人に何かを与えるというと、多くの人は「お金」だと思ってしまう。
もちろんお金も間違ってはいないが、もっと他に大事な与えるものはある。
それはたとえば、「無財の七施(しちせ)」。
仏教では、自分にお金や財産がなくても、「無財の七施(しちせ)」という「与えるもの」があるという。
それは…
一【眼施(がんせ)】「やさしいまなざしで人に接すること」
二【和顔施(わがんせ)】「にこやかな笑顔で人に接すること」
三【言辞施(ごんじせ)】「ありがとうございます、お世話になります、お疲れさまです等の、やさしい言葉で人に接すること」
四【身施(しんせ)】「お年寄りや子どもを連れた女性などがいたらドアを開けて待っている等の、自分の体を使ってできることで奉仕すること」
五【心施(しんせ)】「思いやりの心を持って、まわりに心をくばること」
六【床座施(しょうざせ)】「バスや電車でお年寄りや体の不自由な方に、席や場所を譲ること」
七【房舎施(ぼうじゃせ)】「お客を温かく迎え、癒(いや)しの場所を提供すること」
特に、七つ目の「房舎施(ぼうじゃせ)」は、現代でいうなら「サードプレイス」ということでもある。
ファーストプレイス(第一の場所)は自宅、セカンドプレイス(第二の場所)は会社、そしてサードプレイス(第三の場所)が心からほっとできる癒しの場所のことをいう。
それは、「趣味」「習い事」「スポーツ」「勉強会」「まちづくりイベント」等々を中心としたサロンやコミュニティで、「私設図書館」「シェアオフィス」「コワーキングスペース」「ゲストハウス」「ファンベースの飲食店やカフェやバー」などの「場(プレイス)」を通して開催され、人が集うとっておきの居場所となる。
「無財の七施(しちせ)」を胸に刻み…
自ら、与える人でありたい。