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国立大学の予算と経営努力

国の予算編成も大詰めを迎え、いよいよ民主党政権になって初めての予算案が25日を目途に閣議決定されるようです。 この予算のうち、教育や科学技術に目を移せば、これまで、行政刷新会議による事業仕分けで、予算の大幅削減などが打ち出された事業の関係者、とりわけ学界を中心とした個人やグループが記者会見し、来年度の予算確保を求める声明を発表するなど、従来にはなかった抗議活動が積極的に展開されてきました。 様々な要因が考えられますが、国立大学が法人化された際、国立大学全体としての自主性・自立性に基づいた判断ができず、声を上げる前に政治や行革に押し流された苦い経験が今回のような行動を誘引したこともその一つになっているかもしれません。 また、声明は、予算の縮減で、教育研究水準の低下や優秀な学生の確保・育成が損なわれ、地域における高度人材育成の中核拠点が崩壊するといった内容がほとんどで、国立大学の場合、法人化後、運営費交付金が毎年1%づつ削減されるなど、大学経営上の深刻な状況が続いてきただけに、事業仕分けの結果がそのまま予算化されることに対する危機感が学長さん達にこういった行動を決断させたのかもしれません。 地方大学に比べれば、資金的にさほど困窮していないであろう東京大学までもが、大学のホームページに「 明日の日本を支えるために-教育研究の危機を越えて- 」と題する特設コーナーを設けて社会に訴える活動を行ったほどですから、事の深刻さがひしひしと伝わってきます。 さて、去る12月14日(月曜日)に、九州地区国立大学の学長さん達が共同記者会見を行ったことをもって、全ての国立大学の声明発表がひととおり終わりました。各地区の声明文を全て通読してみましたが、各地区の主張そのものは全く同感、国民の皆さんにも十分理解していただける内容ではないかと思いますし、随所にそれぞれの地区の特色というか、代表で執筆された学長さんの強い思い入れが表れていたような気がしました。しかし、僭越ながらあえて苦言を呈するならば、「教育」「学生」「人材育成」「人づくり」といったキーワードよりも、「研究」「科学技術」「経済」「競争」「地域社会」といったキーワードが多用され、「教育者よりも研究者の目線」で書かれた文章という印象を強く持ちました。大学教員の発想は相変わらず世間離れしているようです。 また、これ...

再び”フテンマ”

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普天間基地移設問題の解決は越年となりました。米国の国務長官は在米大使を呼び、変わらぬ米国の強い意思を伝える行動に出ています。鳩山総理にどのような戦略があるのか注視していかなければなりません。 今日は産経新聞に掲載された関連記事「詳説戦後・沖縄の米軍基地」をご紹介します。教科書では学び得ない生きた歴史を知ることはとても重要なことですし、今後多くの国民の皆さんが沖縄問題に関心を持ち、今の平和の礎がどのような経緯でもたらされたのかを正確に知っておくこと、沖縄の犠牲の上に私達日本人の平和がもたらされていること、だがしかし、今でも沖縄は犠牲者であり続けていることを理解し、沖縄の基地問題の解決を自分自身のこととして真剣に考え解決する責務があることを自覚しなければなりません。 沖縄の真の平和や安寧は、私達日本人の強い願いと実行力にかかっているといっても過言ではないのです。 「死にもの狂い」が結実 普天間返還 鳩山由紀夫首相は15日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先の決定を、来年に先送りすることを決めた。平成18年に日米両政府は移設先をキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)とすることで合意しているが、鳩山政権の決定先送りで、問題の決着はさらに混迷を極めそうだ。普天間飛行場返還合意の舞台裏、戦後の沖縄の米軍基地の歴史を検証する。 橋本政権が誕生して1カ月余りたった平成8年2月21日。自民党総裁室に、首相の橋本龍太郎と、地方分権推進委員会委員長を務めていた秩父小野田会長の諸井虔らが顔をそろえた。会談の目的は沖縄問題だったが、報道陣をはじめ外部には伏せられた。 諸井は沖縄県知事の大田昌秀を囲む会に参加しており、「沖縄の思い」を橋本に伝えるために足を運んだのだった。「普天間飛行場の返還を、日米首脳会談で出してくれれば、沖縄の県民感情は和らぐ」。諸井は「大田の話」と前置きした上で、こうアドバイスした。 日米首脳会談は、3日後の23日(日本時間24日)、米国のサンタモニカで行われることになっていた。橋本政権には、沖縄の米軍基地問題の解決が重くのしかかっていた。7年9月の米兵少女暴行事件を契機に、沖縄では米軍への反発が一気に広がっていたからだ。諸井の言葉を受けて橋本は早速、検討に乗り出した。 しかし、首相官邸執務室で開かれた訪米勉強会で...

