2011年3月31日木曜日

自主的な判断で被災大学への支援を(2)

被災地域の大学の学生・教職員への支援に関し、図書館やインターネット等の利用についての配慮について、国立大学協会から各国立大学法人に対し呼びかけが行われていることは既にご紹介いたしました。

自主的な判断で被災大学への支援を(1)(2011年3月25日 大学サラリーマン日記)

このたび、3月30日付で、国立大学協会から、第2段階の支援策として、「施設設備の損壊や人的要因等により授業の実施や研究指導の実施が困難になった大学の学生・大学院生や、研究環境が損なわれ研究の遂行が困難になった研究者への支援」についての要請が行われましたのでご紹介します。


被災地域の大学の学生への学習支援等の例について

1 被災学生・大学院生の講義の履修、聴講について

被災学生・大学院生(外国人留学生を含む。)が、避難先に所在する大学の講義の履修、聴講を希望する場合には、各大学において科目等履修生制度等を準用するなど、速やかな対応を進めるとともに、当該学生の経済状況や所属大学の状況に応じ、受講料等は徴収しない等の弾力的な取扱いを行うよう配慮するものとする。

また、履修単位は被災学生・大学院生が所属する大学の単位として認定されるよう努めるものとする。

なお、各大学においては「問合せ窓口」を HP等で公表するなど、環境を整えることに留意する。

2 被災大学院生の研究支援について

被災大学院生を特別研究学生として受け入れる等、各大学の研究指導の受託に関する規則を準用するなど、速やかな対応を進めるとともに、受講料を徴収する定めがある場合であっても、弾力的な取扱い等に配慮するものとする。

3 研究者の支援について

被災地域の大学において甚大な被害を受け、研究環境の再構築が長期にわたって困難な研究者に対して、研究スペースの提供や機器の共用等、被災地域の大学と協議の上、可能な支援の実現を図るものとする。

4 その他

受け入れた被災学生・大学院生の心のケアに留意するとともに、研究者用を含めた宿泊施設の確保については、各大学による自助努力に限らず、地元自治体と緊密な連携の下に行うことが考えられる。

2011年3月29日火曜日

被災地の子どもたちに贈る 卒業式ソング

卒業おめでとう。さまざまな思いが胸を熱くさせることでしょう。新たな旅立ちに希望を。

EXILE - 道 -




思い出が時間を止めた
今日の日を忘れるなと
見慣れた景色 二度と並べない
思い出の道

この道で君と出逢い
春が僕らをつつんでた
愛と優しさ教えてくれたね
泣かないで歩こう

空 今日も青空です
泣き笑いしたあの時
あたりまえが未来に変わる
希望、夢、愛、話したい
動くな時間
空に叫ぶ
君を忘れない

優しさに出会えたことで
僕は一人じゃなかった
誰も消せない心のアルバム
笑えるかもね

動きだした最後の時間
君に伝えたい言葉
涙邪魔して空を見上げたら
春の音聞こえた

道 君と歩いた今日まで
かすかに動くくちびる
特別な時間をありがとう
心、勇気、友、笑顔、
嬉しすぎて
溢れだした
涙がとまらない

ゆっくりと歩きだそう
この道 未来へ続く
さよなら泣かないで
忘れないよ
離れても愛しています

道 君と歩いた今日まで
かすかに動くくちびる
特別な時間をありがとう
心、勇気、友、笑顔、
嬉しすぎて
溢れだした
涙がとまらない

新卒者等の雇用に最大限の配慮を!

東北地方太平洋沖地震の影響により、震災地域の事業所に限らず、震災地域の事業所と取引関係にある全国の事業所において、経営状況が悪化する場合等が見込まれ、これに伴い、採用内定取り消しなど新卒者等の雇用に関する問題が発生・拡大していくことが懸念されています。

このため、去る3月22日には、文部科学大臣と厚生労働大臣との連名により、主要な経済団体に対して、内定者が可能な限り入社できるよう配慮すること、内定取り消し者を含め、震災の影響を受けた学生・生徒等の積極的な採用をお願いすること等が要請されています。

東北地方太平洋沖地震による新規学校卒業予定者等の採用内定取消し等への対応に関する要請について(平成23年3月22日)(文部科学省ホームページ)


