教学マネジメントの現状と課題(1)
去る5月29日に開催された「中央教育審議会大学分科会(第105回)・大学教育部会(第16回)合同会議」の議事録が 文部科学省のホームページ に掲載されています。 議題は「中長期的な大学教育の在り方について」ですが、当日は、学士課程教育の質的転換を進めるためには、全学的な教学マネジメントの確立が不可欠との観点から、数人の有識者から国内外の事例等についてのプレゼンが行われています。 抜粋してご紹介します。まず、第一回目の今回は、 上山隆大上智大学教授 です。資料と照らし合わせながらお読みいただくと理解が深まるのではないかと思います。 資料「研究大学と自助・自立の精神」(アカデミック・アントレプレナーシップ) ◇ 最初に申し上げておくと、私は高等教育の研究者でもなければ、教育学の研究者でもありません。ですから、むしろ、ここに御列席の御専門の方々から御意見をいただければ幸いです。 私自身は、自分の研究テーマとして、ここ数年間、シリコンバレーのことを調べております。なぜアメリカの中でも極めて特異な、もちろん世界的にも特異なのですが、あの地域が生まれたのかという疑問について、特にそれを研究大学の立場からずっと調べてまいりました。 したがって、スタンフォード、UCバークレー、UCサンフランシスコといった三つの大きな研究大学の中のことをこの数年間ずっと調べております。当初は、それほど大学そのものに関心はなかったのですが、なぜあそこから、あのような新しいタイプの知識や技術が生まれるのかということを考えると、大学というものの中で何か起こっているのかということをどうしても考えざるを得なくなって、したがって、大学に残っている様々なデータや資料をずっと読みあさってきたというのが、ここ数年間の私の経歴です。 各学長の文書から始まって、非常にたくさんの、もう何百箱になるようなドキュメントが残されております。それらを全部見たとは言いませんが、かなりは見たと言っていいと思います。そういう過程の中で考えたことを、安西分科会長に御紹介いただいた本にまとめてみました。あれは、ある意味では私のシリコンバレー研究の副産物として生まれてきた本です。 その後、様々な方から、「もう少し大学について発言してほしい」というお話があり、こういう機会をいただくことが多くなりました。した...