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10月, 2009の投稿を表示しています

教授会の責任と権限

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教授会で各教員への予算配分を巡り、自分に配られる研究費が少ないと少数の教員が反発、収集がつかなくなり、なんと”投票”を行って決着をつけた大学があるそうです。わずかな研究費の多寡に固執し、多くの教員の貴重な時間と労力を費やすおろかなこのような行為が常態化している国立大学の醜態を、教員の雇用主である(血税を注いでいる)国民の皆さんは、どうお感じになるでしょうか。 当然ながら怒り心頭といったところでしょう。感情的に申し上げれば、このような常識やモラルに欠けた教員は即刻首にしてしまえ! 民間企業であれば許されないことだ、こんな教員を野放しにしている国立大学も潰してしまえ! ということになるのでしょうか。 国立大学では、教員の給与・退職金などの人件費や研究費は、運営費交付金という税金によって賄われています。そのことを全く認識していない教員は、まるで自分の既得権のように研究費の拡大を大学に対して要求してきます。これは、税金の負担増を国民に求めているようなものです。とても最高学府に勤め学生を教え導く立場の人間のやることではないように思われます。情けない限りです。 聞くところによれば、これは文系学部で起こったできごとのようですが、一般的に考えれば、文系では、高額な実験設備を使って新たな知見を生み出すような研究をしている理系と違って、例えば、フィールドワークや書籍による調査研究が中心であり、旅費、学生のアルバイト代、書籍代程度の割と少額な研究費で1年間を過ごしていけるような研究が多く、教授会という場で目くじらを立て騒ぎ立てるほどお金に困るような研究はほとんどないと思います。(確かにお金はいくらあっても困らないわけですが・・・) それにしても、わずかな予算の分配について、わざわざ”投票”までやるとは・・・。社会から隔絶した”村社会”ならではの光景です。思えば、予算の配分に限らず、教授会というところは昔から些末なことに貴重な時間と労力を費やし、不毛な議論を長時間にわたって続けてきたようです。その教授会の構成員たる教員には高額な人件費が支払われており、これは、学生の教育やそれを支える研究のために国民が汗水流して働き納めた税金なのです。 ◇ 以前、「 パーキンソンの凡俗の法則 」というものをご紹介しました。 http://d.hatena.ne.jp/asitan...

国立大入試と新型インフル対策

既に報道されていることですが、国立大学協会は、去る26日に開催した総会において、新型インフルエンザに感染して平成22年度の国立大学2次試験を受けられない受験生のために、本試験の概ね1週間後に追試験を実施することや、大学入試センター試験を参考にした合否判定を行うことなどを内容とした特例措置を各大学が講じることを決めました。 また、大学入試センター試験の追試験実施期日の変更に伴う2次試験実施日程の変更、新型インフルエンザの流行による影響やリスク等に関する情報の収集・分析や各大学が参考となる指針の検討・作成を行うワーキンググループの設置も合わせて決めたようです。 国立大学協会から各大学に通知された内容をご紹介します。 平成22年度国立大学一般入試に係る特例措置について 1 基本的方向性 新型インフルエンザの流行が想定されることに鑑み、社会的な要請を踏まえ、公平性に留意しつつ、各大学の実情に応じて、志願者の受験機会の確保に向けた準備を行う。 新型インフルエンザの感染が社会的規模で受験生に影響を及ぼす事態が発生し、従来の季節性インフルエンザの流行と異なって通常の入試実施体制では受験機会の確保が困難と認められる場合には、原則として各国立大学は、平成22年度入学者選抜に関しての特例措置を迅速かつ的確に講じるものとする。 2 個別学力検査等について (1)前期・後期日程試験(本試験) 原則として所定の期日により実施するものとする。 (2)追試験等 受験機会を確保する観点から、各大学は、平成22年度に限った特例措置として、追試験の実施や大学入試センター試験を参考とした合否判定などの諸方策を実施する可能性を想定し、必要な準備を遺漏なく行う。 追試験を実施する場合の実施方法・手続きなどに関しては、下記を参照し、各大学の実情に応じて適切に行うものとする。その際、予め予備問題を作成するなど適切な代替の選抜方法により対応するものとする。 ただし、二重合格が起こらないようにすることを前提として、当該大学の責任において、独自の方法により追試験その他の諸方策を実施することを妨げない。 なお、各大学における特例措置への対応については、所定の期日までに入試委員会に報告するものとする。 1)追試験対象者及び認定方法 平成22年度に係る特例...