さらに、厚生労働省では、3月28日(月)までに、全国の新卒応援ハローワークに「学生等震災特別相談窓口」を、また、順次ハローワークにも「震災等特別相談窓口」を設置し、学生・生徒等の希望を踏まえ、今後の就職等に関する必要な支援を行うことにしています。


このたび、学生等への周知に使用するリーフレットが文部科学省から各大学等に送付されましたので、一部をご紹介します。



「学生等震災特別相談窓口」「震災特別相談窓口」を設置する「新卒者応援ハローワーク」等の所在地は、厚生労働省のホームページをご覧ください。

2011年3月28日月曜日

最高の気分でいる

たいがいの自己啓発書には「いつも最高の気分でいるように」と説かれているものだ。しかし、これには反発する人もいる。落ち込んでいるときでも最高の気分でいようとするのは、自分にウソをつく行為だというのだ。

まず認識しておかなければならないのは、心の持ち方は常に自分の選択であるということだ。どういう状況にあろうと、あなたはネガティブであるよりポジティブであることを選ぶべきだ。ポジティブであることを選べば自分の気分がよくなるだけでなく、周囲の人の気分をよくすることができる。また、そのほうが多くの業績をあげることができる。

職場でさんざんな目にあって疲れ果てて帰宅したとしよう。ソファにぐったり座って立ち上がる元気もない。そのとき電話がかかってきて、あなたが応募したコンテストで優勝し、賞金百万ドルが手に入ることがわかった。あなたはどう反応するだろうか。

おそらく、ソファから飛び上がって歓声をあげるだろう。そしてその朗報を知らせるために親戚や友人に電話をするだろう。

あなたは先ほどまでぐったりしていたはずだが、それはどうなったのだろうか。賞金に意識が向かって、疲労など忘れてしまったのだ。

これは極端な話だが、要するに、私たちはどんなときでもポジティブになることもネガティブになることもできる。心の持ち方は、あなたが選べるものなのだ。だったら、最高の気分を選ぶのに越したことはないだろう。


ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2006-06-15

2011年3月26日土曜日

日本頑張れ! 岩手留学生から! 日本加油!

温かいメッセージありがとうございます。がんばろう日本!





かつて日本に暮らしていた我々、この土地から切り捨てられない記憶がいっぱいあります。
様々な逆らえない原因で、今私達は自分の国に帰ってしまいました。
もっと広大の愛を日本へ伝えたく 私達は心から日本を離れたことがない事を日本の皆様に知らせたいです。
いつの日に、私たちは再びあの土地へ戻ります。

中教審大学分科会における議論の方向性

今年2月に中教審大学分科会の委員の交代が行われました。前期の最後の分科会と今期最初の分科会における主な意見等を抜粋してご紹介します。

大学分科会(第94回、平成23年1月19日開催)議事録(抜粋)

「大学分科会の審議経過と更に検討すべき課題」について

【水田委員】

予算のことですが、今年は文部科学省の努力でかなりいい線に行きましたが、大学は何か、頼みに行けばよくなったという考え方で、口をあけて待っているだけの、スプーンフィーディング的なやり方に慣れているという感じがします。
また来年も同じようなことが繰り返されるかもしれないということで、大学側の努力と言いますか、自分たちでどうしようかということが全然見えないことも少し考えなくてはいけないと思いますし、ここで次に検討することなど様々な課題が出てきていますが、それをぜひ進めていただきたいと思います。
何かありますと、大学は金のために研究をしているのではないと言われますが、それは少し考えるべきだと思いますので、そのような意識改革を大学にも求めるべきではないかと思います。

【今井委員】

教職員の流動化のことです。実際には、退職金の問題もあってなかなか異動がしづらい状況があることを経験したことがあります。この機能別分化や大学間連携をどんどん進めていって、それぞれに非常によい大学にしていくためには、いろいろな専門家を入れかえたりしていく必要があるのですが、そこの部分がいつまでたっても難しい点になっていますので、この点も今後の課題として、なるべく早く改善すべきではないかと考えています。