普天間問題は毅然とした態度で

前回に続き、沖縄問題です。 政府は、今日(15日)、米軍普天間飛行場の移設問題に関する政府方針として、日米で合意した現行の名護市辺野古キャンプ・シュワブ沿岸部への移転計画を排除しない形で移設候補地を検討するという”期限なき結論先送り”の決定を行いました。今後ともアメリカの強力な反発を受け続けることになるでしょう。 はっきり言って、「日米合意」と「沖縄県民の生命」を天秤にかけている政府のふがいな状況に失望している国民の皆さんも多いのではないでしょうか。 ”アメリカの圧力に屈する日本政府”という構図は、何もいま始まったわけではありませんが、多くの日本国民が望んだ政権交代という激変を”弱日強米”の崩壊に結び付けてほしいと心から願うばかりです。 今の「アメリカに弱い日本」を私たちにわかりやすく説明してくれている論考がありましたので、全文(消去される可能性もあるため)ご紹介します。 ◇ 恫喝に怯むDNA アメリカのいつもの恫喝に怯んで「日米関係は危険水域だ」と叫ぶ人たちがいる。これを見てアメリカは「百年以上も昔から日本は何も変わっていない。日本には恫喝が一番だ」と思っているに違いない。ペリー来航の時から日本人の中には恫喝されると及び腰になるDNAがある。 江戸時代の日本は「鎖国」によって国を閉ざしていた訳ではない。海外渡航を禁じてはいたが、外交と貿易は徳川幕府が独占して行っていた。長崎だけが窓口の一種の管理貿易体制である。従って江戸時代の日本には海外から様々な知識や情報が流れ込んでいた。日本が「鎖国」を続けた理由は、自給自足できる勤勉な国が外国との交流で植民地化される危険を冒す必要はないと考えたからではないか。 しかし産業革命で生産力を高めた欧米列強はアジアに植民地を求めてきた。中国がアヘン戦争によって列強の支配下に置かれると、その情報はいち早く日本に伝えられ、日本人は強い危機感を抱いた。中国との貿易でヨーロッパに遅れをとったアメリカは、中継地として日本を開港させる必要があり、ペリーが艦隊を率いてやって来たが、アメリカのやり方は交渉ではなく恫喝だった。 他の国はみな幕府の指示に従い長崎を窓口に交渉した。しかしアメリカだけは江戸湾に軍艦を乗り入れ、空砲を撃って江戸市中を恐怖に陥れた。ペリーは「開港するか戦争するかを来年までに返事せよ」と...

沖縄の未来

この日記では、時折、”沖縄”を取り上げています。それは、日本の平和の原点が沖縄にあると思うからです。でも、本土の多くの人々は、沖縄の苦しみや悲しみを他人事のように考えているように思えてなりません。 今、日本は普天間基地の移設問題で揺れています。日本の安全保障の犠牲者ともいえる沖縄。米軍基地の存在が沖縄の自立を阻み、地球に稀なる生物の絶滅を誘う厳しい現実が目の前にあります。 この現実を変えることができる日はいつ来るのでしょうか・・・。 ◇ 埋め立ての島 午後の日差しを浴びて、海面の照り返しが目を射抜く。そのまばゆさに慣れると、水平線に重なるように人工的な灰色の護岸が浮かび上がってくる。 沖縄本島の沖縄市東海岸に、泡瀬干潟の埋め立て現場を訪ねた。経済的合理性のないまま事業を進めることは違法だと福岡高裁が判決で断じた後も、市は埋め立てをあきらめようとはしていない。 沖縄が全国有数の埋め立て県だということを知る人は少ないだろう。戦後、「銃剣とブルドーザー」と呼ばれた米軍による強権的な土地収用により、沖縄本島の2割を基地が占めるまでになった。 嘉手納基地の一部を擁する沖縄市は、市域の3割超が軍用地だ。新たな土地を求める視線は、海へ向かうしかなかった。 頼みの綱が土木事業だけだという現実。これは、基地負担の見返りの巨額公共事業に首まで浸かり、自立の手がかりすらつかめない沖縄経済の一断面でもある。 「春にはアオサを採り、汁にして食べる。昔は海水をそのままにがりにして豆腐を作ったもんだ」。海岸沿いを散歩する地元男性(63)に声をかけると、そんな言葉が返ってきた。この南西諸島最大級の干潟は、サンゴやコメツキガニの仲間など100種以上の希少生物を育む。 米軍基地に追い立てられて、人が海を埋める。まるで陣取りゲームのように。では、海の生き物や、海と共生する暮らしはどこへ向かうのだろう。 男性は目を細めて言った。「埋め立てれば元には戻せんからね」(2009年12月11日 朝日新聞夕刊、論説委員室から) ◇ キーワード 泡瀬干潟埋立計画 泡瀬干潟の埋め立て計画は、コザ市と美里村が合併したところまでさかのぼる。海のないコザ市は海を求めて合併したといっても過言ではない。計画が現実味を帯びだしたのは、1984年に起工した新港地区埋...

