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人口が減る日本で、私たちはどんな社会をつくるのか

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日本の人口が減り続けています。これは、単に「日本人の数が少なくなる」という話ではありません。働く世代が減り、高齢者の割合が高まり、これまで当たり前だと思ってきた社会の仕組みそのものが、少しずつ成り立ちにくくなっていくということです。 総務省の人口推計によれば、日本の総人口はすでに減少局面に入り、2026年10月1日現在の総人口は約1億2269万人となっています。前年に比べて約53万人減少しており、人口減少はもはや遠い将来の問題ではなく、私たちが暮らす現在の社会で進行している現実です。 しかし、人口減少を考えるとき、単純に「人が減るから大変だ」と捉えるだけでは、本質を見失ってしまいます。重要なのは、人口の総数以上に、その構成が大きく変わっていくことです。 人口減少の本質は「人数」だけではありません 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、2020年に1億2615万人だった日本の総人口は、2070年には8700万人程度になると見込まれています。同時に、65歳以上の人口割合は28.6%から38.7%へ上昇すると推計されています。 日本の人口と高齢化の変化 2020年 1億2,615万人 65歳以上:28.6% → 2070年 8,700万人 65歳以上:38.7% 出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」 つまり、これからの日本では「少...

保育士を育てる大学・短大が減っている――子どもが減る社会で、保育はどうなるのか

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「子どもの数が減っているのだから、保育士も少なくてよいのではないか」。そう考える人は少なくないと思います。ところが、いま起きていることは、そんな単純な話ではありません。 2026年4月、保育士を養成する大学や短大、専門学校などの「指定保育士養成施設」は全国で650校となり、前年より17校減りました。そのうち68校は学生募集を停止しています。入学定員の合計も、2023年と比べて約8割まで減っています。一方で、2026年7月の保育士の有効求人倍率は2.80倍で、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています。 報道はこちら 。 保育士養成施設をめぐる今回の変化 全国の養成施設 650 校 2026年 前年からの減少 17 校 前年比 学生募集を停止 68 校 今回の報道 養成施設の減少は、単なる「学校数」の問題ではなく、 これから地域の保育人材をどう育てるか という問題につながっています。 ※2026年の養成施設数は650校。前年より17校減少し、68校が学生募集を停止しています。 出典: 読売新聞報道 しかし、ここで「だから養成校を減らしてはいけない」「もっと保育士を育てればよい」と結論づけるだけでは、問題の本質を見失います。私たちが考えなければならないのは、なぜ子どもが減っているのに保育士の不足が...

外国人材を受け入れる日本に、日本語教育は足りているのか――育成就労制度を支える「教育」の現在地

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2027年4月から、これまでの技能実習制度に代わって「育成就労制度」が始まります。新制度では、外国人が日本で働きながら技能を身につけ、その後、特定技能1号へ移行していくことが想定されています。政府は制度開始後の2年間で、およそ40万人を受け入れる方針です。 この制度を支えるうえで、見過ごせないのが日本語教育です。 育成就労では、外国人が働き始める前に一定水準の日本語能力を身につけることが求められます。基準を満たしていない場合には、認定された日本語教育機関で一定時間以上の教育を受けることが必要になります。就労後にも、さらに日本語能力を高めるための教育が想定されています。 育成就労制度と日本語教育 約40万人 制度開始後2年間の 受け入れ方針 A1 就労開始までに 求められる水準 100時間以上 A1相当の日本語講習 ※一定の場合を除く A2.2相当 3年間を通じて 目指す日本語能力 ※日本語能力については、出入国在留管理庁のQ&Aに基づいて整理しています。分野によっては、より高い水準が設定される場合があります。 つまり、日本語教育は外国人への「付加的なサービス」ではありません。新しい外国人材受け入れ制度を実際に機能させるための基盤です。 ところが、その基盤が十分に整っているとは言えません。2026年10月時点で、育成就労の就労前講習に対応する認定機関は全国でわずか3校で、すべて東京都に集中しています。さらに、受け入れ側を対象にした調査では、日本語教師を確保できておらず、候補者もいないという回答も出ています。 制度の開始は決まっているのに、それを支える教育の供給体制が追いついていないのです。 ここから、「認定機関が先...