【小杉委員】

社会的・職業的自立に関する指導と大学教育との関係を考えるときには、何を学んだ学生かが大変重要で、そのような情報を入れないままで議論はできません。就職先の産業との関係も大変重要な要素ですが、その辺の話も全く入らないまま、この内定状況はずっと出し続けています。社会的・職業的自立に関する指導に向けて大学が果たす役割を考える上では、こうした情報を整理する視点がなければいけないのではないかと思います。
職業と学校教育とのかかわりを、情報レベルでもきちんと提供していくことをしないと、目の前にいる学生をどうするか、目の前の学生に対応した教育をしていくことはしにくいのではないかと思いますので、情報提供の枠組みも含めて議論していくべきだと思います。

【川嶋委員】

1つは、最大の被益者である学生ということがなかなか出てきていない。学生をいかに学びに巻き込むかという視点で改革に向けた政策立案が必要だと思います。アメリカでも、大学生はなかなか4年間で学んでいないという研究も出ています。そういう点で実証的な検証も含めて、学生を中心に据えた改革を、今後ぜひ重点的に進めていただきたいということが1点です。
2点目は機能別分化についてですが、現実には大学はすでに非常に多様化していると思います。しかし、それが臨教審以来言われている個性化という観点、これはもう30年以上にわたって個性化が必要と言われていますが、多様化はしているが必ずしも個性化しているとは言えない。つまり、各大学はどこに自分たちの強みがあるのか、特性があるのか、ほかの大学と差別化できているのかが十分認識されていない。先ほどもプロファイリングするという話がありましたが、それが見えてこないということがあったと思います。この30年以上にわたって個性化や機能別分化が政策的に言われてきたにもかかわらず、なぜそれが社会的に目に見える形になっていないのか。あるいは実現できていないのかは、次期以降、きちんと検証をやっていただきたいと思います。なぜ、これまで繰り返し指摘されてきたことが実現できていないのかの検証をぜひしていただきたいと思います。
最後に3点目ですが、第1次報告で、今求められているのは構造転換であるということが1つのキーワードになっていました。これは、次期も構造をいかに変えていくかを1つの切り口にしていただきたいと思います。今までいろいろな委員が言ってきたように、大学と社会との関係、大学と初等中等教育との関係、あるいは大学セクターの中における設置者別、個々の大学の間の関係が変わってきていますし、変わらざるを得ない。正に構造改革、構造転換が日本の高等教育システムの中で必要ということですので、この点も含めて、次期に検討していただければと思います。

【河田委員】

日本には私立の短大と4年制大学が計969ありますが、その中で元気な大学はしっかりとその地域の要求に応じて、いわゆる機能別分化をとげ個性を持ってやっています。ですから、東京で見えなくても生き残っているし、元気であるということは言いたいと思います。
ある地方に大学が存在し、そこに若い学生がいることがその地域を活性化し元気づけているのであって、その地域から大学が消えてなくなることは、その地域にとって大きな損害だと思います。ですから、ぜひともここで、都道府県や市町村と協力しつつ、大学間連携や産官学連携を進めるという項目を入れていただければと思います。
それから、特にアメリカの大学の先生方がいつも言われるのは、日本の大学はカリキュラムがどうなっているのかが本当に見えない。ナンバリングをしっかりとして、この科目をとれば次はこうなるということがわかるような形にすることが必要だと思います。例えば、そういうところに教員採用や入学者受入れの取扱い、その後に授業科目のナンバリングを入れておいていただくと、次期の中教審で推し進めていけます。

【安西分科会長】

機能別分化が1つの中心課題に今後なっていくだろうと思います。特に大学の場合、大学自治ということと、時代の要求の狭間で行ったり来たりという状況が続いてきたように思いますが、もうそれでは済まないということは、この大学分科会の全体的な総意と思います。