事業仕分け

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国の予算編成作業が大詰めを迎える中、先が見えない普天間移設問題や景気・雇用浮揚対策の予算積み増し問題でぎくしゃくした連立政権の絆を確認しあうために、のんきに夕食をともにする3党の親分たち、税収不足から国債発行額の上限設定もうやむやになる予算編成方針など、不安定な政治情勢が停滞しているこのごろです。 こんな中、行政刷新会議による事業仕分け関連のニュースだけは健在で、連日のように紙面をにぎわせています。特に、教育・科学関連の学者さんたちは、徒党を組んで声明を連発するなど抗議活動に忙しい毎日を過ごしているようです。 去る10日に配信された「鳩山内閣メールマガジン第10号」(2009.12.10)に、事業仕分けの草分け的存在でもあり、行政刷新会議事務局長でもある構想日本代表の加藤秀樹(かとうひでき)さんのコメントが寄せられていましたのでご紹介します。 事業仕分けの壺 行政刷新会議による国の事業仕分けが終わりました。怒涛のような一カ月でした。身内のことを言うのは少し気がひけるのですが、寝食の暇もなく準備作業にまい進した事務局のスタッフ、同じくひと月間本業をそっちのけにしてでもヒアリングや勉強に時間をさき、会場の体育館での足の冷えや腰痛と闘いながら仕分けに参加して頂いた評価者(仕分け人)の方々には、本当に頭の下がる思いです。 ここでは事務局長という立場ではなく、7年前から県や市などで事業仕分けを続けてきた構想日本の一員として、国の事業仕分けを通して考えたことを書いてみます。 行政の事業仕分けを始めたのは、行政改革や地方分権が、10年、20年と議論されても、実際にはほとんど進んでないからです。これを変えるには、行政の現場で行われている事業が本当に住民の役に立っているのか、国民の利益につながっているのか、一つ一つチェックしていくしかないのではないかと考えたのです。そして事業をチェックしていけばその背後にある組織や制度も洗い直せる、それを日本中でやっていけば、議論を繰り返すよりも確実に行政改革や地方分権が実現出来ると考えたのです。 その際、必ず守るルールをいくつか決めました。特に重要なのが、1)行政の現場で実際に事業がどのように実施され、税金が使われているか知っている外部の人に加わってもらい2)公開の場で議論することです。両方とも、県や市でも大きい...

毎度後手の国大協

行政刷新会議が国立大学運営費交付金の見直しを求めたことを受け、国立大学協会は26日、予算充実を求める緊急アピールを発表しました。 毎度のことですが、国立大学協会のスピード感のなさにはがっかりします。ただ今回の声明文は従来より少しはわかりやすくなっているような気がします。今後とも、論文調・官僚用語の多用による紋切り型の文章はやめ、仕分け人のように国民にわかりやすく歯切れ良く訴えることが肝要かと思います。優秀な学長さんたちの集まりなのですからよくおわかりかとは思いますが。 声明文の全文を掲載します。 大学界との「対話」と大学予算の「充実」を -平成22年度予算編成に関する緊急アピール- 平成22年度予算について、本協会は、去る10月13日に政府への要望を行ったところですが(「平成22年度国立大学関係予算の確保・充実について(要望)」)、その直後に明らかになった概算要求の内容や予算編成に関する動向、行政刷新会議の下で行われているこれまでの事業仕分けの結果に接し、ここに、下記の点について緊急のアピールを行います。 記 1 大学予算の縮減は、国の知的基盤、発展の礎を崩壊させます。 これまで大学予算は削減を迫られてきましたが、平成22年度概算要求においても、多くの事業が厳しく抑制されています。社会的な問題となっている医師不足解消のための医師養成や大学病院の機能強化、大学奨学金等の充実といった重要課題については、「事項要求」という位置付けに止められています。万一、このような状況を踏まえた適切な対応がなされないならば、これまで大学が国民からの負託に応えるために行ってきた様々な取組の継続は困難となり、大学改革は頓挫してしまいます。その影響は、日本の未来を担う若者に対し、直接に及ぶことになるだけでなく、日本国民の市民生活を支える国力基盤の弱体化につながることになります。 かねて、公財政支出の対GDP比、政府支出に占める投資額の割合などの指標を通じ、日本の大学関係予算の貧しさはつとに指摘されてきました。私たち大学関係者は、先進諸国中最低レベルの公的投資の水準や家計における重い教育費負担といった問題の是正を訴え続けてまいりました。総理は、所信表明演説の中で、「コンクリートから人へ」の投資の転換を強調し、「すべての意志ある人が質の高い教育を受け...

国立大学の命運やいかに(続編)

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行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分けについては、昨日「国立大学運営費交付金」をはじめ、高等教育関係予算が俎上に上がり、評定結果が明らかになりました。 各種報道の論調を整理すると、国立大学については、「経営改善努力の継続、人件費・組織・教員配置の見直し、民間人登用による大学運営の見直し」などを促す指摘とともに、法人化した効果の検証も合わせて求められたようです。 評価の内容を眺めてみると至極当然、ごもっともの指摘が並んでいます。特に「法人化をしたことの意味」については、制度設計時の趣旨を活かした大学経営が実行されていないことはまさしく事実であり、大学人は大いに反省すべきこところです。 この際、各大学の学長はじめ教職員全員が、 「新しい「国立大学法人」像について」 (平成14年3月26日 国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議)を読み返し、法人化の原点に立ち返って考えることが必要なのではないでしょうか。 それにしても、この仕分け作業、国民に対する透明性・説明責任の観点では高く評価されるのではないでしょうか。インターネットを活用したライブ中継はもとより、配付された資料、仕分け人の意見、評定結果などがほぼリアルタイムに提供されています。素晴らしい方法です。 当日の配布資料(行政刷新会議) 国立大学運営費交付金 大学の先端的取り組み支援 大学等奨学金/高校奨学金 国立大学運営費交付金関係のビデオ映像 評価コメント(行政刷新会議) 国立大学運営費交付金(特別教育研究経費を除く) 独立行政法人化そのものの見直しが必要。 各大学の積立金についても可能な限り考慮しての国庫支出を。どんなに「大学側からの強い要請」があるとしても、天下り、現役出向は完全廃止し、その分だけのコスト削減(=交付金削減)を行う。 日本の高等教育の基盤として制度改革に努力し、足腰の強い、国際的にも評価されるものになって欲しい。そのための基本構想なしに、なし崩しにやっていると全体の力は落ちてしまう。 官僚出身者や出向者が効率的な経営を行うことは難しい。 独立行政法人化そのものを見直す(概ね3年以内)。国立大学の意義、目的、役割を再整理する。独立行政法人のままなら、文部科学省からの出向を禁止すべき。 政策を明...

