ゴールデンウィーク最終日
空は見事なまでの快晴。こんな日はどうしても海が見たくなり、シューズを履いて百道浜方面へジョギングに出かけてきました。
太陽の光を浴びながら、静かなビーチラインを海を眺めてゆっくりと。
波の音と潮風を感じながらのランニングは、心身ともに最高のリフレッシュになりました。
さわやかな汗をかいて、明日からの活力もバッチリチャージ完了。
連休を締めくくる、充実したひとときでした!
ゴールデンウィーク最終日
空は見事なまでの快晴。こんな日はどうしても海が見たくなり、シューズを履いて百道浜方面へジョギングに出かけてきました。
太陽の光を浴びながら、静かなビーチラインを海を眺めてゆっくりと。
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連休を締めくくる、充実したひとときでした!
※本稿は、公開情報をもとにAI(生成AI)を活用して構成・文章化しています。内容は個人的見解であり、事実関係等については必ずご自身でご確認ください。
「こどもの日」が国民の祝日として制定されたのは、太平洋戦争の終結後まもない1948年のことである。子どもの人格を重んじ、その幸福をはかる日とされている。前年に児童福祉法が成立し、戦争で親を亡くした多くの戦災孤児への支援が急務となっていた時代である。先の戦争は弱い立場の子どもたちに多大な犠牲を強いた。この祝日は愚かな戦争への深い反省を土台としており、後の1954年に国連が11月20日を「世界子どもの日」と定めた精神とも通底する。
戦後80年余を経た今日、子どもたちを取り巻く現実は国内外ともに厳しい。紛争が世界各地で子どもの命と未来を奪い続け、国内では貧困・格差・デジタル化の影が成長の機会を狭めている。公教育の現場は疲弊し、学校のルールさえ子どもの自主性を阻んでいる局面がある。こどもの日のこの機に、現状を直視し、課題を整理し、私たちが何をすべきかを考えたい。
一 現 状──子どもたちを取り巻く今
世界に目を向ければ、紛争地の子どもたちの状況は深刻を極める。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」の報告書によると、紛争が起きている地域に暮らす子どもは2024年に約5億2000万人に上り、過去最多を更新した。世界の子ども約5人に1人が危機に直面しているという。スーダンでは3年に及ぶ内戦で1200万人以上が避難を強いられ、460万人以上の子どもが難民となった。ガザ地区では2023年10月以降の軍事侵攻により、子どもの死者は1万数千人以上にのぼると報告されており、死者全体の約7割は子どもと女性だったという分析もある。またウクライナでは、学校への攻撃が繰り返され、多くの子どもが学ぶ権利を奪われている。
子どもに対する重大な権利侵害──殺害、性暴力、徴兵など──は2024年に4万1763件確認され、前年から3割増加した。2010年以降の増加は著しく、10年余りで4.7倍に達している。国際人道法が「特別の尊重を受ける」と定める子どもへの保護は、現実には形骸化している。難民キャンプの子どもたちは訪問者に「忘れないでね。また会いに来てね」と繰り返すという。自分たちが世界から見捨てられた存在であることを、子ども自身が痛いほど知っているのだ。
国内に目を転じれば、貧困と格差の問題が待ち受ける。沖縄県の調査では、4人家族で年収260万円未満の低所得層が約2割を占め、「生活が苦しくなった」と感じる世帯は回答者の9割近くに上った。物価高騰が続く中、非正規雇用中心の低所得層には賃上げの恩恵が届かず、格差は拡大の一途をたどっている。貧困と家族の介護・看病が重なるヤングケアラーの問題も深刻で、子どもが子どもとして生きる時間そのものが奪われている。
外遊びの機会の減少も看過できない。笹川スポーツ財団の2023年調査では、3〜6歳児の半数近くが平日に保育施設以外での外遊びをしていない。文部科学省によれば、子どもの体力は1980年代半ばをピークに低下し、コロナ禍前の水準にも戻っていない。仲間・時間・空間という遊びの「三つの間(さんま)」が失われ、10歳以上の小学生が平日にインターネットを利用する時間は平均4時間近くに達する。スマートフォンへの過度な依存が、五感を通じた現実体験の機会を静かに奪っている。
公教育の現場も限界に近い。OECDのPISA2022年調査では日本の学習到達度は高水準を維持しているが、その成果を支える教員の労働環境は悪化するばかりだ。学習指導要領の改定による教える内容の増加、ICT活用への対応、不登校・いじめへの対応など課題は山積している。「本質に根ざした働きができず、喜びのない仕事に追われて疲弊していく」という現場の訴えは、日本の公教育の未来に対する深刻な警鐘である。また、教育への公費支出についてOECD「Education at a Glance」の各年版が示すように、日本は依然として加盟国の下位グループにとどまっており、とりわけ高等教育段階での公費負担の低さは国際的に際立っている。
二 課 題──何が子どもの権利を阻んでいるか
国連の子どもの権利条約は、子どもを「守られる対象」であるだけでなく「権利を持つ主体」と明確に位置付けている。しかし日本社会では、子どもを保護の客体として捉える傾向がいまだ根強く、子どもの声を政策に反映させる仕組みはようやく緒についたばかりである。
第一の課題は、貧困対策の構造的矛盾である。 政府は少子化対策として児童手当の拡充を柱とする関連法を成立させた一方、その財源を公的医療保険料への上乗せ(「子ども・子育て支援金」)に求めた。政府は「歳出改革により実質的な追加負担はない」と説明するが、現役世代を中心に保険料負担が増すことは避けられず、所得が低い人ほど負担感が大きくなる逆進的な構造は、経済格差の解消という目的に逆行しかねない。また、育児を女性の役割とする固定観念も根強い。総務省の2021年「社会生活基本調査」によれば、6歳未満の子を持つ共働き世帯では女性の育児時間が1日3時間24分であるのに対し、男性はわずか1時間3分にとどまる。男性育休取得率は近年上昇傾向にあるとはいえ、実態としての育児時間の格差は依然として大きく、この不均衡を是正しなければ、少子化対策は絵に描いた餅に終わる。
第二の課題は、遊ぶ場の喪失である。 都市部の公園ではボール遊びや大声を禁止するケースが増え、遊具の代わりに高齢者向け健康器具が設置される例もある。子どもたちが公園に集まってもスマートフォンを手にするばかりで、自由に駆け回る姿が消えつつある。安全管理への過剰な配慮が、子どもの冒険心や身体能力の発達をかえって阻んでいるという逆説が生まれている。
第三の課題は、学校のルールと自主性の問題である。 中学・高校の厳格な校則の多くは、校内暴力が激しかった40年ほど前に作られたものだ。頭髪・服装から下着の色まで細かく規定し、人権を侵害するような指導が各地で行われてきた。社会の常識と校則の乖離は著しく、子どもが「なぜそのルールがあるのか」を問い、自ら考える機会そのものが失われている。