行刷会議が始動、国立大もねらわれた

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内閣府に設置された「行政刷新会議」がいよいよ本格的な仕事に着手しました。当面の大きな課題は、各省庁から寄せられた来年度の概算要求の絞り込みです。 行政刷新会議は、「国民的な観点から、国の予算、制度、その他国の行政全般の在り方を刷新するとともに、国、地方公共団体及び民間の役割の在り方の見直しを行う」(平成21年9月18日閣議決定)ことを目的に、民主党政権発足に合わせ設置された機関です。 今後、我が国の行政全般にわたる無駄遣いを洗い出し、それを国民の前にさらけだし、税金を「生き金」として使うという本来あるべき姿を徹底して追求していっていただきたいと思います。 なお、この行政刷新会議において示された「事業見直しの視点」の中には、「 国立大学法人向け支出についても聖域なく見直しを行う 」と書かれてあり、会議の今後の動向は十分注視していかなければなりません。 国立大学は、純粋な行政機関ではなく、教育や研究といった特性に十分配慮した見直しが必要になります。しかし、国民の税金が運営資源として投入されている以上、少なくとも大学の運営の仕方や人件費・一般管理費などの行政的経費については、行政刷新会議を通じた国民のチェックが求められるのは当然のことです。 また、いわゆる「天下り」「渡り」に該当するかどうかは別として、文部科学省所管の独立行政法人や公益法人同様に、事実上文部科学省が人事権を発動し、ほとんどの大学に配置され高い報酬を得ている役員の在り方についても、この際十分に検証する必要があるのではないかと思います。 参考までに、去る10月22日(木曜日)に開催された、 行政刷新会議(第1回)で配付された資料 のうち、国立大学法人に関係する部分についてご紹介します。 事業見直しの視点(案) 4 独立行政法人・国立大学法人、公益法人向け支出の見直し 独立行政法人・国立大学法人、公益法人向け支出については、上記1(事業等の全部又は一部の廃止を含めた見直しを行うもの)、2(事業の単価設定や実施方法を見直すなど事業等の効率化を図るもの)、3(特別会計)の視点に加え、国家公務員再就職者数に関する情報開示を踏まえつつ、以下の視点に基づき聖域なく見直しを行う。 ▼事務・事業と組織形態の見直し等 独立行政法人等で国民にとって真に不可欠とは言えな...

就学支援と大学経営

ちょっと前になりますが、経済協力開発機構(OECD)が行った教育調査の結果である 「図表でみる教育」(2009年版) が公表されました。国際比較が可能な指標が掲載されてあり、教育の成果、教育への支出と人的資源、在学状況、教育環境などに関する情報が指標化されています。 結果は、「相変わらず我が国の教育に対する公財政支出は最低レベル」ということであり、中でも、我が国の高等教育への公財政支出がOECD加盟国中最下位であることは、これまでもよく引用されているところです。 我が国では、「教育の成果は個人に帰着する」という論理から、これまで教育費は、基本的には個人が負担すべきもの、つまり家計支出により賄うべきものという考え方が定着してきました。 しかし、最近の経済状況がもたらした所得格差、引いては教育格差が拡大している状況を反映してか、マスコミをはじめ政府部内においても、教育に対する公財政支出増加に向けた声が次第に大きくなりつつあります。 そもそも教育に対する公財政出の増加は、教育を担当する文部科学省が以前から機会あるごとに主張してきたことでしたが、経済至上原理を死守しようとする財務省を論破することができずに今日に至っています。 折しもこのたびの衆議院総選挙を通じて、政治家の皆さん方は、異口同音に国民の耳障りのいい教育の充実、票にならならないと言われてきた教育への財政出動を叫び立てることとなり、政権交代を果たした民主党は、その 政権公約 の中で、 先進国中、著しく低い我が国の教育への公財政支出(GDP比3.4%)を、先進国の平均的水準以上を目標(同5.0%以上)として引き上げる(教育予算の充実) 高等学校は希望者全入とし、公立高校の授業料は無料化、私立高校などの通学者にも授業料を補助(年12万~24万円程度)する(教育の無償化) 学生・生徒に対する奨学金制度を大幅に改め、希望する人なら誰でもいつでも利用できるようにし、学費のみならず最低限の生活費も貸与する。親の支援を受けなくても、いったん社会人となった人でも、意欲があれば学ぶことができる仕組みをつくる(奨学金制度改革) などについて主張しています。 政権公約として掲げた教育関連政策を民主党政権がどのように実現していくのか、そのために必要な財源をどのような手法で調達するのか、教育関係者をはじめ...

