近時、若手社員の離職率の高さが問題視される中、「エンゲージメント」に着目する企業等が増えているそうです。
「エンゲージメント」とは、ある説明によれば、「個人が目指す成長の方向性と組織が目指す成長の方向性がどれだけ連動している関係なのかを表すもの」であり、「組織に対する『ロイヤルティー(忠誠心)』を発展させたような概念」とのこと。
「この会社にいれば、自分のありたい姿に向かって成長でき、しかも、自己実現のための努力が会社のビジョン実現にも貢献できる」と思う社員が多い状態を、「エンゲージメントが高い」というそうです。
「エンゲージメント」を高めるには、個人の仕事の志向性に沿った環境や機会の提供を行う必要があること、そして、多様性や価値観を共有・評価し、自分たちが何をしたいか、どうなりたいかを対話することが重要だそうです。
アメリカの大手調査機関が12項目のエンゲージメントに関する調査を実施、この12項目は124ヵ国、3百万人以上の従業員を対象に行った調査で、業績向上と関連性があると証明された項目だそうです。皆さんの大学ではいくつ当てはまるかを試してみてください。
- 私は仕事のうえで、自分が何を期待されているかが分かっている
- 私は自分の仕事を正確に遂行するために必要な設備や資源を持っている
- 私は仕事をするうえで、自分の最も得意とすることを行う機会を毎日持っている
- 最近一週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした
- 上司または職場の誰かは、自分を一人の人間として気遣ってくれている
- 仕事上で、自分の成長を励ましてくれる人がいる
- 仕事上で、自分の意見が考慮されているように思われる
- 自分の会社の使命や目標は、自分の仕事を重要なものと感じさせてくれる
- 自分の同僚は、質の高い仕事をすることに専念している
- 仕事上で、誰か最高の友人と呼べる人がいる
- この半年の間に、職場の誰かが自分の進歩について、自分に話してくれた
- 私はこの一年の間に、仕事上で学び、成長する機会を持った
出典: 「つながる組織づくり」岩田雅明(文部科学教育通信 No292 2012.5.28) |