第四の課題は、国際的な無関心の蔓延と支援の縮小である。 世界の政府開発援助(ODA)に占める子ども関連分野への支出割合は、2019年の15%から2023年には11.5%に低下した。ユニセフも各国の支援削減により人道支援の資金状況が2025年に劇的に悪化したと訴えている。紛争地の惨状への「慣れ」が関心の低下を招き、子どもたちの声は国際社会の記憶から薄れていく。その無関心こそが、暴力の継続を許す土壌になっていることを忘れてはならない。
三 提 案──大人が今すべきこと
国際的な責務:平和と支援の回路を守る
紛争地の子どもを守るために最も根本的なことは、紛争そのものを防ぐことである。大国による国際法を無視した軍事攻撃が世界秩序を脅かしている今、対立を平和的に解決するための共通基盤の再構築が急務だ。「学校保護宣言」(ノルウェー・アルゼンチン主導、2025年4月末時点で123カ国・地域が賛同)のような国際指針への参加を広げ、学校・医療機関を戦場から守る規範を実効性あるものにしなければならない。日本を含む国際社会は、停戦への働きかけと人道支援の拡充において積極的に汗をかく責任がある。
難民キャンプの子どもたちが発する「忘れないでね」という言葉を、私たちは重く受け止めなければならない。絵本の読み聞かせや学校での対話の場など、身近なところから世界と「地続き」の意識を育てることが平和の土台を作る。共存と分かち合いの精神──ウクライナ民話「てぶくろ」(エウゲーニー・M・ラチョフ絵、内田莉莎子訳、福音館書店)が示すような──を子どもとともに育んでいきたい。
国内政策:格差の解消と子育て環境の整備
経済格差の解消なくして少子化対策は機能しない。現行の財源捻出策の逆進性を見直し、子育て支援・所得改善・物価高対策に大胆に財源を充てることが求められる。若年妊産婦の孤立防止、ひとり親世帯への重点支援、ヤングケアラーへの包括的ケアは喫緊の課題である。育児を社会全体の責任として引き受け、男性の育児参加を促す制度・文化双方からの変革も不可欠だ。
公教育への公費支出の抜本的な拡充も欠かせない。教員の定数増・学級規模の縮小・時間外業務の削減など、現場の労働環境改善は待ったなしである。多様な子ども──障害のある子、外国籍の子、不登校の子──にきめ細かく向き合うゆとりを生み出すことが、真の学力向上にもつながる。高校授業料無償化の制度設計においても、公立学校の地盤沈下を招かないよう慎重な検討が必要だ。
遊びと体験の場を取り戻す
子どもが自由に遊べる場を回復することは、体力・社会性・自己肯定感のすべてに関わる問題である。福岡県宗像市のプレーパークや糸島市の多世代公園の事例が示すように、市民と行政が協働して「遊べる場」を設計することは十分に可能だ。東京都が取り組む子どもの声を計画に反映させる仕組みは、全国に広げるべきモデルである。校庭の放課後開放も積極的に推進してほしい。登山・川遊び・キャンプといった自然体験、農作業やボランティアなどの社会体験は自己肯定感の涵養と結びついていることが調査でも示されており、その機会を増やす施策が求められる。
スマートフォンの利用については、禁止ではなく「賢い使い方」を家族で話し合うことが現実的だ。1日の使用時間のルールを家族で設け、スマホを置いて外に出る時間を意識的に作ることから始めたい。
子ども自身が主体となれる仕組みを
校則の見直しは、そのプロセス自体が教育である。岩手・広島・熊本・佐賀などの取り組みが示すように、生徒・教員・保護者が議論を重ねてルールを変える体験は、将来の主権者として社会に参加する力を育む。「こども基本法」は国や自治体が施策に子どもの声を反映させるよう求めており、遊び場の整備から学校のルールまで、子どもが当事者として関わる仕組みを広げなければならない。
愛知県の高校生たちが「1ミクロンずつかもしれないけれど、地球が良くなっていく」と信じてごみ拾いを続けているように、子どもたちはすでに行動している。大人に求められるのは、その背中に「追い風を送ること」である。子どもたちの可能性と行動力を信じ、応援し、社会の仕組みで後押しする。それが大人の責務である。
こどもの日は、子どもを祝う日であると同時に、大人が自らの責任を問い直す日でもある。ガザの子どもたちの叫びも、沖縄の子どもの貧困も、校則に縛られた子どもの戸惑いも、すべては私たちの社会と地続きにある。「忘れないで」という声に応えること──それが、こどもの日に大人が果たすべき誓いではないだろうか。
出典・参考資料
社説・論説(本論考の素材)
読売新聞「社説:こどもの日 五感を高める体験を大切に」(2024年5月5日)
西日本新聞「社説:こどもの日 外で遊ぶことを楽しもう」(2026年5月5日)
毎日新聞「社説:紛争地の子どもたち 未来守る取り組みが急務」(2026年5月5日)
朝日新聞「社説:こどもの日に 校則見直しが問うもの」(2021年5月5日)
神戸新聞「社説:こどもの日に/「忘れないで」に応えるために」(2025年5月5日)
毎日新聞「社説:こどもの日に考える 公教育の価値問い直す時」(2025年5月5日)
琉球新報「社説:こどもの日 大人の責務に向き合おう」(2025年5月5日)
東京新聞「社説:こどもの日に考える 5月の空を未来へ泳げ」(2025年5月5日)
毎日新聞「社説:「こどもの日」と平和 大切さ共に考える機会に」(2022年5月5日)
琉球新報「社説:こどもの日 子の権利は地域の未来だ」(2024年5月5日)
国際統計・報告書
Save the Children, Stop the War on Children Reports(2023–2024年)
UNICEF, Humanitarian Action for Children 2025/2026
Global Coalition to Protect Education from Attack (GCPEA), Safe Schools Declaration
国内統計・政策資料
総務省統計局「社会生活基本調査(令和3年)」
文部科学省「体力・運動能力調査」
文部科学省「PISA2022年調査結果」
笹川スポーツ財団「子どものスポーツライフに関する調査(2023年)」
内閣府「こども白書」および「こども基本法」関連資料
沖縄県「沖縄子ども調査報告書(2023年度)」
OECD, Education at a Glance(各年版)
文化・文献
エウゲーニー・M・ラチョフ絵、内田莉莎子訳『てぶくろ』(福音館書店、1965年)
今日は「みどりの日」。昨日までの雨が嘘のような、さわやかな晴天に恵まれました。
博多どんたく港まつりの二日目ということもあり、街全体が活気に満ちあふれています。
本当は山登りに行きたかったのですが、今日は時間の都合でいつものジョギングコースへ。
コースの途中にあるNHK福岡放送局は、どんたくの演舞会場になっていました。
屋外ステージでは、子どもからお年寄りまで皆さんが楽しそうに踊りを披露していて、見ているこちらまで元気をもらえます。
福岡城跡の周辺に差し掛かると、季節の移ろいを感じます。
桜やツツジの季節が過ぎ、今は花菖蒲が見頃を迎えようとしていました。
牡丹の花も大輪を咲かせており、これからは紫陽花の季節へとバトンが渡されていきます。
小一時間ほどの短いジョギングでしたが、すがすがしい汗をかいて、心身ともにリフレッシュすることができました。