政権交代と大学

民主党政権が誕生したことに伴い、これまで自公政権によって作られ維持されてきたいくつかの教育制度が大きく変わろうとしています。 高等教育に関しては、今年4月に始まったばかりの教員免許更新制の廃止や、教員免許を与えている養成課程を4年制から大学院を含めた6年制に改めるなどです。学校現場や大学の戸惑いは隠せませんが、いずれにせよ、複眼的思考で慎重に検討していただきたいと思います。 さて、このたびの政権交代と大学との関わりについては、既に様々な立場の有識者が発言をされているところですが、今回は、山本眞一さん(広島大学高等教育研究開発センター長)が書かれた論考を抜粋してご紹介します。 政権交代と大学-総選挙の結果を受けて 優先課題にしたい高等教育 民主党のマニフェストを見れば分かるように、社会・経済の各般にわたり、これまでの政策を改め新しい方向を目指そうという動きは明らかである。「官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ」、「各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ」などこれまでの官僚主導の政策立案を見直す姿勢が明らかであり、これと既存の政策そのものの再評価が相まって、これまで「族議員」を楯として、ある意味では思いのままに政策を取り仕切ってきた各省庁の官僚諸君は、大いに慌てていることであろう。 もっとも大学にとって望ましい変化の方向、例えば国立大学の運営費交付金の水準回復や奨学金制度の充実などは、財源の問題さえ解決できるならば大歓迎である。ただし、言うは易しく行うは難しであって、結局はどの分野のどの政策に高い優先度がつけられるかということではないだろうか。私は、年金・医療、公共事業、高速道路料金、農業・産業政策、外交など、人々の大きな関心を引く諸問題の陰に隠れて、高等教育問題の優先度がどの程度考慮されるものか、若干の危惧を抱いている。いずれにせよ、大学は目下、国際水準からみて少ない公費負担の中で、不十分なインフラにもかかわらず過度の競争を強いられてきていることは間違いなく、高度な学術研究や多様な人材養成など社会の期待に応えることができるための基盤作りに、新政権が関心を持ってくれることを祈っている。 政治・政策は与件ではなく 今回の選挙結果を通じて大学が学ぶべきことは非常に大きいと思う。それは大学関係者を含む教育界の人間がこれま...

概算要求の見直し

政権交代によってやり直しとなった平成22年度予算の概算要求が15日に各省庁から財務省に提出されました。これから年末の政府予算案とりまとめに向けて本格的な予算編成作業が始まります。 政権与党である民主党がマニフェストに書き込んだ公約がいかにして実現するか注目されるところですが、政策実現のための財源確保は、景気の悪化を受けた税収の大幅落ち込み等の影響もあって、思いのほか大変なようです。 再提出された概算要求のフレームについては、財務省のホームページ (2009年10月16日「マニフェスト(「三党連立政権合意書」を含む)を踏まえた平成22年度一般会計概算要求額」) に掲載されてあります。(内容は全く見えませんが・・・) このうち、大学関係者にとって気になる高等教育関係予算については、国立大学協会のホームページ(会員専用ページ)に掲載されてありましたので、主な内容を抜粋(一部編集)しご紹介したいと思います。 ◇ 平成22年度文部科学省概算要求の概要 1 概算要求額 一般会計 57,562億円+α(対前年度4,745億円+α増) 2 要求に関する基本方針 平成22年度概算要求においては、特にマニフェストや総理指示に基づく施策に重点的に取り組み、知識社会において最も重要な社会全体の資産である知的財産(ソフト)と人材(ヒューマン)への効果的な投資iこ厳選。 一方で、既存事業を「見直しの観点」に基づきゼロベースで見直し、事業数の削減など徹底的な見直しを実施。 3 文教関係 文部科学大臣就任時の総理指示を踏まえ、 高校を実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充するなど、教育にかかる国民の負担を軽減し、すべての意志ある人が教育を受けられる仕組みの構築  将来の日本を支える人材を育てるため、教員の資質や数を充実することなどによる質の高い教育を実現する施策を展開。 ▼マニフェスト工程表関係事項 (1)高校の実質無償化 4,624億円(新規) 1)高等学校等就学支援金 4,501億円(新規) 国公立高校生のいる世帯に対し、授業料相当額を助成して実質的に授業料を無料にするとともに、私立高校生等のいる世帯に対しても同等額を助成。年額118,800円以内(低所得世帯に対しては237,600円以内) 2)高...