国立大学の命運やいかに

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今日から、行政刷新会議による事業仕分けの後半戦が始まりました。今日は鳩山首相も視察に訪れたようで、益々熱気を帯びてくる事業仕分けです。 いよいよ 明日には、「国立大学の運営費交付金」が舞台に上がります。 「大学の先端的取り組み支援」、「大学等奨学金・高校奨学金」に関する事業仕分けも予定されています。 この国民監視下の事業仕分け、既にいろんな場所でいろんな意見が飛び交っていますが、最近では、科学技術予算の大幅削減に対する強い危機感の表れか、学長や学部長さんの集まり、学者さんの集まりによる抗議の連呼もますます盛んになってきています。 今日は、東京大学や京都大学など国立7校(旧帝国大学)と早稲田大学、慶応義塾大学の私立2校の総長・塾長さんが、東京都内で記者会見を開き、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」によって学術・大学関連の予算が大幅に削減される恐れがあるとして、「大学の研究力と学術の未来を憂う」と題する共同声明を発表しました。 種を撒き育てる学術研究分野にメスが入る、一見無駄に見えても単純に成果だけを見て判断するのはどうか、経済界、ひいては町工場にも懸念が広がっています。 一方、将来のことよりも、まずは疲弊した国民生活を何よりも重視すべきだとの意見もあります。立場や生活環境で意見は随分変わってきます。なかなか難しい問題ですが、最終的には政治判断で決すべきことでしょう。 さて、本日の9大学の学長さん達の共同声明をご紹介したいと思います。これまでこの日記でも何度か申し上げてきたところですが、こういった声明は、大学に勤める人間にはよく理解できるものの、はっきり言って、自前主義といいますか、学者のご都合主義のような感じがしてなりません。したがって国民の耳には全く入らないと思います。 高額所得学者の目線でいくら偉そうなことを言ったって、グローバリズム(国際競争力)を主張したって、苦しい生活の中から税金を納めている国民にはほとんど無意味ですし、説得力はないと思います。国民生活には論文は不要なのです。なぜ学術研究は必要なのか、科学技術の進歩は国民の生活にどう関わるのか、どれほど重要なのかなど、国民目線に立ってもっとわかりやすく説明しなければ国民は納得できないと思うのです。 国立大学協会会員大学の皆様(抜粋) 御承知のとおり、政府の行政刷新...

規範意識の低下

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社会規範を守る意識の低下を指摘する記事を目にすることが多くなりました。社会・経済構造の変化とともに、凶悪犯罪は増え、犯罪者の低年齢化が進んでいます。街中ではマナーを守らない大人や若者を多く目にするようになりました。 理由も対策も様々あろうかと思います。親、地域、学校、職場、政府それぞれがそれぞれの立場で、時代に合ったあるべき姿を真剣に考えていかなければ最悪の結果を更新するだけの世の中になってしまいます。 最近では、大学で人間として基本的なマナーを教えなければならなくなってきています。社会の衰退に不安を覚えるのは私だけでしょうか。 最近の関連記事を抜粋して3つほど。 社説:犯罪白書 「規範意識」が低下した(2009年11月19日 毎日新聞) 安藤隆春警察庁長官は今月6日、日本記者クラブの講演で「日本の良好な治安を支えてきた国民の高い規範意識と、学校や地域などの共同体の存在感が共に低下しているのではないか」と懸念を示した。各地の少年補導員に聞いたとして長官が披露した話を一部紹介したい。 最近の非行少年は、万引きをしても「皆がやっているのに、何で悪いのか」という反応が返ってくる。家庭や学校に居場所がなく、親の年齢や職業、自分の住所さえ知らない。一方の親は「代金を払えば済むのに、なぜ警察に通報したんだ」と店に食ってかかる、というのだ。 いかにも寒々しい風景だ。若者が社会ルールを守る意識に乏しいのは親世代に責任があることを示す。この話の教訓として、防犯教育の必要性も指摘しておきたい。罪を犯せばペナルティーがある。例えば窃盗でも最高10年の懲役だ。また、被害に遭わないためにはどうするか。警察は学校と連携し一部で防犯教室を実施しているが、さらに積極的な展開が必要ではないか。 通勤車内で飲食する大人たち すたれる公共マナー 寛大な風潮が助長か(2009年11月17日 産経新聞) 近距離の電車やバスの中で、おにぎりや弁当、ハンバーガーなどを食べている若者やサラリーマンを見かけたことはありませんか。低下する大人の飲食マナー。個人の良識に委ねられる部分が大きいとはいえ、迷惑行為に目をつぶらない社会のコンセンサスが問われそうだ。 10月初旬、東京郊外を走る私鉄車内。大学名の入ったジャージー姿の女子大生3人が、熱々のおでんを食べな...