本日の風景
武雄アジア大学の課題と解決策を考える
目 次
はじめに:問題の本質
第一部:学校法人旭学園(設立者)
第二部:武雄市(誘致者・公金投入者)
第三部:設置に懸念を示してきた市民グループ
第四部:近隣住民・地域の方々
第五部:入学した学生
総 括
※本稿は、公開情報をもとに、AIとの対話を通じて個人的見解として構成・文章化しています。事実関係等については、必ずご自身でご確認ください。
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はじめに
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■ 問題の本質
2026年4月、佐賀県武雄市に武雄アジア大学(TAU)が開学しました。定員140人に対して実際の入学者は37人(充足率約26%)という、開学年度としては全国でも極めて厳しい出発となりました。
この問題の本質は、単なる「学生募集の失敗」ではありません。財務基盤の厳しい法人が多額の公金(武雄市13億円・佐賀県6.5億円、計19.5億円)を受けて大学を設立し、その過程で市民への丁寧な説明が十分になされなかったという、構造的な問題がその背景にあると考えられます。
さらに開学後すぐに国会でも取り上げられ(注1)、SNS上での厳しい批判・署名活動も続いており、37人の入学者はその渦中で学修を開始しています。
本稿では、この問題に関わる5つのステークホルダー-①設立者である学校法人旭学園、②誘致し公金を投入した武雄市、③設置に懸念を示してきた市民グループ、④近隣住民・地域の方々、⑤入学した学生-それぞれの立場から、現状の課題と今後の行動の方向性を提案します。
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第一部 学校法人旭学園(設立者)
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■ 現状の課題
旭学園が抱える課題は多岐にわたりますが、中でも財務面と信頼面の二つが特に深刻です。
財務面では、初年度の学費収入は定員満員時の約1.7億円(注2)を大幅に下回ることが確実です。一方、1期生への特別奨学金の支出、常勤・非常勤各24人計48人の教員(注3)への人件費、施設の運営コストが重くのしかかります。初年度から大幅な赤字となる可能性が高く、その運転資金を旭学園全体で賄えるかどうかが大きな問いとなっています。
信頼面では、学生確保の見通しに関する情報開示が十分でなかったこと、構想が短期間に大きく変更された際の説明がなかったこと、市民との公開対話の機会が限られていたことなどが重なり、地域社会との信頼関係の回復が急務となっています。
■ 提案:旭学園が取り得る行動の方向性
【最優先】経営の透明化
まず取り組んでいただきたいのが、経営の透明化です。第三者機関(公認会計士・外部有識者など)による財務の点検を実施し、2026〜2030年度の収支見通しを楽観・中立・厳しめの3つのシナリオで公開することが考えられます。旭学園全体の財務諸表の公開も、法人の体力を客観的に示すうえで有効ではないでしょうか。
また、「翌年度の募集をどの時点で停止するか」という判断基準(例:2年目の在籍数が一定人数を下回った場合など)を、学生・保護者・市民に対して事前に示すことも、誠実な情報提供の一形態として検討に値します。
【最優先】1期生37人への全力支援
37人という少人数の環境は、教育の質という点では好機にもなり得ます。教員1人あたりの学生数が非常に少ない環境を活かし、PBL(課題解決型学習)やフィールドワーク、就職活動の個別サポートを充実させることが期待されます。卒業後の就職・進路実績を公開し、数字で信頼を積み重ねていくことが、長期的な信頼回復への道筋になるのではないでしょうか。
【緊急】2期生募集戦略の見直し
2027年度の2期生募集について、学長は「前年度の不足分を含め200人を目標にする」と述べていますが(注4)、現実的な目標設定と戦略の再構築が必要と考えられます。「少人数で丁寧な教育ができる大学」という強みを前面に打ち出し、教員との距離の近さや完全就職支援、地域共創の取り組みを具体的な実績とともに発信していくことが、有効な選択肢の一つではないでしょうか。
【中期】留学生受け入れ体制の現実的な整備
留学生の増加を検討する場合、居住・通学・日本語教育など生活面でのサポート体制の整備が前提条件となります。文部科学省の設置認可の留意事項にも「地方小都市での学生生活のサポート体制の整備」が明記されており、この点を軽視することは行政上のリスクにもつながります。現地の受け入れ基盤を確実に整えながら、段階的に進めることが望ましいでしょう。
【並行して準備】万一に備えたソフトランディング計画
厳しい現実として、2015〜2025年に開学した新設私立大学で初年度の充足率が70%を下回った15校のうち、その後80%以上に回復できたのはわずか4校にとどまっています(注5)。充足率26%という出発点はこれを大幅に下回るものです。こうしたデータを踏まえると、大学の継続が困難になった場合に備えた「在籍学生の保護計画」を、表向きは発表しないとしても内部で準備しておくことは、経営者としての責任の一環と考えられます。具体的には、近隣大学への編入協定の事前交渉、校舎の他用途への転用可能性の検討などが想定されます。
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第二部 武雄市(誘致者・公金投入者)
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■ 現状の課題
武雄市は13億円という多額の市民の税金を投入した誘致者であり、その結果責任から逃れることは難しい立場にあります。小松市長自身も「誘致した私にも責任がある」と述べています(注4)。
市が直面する課題は三つの層に分かれています。
第一に財政上の課題です。投入済みの13億円に加え、今後の追加支援の要請が現実のリスクとして浮上します。武雄市はすでに武雄文化会館の大ホール解体・新設を後回しにし、水道料金の引き上げも予定されるなど、市民の公金支出への目が厳しい状況にあります。
第二に政治上の課題です。市議選・市長選への影響が現実のものとなっており、大学問題が今後の選挙の争点になる可能性も指摘されています(注6)。
第三に行政責任の課題です。文部科学省は国会答弁で「見通しが甘かった。今後も定員通りの学生が集まらない場合は定員規模の縮小を求める」と述べており(注1)、行政の監督責任も問われています。
■ 提案:武雄市が取り得る行動の方向性
【即時】市民への丁寧な現状報告
「期待していた結果ではなく、残念だ」という市長のコメントにとどまらず、市民向けの説明の場を改めて設け、投入した公金の使途・現時点での成果・今後の見通しを、データを示しながら説明することが求められます。公金を投入した行政機関として、「旭学園が公表してから」という姿勢では市民の理解を得るのは難しいのではないでしょうか。