補正予算の執行停止

最近のニュースの目玉といえば、なんと言っても財政、「今年度補正予算の見直し」と「来年度概算要求の取りまとめ」ではないでしょうか。 補正予算の見直しについては、削減目標としていた「3兆円」という数値が、また、概算要求については、前政権が組んだ今年度当初予算の規模を上回る「95兆円」という数値が、いずれも一人歩きする形でにぎやかに報道されていました。 まずは、関連報道です。 執行停止3兆円届かず 補正見直し2兆9259億円で閣議決定(2009年10月16日 産経新聞) 政府は16日、平成21年度補正予算の執行停止事業を閣議決定した。基金の返納なども含めた削減総額は2兆9259億円。6日時点の第1次集計から約4千億円上積みされたが、目標の3兆円にわずかに届かなかった。政府は今後、90兆円超に達する平成22年度一般会計当初予算案の編成作業を本格化させる。・・・ http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091016/plc0910161215008-n1.htm 概算要求、95兆円超える 過去最大規模(2009年10月16日 朝日新聞) 鳩山政権が初めて編成する10年度予算の概算要求が出そろい、要求総額は過去最大規模の95兆円前後に上った模様だ。ただ、要求額を明示しない「事項要求」も多く、実質的な要求額はさらに大きい。藤井裕久財務相は16日の閣議後の記者会見で「断固査定する」と述べ、年末に向けて厳しく削り込む方針。全省庁の概算要求の詳細は16日午後に公表する。・・・ http://www.asahi.com/politics/update/1016/TKY200910160256.html?ref=rss 概算要求については、別の機会にご紹介することとして、今回の補正予算の見直しについては、既に 財務省のホームページ に、省庁別の具体的な見直し内容が公表されています。補正予算にかかる事業のうち執行を見直す文部科学省関係事業(3,387.3億円)の内訳は次のようなものです。 学校耐震化の早期推進、太陽光パネルをはじめとしたエコ改修の拡大(公立) (127.4億円) 学校耐震化の早期推進、太陽光パネルをはじめとしたエコ改修の拡大(私立) (112.3億円) 地上デジタルテレビ対応、学校のICT環...

情報公開の促進に向けた体制整備を

近年、大学をめぐる社会的情勢が急激に変化する中、地域との連携による科学技術・生涯学習・大学開放の推進、大学教育の充実や個性化など、社会からの大学に対する期待は極めて大きくなっています。 このような中、大学情報の社会への公表については、これまで、平成10年の大学審議会答申 「21世紀の大学像と今後の改革方策について」 において 、「大学の教育研究活動に関する情報を社会に対して提供することは、公共的な機関として大学の社会的責務であり、近時、大学の教育研究活動について正確な情報を知りたいとの社会的な関心は急速に高まってきていることから、各大学は、国民の適切な理解を得るために、教育研究活動の状況やその成果、教育研究活動の改革充実に向けた取組の状況を広く社会に対して積極的に公表していくことが必要である」 との指摘がなされました。 以降、平成11年には、国立大学の教育研究活動の状況を社会に対して説明する責務を制度上明確化する観点から、国立学校設置法、国立学校設置法施行規則、大学設置基準等の改正が行われ、国立大学の教育及び研究並びに組織及び運営の状況を公表しなければならないとの規定が設けられるとともに、公表すべき内容や公表方法も規定されました。 さらに、最近では、平成17年の 「大学における情報の積極的な提供について」 (文部科学省高等教育局長通知)、同年の中央教育審議会答申 「我が国の高等教育の将来像」 、平成20年の中央教育審議会答申 「学士課程教育の構築に向けて」 においても、情報公開の促進に向けた指摘がなされています。 このような状況を踏まえ、各大学は、これまで、大学概要、学生案内等の刊行物、ホームページ等の各種媒体を通じた学内外向けの多様な情報提供の充実を図ってきたところですが、公表する情報の内容、公表方法、受信者のニーズ、双方向性等についての検討や取り組みが未だ不十分として、現在、中央教育審議会大学分科会大学規模・大学経営部会において、大学の自主的な経営改善と財務・経営についての情報公開の促進に関する審議が行われています。 この審議会における配付資料「大学の自主的な経営改善の取組への支援と情報公開の促進についての論点整理(案)」では、大学の設置者が財務・経営情報を公開する際には、 財務諸表のみならず、学校経営にあたっての基本理念・目標や入学定員、...