世界の子どもを思う

少し前になりますが、10月28日(水曜日)の朝日新聞に、国連児童基金(ユニセフ)親善大使の黒柳徹子さんのインタビュー記事「世界の子どもを思う」が載っていました。ほぼ一面にぎっしりと書かれた記事に絶句し、平和で飽食の生活に浸りきった私の人間としての小ささ、座して何もできない自分の無能さを痛感させられた記事でした。 この記事を是非多くの方にお伝えしたいと考え、ネットを通じて探しましたが残念ながら見当たりませんでしたので、主な部分について転載しご紹介したいと思います。 この四半世紀で、世界の子どもの置かれた状況は変わったのでしょうか。 25年前、5歳未満で死んでしまう子どもは、世界で年間1400万人いました。今は880万人です。世界中の人が悲惨な境遇にある子どものことを考えるようになった結果でうれしい。でも戦争や貧困がもたらす悲劇は続いています。 今年は、内戦が終結したネパールを訪れ、14歳で兵隊になった女の子に会いました。大人が銃を渡し、人を撃つと「偉い」と褒める。「怖い」と言うと麻薬を打って感覚をまひさせる。今は社会から、「人殺し」扱いです。 時代や場所やそのあらわれ方は変わっても、問題はなくならない。 そう。そして大人の世界の問題は全部子どもたちにしわ寄せが行っちゃう。 民族対立による内戦で大虐殺が起き、80万人が殺されたと言われるルワンダ。目の前で、お母さんがレイプされたり、兄や姉が働かせるためにどこかへ連れて行かれたり、そして自分も手足を切られたり。凄惨な状況です。子どもには内戦の理由などわからない。親が殺されたのは「言うことを聞かぬ悪い子だったから」と、自分を責めていました。 隣のコンゴ(当時はザイール)東部のゴマの難民キャンプに避難していた5歳ぐらいの子どもの話です。親が亡くなった理由を尋ねると「わからない」という。でも、後から追いかけてきて「本当は知っているよ。殺されたんだ」と言います。なぜ最初に答えなかったか聞いたら、「だってさっき通訳していた人が殺したんだもの」。20万人もいる難民キャンプに殺した側も殺された側もいて、自分の親を殺した人間にあってしまう。10年後の再訪では、いつもお漏らししている5歳の女の子に会いました。レイプされて膀胱が裂けてしまったのだそうです。地元にはエイズウイルス(HIV)に感染しても「処女と交わ...

始まるか 行刷・財務 VS 文科

行政刷新会議の「事業仕分け」作業が日々勢いを増す中、本日(16日)文部科学省のホームページに次のような記事が掲載されました。 行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(文部科学省) 現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。 この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、広く国民の皆様からご意見を募集いたします。 予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm 上記の文章に続き、各事業の詳細(番号、事業名、資料へのリンク先、事業仕分けの結果)が一覧化され、意見の提出先として、政治主導を意識してか「担当副大臣・政務官のメールアドレス」が記載されてあります。 文部科学省は、この意見募集の目的を、「事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に活かしていく」ためとしていますが、真意のほどはよくわかりません。 少しうがった見方をすれば、今後の予算編成における行政刷新会議・財務省連合軍からの猛攻撃に備えた理論武装を国民に求めているのかもしれません。 いずれにしても、行政刷新会議が求める効率性一辺倒の政策決定が、この国の教育にとって果たしてどれだけの意味があるのかを直接国民に問うことはとても大事なことだと思います。 (関連記事) 事業仕分けに反撃?文科省、HPで意見募集(2009年11月17日 朝日新聞)

08年度の国立大業務実績評価結果

文部科学省の国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)は11月6日(金曜日)開催の総会で、国立大学等の全90法人に対する2008年度の業務実績評価をまとめ、公表しました。 この法人評価は、大きく、1)業務運営の改善・効率化、2)財務内容の改善、3)自己点検・評価及び情報提供、4)その他業務運営の4項目を「特筆すべき進捗状況にある」「順調に進んでいる」「おおむね順調に進んでいる」「やや遅れている」「重大な改善事項がある」の5段階で評価したもので、報道によれば、4項目とも「重大な改善事項がある」との評価の法人はなく、どの項目も92~99%の法人が「おおむね順調」以上だったようですが、福島大学など12法人が、いずれかの項目で「やや遅れている」とされています。 このうち、12法人(秋田大学、弘前大学、福島大学、政策研究大学院大学、上越教育大学、北陸先端科学技術大学院大学、山梨大学、信州大学、愛知教育大学、兵庫教育大学、奈良先端科学技術大学院大学、鳴門教育大学)が、大学院修士、博士、専門職学位のいずれかで定員充足率が90%を満たしておらず、定員充足に向けた取り組みが必要として改善を促されいています。中でも弘前大学、山梨大学の博士課程と信州大学の法科大学院は、2007年度も充足率が9割を切っていたのに定員を見直しておらず、評価委員会は速やかな定員削減を求めています。 また、業務運営関係では、7法人で学外の有識者も含めた経営協議会での適切な審議がなされておらず、このうち東京学芸大学は、決算に関する経営協議会が定足数を満たさず不成立、また、教職員の給与改定など経営協議会で審議すべき事項なのに報告で済ませた例が室蘭工業大学、福島大学、筑波技術大学、埼玉大学、信州大学、京都工芸繊維大学で見つかっています。 国立大学の第一期中期目標期間も今年度が最終年度です。その前年度の評価において「重大な改善事項」の指摘はなかったものの、国立大学法人法に定められた経営協議会において審議すべき事項を審議していないなどといった”法令遵守違反”がまかり通っていること自体由々しき問題です。大学のガバナンスが機能していないことを如実に表していると言えるでしょう。第二期に向けた検証と改善が求められます。 (参 考) 国立大学法人等の平成20年度に係る業務の実績に関する評価結果について(文部...