【緊急】補助金の条件管理の実効性確保
撤退時に補助金返還を求める方針は示されていますが、その条件の明文化と定期的な財務確認の仕組みを整備することで、実効性を高めることが重要です。
【中期】「大学が地域で機能すること」への積極的関与
大学が地域にとって意味を持つのは、学生が地域のアルバイト・インターンシップに参加したり、地域の課題解決プロジェクトに取り組んだりといった、実質的な関わりを通じてです。市としてそうした機会を積極的につくり、大学と地域をつなぐコーディネーター役を担うことが、投資効果を高める一つの方法ではないでしょうか。
【構造改革】今後の大型事業への公金投入審査の見直し
今回の経験を活かし、今後大型教育事業等に公金を投入する際の審査基準を明確化し、第三者評価と成果に連動した分割払い制度を導入することが、市民の信頼回復にもつながると考えられます。
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第三部 設置に懸念を示してきた市民グループ
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■ 現状の課題と問題の所在
「武雄アジア大学を考える会」などの活動には、正当な民主的な問題提起として評価できる部分と、看過しにくい問題を含む部分が混在しています。
公金投入の根拠・使途の情報開示を求める活動、議会での審議を促す活動、経済効果試算の根拠を問う活動などは、民主主義社会における市民の正当な権利行使であり、行政や法人が真摯に向き合うべきものでした。2024年6月に発足した「武雄アジア大学を考える会」のアンケートでは、回答者の72%が反対の意思を示したという報告もあります(注6)。
一方で、すでに入学した学生を傷つけかねない言動や、SNS上での激烈な攻撃的投稿については、問題があると言わざるを得ません。「直ちに閉校すべき」という主張は、すでに在籍している学生の権利や将来を考慮していない面があり、慎重に扱われるべき問題です。
■ 提案:市民グループへのお願い
【提案①】批判の矛先と範囲を明確に
活動の対象は、旭学園の経営責任・情報開示の姿勢、武雄市の公金投入の判断プロセス、文科省の認可審査の妥当性などであるべきではないでしょうか。すでに入学した学生個人が傷つくような形での批判は、民主的な問題提起の正当性を損なうおそれがあります。批判の力は、その公正さによって高まります。
【提案②】建設的な代替案の提示も視野に
「閉校すべき」という主張だけでなく、「もし続けるとしたら何が必要か」「公金返還の現実的なスキームはどうあるべきか」「在籍学生の権利はどう守るか」といった建設的な議論への参加も、社会への影響力という点で有効ではないでしょうか。
【提案③】情報発信における事実確認の徹底
SNS上での「K-POP大学」というレッテル貼りは、実際の学部・学科の内容(東アジア地域共創学部・観光地域マネジメントコース、東アジア・メディアコンテンツコースなど)と乖離している面があります。批判の説得力は、正確な事実認識の上に成り立ちます。一次情報(大学公式資料・議会議事録など)に基づいた正確な発信を心がけていただければ幸いです。
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第四部 近隣住民・地域の方々
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■ 現状の課題
地域住民の多くは、大学問題について明確な賛否を持つわけではなく、「せっかくできたのだから何とかなってほしい」という複雑な思いを持つ方も多いのではないでしょうか。一方で、多額の税金投入への「損をした」という感情、SNS上の過激な議論への疲れ、「この地域はこれからどうなるのか」という漠然とした不安も存在するものと思われます。
■ 提案:地域の方々へのお願いと期待
【視点①】大学を地域の資源として「使う」視点を
大学があることのメリットは、学生が集まるということだけではありません。市民講座への参加、地域プロジェクトへの協力、学生のアルバイト受け入れなど、「自分たちが大学を活用する」という視点を持つことが大切ではないでしょうか。実際、武雄アジア大学は開学前から市民講座を10回以上開催してきました(注7)。地域の関与が大学の再生を後押しした事例は、国内にも見られます(注8)。
【視点②】在籍学生を地域の若者として温かく迎える姿勢を
37人の学生たちは、様々な情報や批判が飛び交う中でこの大学を選びました。佐賀県出身者22人、福岡県5人、長崎県3人など、地域に縁のある学生も多くいます(注9)。問題の責任は法人と行政にあり、学生にはありません。地域として学生を温かく迎え入れる姿勢が、地域全体のイメージの回復にもつながるのではないでしょうか。
【視点③】冷静な「監視する市民」の役割を
旭学園・武雄市双方に対して、情報公開・財務の透明性・学生支援の状況を継続的に注視し、議会を通じて説明を求める市民の役割は大切です。過激な攻撃ではなく、冷静かつ粘り強い問いかけが、民主主義の健全な機能を支えます。
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第五部 入学した学生
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■ 現状の課題
37人の学生が置かれた状況は、率直に言って大変なものがあります。定員割れの報道、SNS上での激しい批判、「この大学に入ったこと」への社会的な視線という重圧の中で、4月から学修を開始しています。同時に、教員48人に対して学生37人という状況が示す通り、教育環境そのものには恵まれた面もあります。
どの大学に入ったかではなく、大学で何をしたかが将来を切り開きます。
■ 提案:学生の皆さんへのメッセージと支援の方向性
【メッセージ①】自分の選択を実績で証明していくことを
37人という少人数の環境は、教員との密な関係、地域プロジェクトへの深い関与、就職活動における個別サポートという点で、大規模大学では得にくい経験の場になり得ます。PBLを通じた地域での実績、フィールドワークの経験-これらを入学時から意識的に積み重ね、自分のものとしていくことをお勧めします。
【メッセージ②】大学に対して権利として情報と支援を求めることを
旭学園は学生に対して、大学の財務状況・継続可能性・就職支援の具体的内容を説明する責任があります。学生・保護者として、疑問や要望を大学に届けることをためらう必要はありません。
【メッセージ③】万一に備えた現実的な情報収集を
大学の状況が変わった場合に備え、他大学への編入の可能性や手続きについて、今のうちから情報を持っておくことも、自分自身の将来を守る手段の一つです。これは大学を見限ることではなく、自分の未来を守るための準備です。文部科学省には学生保護の仕組みがあり、万一の際も学修を継続できるよう保護される制度があります(注10)。
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総 括