”政治主導”の功罪

「脱官僚依存」「政治主導」の旗印の下、民主党政権が徹底して以前の自民党政権における政治・行政のしくみを変えようとしています。 今週、特に気になったのが、文部科学省関係では、大学・学部等の設置認可や補助金の交付に関する権限など、これまで実質的に事務次官に与えてきた権限を政治家に移すことにしたこと、また、もうすぐ始まる国会審議の関係では、国会法を改正して役人答弁を許さないとするルールをつくろうとしていることです。 いずれも、ある意味正論であり、異論を申し上げるつもりはありませんし、「あるべき姿」を求めていく民主党の姿は逆に美しくも見えてきます。ただ、心配なのは、各官庁の現場でがんばって働いておられる大臣・副大臣・政務官の皆さんの多忙さによる弊害、つまり、何でもかんでも自分たちでやらなければならない、やらなければ気がすまないという状況が、余裕のない独善的な行政や、各省トップとしての大所高所からの判断が困難になってしまう可能性を生み出すことにならないだろうかということです。 官民問わず、どのようなセクターでも、適切なガバナンスが機能するためには、内部統制がしっかりしていなければなりませんし、責任と権限の明確化に由来する上位者から下位者への権限委譲が必要になります。 中央官庁には、優秀かつ大志を持つ役人が全国から集まっています。このような役人たちを骨抜きにして放置するのではなく、役人ゆえの能力を客観的に認め、実務における一定の権限は委譲することにより役人を有効に活用していく方が何倍も賢明であり、より国民の利益につながっていくのではないでしょうか。 (関連報道) 時論公論 「新政権”脱官僚”予算への模索」(2009年10月7日 NHK解説委員室) 鳩山内閣が掲げた「脱官僚依存」の最初の試金石になる今年度の補正予算の見直し作業が大詰めを迎えています。新政権の下で、「政治主導」はどこまで進んだのか。・・・ http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/27834.html 文科省:学部設置認可、副文科相らに決定権 政治主導目指し(2009年10月9日 毎日新聞) 文部科学省は、私立大学の学部・学科の設置認可など、文科相名義で行っていても、これまで事務次官ら官僚に事実上の決定権があった事項について、副文科相や...

難病認定への署名活動

腹膜内に粘液性の水が大量にたまる病気「腹膜偽粘液腫」(ふくまくぎねんえきしゅ)という、発病率が100万人に1人位と言われる原因不明の病気があるそうです。 この病気は治療法が確立されておらず、完治が困難ともいわれており、お腹の中にゼラチン状の粘液がいっぱいに溜まり、身体へ行くべき栄養分が奪われ、手術をしてもすぐさま再手術、再々手術を繰り返す現状で、患者と家族は病気のつらさはもちろん、先の見えない心痛と経済面での負担、仕事を失いかねない不安にさらされています。 この病気によって、22歳のこれからという新任教師や30代の働き盛りで幼子の成長を見たいと願った父親が、いずれも発病1年前後で他界されるなど、治療法の研究がもっと早く進んでいればと悔やみきれない症例もあるようです。 この病気は、”難病”に認定されることで、少ない患者さんの治療データがくまなく調査され、治療法と医療技術・医療設備の向上、医療費の自己負担の軽減など、安心して治療を受けられる環境が期待できます。 3年前、遺族や患者により「腹膜偽粘液腫患者支援の会」が立ち上げられ、現在、厚生労働省の「特定疾患対策懇談会」での審議を求めた署名活動が展開されています。 *1 この日記をご覧の皆様ご自身、あるいはご家族、友人・知人など多くの方々に支援の輪が広がることを願っています。 腹膜偽粘液腫患者支援の会及び署名活動のページはこちらです。署名活動へのご協力をお願いします。 ○ 腹膜偽粘液腫患者支援の会ホームページ ○ 署名活動のページ (関連報道) 難病認定へ署名31万余 腹に水たまる「腹膜偽粘液腫」(2009年3月12日 朝日新聞) 腹膜内に粘液性の水が大量にたまる病気「腹膜偽粘液腫(ぎねんえきしゅ)」を、国が難病と認定するよう求める署名活動が続いている。発症率は100万人に1人といわれ、原因は不明で治療法は確立していない。専門的に治療にあたる医師は国内に1人しかいない。3年前、遺族や患者らが支援の会を立ち上げ、現在、30万人を超える署名が集まった。・・・ http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000130903120001 原因不明の腹膜偽粘液腫 難病認定へ広がる支援 闘病の浦野さん署名呼び掛け(2009年10月7日 ...