教育は人なり

去る11月4日(水曜日)、文部科学省は「 公立学校教職員の人事行政の状況調査について 」という報告書を公表しました。 主な内容は、1年間の試用期間後に正式採用とならなかった学校教員は平成20年度:315人で過去最多。そのうち88人(30%)は精神疾患による依願退職。また、教育委員会が、学習計画が立てられない、子供とコミュニケーションが取れない、間違いが多いなど「指導力不足」と認定した教員は306人(前年度比65人減)、そのうち40~50代のベテランが245人(80%)、全体で78人が研修後に現場復帰したが、50人が依願退職。といった驚くべき内容でした。 このような学校教員の実態は、近年、以下のように、不祥事で懲戒処分を受ける教員の存在と相まって、教員不信を高める要因にもなっており、深刻な問題となっています。 わいせつ、放火、覚せい剤・・・教職員懲戒免98人、4~10月 教委「危機的状況」(2009年11月5日 読売新聞) 酒気帯び運転や生徒へのわいせつ行為などで懲戒免職になった教職員が、今年4~10月の7か月で98人に上ることが4日、読売新聞のまとめでわかった。覚せい剤を乱用したなどとして逮捕される事案も相次ぎ、深刻な事態になっている。各教育委員会は「危機的な状況」と受け止めているが、有効な再発防止策を見つけられないのが現状だ。・・・ http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20091105kk02.htm このたび文部科学省が公表した報告書の内容は、既に多くのメディアを通じて発信され、社説・論評はもとより、ブログ等個人レベルにおいても様々な受け止め方が社会に披露されていますが、まだ報告書に目を通しておられない方のために、簡単に要点をご紹介しておきましょう。 なお、詳細をお知りになりたい方は 文部科学省のホームページ をご覧ください。 公立学校教職員の人事行政の状況調査について(平成21年11月4日 文部科学省) 1 調査の目的 都道府県・指定都市教育委員会の教職員の人事管理に係る施策の企画・立案に資するため、公立学校(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)教職員の人事行政の状況について調査 2 調査結果(事項) 指導が不適切な教員 *1 の人事管理に関する取組等...

今、国会論戦がおもしろい

昨日(11月2日)、衆議院予算委員会を舞台に、鳩山内閣発足後初めての本格的な論戦の火ぶたが切られました。 国民が政権交代を選択し約1か月半、高い国民の支持率を基盤に、鳩山内閣は精力的に様々な政治課題に取り組んでいます。 これまで野党として国会に臨んできた民主党が支える政権は、これからは野党の追及に対応することになります。どのような答弁を展開していくのか大変興味があり、テレビ中継を録画して見てみました。 論戦の内容は、既に新聞等で詳細にわたり報道されていますので、今回は、鳩山総理や閣僚の皆さんの答弁ぶりを中心に目で見て感じたことをご紹介したいと思います。 まず、会議場である委員会室の風景としてこれまでと変わった点。 必要に応じ答弁を行っていた政府委員と呼ばれる役人や、答弁内容担当の役人の姿が消えた代わりに、各省庁の副大臣、政務官の席が議場側面に設けられ、各氏とも真剣な面持ちで質疑応答を聴きメモをとっていました。中には求められ答弁を行った政務官もいました。”政治主導”の実践でしょうか。 民主党委員席の後ろの壁際には、おそらく1年生議員だと思われますが、大勢の議員が肩を寄せ合って窮屈そうに列席(一部立ち見)していました。委員会現場での”実習”だったのでしょうか。であれば新人としての積極的な姿勢が評価されます。 次に、鳩山総理をはじめとする閣僚の答弁について。 政治主導と豪語しているだけあって、誰一人として、役人が作成した答弁メモを持たず、自分の言葉でわかりやすく答えていました。当然ながら以前のように役人が”耳打ち”する姿もありません。話しぶりも、野党(自民党)議員の挑発にも乗らず、常に冷静かつ謙虚でした。 質問に対して、複数の大臣が発言を求めて挙手を行うなど、国民への説明を積極的に果たそうという姿勢が見受けられました。 このように、鳩山内閣の国会対応は、これまでの自民党政権下における対応とは全く様変わりし、その真摯な姿勢にテレビをご覧になった多くの国民の皆様は、民主党に対する更なる希望と期待を感じたのではないかと思います。今後は、質問者も含め、”政治家の質”がためされます。それを評価するのは私達国民です。 それにしても、前自民党政権が残した、借金問題、沖縄問題、年金問題など多くの課題の解決に向け、今や、民主党政権が必死になって...