大学が政府に抗議――私たち市民は、外国人政策をどう考えるべきか

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上智大学グローバル・コンサーン研究所 が、日本政府の外国人政策を厳しく批判する抗議声明を公表しました。 そこには「排外主義的な政策」「むき出しの悪意」「憎悪や分断」といった強い言葉が並んでいます。大学の研究機関が政府に対してここまで踏み込んだ声明を出すことに、驚いた方もいるでしょう。 この声明に賛成するか反対するかは、一人ひとりの判断です。しかし、それ以前に考えておきたいことがあります。 なぜ、いま、このような抗議声明が出てきたのでしょうか。 抗議が出たからといって、直ちに政府の政策が誤っているとは限りません。大学にも固有の理念や価値観があります。一方で、「大学が政府を批判しているだけだ」と片付けてしまうのも適切ではありません。 強い抗議が生まれたこと自体が、日本社会の中に何らかの緊張が生じていることを示しているからです。 政府が向き合っているもの 政府の外国人政策を「外国人排斥」とだけ捉えるのは正確ではありません。 日本は人口減少と労働力不足を抱え、すでに多くの外国人が社会や経済を支えています。政府も外国人の受け入れそのものを否定してはいません。 その一方で、外国人による一部の違法行為やルール違反、制度の悪用などをめぐり、国民の間に不安や不公平感が存在することも政府は認識しています。 政府の政策を考える一つの見方 「受け入れます」 + 「日本社会のルールは守ってもらいます」 これは政府の役割として理解できるものです。外国人であっても、日本で暮らす以上、法律や社会のルールを守ることは当然求められます。違反に適切に対処することも行政の責任です。 問題は、その厳格化がどこまで及ぶかです。 秩序を守るための政策が、外国人であること自体への警戒につながっていないか。個々の違反への対応と、外国人全体を一括りに扱うことの境界は保たれている...

「外国人を受け入れる国」から「選ばれる国」へ――日本社会に問われていること

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中国人がなぜ日本で「永住」を目指すのか――。この問いを考えるとき、私たちが目を向けるべきなのは、単に「なぜ中国人が日本に住みたがるのか」という問題だけではないように思います。むしろ大切なのは、 なぜ日本が、外国の人々から「ここで暮らし続けたい」と思われる国になっているのか。そして、私たちはこれからどのような社会をつくっていくのか ということではないでしょうか。 日本は、すでに「外国人が暮らす国」になっている 日本で暮らす外国人は、もはや一部の地域だけで見られる存在ではありません。働く人、学ぶ人、家族と暮らす人、地域で商売をする人など、さまざまな形で日本社会の一員となっています。 日本で暮らす外国人の現在地 428.1万人 在留外国人数 2026年6月末 94.1万人 中国籍の在留外国人 2026年6月末 96.1万人 「永住者」 2026年6月末 在留外国人 428.1万人 中国籍 94.1万人 永住者 96.1万人 出典: 出入国在留管理庁「令和8年6月末における在留外国人数について」 出入国在留管理庁によると、2026年6月末の在留外国人数は428万1,026人となり、過去最高を更新しました。中国籍の人は94万1,031人で国籍・地域別では最多、「永住者」も96万1,342人に達しています。 こうした数字を見ると、日本社会そのものが変わりつつあることが分かります。外国人の増加は、単なる「外国人問題」ではなく、人口減少や少子高齢化、人手不足といった日本が抱える構造的な問題とも深く結びついているのです。 外...