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■ すべての関係者に共通して求められること
旭学園には、財務の透明化・1期生への全力支援・経営判断基準の事前公開という三点を、できる限り速やかに実行に移していただくことを期待します。公金を受け取った時点で、純粋な私的組織とは異なる説明責任が生じています。
武雄市は、誘致の結果責任から逃れることはできない立場にあります。市民への正直な現状報告と、補助金条件の実効的な管理、そして大学と地域の共存を支える積極的な関与が求められます。
設置に懸念を示してきた市民グループは、正当な問題提起を続けながらも、在籍学生への配慮と建設的な代替案の提示によって、その声の社会的な信頼性を高めていただくことを期待します。
地域住民の皆さんには、大学を資源として活用しながら、冷静な監視役として機能していただくことを期待します。
学生の皆さんは、置かれた環境の中で実績を積み重ね、自らの権利を主張しながら、現実的な将来設計を立てていただくことを願っています。
最後に、全国の大学をめぐる状況として、2025年度時点で私立大学のうち約53%が定員を満たせていないというデータがあります(注11)。地方の新設大学を取り巻く環境は、構造的に厳しいものがあります。それでも、地域と大学が共に歩む意志と、法人の誠実な責任履行があって初めて、再生の可能性は開かれます。その可能性を現実のものとするかどうかは、今後のすべての関係者の行動にかかっています。
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引用・参考文献
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注1 石渡嶺司「定員割れした新設大学を設置認可した責任は文科省に問う? 学生募集のカギとなるのは何か」大学ジャーナルオンライン、2026年4月30日。参議院文部科学委員会における文部科学省高等教育局長・合田哲雄氏の答弁(2026年4月2日)も同記事に基づく。同委員会は開学翌日の開催であり、国会での追及は開学後のことである。
注2 coki.jp「武雄アジア大学 定員26%しか入学せず 19.5億円税金投入に批判高まる」2026年4月掲載の数値に基づく。なお37人分の具体的な学費収入額は同記事の数値をもとに筆者が試算したものであり、旭学園の公式発表に基づく数字ではない。
注3 佐賀新聞「武雄アジア大学の初年度定員割れ 少子化時代の不安が顕在化」2026年3月27日(日本私立学校振興・共済事業団データより)。「教員」の数であり、事務職員等を含む「教職員」全体の数ではない。
注4 「定員未達の武雄アジア大 市長『誘致進めた私にも責任』」毎日新聞、2026年3月26日。2期生200人目標の発言および市長コメントも同記事に基づく。
注5 石渡嶺司「定員割れした新設大学を設置認可した責任は文科省に問う? 学生募集のカギとなるのは何か」大学ジャーナルオンライン、2026年4月30日(充足率回復に関する記述より)。
注6 石渡嶺司「武雄アジア大定員割れに批判殺到」Yahoo!ニュース エキスパート、2026年3月27日。おだ「【速報解説】武雄アジア大が開学前に定員割れ――39人/140人の衝撃と19.5億円の公金投入の行方」note、2026年3月27日(アンケート結果72%の記載より)。
注7 「武雄アジア大学 市民講座」たけおポータル、各回掲載記事(2025年3月〜2026年1月)。
注8 石渡嶺司「定員割れした新設大学を設置認可した責任は文科省に問う? 学生募集のカギとなるのは何か」大学ジャーナルオンライン、2026年4月30日(共愛学園前橋国際大学のV字回復事例に関する記述より)。
注9 おだ「【速報解説】武雄アジア大が開学前に定員割れ――39人/140人の衝撃と19.5億円の公金投入の行方」note、2026年3月27日(出身地内訳の記載より)。
注10 文部科学省「大学等の廃止・認可取消等に伴う在学生への支援について」(各種通知・ガイドライン)。
注11 佐賀新聞「武雄アジア大学の初年度定員割れ 少子化時代の不安が顕在化」2026年3月27日(日本私立学校振興・共済事業団データより)。
財務省が財政制度等審議会(2026年4月23日)において「2040年までに私立大学を少なくとも250校、学部定員にして14万人程度を減らす必要がある」と初めて数値を公表したことは、これまでの「緩やかな市場淘汰」から「国主導の強硬な再編」へとフェーズが変わったことを示唆しています。
私立大学250校削減案、財務省が2040年目標…文科相「機械的判断ではなく分野や地域バランスが重要」 |読売新聞
今後、大学は、「自立経営ができる上位校」「M&Aを通じて生き残るグループ校」そして「市場から退出する廃校」の3つに明確に分かれると推察します。
特に経営者は、財務指標が赤字転落してから動くのではなく、「純資産が十分にあるうちに、どのグループに合流すべきか」という経営判断を2030年頃までに下す必要があると思われます。学生や保護者の視点では、「どの法人(グループ)が運営しているか」が、大学選びの重要な指標となっていくでしょう。
今後加速する大学淘汰、とりわけ学校法人におけるM&A(合併・買収)について考えてみました。(以下の内容はAIが作成したものです。法令の条文番号・事実関係等については、必ずご自身でご確認ください。)
学校法人のM&A・事業承継・設置者変更 総合整理
第1章 概要と背景
少子化と経営環境の悪化
2025年4月、文部科学省所管の日本私立学校振興・共済事業団は、私立大学・短期大学・高等専門学校を設置する学校法人のうち174法人が経営不振に陥っていることを公表した。大学等設置法人全国661法人に対して調査が行われた結果で、全体の約4分の1が2年以上赤字継続または負債が運用資産を超過している状態だった。さらに将来的に経営困難になる可能性がある法人が182法人あり、何らかの経営問題を抱える法人が全体の過半数を占めた。前年同調査では136法人だったため、増加傾向にある。
18歳人口は2024年時点で109万人。文部科学省の将来予測では2035年には96万人まで減少し、100万人を割り込む見通しだ。私立大学の収入の約7割が学生納付金であるため、定員割れは直ちに財務悪化につながる。特に地方の学校法人では影響が深刻で、都市圏への学生流出との相乗効果で経営が立ちゆかなくなるケースが増えている。
このような状況を背景に、学校法人のM&Aや事業承継が以前に比べて現実的な選択肢として検討されるようになってきた。
一般企業のM&Aとの根本的な違い
学校法人には株式や持分という概念が存在しない。一般企業のM&Aのように「株を買えば経営権が移る」という構造がそもそも成立しない。学校法人は私立学校法制定以前に存在した民法上の財団法人をベースに設計されており、寄附された財産の集合体としての「財団」として位置づけられている。