教員の基礎資格の高学歴化

今、政権交代に伴う、いくつかの大きな教育政策の転換が大きく取り沙汰されています。 そのうち、教員養成に関わる政策課題としては、「免許状更新講習制度の廃止」問題、さらには、「教員養成6年制の導入」問題があります。 先日、我が国の教員養成系大学・学部が加盟する日本教育大学協会が、この二つの政策課題について各会員校へ意見聴取を行い、その結果、会員校からは主に次のような意見が出されたようです。抜粋・編集しご紹介します。 「免許状更新講習制度」の廃止について 賛成意見 10年研修等など教員研修システムの中での検討課題が残されており、廃止に異議はない。 「最新の知識技能を身に付ける」という点で意味のないことではないが、日々の実践と学んだ知識技能を結びつけるのは、個々の教員まかせとなりその効果は限定的。 教員免許状の発行権者でも任命権者でもない大学に、免許状の失効にかかわる権限・責任が任されていること、不適格教員の排除も目的とされているところがあること、受講料負担を含め、個人の責任とされていること、など問題が多い。 将来的なことを考えるとできるだけ早く廃止すべき。今後の教員養成制度を構築するなかで、免許状更新講習制度は大幅に変更せざるを得ない。 実施する大学の負担が非常に大きいし、受講生、学校、教育委員会の負担の重さもあり、中止することもやむを得ない。 「更新制」と「更新講習制度」は分けて考えるべき。30時間の座学中心の講習制度は、現場のニーズに合致しているか疑問。別の形の研修制度と組み合わせるのが現実的ではないか。 各都道府県により講習内容がまちまちであり、教員の質保証の妥当性が充分あるとは言い難い。 10年経験者研修との関連性が明確でないし、免許状更新講習制度は知識のリニューアルが目的であり、問題教師の排除を目的とするものではないことが理解されていない。 教員研修は県教育センター中心に実施され、県も市町村も学校もそれぞれの企画が特色をもって行われていることが多く、現行の研修制度に屋上屋を架す制度の感が否めない。免許状更新講習は教育委員会の各種研修に吸収するのが妥当。 受講者(教員)は、実践現場の対応に追われ全体に時間的なゆとりがなくなり、子どもと向き合う時間不足から焦燥感を抱いている。免許状更新講習のため学校を空けることで、かえって学校...

教授会の責任と権限

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教授会で各教員への予算配分を巡り、自分に配られる研究費が少ないと少数の教員が反発、収集がつかなくなり、なんと”投票”を行って決着をつけた大学があるそうです。わずかな研究費の多寡に固執し、多くの教員の貴重な時間と労力を費やすおろかなこのような行為が常態化している国立大学の醜態を、教員の雇用主である(血税を注いでいる)国民の皆さんは、どうお感じになるでしょうか。 当然ながら怒り心頭といったところでしょう。感情的に申し上げれば、このような常識やモラルに欠けた教員は即刻首にしてしまえ! 民間企業であれば許されないことだ、こんな教員を野放しにしている国立大学も潰してしまえ! ということになるのでしょうか。 国立大学では、教員の給与・退職金などの人件費や研究費は、運営費交付金という税金によって賄われています。そのことを全く認識していない教員は、まるで自分の既得権のように研究費の拡大を大学に対して要求してきます。これは、税金の負担増を国民に求めているようなものです。とても最高学府に勤め学生を教え導く立場の人間のやることではないように思われます。情けない限りです。 聞くところによれば、これは文系学部で起こったできごとのようですが、一般的に考えれば、文系では、高額な実験設備を使って新たな知見を生み出すような研究をしている理系と違って、例えば、フィールドワークや書籍による調査研究が中心であり、旅費、学生のアルバイト代、書籍代程度の割と少額な研究費で1年間を過ごしていけるような研究が多く、教授会という場で目くじらを立て騒ぎ立てるほどお金に困るような研究はほとんどないと思います。(確かにお金はいくらあっても困らないわけですが・・・) それにしても、わずかな予算の分配について、わざわざ”投票”までやるとは・・・。社会から隔絶した”村社会”ならではの光景です。思えば、予算の配分に限らず、教授会というところは昔から些末なことに貴重な時間と労力を費やし、不毛な議論を長時間にわたって続けてきたようです。その教授会の構成員たる教員には高額な人件費が支払われており、これは、学生の教育やそれを支える研究のために国民が汗水流して働き納めた税金なのです。 ◇ 以前、「 パーキンソンの凡俗の法則 」というものをご紹介しました。 http://d.hatena.ne.jp/asitan...

国立大入試と新型インフル対策

既に報道されていることですが、国立大学協会は、去る26日に開催した総会において、新型インフルエンザに感染して平成22年度の国立大学2次試験を受けられない受験生のために、本試験の概ね1週間後に追試験を実施することや、大学入試センター試験を参考にした合否判定を行うことなどを内容とした特例措置を各大学が講じることを決めました。 また、大学入試センター試験の追試験実施期日の変更に伴う2次試験実施日程の変更、新型インフルエンザの流行による影響やリスク等に関する情報の収集・分析や各大学が参考となる指針の検討・作成を行うワーキンググループの設置も合わせて決めたようです。 国立大学協会から各大学に通知された内容をご紹介します。 平成22年度国立大学一般入試に係る特例措置について 1 基本的方向性 新型インフルエンザの流行が想定されることに鑑み、社会的な要請を踏まえ、公平性に留意しつつ、各大学の実情に応じて、志願者の受験機会の確保に向けた準備を行う。 新型インフルエンザの感染が社会的規模で受験生に影響を及ぼす事態が発生し、従来の季節性インフルエンザの流行と異なって通常の入試実施体制では受験機会の確保が困難と認められる場合には、原則として各国立大学は、平成22年度入学者選抜に関しての特例措置を迅速かつ的確に講じるものとする。 2 個別学力検査等について (1)前期・後期日程試験(本試験) 原則として所定の期日により実施するものとする。 (2)追試験等 受験機会を確保する観点から、各大学は、平成22年度に限った特例措置として、追試験の実施や大学入試センター試験を参考とした合否判定などの諸方策を実施する可能性を想定し、必要な準備を遺漏なく行う。 追試験を実施する場合の実施方法・手続きなどに関しては、下記を参照し、各大学の実情に応じて適切に行うものとする。その際、予め予備問題を作成するなど適切な代替の選抜方法により対応するものとする。 ただし、二重合格が起こらないようにすることを前提として、当該大学の責任において、独自の方法により追試験その他の諸方策を実施することを妨げない。 なお、各大学における特例措置への対応については、所定の期日までに入試委員会に報告するものとする。 1)追試験対象者及び認定方法 平成22年度に係る特例...

