2009年10月15日木曜日

難病認定への署名活動

腹膜内に粘液性の水が大量にたまる病気「腹膜偽粘液腫」(ふくまくぎねんえきしゅ)という、発病率が100万人に1人位と言われる原因不明の病気があるそうです。

この病気は治療法が確立されておらず、完治が困難ともいわれており、お腹の中にゼラチン状の粘液がいっぱいに溜まり、身体へ行くべき栄養分が奪われ、手術をしてもすぐさま再手術、再々手術を繰り返す現状で、患者と家族は病気のつらさはもちろん、先の見えない心痛と経済面での負担、仕事を失いかねない不安にさらされています。

この病気によって、22歳のこれからという新任教師や30代の働き盛りで幼子の成長を見たいと願った父親が、いずれも発病1年前後で他界されるなど、治療法の研究がもっと早く進んでいればと悔やみきれない症例もあるようです。

この病気は、”難病”に認定されることで、少ない患者さんの治療データがくまなく調査され、治療法と医療技術・医療設備の向上、医療費の自己負担の軽減など、安心して治療を受けられる環境が期待できます。

3年前、遺族や患者により「腹膜偽粘液腫患者支援の会」が立ち上げられ、現在、厚生労働省の「特定疾患対策懇談会」での審議を求めた署名活動が展開されています。*1

この日記をご覧の皆様ご自身、あるいはご家族、友人・知人など多くの方々に支援の輪が広がることを願っています。

腹膜偽粘液腫患者支援の会及び署名活動のページはこちらです。署名活動へのご協力をお願いします。

腹膜偽粘液腫患者支援の会ホームページ
署名活動のページ


(関連報道)

難病認定へ署名31万余 腹に水たまる「腹膜偽粘液腫」(2009年3月12日 朝日新聞)

腹膜内に粘液性の水が大量にたまる病気「腹膜偽粘液腫(ぎねんえきしゅ)」を、国が難病と認定するよう求める署名活動が続いている。発症率は100万人に1人といわれ、原因は不明で治療法は確立していない。専門的に治療にあたる医師は国内に1人しかいない。3年前、遺族や患者らが支援の会を立ち上げ、現在、30万人を超える署名が集まった。・・・
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000130903120001

原因不明の腹膜偽粘液腫 難病認定へ広がる支援 闘病の浦野さん署名呼び掛け(2009年10月7日 西日本新聞)

原因不明で治療法が確立されていない病気「腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)」の難病(難治性疾患)認定を求める運動が、福岡県内で急速な広がりを見せている。呼び掛けの中心は、自ら病と闘う同県新宮町の浦野里美さん(45)。手術を重ね、入院生活を続けながら「国は治療研究の態勢づくりを急いで」と訴える姿が、多くの人を動かしつつある。・・・
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/126802


*1:難病は、厚生労働省が、医師らでつくる諮問機関「特定疾患対策懇談会」の答申を踏まえて認定する。対象(現在130疾患)になると、国費で治療研究推進や医療施設の整備が望め、特に克服困難の疾患については公費による医療費助成制度も適用される。腹膜偽粘液腫の認定は「患者団体などの要望を受け、同懇談会で審議中」(厚生労働省疾病対策課)の段階。