【中込委員】

「時代にふさわしいリーダーシップの育成や、産業構造の転換に幅広く対応する知識・能力の習得のために果たせる」という言葉があります。この「果たせる」は、少し目線が違うのではないかと思います。むしろ、「果たさなければいけない」という義務感で責任を負うぐらいの言葉で書いたほうがいいと思います。何か「果たせる」というと、「果たしてあげる」といった感じで、少し違うのではないか。我々の責任は一体どこに行ったのかというところで、「果たさなければいけない」と記載をお願いしたい。
もう1点は、この資料に様々な施策等が書いていますが、大学のための大学ではなく、学生のための大学でなければいけない。こういうことをもっといろいろなところに散りばめるような形をとっていただければと思います。
もちろん、大学間連携等によって学生のための大学といった形になるわけですが、そういったことで、何か大学のための大学のような議論もときどきありますから、学生のための大学であり、学校は学校のための学校ではないということをもう少しいろいろなところに散りばめていただけると大変ありがたいと思います。

【荻上副分科会長】

機能別分化は、大学が、自分のところはどこに強みがあるのか、何をやりたいのかを明確にして、それで行った取組に対してきちんと評価を受ける姿勢こそが大事と思っています。ぜひ、機能別の評価を行いながら、機能別分化を推進していくことを、この先、第6期の大学分科会並びに文部科学省で積極的に進めていただきたいと思います。そうすることによって、機能別分化が無理なく進んでいくのではないかと思います。

【森脇委員】

今回私どもが取り組んで何年かにわたって実施しているのは、これまでの改革とは違って、構造改革であり、意識改革ですので、社会的な視点も大事ですし、学生の視点ももちろん大事ですが、肝心なのは当事者である大学人です。大学人の共通理解がよほど深くされませんと、いろいろな機関との連携において、スムーズに進まないと思います。
我々は実態をとらえて議論していると思っていてもまだ十分でないのかもしれません。地方の小さな大学は、大変危機感を募らせていて、そういうところから変わっていくのではないかと思います。この現状で、具体的に形を示せと言われると、まだまだそれは苦しいところではあります。そうした変化をできるだけ早くとらえて、どう支援できるか。それは気持ちだけではなく、調整機関といいますか、様々な取組の推進機関を何らかの形で工夫して設置していただく。そういったことを更に広げたほうがいいと思いました。

【黒田委員】

地方へ行けば行くほど、機能別分化は非常に進んでいると思いますが、ただそれが社会的に見えてこないだけです。それをどのようにして可視化させていくかが1つの課題だと思いますし、これは政策誘導の中心になると思います。
この政策誘導をやることと同時に、1つ前に出ていました学士課程答申、これを実効あるものにしていかないと、学位プログラムをきっちりつくっていき、日本の大学が世界的に対抗していくことをやらないといけない。今のように何となく教室の中でやっている授業で終わっているということではだめです。ですから、1つの学位プログラムをつくるということになると、これは一教員の問題ではなく、大学としての組織的な評価が問題です。
成績評価も含めてということになってきますので、これが大学にとっては一番難しいことだと思います。それぞれの自主性や独立性がありますから、これをどう改革していくか、これがFDと言われているものだと思います。ですから、意識改革をどのようにさせていくか、それとあわせてやっていかないと、この学位プログラムをつくることは不可能に近いと思います。
学位プログラムをつくるとなると、当然ナンバリングは出てきます。そういうことも含めて、しっかりとやっていただきたいと思いますが、まだまだ検討する課題がたくさん残っているので、ほとんどの項目については先送りになっていますが、その中でも、既に法改正がされて実行されるべきものがありますから、その辺はどんどん進めていただいて、それに対する国としての支援と政策誘導とをあわせてやっていかないと、これはなかなか解決できないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

【郷副分科会長】

学士課程の問題にしても、今回のまとめにしても、非常に重要なことを多くの委員が総力を挙げてまとめてきたことだと思います。これが、現場で教育に携わっている先生方には恐らくほとんど目に触れられない。本当にそれが実態だと思いますが、学長や役員は見ざるを得ないのですが、教育を担当している先生方はほとんど見ていらっしゃらない。このことを何とかしたいと思っています。
これがないと、提案を実行することが教育に関しては非常に難しい。組織を変えなければいけないし、先生方の意識も変えなければいけない。研究は個人ベースで先生方が一生懸命されるので、そこはエンカレッジすればある程度は行くと思いますが、教育の改革は非常に難しいことがあります。こういう資料が、少なくとも大学で教育に携わっている先生方の目に触れるようなことを考えていかないと、恐らくこれまでのいろいろな答申も、機能別分化に関してもそうですし、これからもっと多様な個性をということも、ほとんどの先生方は「それ何?」という感じだと思います。