『思想調査』は、なぜ私たち市民の問題なのか――自衛隊と国家権力、自由の境界線を考える

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「陸上自衛隊が、市民の思想や信条を調査していたのではないか」。 この報道に接したとき、私たちは何を考えればよいのでしょうか。 安全保障が重要であることは言うまでもありません。海外からの情報収集や、テロ、スパイ活動などへの備えも必要でしょう。一方で、国家が市民の思想や信条、愛国心、さらには私生活にまで踏み込んで情報を集めることが許されるのかという問題があります。 今回の問題を、「自衛隊を支持するか、しないか」という話にしてしまうと、本質を見失います。問われているのは、もっと根本的なことです。 国家が市民を守るために持つ情報収集の力を、どこまで認め、どこから先に歯止めをかけるのか。 これは、自衛隊だけの問題ではなく、私たち一人ひとりに関わる民主主義の問題です。 問題になっている「思想調査」とは何か 熊本日日新聞の報道によれば、陸上自衛隊中央情報隊の現地情報隊が、日本人の大学教授らについて、氏名や住所、経歴などだけでなく、「愛国心」「思想・信条」「対自衛隊感情」「異性関係・性的嗜好」「犯罪歴」などを含む項目について情報を収集し、「個人BSD報告書」にまとめていたとされています。 41 報告書にあったとされる情報項目 基本情報 経歴 思想・信条 愛国心 対自衛隊感情 私生活に関する情報 犯罪歴 ※報道で示された主な項目を整理したものです。41項目すべてを列挙したものではありません。 さらに、元隊員らの証言として、情報収集の際に自らの身分を明らかにしなかったケースも報じられています。 これに対して防衛省は、不適切な活動は確認されていないとの立場を示し、問題となっている文書についても真正性を確認できていないとしています。 したがって、私たちはまず、報道で示された資料や証言と、防衛省が確認している事実とを区別して受け止...

快晴の秋、大濠公園へ。本番前最後のロングラン

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今日は気温22度、快晴。 風も穏やかで、絶好のランニング日和となりました。 本番レースを間近に控え、今日は最後のロングラン練習。 植物園を経由して、大濠公園へ向かいました。 植物園までの道では、きつい坂をしっかりと走り込み、 その後は大濠公園でイーブンペースを意識して周回。 坂で負荷をかけた後、一定のペースで走り続けることで、 本番を想定した最後の調整です。 快晴の土曜日ということもあって、大濠公園は多くの人でにぎわっていました。 池ではボートを楽しむ人、遊歩道を歩く人、そしてランニングをする人。 それぞれが思い思いに秋の一日を楽しんでいます。 園内では、色づき始めた木々も目につくようになりました。 まだ紅葉はこれからという感じですが、秋も少しずつ深まっています。 植物や花を眺めながら走り、最後は大濠公園の広々とした景色を楽しむ。 気持ちのよい天候にも恵まれ、充実したロングランになりました。 これで本番前のロングラン練習は終了。 あとは疲れを残さないように調整しながら、本番を迎えたいと思います。

人口を増やすだけが、地域づくりではない――「関係人口」という新しい可能性

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人口減少や高齢化が進むなか、地域の未来を考えるとき、私たちはつい「そこに何人住んでいるか」という人口の数字に目を向けがちです。しかし、地域の力は、そこに住んでいる人の数だけで決まるものではありません。遠くに住みながら、その地域を気にかけ、何度も訪れ、地域の商品を買い、地域の人と交流し、ときには仕事や地域活動を通じて関わる人たちもいます。 こうした人々を捉える言葉として、近年注目されているのが 「関係人口」 です。 関係人口とは 移住して住む人でも、たまたま観光に訪れる人でもなく、 特定の地域と継続的かつ多様な関わりを持つ人 のことです。 国土交通省は、関係人口を「移住や観光でもなく、単なる帰省でもない、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な関わりを持つ人」と定義しています。 つまり、「住んでいるか、住んでいないか」という二つだけでは捉えきれない、人と地域とのつながりに目を向ける考え方です。 国土交通省の最新調査 2,263 万人 18歳以上の居住者の 約22% が関係人口と推計されています。 関係人口 22% その他 78% ※令和5年度調査時点。国土交通省「地域との関わりについてのアンケート」に基づく推計値。 この数字は、関係人口が決して一部の特殊な人たちだけを指すものではないことを示しています。18歳以上の人の約5人に1人が、日常生活圏や通勤圏とは別の地域と継続的な関わりを持っているのです。 関係人口は、特別な人だけではない 関係人口という言葉から、地域づくりに参加する熱心なボランティアや、地域の課題解決に取り組む人を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際にはもっと幅広い関わり方が含まれています。 買...