そのため、経営権の移転は理事会の意思決定機関の入れ替えを通じて行われる。具体的には、現行の理事に退職金を支払って退任を求め、新たな関係者を理事に就任させることで、実質的な経営権の移転を行う。これが学校法人M&Aにおける「対価」の中心となる。
また、学校法人は所轄庁(文部科学大臣または都道府県知事)の認可・届出とセットで手続きが進む。当事者間の合意だけでは完了しない点も一般企業とは大きく異なる。
第2章 主なスキームの類型
① 理事交代(ガバナンスの入れ替え)
最も実務的に多く使われる手法。現理事長・理事が退任し、承継側が新たな理事に就任することで実質的な経営権を移転する。株式の移転がないため外部から見えにくく、公開情報として残りにくい。退職金が対価の中心となる。退職金以外の名目で対価が支払われる場合は課税上の問題が生じることがあり、専門家の関与が不可欠。
法律上、理事は5名以上置かなければならず、特定の属性の者のみで構成することもできない。また理事の親族は当該理事を除き1名までしか理事になれない制限がある。これらの制約から、理事会を完全にコントロールすることは制度的に難しい面もある。
2025年4月施行の改正私立学校法により、理事選任機関の設置・監事および評議員の選任基準が厳格化され、特定の利害関係者の割合制限が導入された。内部統制システムの整備も義務化され、財務諸表・事業報告書の詳細な公開も義務付けられた。これにより、経営権の移転に関して従来以上の透明性と手続きの厳格さが求められる。
② 設置者変更(学校単位・学部単位の移管)
学校法人は解散させず、学校または学部だけを別の学校法人に移管する手法。一般企業でいう「事業譲渡」に近い。
設置者レベルでは私立学校法上の特段の手続きは生じないが、学校レベルでは学校教育法に基づく設置者変更の認可(所轄庁)が必要となる。また双方の法人において、寄附行為における設置学校の定めを変更する手続きが必要。
2019年の制度改正により、それまで認められていなかった「学部単位」の設置者変更が可能になった。従来は学部廃止・新設という双方の手続きが必要だったが、制度改正後は教員組織やカリキュラムをそのまま継続することを前提に申請書類が簡素化された。申請から認可まで5か月。
文部科学大臣認可が必要となるのは大学・短期大学・大学院レベルの設置者変更。高校・専門学校・幼稚園等は都道府県知事認可であり、本章の実績一覧の対象外。
③ 吸収合併(法人ごとの統合)
私立学校法第126条以下の規定に基づき、学校法人間で合併が可能(2025年4月施行の改正私立学校法により、旧52条以下から条文番号が変更)。吸収合併と新設合併の2種類があるが、実務では吸収合併が多く使われる。
吸収合併では存続法人が消滅法人の権利義務をすべて承継する。手続きとして、各法人での理事会承認(理事の3分の2以上の同意が必要)、債権者異議申述手続、所轄庁の認可が必要。なお2025年4月施行の改正私立学校法により、大臣所轄学校法人等の合併には評議員会の決議も別途必要となった(第150条)。また登記が効力の発生要件とされている点は会社法上の合併と異なる。
学校法人間でのみ可能であり、株式会社等の他の法律に基づく法人とは合併できない。
第3章 売り手・買い手のメリットと留意点
売り手側のメリット
最大のメリットは廃校を回避して教育事業を継続できる点。定員割れが続いて経営破綻すれば、学生は転校・転入を強いられ、教職員は職を失う。M&Aを通じて教育機関を存続させることで、学生・保護者・教職員への影響を最小限に抑えられる。また、後継者問題を抱える法人にとっては、引退後の学校の安定的な継続が担保される。
買い手側のメリット
新たに大学を設置するには文部科学省の認可が必要で時間もかかる。既存の認可を持つ学校法人を承継することでその手続きを省略できる。また既存の施設・土地・ブランドをそのまま活用できる点も大きい。特に医療法人が看護・医療系学校法人を承継するケースでは、人材育成と人材確保を一体的に実現できるメリットがある。
主な留意点
非営利性の制約
学校法人は非営利法人であり、配当も残余財産の分配もできない。株式会社のように投資回収を前提とした設計がしにくい。学校法人への「出資」という概念がなく、経済的利益を得る手段が本質的に限られている。
公益性の責務
教育の継続性を確保することが最優先。在学生は学校の教育方針に賛同して入学しているため、M&A後の教育方針変更は在学生・保護者・同窓会から強い反発を招きやすい。運営者が変わることで教育方針が変わることへの丁寧な対応が不可欠。
関係者への説明責任
学校法人M&Aでは教職員・学生・保護者だけでなく、同窓会と保護者会が大きな影響力を持つ。合併の合意発表後に同窓会が反対運動を展開したケース、同窓会の反対で合併交渉を断念したケースもある。合意発表前からの根回しと丁寧な説明が成功の鍵となる。
財務再建の現実
経営者が変わるだけでは財務再建は進まない。施設の老朽化・設備投資の必要性・修繕費は後から顕在化するリスクが高く、デューデリジェンス段階での把握が重要。学校特有の事前調査(教育面:設置基準・教員配置・カリキュラム、財務面、法務面)を行う専門家の関与が必要。
スケジュール管理
新学期(4月)をまたぐかどうかで現場の混乱度が大きく変わる。行政手続きには一定の時間がかかるため、逆算したスケジュール管理が重要。理事長の退任・就任、寄附行為変更、設置者変更など複数の行政手続きが並行して進む。
都道府県をまたぐ移管の困難さ
補助金の関係から、他都道府県の法人が当該県の学校を引き受ける場合、所轄庁が難色を示すケースがある。その県の補助金が他県の法人の運営に充てられることへの懸念が背景にある。
対価の課税問題
理事交代型で退職金以外に何らかの名目で対価が支払われる場合、課税上の問題が生じやすい。事前に税理士・弁護士と十分に検討する必要がある。
第4章 文科省公式データによる設置者変更実績(大学・短大・大学院)
以下は文部科学省「大学設置・学校法人審議会」の答申PDFから取得した、大学等の設置者変更認可の全件記録。対象は文部科学大臣認可が必要な大学・短期大学・大学院のみ。高校・専門学校・幼稚園等は含まない。
平成31年度(2019年4月~) 2件
① 筑波学院大学(茨城県つくば市)
旧設置者:学校法人東京家政学院(東京都千代田区)
新設置者:学校法人筑波学院大学(茨城県つくば市)
変更対象:大学 経営情報学部 ビジネスデザイン学科(定員200名)
性格:都内法人から地元法人への経営権移管
② サイバー大学(福岡県福岡市東区香椎照葉)★九州
旧設置者:サイバーユニバーシティ株式会社(株式会社立)
新設置者:株式会社サイバー大学
変更対象:大学 IT総合学部 IT総合学科(定員425名)
備考:会社名変更に伴う形式的な設置者変更。株式会社立のまま。
令和2年度(2020年4月~) 1件(学部単位)
① 関西国際大学 現代社会学部(兵庫県神戸市中央区)
旧設置者:学校法人神戸山手学園(神戸山手大学)
新設置者:学校法人濱名学院(関西国際大学)
変更対象:現代社会学部 観光学科(120名)・総合社会学科(80名)
備考:2019年の制度改正による学部単位の設置者変更の適用第一号。翌日に両法人が合併し「学校法人濱名山手学院」を設立。学部移管と法人合併を組み合わせたスキームの先例。
