、ルールなのか。 2026年の国連総会では、米国、中国、フランス、日本、イスラエル、ウクライナ、ロシアなど、国際政治の主要プレーヤーが相次いで演説しました。 演説を並べてみると、単に「戦争をどう終わらせるか」という問題だけではありません。 国際社会は、一国の力で動くのか、それとも多国間のルールで動くのか。 そして、国連は今後も世界の共通ルールを支えることができるのか。 今回は、ドナルド・トランプ米大統領、高市早苗首相、中国の韓正国家副主席、 エマニュエル・マクロン仏大統領 、ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、そして ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相 という7人の演説を軸に、世界の対立軸を整理してみます。 7人の演説、何が違ったのか 人物 主なテーマ トランプ 米国の国力+交渉 高市 国際法+実効性・国連改革 韓正 主権+多国間主義+多極化 マクロン 国際法+多国間協調 ネタニヤフ 自衛+人質+イスラエルの安全 ゼレンスキー 侵略への抵抗+国際支援 ラブロフ 多極化+ロシアの安全保障主張 同じ国連総会の壇上に立ちながら、世界をどう見るか、国連をどう位置づけるか、戦争をどう終わらせるかについて、それぞれ異なる考え方が浮かび上がります。 「力」と「ルール」――トランプとマクロンの対照 比較しやすいのが、米国のトランプ大統領とフランスのマクロン大統領です。 トランプ氏の演説では、米国の軍事力や経済力、そして交渉力が強く意識されています。国際問題についても、米国が持つ影響力を背景に、相手国との交渉によって問題を解決していくという姿勢が目立ちました。 一方で、トランプ氏は国連について、官僚主義や非効率を批判し、組織の効率化を求めています。また、AIの安全性をめぐる懸念を「hoax(でっち上げ)」と批判するなど、国際的な規制よりも技術革新や自由を重視する姿勢も示しました。 これに対してマクロン氏は、国際法、国連憲章、多国間協調を繰り返し強調しました。国家間の力関係だけではなく、共通のルールを維持することが国際秩序の基礎だという考え方です。 つま...

行政書士を考える⑩ 外国人支援は「ビジネス」でいいのか

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愛知県東海市にある介護施設で、あるインドネシア人女性が高齢者のケアにあたっている——今週、そんな現場の様子を伝える記事を目にしました。彼女は家族を支えるために「特定技能」という在留資格を取得し、今年来日したそうです。その様子を見守っていたのが、彼女を支える「登録支援機関」の代表者でした。登録支援機関とは、特定技能1号の外国人を受け入れる企業から委託を受け、事前ガイダンスや日本での生活・就労に関する支援など、定められた支援計画を実施する事業者のことです。記事によれば、この登録支援機関は企業から毎月、1人当たりの「支援委託手数料」を受け取って運営されているそうです。 この記事は〈移民ビジネスを追う・嵐の前夜〉という連載の一部で、2027年4月に始まる「育成就労制度」を前に、外国人労働者の受け入れに関わる業界が大きく揺れ動いている様子を追ったものだそうです。有料会員限定のため全文は読めませんでしたが、この冒頭部分だけでも、「外国人支援」という仕事の現場感が伝わってきます。おそらく本編では、この「支援委託手数料」というビジネスモデルの是非、つまり「これは支援なのか、商売なのか」という問いが掘り下げられているのだろうと思います。 今回は、この記事をきっかけに、自分なりに制度や統計を調べながら、「外国人支援をビジネスにすること」についてあらためて考えてみたいと思います。 まず数字を見てみましょう 在留外国人は2025年末に412万人を超え、初めて400万人の壁を突破しました。働く外国人も2025年10月末で257万人を超え、こちらも過去最多です。 外国人が増えれば、在留資格に関する申請や更新などの行政手続きも重要性を増します。制度も年々複雑になっていて、たとえば「経営・管理」という在留資格は2025年10月に審査基準が大きく厳しくなりました。資本金等、常勤職員、経営者の学歴・経験、日本語能力など、求められる条件が大幅に厳しくなったのです。 制度が厳しくなればなるほど、本人や企業だけでは対応が難しい場面も増え、専門家の役割は大きくなります。先ほどの記事に出てきた「登録支援機関」は、2026年9月17日時点で全国に1万1,615機関が登録されています。特定技能外国人を支える仕組みに、多くの事業者が参入していることがわかります。...

誰が決めているのか⑧ 福岡県議会バンコク送別宴283万円、一次資料だけで見えてきたこと

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2024年1月、福岡県議会訪問団がタイ・バンコクで開いた送別宴の動画・写真が「センキョタイムズWEB」によって公開されました。県議が舞台に上がって踊る様子などが写った動画・写真が公開され、SNS上でも話題となりました。 はじめに一点確認しておきます。本記事のタイトルにある「283万円」は、送別宴そのものの費用ではありません。これは、バンコク単独区間の議員旅費・職員旅費・委託費を合わせた公表経費の総額であり、内訳は本文で詳しく見ていきます。 こうした話題は感情的な反応が先行しがちです。そこで本記事では、報道の評価や印象論はいったん脇に置き、福岡県議会・福岡県が自ら公表している一次資料(公式PDF・公式ページ)だけを読み込んで、何が事実として確認でき、何がまだ分かっていないのかを整理しました。 対象は、2024年1月24日〜28日に行われた「福岡県議会・バンコク都議会友好訪問団」です。 一次資料で確認できたこと 1. 送別宴は公式訪問団の行程に組み込まれていた 福岡県議会の公式報告書には、1月26日の行程として「バンコク都主催送別宴」が明記されています。したがって、少なくとも県議会が公表した訪問団の公式行程に含まれていたことは確認できます。 2. 参加者は「公式訪問団9人」+「タイ友好議員連盟15人」 報告書には、香原勝司議長を団長とし、藏内勇夫氏、松尾統章氏、仁戸田元氣氏、椛島徳博氏、および事務局職員4人の計9人の公式訪問団に加え、福岡県タイ友好議員連盟から15人の議員が参加したと記載されています。 3. 公表されているバンコク単独区間の経費は283万円 内訳は以下の通りです。 項目 金額 議員旅費 452,000円 職員旅費 349,000円 委託費 2,029,000円 総経費 2,830,000円 ただし、この283万円は「24人全員の旅行費」ではありません。バンコク単独の経費資料では、訪問団として「会派代表者1名(議長ほか...