信頼を公益に結びつける

自分にとっての生きがいを考えるとき、”他人の役に立つ”ことに、自分の存在価値を見出したいと思っている人は多いのではないでしょうか。 人には様々な夢や生きがいがありますが、自己実現をめざして前向きに生きていく人は、利己的な人間社会を排し、人々の真の平等と幸福を求め行動しているような気がします。 いい記事を目にしましたのでご紹介します。「信頼」とは何か、「公益」とは何か、一度は考えてみることも必要なのかもしれません。 「信頼」を広げる モノやサービスの恩恵を受ける有形の経済が発展し尽くしたものの、人間は果たして幸せになったか。むしろ、その奥に真の幸福の別の形があるように思う人が増えていないだろうか。 有形の正反対、すなわち無形の資産。その核心となる部分に「信頼」がある。これを社会的な事業として広げる取り組みが始まった。環境コンサルタントのアミタ(東京)を経営する熊野英介さんが個人的に資金を出して公益法人「信頼資本財団」を作った。 信頼は、手で触って確かめられるものではない。例えば良質な関係性に包まれている「安心感」、「心の平穏」が保たれている状態、あるいは人間の卓越した性質、偉さ、勇気や胆力、包容力、優しさや思いやりなどもろもろの要素の複合体、と言えるかも知れない。 財団は、信頼のかけらとして、多くの人から寄付を継続的に集め、それを元手に社会に必要な事業を行う。 例えば、1万の人の輪から月々各200円を5年にわたり寄付してもらう約束を取り付ける。いずれ1億2千万円が集まる計算なので、同じ額をすぐ調達して託児所を建てる、といったことだ。 「こういう人の輪づくりこそが『信頼の可視化』につながる」と熊野さんは言う。いわば、人間性の一番発揮されにくい部分をお互いに結びつけ、社会の安全網など「強さ」を築く挑戦だ。 実際の事業アイデアはこれから募る。妙案が集まってほしい。(2009年10月5日 朝日新聞夕刊 論説委員室から)

地域と大学の交流・連携支援ツール

先日、国土交通省国土計画局広域地方整備政策課というところから、各大学地域連携担当部署宛にホームページ「地域-大学の交流・連携支援ライブラリー」のコンテンツ更新等についての案内メールが届きました。 正直申し上げて、国土交通省がこのような事業を行っているとは全く知りませんでした。この「地域-大学の交流・連携支援ライブラリー」は、ホームページによれば、昭和55年度に国土庁(現国土交通省)に設置された「学園計画地ライブラリー」を見直し、機能転換を図ったもので、地域と大学等がそれぞれの資源・機能をもちいて多面的・広域的に連携するきっかけをつくり、地域の活性化に資することを目的としているそうです。 主なコンテンツとしては、次のようなものがあります。 地域-大学の交流・連携支援ライブラリーとは 地域と大学との交流・連携支援に関する情報 地域と大学との連携事例集 地域と大学との連携に利用可能な各種施策 大学のキャンパスやサテライト等の誘致に関する土地・建物情報 興味のある方は、以下のURLを参照してみてはいかがでしょうか。 http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/library/index.html