令和3年度(2021年4月~) 2件
① 明和学園短期大学(群馬県前橋市昭和町)
旧設置者:学校法人平方学園(前橋市昭和町)
新設置者:学校法人共愛学園(前橋市小屋原町)
変更対象:短期大学 生活学科(定員100名)
性格:同市内での法人間承継
② 福岡国際医療福祉大学 福岡看護学部(福岡県福岡市早良区百道浜)★九州
旧設置者:学校法人国際医療福祉大学(栃木県大田原市)
新設置者:学校法人高木学園(福岡市早良区)
変更対象:福岡看護学部 看護学科(定員100名)
備考:設置者変更後「看護学部」に名称変更。栃木県の大規模法人から福岡の地元法人に学部を切り出して移管した典型的な吸収分離事例。
令和4年度(2022年4月~) 1件(公立化)
① 周南公立大学(山口県周南市)
旧設置者:学校法人徳山教育財団(徳山大学 経済学部・福祉情報学部)
新設置者:公立大学法人周南公立大学
備考:公立大学法人の設立を前提とした設置者変更。学校法人徳山教育財団は解散。大学名を「周南公立大学」に変更。
令和5年度(2023年4月~) 2件
① 旭川市立大学・旭川市立大学短期大学部(北海道旭川市)
旧設置者:学校法人旭川大学(旭川大学・大学院・短期大学部)
新設置者:公立大学法人旭川市立大学
備考:大学・大学院・短期大学部すべてを一括公立化。学校法人旭川大学は「学校法人旭川志峯学院」に名称変更して存続。
② 天理大学 医療学部(奈良県天理市)
旧設置者:学校法人天理よろづ相談所学園(天理医療大学 医療学部:看護学科70名・臨床検査学科30名)
新設置者:学校法人天理大学(天理大学 医療学部として継続)
備考:天理医療大学は廃止。学校法人天理よろづ相談所学園は解散。同一宗教系列内での学部移管と法人統合。
令和6年度・令和7年度(2024・2025年)
専用の設置者変更答申なし。この2年間は大学レベルの設置者変更認可案件がなかったか、審査継続扱いとなっている。
令和8年度(2026年4月~) 3件(うち公立化1件)
① 千葉科学大学(千葉県銚子市)
旧設置者:学校法人加計学園(岡山県岡山市)
新設置者:学校法人大城学園(沖縄県名護市)
変更対象:大学・大学院全体(薬学部・危機管理学部・看護学部ほか。薬学科100名、危機管理学科120名、保健医療学科80名、看護学科90名等)
備考:加計学園グループの経営問題が社会的に注目された大学の第三者移管。遠隔地管理・ガバナンス強化・学生確保戦略等の遵守事項・助言事項が多数付帯。
② 広島女学院大学(広島県広島市)
旧設置者:学校法人広島女学院(広島市)
新設置者:学校法人YIC学院(京都府京都市)
変更対象:大学・大学院(人文学部:国際英語学科65名・日本文化学科40名、人間生活学部:生活デザイン学科65名・管理栄養学科70名・児童教育学科90名、大学院2研究科)
備考:経営難に陥った歴史ある女子大の別法人への移管。遠隔地からの管理体制・財務開示強化等の遵守事項・助言事項が付帯。
③ 東北公益文科大学(山形県酒田市)
旧設置者:学校法人東北公益文科大学
新設置者:公立大学法人東北公益文科大学
変更対象:大学(公益学部・国際学部・大学院公益学研究科)
備考:公立大学法人の設立認可を前提。設置者変更後、学校法人東北公益文科大学は解散予定。
実績の総括
10年間の文科省認可(大学レベル)の設置者変更は確認できた範囲で計12件。年に1〜2件のペースで、絶対数は多くない。類型別では公立化が4件(約3分の1)、私立法人間の移管が7件、株式会社名義変更が1件。
九州関連は2件(サイバー大学・福岡国際医療福祉大学看護学部)にとどまり、全国的にみても九州からの案件は少ない。
第5章 国(文部科学省)の政策動向
2024〜2028年「集中改革期間」
2023年9月、文部科学省は2024年度から2028年度までの5年間を「集中改革期間」と位置づけた。文科省の推計によると、大学入学者数は2022年の約64万人から2040年には約51万人に減少する見込みで、私立大学全体の定員充足率は2021年度に調査開始以来初めて100%を割り込んだ。
中央教育審議会の中間まとめ(2024年)
中教審大学分科会「高等教育の在り方に関する特別部会」は、再編・統合、縮小・撤退による規模適正化が不可避であると明記し、大学の決断を後押しする仕組みの整備を提言した。経営が悪化した地方私立大学の公立化についても、安易な設置を避けるよう慎重な検討を求めた。
理系シフト支援(3,000億円基金)
「大学・高専機能強化支援事業」として3,000億円の基金が組成され、デジタル・グリーン等の分野への学部転換等を最長10年・最大20億円まで支援する。私立大学54件が初年度に選定されており、九州からも複数の大学が採択されている。
定員縮小の柔軟化(2025年11月政令案)
2025年11月、文部科学省は私立大学等が収容定員を縮小した後に元の定員数に戻す際の学則変更手続きを簡素化する政令案を示した。従来は再増設時に設置認可手続きが必要だったが、一定条件を満たす場合、文科相への届出だけで変更できるようにする内容。計画的な定員の見直しを支援する趣旨。
私学助成の「アメとムチ」
定員未充足の大学への私学助成の減額・不交付(制裁的措置)を継続しつつ、自主的に規模を縮小した大学への補助金増(誘導策)を並行して実施。加えて、日本私立学校振興・共済事業団のデータを活用して大学が的確な経営判断ができるよう支援するシステムを構築中で、連携・統合を希望する大学向けのデータに基づくマッチング支援も予定している。
私立学校法改正(2025年4月施行)
令和5年改正の私立学校法が2025年4月1日から施行。主な変更点は以下のとおり。
理事選任機関の設置と監事・評議員の選任基準の厳格化、特定の利害関係者の割合制限の導入。内部統制システムの整備の義務化(理事会で基本方針を決定)。財務諸表・事業報告書の詳細な公開の義務付け。
これにより学校法人M&Aの手続きはより厳格化され、経営権移転(理事交代)においても従来以上の透明性が求められる。
学部単位の設置者変更(2019年制度改正)
2019年の制度改正により、大学間の学部単位での設置者変更が可能になった。従来は学部廃止・新設という両手続きが必要だったが、教員組織・カリキュラムをそのまま移行することを前提に申請書類・審査が簡素化された。承継後は「同じ学部の継続」として扱われるため、カリキュラム改訂等のスピーディな改組も可能になった。実務上の先例は2020年の関西国際大学事例(本文参照)。
第6章 九州地域の状況と展望
福岡への集中と地方の深刻化
福岡県だけで30校以上の大学が存在し、九州地方の大学の約半数が集中している。65%程度の受験生がそのまま福岡県内の大学へ進学する一方、他の九州各県からも福岡への進学者が最多となっており、福岡以外の地方では学生確保が特に難しくなっている。
九州の主な私立学校法人M&A実績
文科省の設置者変更認可(大学レベル)では九州関連は2件のみ。それ以外に確認できる主な実績は以下のとおり。