行刷会議が始動、国立大もねらわれた

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内閣府に設置された「行政刷新会議」がいよいよ本格的な仕事に着手しました。当面の大きな課題は、各省庁から寄せられた来年度の概算要求の絞り込みです。 行政刷新会議は、「国民的な観点から、国の予算、制度、その他国の行政全般の在り方を刷新するとともに、国、地方公共団体及び民間の役割の在り方の見直しを行う」(平成21年9月18日閣議決定)ことを目的に、民主党政権発足に合わせ設置された機関です。 今後、我が国の行政全般にわたる無駄遣いを洗い出し、それを国民の前にさらけだし、税金を「生き金」として使うという本来あるべき姿を徹底して追求していっていただきたいと思います。 なお、この行政刷新会議において示された「事業見直しの視点」の中には、「 国立大学法人向け支出についても聖域なく見直しを行う 」と書かれてあり、会議の今後の動向は十分注視していかなければなりません。 国立大学は、純粋な行政機関ではなく、教育や研究といった特性に十分配慮した見直しが必要になります。しかし、国民の税金が運営資源として投入されている以上、少なくとも大学の運営の仕方や人件費・一般管理費などの行政的経費については、行政刷新会議を通じた国民のチェックが求められるのは当然のことです。 また、いわゆる「天下り」「渡り」に該当するかどうかは別として、文部科学省所管の独立行政法人や公益法人同様に、事実上文部科学省が人事権を発動し、ほとんどの大学に配置され高い報酬を得ている役員の在り方についても、この際十分に検証する必要があるのではないかと思います。 参考までに、去る10月22日(木曜日)に開催された、 行政刷新会議(第1回)で配付された資料 のうち、国立大学法人に関係する部分についてご紹介します。 事業見直しの視点(案) 4 独立行政法人・国立大学法人、公益法人向け支出の見直し 独立行政法人・国立大学法人、公益法人向け支出については、上記1(事業等の全部又は一部の廃止を含めた見直しを行うもの)、2(事業の単価設定や実施方法を見直すなど事業等の効率化を図るもの)、3(特別会計)の視点に加え、国家公務員再就職者数に関する情報開示を踏まえつつ、以下の視点に基づき聖域なく見直しを行う。 ▼事務・事業と組織形態の見直し等 独立行政法人等で国民にとって真に不可欠とは言えな...

就学支援と大学経営

ちょっと前になりますが、経済協力開発機構(OECD)が行った教育調査の結果である 「図表でみる教育」(2009年版) が公表されました。国際比較が可能な指標が掲載されてあり、教育の成果、教育への支出と人的資源、在学状況、教育環境などに関する情報が指標化されています。 結果は、「相変わらず我が国の教育に対する公財政支出は最低レベル」ということであり、中でも、我が国の高等教育への公財政支出がOECD加盟国中最下位であることは、これまでもよく引用されているところです。 我が国では、「教育の成果は個人に帰着する」という論理から、これまで教育費は、基本的には個人が負担すべきもの、つまり家計支出により賄うべきものという考え方が定着してきました。 しかし、最近の経済状況がもたらした所得格差、引いては教育格差が拡大している状況を反映してか、マスコミをはじめ政府部内においても、教育に対する公財政支出増加に向けた声が次第に大きくなりつつあります。 そもそも教育に対する公財政出の増加は、教育を担当する文部科学省が以前から機会あるごとに主張してきたことでしたが、経済至上原理を死守しようとする財務省を論破することができずに今日に至っています。 折しもこのたびの衆議院総選挙を通じて、政治家の皆さん方は、異口同音に国民の耳障りのいい教育の充実、票にならならないと言われてきた教育への財政出動を叫び立てることとなり、政権交代を果たした民主党は、その 政権公約 の中で、 先進国中、著しく低い我が国の教育への公財政支出(GDP比3.4%)を、先進国の平均的水準以上を目標(同5.0%以上)として引き上げる(教育予算の充実) 高等学校は希望者全入とし、公立高校の授業料は無料化、私立高校などの通学者にも授業料を補助(年12万~24万円程度)する(教育の無償化) 学生・生徒に対する奨学金制度を大幅に改め、希望する人なら誰でもいつでも利用できるようにし、学費のみならず最低限の生活費も貸与する。親の支援を受けなくても、いったん社会人となった人でも、意欲があれば学ぶことができる仕組みをつくる(奨学金制度改革) などについて主張しています。 政権公約として掲げた教育関連政策を民主党政権がどのように実現していくのか、そのために必要な財源をどのような手法で調達するのか、教育関係者をはじめ...