大学入試に向けた新型インフルエンザ対策

新型インフルエンザ患者数の激増が報じられています。義務教育諸学校では、学級閉鎖が拡大しています。 一方、新型インフルエンザの国産ワクチンの出荷がようやく9日から始まりました。初回出荷は59万人分で、今月19日から医療従事者を対象に予防接種が始まるようです。 大学関係で心配なのはなんといってもこれからシーズンを迎える入学試験への影響です。既にご存知の方も多いと思いますが、文部科学省は去る8日、新型インフルエンザの感染拡大に対する大学入試での対応策を発表しました。 詳細は、 こちら(文部科学省のホームページ) をご覧いただくとして、ここでは対応策のポイントをご紹介します。 平成22年度大学入学者選抜に係る新型インフルエンザ対応方針(ポイント) 1 大学入試センター試験について (1)大学入試センター試験本試験の実施時期 社会的な混乱を招かないよう、当初の予定通りの日程(平成22年1月16日、17日)で実施する。 (2)大学入試センター試験追試験の実施時期等 治療や万全な試験実施の準備に要する日数等を考慮し、追試験を本試験の2週間後(平成22年1月30日、31日)に実施する。(これまでは本試験の1週間後) 全都道府県で試験会場を確保する。(これまでは東京、関西地区の2か所) 2 各大学の個別学力検査について 各大学に追試験などの受験機会の確保を要請する。(本文では、1)各大学の個別学力検査の追試験等の実施、2)関係機関との連携・協力体制の構築、3)その他の留意事項について記載されてあり、大学関係者の方々は必読かと思われます。) 3 受験会場の衛生管理体制等の構築 大学入試センター及び各大学に、マスク、速乾性アルコール製剤等の準備や、発熱・咳等の症状のある者を対象とした別室での受験実施などを要請する。 4 受験生等への情報提供 大学入試センター及び各大学に、新型インフルエンザに係る対応について確実に受験生に伝わるよう、郵送による周知のほか、専用電話の開設、ホームページの活用などを要請する。

服装の乱れ

先日、大阪府の橋下知事が、”教育の自由と教師の服装の自由のはきちがえ”について厳しい批判を行った旨の記事を読みました。 学校現場では、これまで、”生徒達の心の乱れが服装の乱れに現れる”などとして、生徒達の服装の乱れを教育問題の一つとして取り扱ってきましたが、確かに、橋下知事の言われるように、生徒達を教育・指導する立場にある教師自身にもわが身を振り返っていただくことは大変重要なことだと思います。 子を持つ親としての私の経験から申し上げれば、公立小中学校の教師の服装は、基本的には教師個人の判断にまかされているようですが、国立大学の附属小中学校では、学校によって多少の違いはあるものの、男女を問わず教師のほぼ全員がスーツ姿で教壇に立っています。体育や大掛かりな清掃といった場合は例外として、出勤から退勤まで終日スーツ姿で子どもの教育・指導に当たっています。さらに、胸には統一された校章(バッジ)を付けている学校も少なくありません。 このような違いがなぜ生まれているのか、理由はよくわかりませんが、はっきり申し上げて、教師に子どもを預ける親の立場として、あるいは、教師という職業の社会的重要性を意識してしまう一般社会人としては、教師の服装とその教師の人間性、教育・指導能力とが例え無関係であったとしても、子どもたちや社会に与える影響などを考えれば、民間企業の社員や公務員同様、やはりきちんとした格好をしてほしいと思います。 報道にあるような一年中ジャージ、サンダル姿の教師が、例え、生徒達の服装の乱れに対して厳しい姿勢で臨んだとしても、説得力に欠けるばかりか、教師全体に対する子どもたちの不信感、反感につながるだけでしょう。 服装の乱れは、何も小中学校現場に限った話ではありません。大学でも全く同様、いやそれ以上に問題視すべき事例はたくさんあります。国立大学では近年、エコ対策の一環としてクールビズが奨励され、概ね梅雨時期から9月一杯は、とてつもなくカジュアルな服装で身を包んだ教職員が激増します。許容範囲というものが大学として統一されていないために、学生よりもラフなスタイルの教職員がいたりと無秩序な状況に少々いらつくこともあります。 さらに、最近最も頭がいたいのは、役員という重要職にそういう非常識な方がいることです。大学に”教職員の制服”というものが無い以上、服装は基本的...