【白井委員】

学生本位で考えるといった質の視点が、今後十分に議論されなければいけないということをもう少し踏み込んで書いてもいいのではないか。大学の自主性と多様性、それと一方で質の評価はこんな視点があるとか、そういうことも具体的にやらなければいけないと思いますが、非常に難しくて多様な作業が大きい、それから決まった見方があまり簡単にはできないということはそのとおりですが、学生が一番大きい観点ですから、そういう観点から質保証をまとめていくということは、若干入れてもいいのではないかといった印象を持っています。
機能別分化の書き方ですが、社会との連携でやるということは、大学の自主性は非常に重要ですが、社会と一緒になって何が必要でその上で大学が判断してここをつくっていくといったことが必要です。連携は、今までは自分たちの好きなことだけ連携する雰囲気がありますがも、そうではないです。それを更に踏み込んだ連携が、今、必要とされているという認識をもう少し強く書いていただいてもいいのではないか。

【安西分科会長】

大学改革を一生懸命頑張っていると、大学をはじめ高等教育機関の執行部に近い方は皆様言われますが、郷委員が言われたように、一般の先生方になりますと、そういうところの経緯をあまり知らない。一方で、世の中からは大学は本当に改革をやっているのかと問われる。学生がこのような就職状況で、社会の仕組みが変わりつつあるのに何をやっているのかと。本当に時代が大きく変わりつつある中での2年間であったかと思いますが、そういう意味では、いろいろな問題点や課題がかなり浮き彫りにされ、法制化も含めて様々なことができた大学分科会であったかと認識をしています。

参考



  • 大学分科会(第94回)議事録(全文)



  • 大学分科会委員名簿(平成21年2月1日発令)


  • 中央教育審議会大学分科会(第95回、2月21日開催)各委員発言の概要(文部科学省提供資料から)
    • 審議要請の3点の事項は相互に絡み合っている課題。これまでのやり方にこだわらず、スピード感をもって取り組むことが大切。

    • 中国は高等教育に投資し、日本を含め留学生受入れを増やしている。中国、台湾、韓国は日本より高い進学率。18歳から22歳でない方も大学で学べる体制を作らなければならない。それぞれの地方において大学は重要な役割を持っている。都道府県、市町村と協力した大きな連携をお願いしたい。

    • 質の保証と言った場合に、学生の9割はビジネスの世界で働く。大学で単に知識吸収の成果だけで質の保証というものを見るべきでない。実際の社会でリーダーシップを発揮するための能力もって卒業してもらわないといけない。どんな組織でもリーダーがリーダーシップを発揮できなければ変革できない。学長がリーダーシップをはかれる組織運営の仕組みを考えるべき。また、学長を選任する仕組みも考えていただきたい。

    • 画一的に質の保証や、機能別分化を考えるのは難しい。現在、約6割が大学に行く時代になったときに、大学に格差が生じているのではないか。人間教育がなされていない、学習をする基礎体力がない、国語力がなくコミュニケーションがとれない状態できてしまっている学生たちを教育しなければならない大学もあり、一律に考えるのは難しい。

    • 教授会の選挙で学部長に選ばれても権限が不透明。一定の統一的なガバナンスの枠組みがあってもよい。高校生が高校生としての必要な要件を満たさないままに卒業しているケースが存在している。学びなおしをおこなっているところで小学校3年生の算数のドリルをしているということが現実にある。高校卒業時点で高校卒業の要件を満たしていれば大学の質の保証は容易かもしれない。それを高校にいうと中学校が中学生の要件を満たさずに卒業してくるといわれる。高校卒業資格試験を設けるなど、大学だけでは質保証はできない。

    • 教員養成系の大学は人手がかかり運営が厳しい。教員養成を担っている国立間の連携、情報交換の仕組みはかなりある。一方で、公立はないので働きかけをおこなっている。機能別の連携と、運営面での連携を検討していきたい。