九州東海大学(熊本市)は2008年に学校法人東海大学に吸収統合され廃止。グループ法人内での集約事例。東和大学(福岡市、学校法人純真学園)は2007年に募集停止・2011年に廃止し、同一法人が運営する純真学園大学が土地・建物を継承。福岡国際大学は2014年に募集停止・2019年に廃止。保健医療経営大学は2020年に募集停止・2023年に廃止。
高校・専門学校・幼稚園レベルの設置者変更は都道府県知事所轄のため非公開が多く、水面下での実績が相当数あるとみられるが、公開情報での確認には限界がある。
今後の展望
文科省の「集中改革期間(2024〜2028年)」と私立学校法改正による再編促進の流れの中で、九州においても以下の動向が予想される。
規模の小さい私立大学・短期大学の公立化(私立→公立大学法人)は今後も継続する。特に地方自治体が地域の高等教育機能維持のために支援に乗り出すケースが増えることが見込まれる。
私立間の設置者変更・吸収合併は、現在は年1〜2件ペースにとどまっているが、2030年代に向けて加速すると予測される。特に看護・医療・福祉系の学校は医療法人による承継ニーズが高い。
理事交代型の承継は非公開で進むことが多いため実態は把握しにくいが、後継者不在問題を抱える学校法人の件数は年々増加しており、専門のM&Aアドバイザーの活動が活発化している。
第7章 実務上の重要ポイント(専門家関与の視点)
学校法人M&Aを進めるにあたって実務上特に重要な点を整理する。
所轄庁との事前協議を最優先に
所轄庁と協議せず独自判断で手続きを進めた結果、計画修正を余儀なくされたケースがある。特に他都道府県の法人への移管には補助金の問題が伴うため、早期段階での所轄庁との対話が不可欠。
合併・承継後の統合運営体制の設計
経営権が移転した後、いかに組織をひとつにまとめるかが成否を左右する。財務状況と教育水準の両面を継続的にモニタリングしながら、評議員会・教職員・在校生・保護者への早期かつ丁寧な説明を行い、教育の質を守るための具体的な行動計画を策定することが不可欠である。
対価の設計
退職金が主な対価となるが、法人の純資産・建物・土地の時価評価、暖簾代(ブランド価値)も加味した総合的な価値評価が行われる。退職金以外の対価については課税上のリスクを十分検討すること。
専門家チームの構成
学校法人に精通した公認会計士(学校会計基準の理解が必要)、弁護士(私立学校法・学校教育法の専門知識)、M&Aアドバイザーの3者が揃ったチームが理想的。一般の企業M&A専門家では学校法人特有の規制に対応できないことが多い。なお、福岡を拠点とする学校法人専門の公認会計士事務所も存在し、九州地域での相談窓口となっている。
以上
甥の結婚式に招かれ、数年ぶりに東京・青山を訪れました。
今回は式に備えて前日から東京入り。少し余裕があったので、思い出深いエリアをゆっくり歩いてみることにしました。
まず初日の午後に向かったのは、青山学院大学。
青山の街に溶け込んだこのキャンパスの雰囲気が好きで、つい足が向いてしまいます。正門をくぐると、目に飛び込んできたのは「母の日発祥の地」と書かれた垂れ幕。日本での母の日はここから始まったのだな、と新しい発見もありました。
新緑の並木道を抜け、重厚な「ガウチャー・メモリアル・チャペル」の中へ。外の喧騒を忘れるような静謐な空間で、数年ぶりの青山の空気に浸っていると、かつてこの界隈を歩いた時の記憶が蘇り、何とも言えない懐かしさと充実感に包まれました。
翌日の午前中は、式までの時間を利用して明治神宮外苑(神宮公園)を散策しました。
朝の澄んだ空気の中、トンネルのように続く鮮やかな新緑の銀杏並木を歩くのは最高に気持ちが良いものです。そのまま国立競技場まで足を伸ばし、さらに日本オリンピックミュージアムへ。歴代のポスターや貴重な展示を眺めながら、東京という街の歴史とエネルギーを改めて実感しました。
おめでたい門出を前に、自分自身もリフレッシュできた最高の二日間。
懐かしい風景と新しい景色、その両方を満喫できた、とても濃密な時間となりました。
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| 正門に掲げられた「母の日発祥の地」の垂れ幕(正面は国連大学) |
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| キャンパス内の豊かな緑に癒やされます |
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| 凛としてそびえ立つガウチャー・メモリアル・チャペル |
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| 都会の真ん中とは思えない、静かで美しい礼拝堂 |
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| 凛とした気品を纏う、ネオ・ルネサンス様式の間島記念館 |
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| 卒業生でなくても、この心地よい雰囲気は格別です |
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| 翌朝に歩いた、新緑が眩しい銀杏並木のトンネル |
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| 空の下に広がる、圧倒的なスケールの国立競技場 |
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| 建物に惹かれて立ち寄った、日本オリンピックミュージアム |
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| 記憶に新しい、東京2020大会の輝かしい聖火台 |
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| スポーツの熱気が伝わってくるような充実した展示 |
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| アスリートの鼓動を感じる、サイン入りの手形展示(りくりゅう) |
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| 色鮮やかな歴代オリンピックのポスターたち |
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| デザインの変遷が興味深い、歴代大会の聖火トーチ |
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| 自分の動きがシンクロする、楽しい体験コーナーも |
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| 栄光の証、ずらりと並ぶ歴代のオリンピックメダル |
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| 1964年の熱狂を今に伝える、歴史的な聖火台(縮尺モデル) |