大学の「見えない食支援」――中国と日本、学生をそっと支える仕組みの違い
大学の学生支援は、単に「いくら配るか」だけではなく、「どうやって必要な学生に届けるか」という段階に入っています。 従来の学生支援では、困っている学生が自ら申請し、大学が審査したうえで奨学金や給付金を支給する仕組みが一般的でした。 一方、中国の大学では近年、学生の食堂利用などのデータを分析し、支援が必要と考えられる学生を大学側から見つけ、本人からの申請なしに生活費や食費を支給する「隠形資助(インフォーマルな表現として「見えない支援」「気づかれにくい支援」とも訳せる)」の取り組みが複数の大学で確認できます。 代表例が、厦門大学(アモイ大学)の取り組みです。 日本でも、100円朝食、食事券、食堂で使える電子マネー、プリペイドカードなど、学生の食費負担を直接軽くする取り組みが広がっています。 ただし、公開資料を比較すると、両国では「支援の方法」だけでなく、「支援が必要な学生をどう見つけるか」という部分に違いがあります。 中国で広がる「申請を待たない」食費支援 厦門大学――食堂データから支援候補者を抽出 2024年から「隠形資助」を試行している厦門大学では、学生資助管理中心と情報・ネットワーク部門が、学内食堂の消費データを分析しています。 具体的には、食堂での利用回数が学校平均より多い一方、1回あたりの消費額が平均よりかなり低い学生を初期候補として抽出。その後、カウンセラーが学生一人ひとりの経済状況などを確認し、最終的な支援対象者を決めます。 つまり、単純に「食費が少ない=困窮」と自動判定しているわけではありません。 例えば、健康上の理由やダイエットなどによって食費が少ない学生も考えられるため、データによる抽出の後に人的な確認を入れています。 最終的な支援は、800元、500元、300元の3段階で、学生本人の銀行口座に直接振り込まれます。学生からの申請は必要ありません。 実際に学生には、「最近、食事量が少ないことがビッグデータ分析で分かった」という趣旨のメッセージが送られ、...