    • ガバナンスが非常に大事。ただ、大学の中からだけでは難しく、情報公開と評価の制度も必要となる。情報公開のあり方も議論したい。また、財務基盤も極めて重要。授業料をとってしっかり教育していくのが大切でないか。学生の支援をどうしていくか。奨学金は貸付でいいのか議諭していかなければいけない。

    • 質の保証を国際的な視点から考えると大学と産業界との関係というのは非常に大切。大学改革を行うためには産業界の入りロの部分との関係が大切。グローバル人材育成ということを考えた場合、留学をしようと思っても就職活動が3年から始まるため難しい現状がある。また、一括採用で1回失敗すると2回目のチャンスがないということが、学生の行動を大きく規定している。大学と産業界の対話が非常に大切だと思う。大学の国際競争力の問題も重要。情報発信と海外の大学との連携を進めることが重要。

    • 機能分化のそれぞれの機能がどういう割合なのか、どういう人材をどれくらい供給していけばいいのかという国の形にかかわる問題を議論できれば。質保証は何を保証しようとしているのがよくわからない。質保証のための仕組みという話はかなりやってきた。情報公開は実質的な質の保証につながる。留学は学生自体が外に出て行って経験するわけで、情報公開そのもの。費用はかかるが動きたい学生が動けるようにすべき。もうひとつは社会経験。世の中どういうものかを教えなきやいけない。

    • 公立大学の立場を踏まえて、利益代表ではなく、公立大学がどうあるべきか意見を述べたい。国立私立の狭間で忘れられがち。大学分科会でされている議論が大学人に共有されているか疑問。教員の意識を変えるというのがとても大切。この審議会の議論を末端の教員を含めて共有できないか。

    • 大学の取組を支援する仕組み、活動を支援する法人について取組を進めたいということで、心強く思っている。私学事業団などはその筆頭。こうした団体の調査研究能力を高める、場合によっては経営指導の権限の強化などは検討に値する。を考えてもよいのではないか。同様に学生支援機構などが奨学金の充実にもっと力をふるえるような検討があってもよい。設置基準、設置認可審査のあり方について問題意識を持っている。大綱化以降緩んだ状態で再整備が必要。設置認可審査も、準則主義化以来、質に関わる定性的な審査が弱まっている。審査ルールの再整備など質保証に資する見直しが必要。経営基盤に関して、地方の高等教育の火を消してはならない。地元を離れられない人もおり、地方の高等教育機会の確保、支援は国として必要。

    • 私学が高等教育の中に占めている学校数、学生数を考えると、私国公という考え方で議論すべき。制度そのものを、もう一度見直してよいのでないか。学問の府であった大学で、職業教育をやるということになっている。どうあるべきかについて、少し考えたらどうかと思っている。また、縦割りの議論が多いのではないか。設置形態を超えての連携がどういうふうにできるかということを考えないといけない。鳥瞰的に全体をみながら議論を進めたらよいのではないか。

    • 学問の重要性を再確認すべき。今の我々の物質的な豊かさは学問に由来している。新しい状況を自分で理解し、問題を解決できる、自分の頭で問題を考えることは、まさに学問することによって身につく学問の作法。私立大学は量の面に加え、質的な部分で多様性がある。私立大学の多様性が担保されるかが問題を考える上で留意する必要がある。議論する際にはファクトに基づいて議論すべき。経験的なものでなく、科学的、客観的事実に基づく必要がある。我々が観察しているものは事実とは限らない。

    • 財務センターなど大学を支援する法人が、仕分けで駄目という結果になって本当にそれでよいのかなと。どういう支援の体制があるのかということを検討できればよい。高専をいれた高等教育機関でコンソーシアムをつくって、いろいろな事業を一緒に動かしている。そうするとみんな元気になる。議論してできたものを実行に移していくということしていかないと、期待は非常に大きく、それに応えることができない。GPで非常に良くなってきた。なくなってどうなるかとも思っている。

    • 短大の立場としても発言させていただく。進学率の向上にともなって教員の数も増えてきた。教員の質という面で教育、学術的基盤というのも重要であるにも関わらず、各学校が審査を通して十分にやられているかというと、疑問である。基盤とすべき研究成果について各大学で見直していくべきでないか。教授会のありかたについては、学長が選挙で選ばれているという状態でいいのか。理事会がしっかり適材な方をえらぶ方が理にかなっているのではないか。