脱官僚依存のしわ寄せ

自民党が残した多くの困難な課題を抱えつつ、選挙で掲げた政権公約を確実に実行するという強い意志を国民に明示しながら政策を進めていく民主党政権の姿は、これまでの派閥・官僚主導の政治に辟易していた国民のみなさんには、すこぶる好意的に受け止められ、今後の政策運営に大きな期待が寄せられているのではないかと思います。 政治家が様々な場面で官僚に依存してきたこれまでの悪しき体質や風土からの脱却をスローガンに、大臣・副大臣・政務官の3役を中心とした政治主導の意志決定が各省庁で着実に進められようとしていることも、政治(家)のあるべき姿を考えれば当然のこととはいえ、これまでが異常であったこともあり、この大転換を歓迎する方々は決して少なくないのではないでしょうか。 ただ、いくら政権交代したからといって、少々やり過ぎではないかと感じることも全くないわけではありません。その一つが、いわゆる”公務員への言論統制”です。 民主党は、政治家が責任をもって国政に当たり、主権者たる国民へ政策動向等について政治家自らが説明を行うことを重視する立場から、従来行われていた各省庁の事務方のトップである事務次官による記者会見を原則廃止しました。今後は、大臣や副大臣が政策の詳細に亘る説明を記者会見等を通じて発信していくことになります。 これまで、さほど政策というものに精通していない、勉強していない、あるいはその気のない大臣などは、記者の面倒を事務方に丸投げしていたようなところもありましたが、これからはそうもいかなくなりましたので、これから大臣さん達には、官僚が書いた原稿を読むなどといった恥ずかしいことは止めて、自分の頭でしっかり勉強し、自分の言葉で国民に説明していただく必要があります。 事務次官の記者会見が廃止されたことは、今後具体的な政策関連情報が国民に提供されなくなるのではないかといった懸念も一部報じられており、今後の運用には少々工夫が必要になりそうです。 さらに、ここで課題として取り上げなければならないことがもう一つあります。どちらかと言えばこちらの方が大きな問題のような気がします。 民主党は、官僚依存からの脱却、そして政治(家)主導による政権運営を目指し、事務次官が国民の前で発言することを禁じましたが、それに加えて、各省庁の局長、課長といった幹部職員が国民や関係者に対して政策に...

補正予算の執行停止

先日、文部科学省から各国立大学長に、「平成21年度第一次補正予算の執行について」と題する文部科学大臣名の文書(9月24日付)が届きました。 内容は、既に報道されてあるとおり、9月18日の閣議において、内閣総理大臣から、平成21年度第一次補正予算の事業に係る執行の見直しについて指示があったことを踏まえ、その執行を一部留保することを各大学に求めるものです。 最近の報道では、文部科学省は、所管全体で約2千億円の執行を停止する方向で調整しているようですが、この中には、国立大学の建物整備費として用意された資金も含まれており、老朽・狭隘化した建物の整備による教育・研究環境の改善が喫緊の課題となっている国立大学にとっては、久々の大型補正が幻と化し、頭の痛い政策転換となりました。 文部科学省のお役人さん達は、シルバーウイークに予定していた家族旅行をキャンセルするなど、休日返上で、大臣ヒアリングに汗を流したようです。ご苦労様でした。 文部科学省が公表した資料によると、鳩山総理が閣議において発言した要旨は次のとおりです。 平成21年度第一次補正予算に係る事業のうち、各大臣が所管する全ての事業について、所管大臣は、各副大臣及び大臣政務官を中心に現場を良く確認させた上で、別紙の具体的基準に基づき、その執行の是非を点検し、10月2日までに国家戦略担当大臣、官房長官、内閣府特命担当大臣(行政刷新)及び財務大臣に報告するようお願いします。 (別紙) 平成21年度第一次補正予算の執行について 1 一時留保 平成21年度第一次補正予算に係る事業のうち、国会審議等において指摘された以下のものについては、所菅大臣は、執行の一時留保が地域経済や国民生活等に大きな混乱を及ぼすと判断する場合を除き、内示等を含め執行の一時留保又は交付先の法人等に対し執行を一時留保するよう要請を行うこととする。 地方公共団体向け以外の基金事業(交付決定済みであるものの交付未済のものにあっては 21年度に支出が見込まれる部分を徐く。) 独立行政法人・国立大学法人、官庁の施設整備費 官庁環境対応車等購入費・官庁地上デジタルテレビジョン等整備費 なお、上記の事業以外のものについて、所管大臣は、見直しを決定するまでの間においては、慎重な執行を行うこととする。 2 点検の考え方 ...