    • 国民や産業界と理解を深めていくということは最優先。産学官がどう連携していくのかが重要。就職活動はいろいろなところで議論されているが、知財についても活用をさらに議論していくべき。高専との関係では、シンガポール、マレーシア、インドや香港ではポリテクの割合が50%を超えていることも考える必要がある。

    • 統計の分野で国際的にホットな話題は、非市場型サービス、医療や教育の質の問題。学校であれば学生の能力をどれだけ高めたかがまずは図るべき指標とされている。学校レベルで教育サービスレベルを測定することが必要。公的統計を改革する、就職状況の調査を充実させるということが重要。事務局にも質の把握の状況というのを報告いただきたい。

    • 活力ある若者が育っていくような教育の質保証を考えていきたい。国に活力をあたえるイノベーションを大学から作っていくのかが重要。その中で学生の視点を忘れてはいけない。人間力を形成するという意味では課外活動も非常に重要。生涯教育の中での質の保証についても考えていく必要がある。機能別分化については、各大学がそれぞれ考え抜いて‘情報発信することが大切。単年度予算を超えた、学生支援という立場から経営基盤の強化を考えていただけるとありがたい。

    • 大学の質とは何かが最大の課題であり、学生が何を学んで、できるようになったかが最大の大学教育の目的。この切り替えが大切。大学が学位にもとづく学士課程プログラムをつくれるかどうか、FDにかかっていると思うが、非常に重要。学士課程教育の答申では、学士力という言葉を出した。その中身がどこまで各大学に伝わるか、普及させていくか。それぞれのミッションに応じた発信の仕方を今後十分に検討したい。基盤経費については、継続性のある予算の組み立てが重要。

    • 機能別分化については戦後すぐから繰り返し出ているテーマ。これまで必ずしも成功したとは言いがたい。設置基準の大綱化以来の流れで格差が拡大したことを評価していかなければならない。大学内部や国際的に格差が拡大しているということを評価していかなければならない。その中で連携が問われていると考えている。財政的な問題があり、その成果を示す必要がある。すでにいろいろなデータが示されているが、世の中にわかりやすく訴えるような形になっていない。非常にいい調査をやっておきながら、伝えられていない。教育統計局な部署が設けられていないことが問題。

    • 共通の理念、概念が理解されればもっと議論がすすむのではないか。CSTPでも教育となると議論がとまってしまう。国のすべての人を育てる、どう人をどういう風に育てるかは、社会を作っていくことと同じ。思想や価値観を振り返ることが大切。国際的にも自分の文化的バックグラウンドを持つということが大切。

    大学分科会(第95回)配付資料


    大学分科会委員名簿(平成23年2月21日現在

    我々の事業は何か(ドラッカー)

    企業の使命と目的を定義するとき、出発点は一つしかない。
    顧客である。顧客によって事業は定義される。
    事業は、社名や定款や設立趣意書によってではなく、顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される。
    顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。
    したがって、我々の事業は何かとの問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。


    顧客を学生、企業を大学に置き換えてみると・・・。


    2011年3月25日金曜日

    被災学生へ最大限柔軟な配慮を

    東北地方太平洋沖地震の発生に伴う、被災した学生等の修学上の配慮として、これまで、各大学の実情に応じた最大限柔軟な判断と措置が講じられているところです。

    一方で、東北地方太平洋沖地震や計画停電等の影響により、4月から授業を開始できない等の状況が生じている大学もあり、文部科学省は、本日(3月25日)付で、当該大学における当面の学事日程等に関する留意事項を各国公私立大学長あてに通知しました。

    その内容(抜粋)は以下のとおりです。

    東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度学事日程等の取扱いについて

    平成23年度当初の授業期間については、東北地方太平洋沖地震の影響等に鑑み、1単位の学修時間が45時間である単位制度の趣旨を踏まえ、補講授業、インターネット等を活用した学修、課題研究等を活用し、大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)第21条等で定める学修時間を確保するための方策を大学が講じていることを前提に、10週又は15週の期間について弾力的に取り扱って差し支えないこととすること。

    その際、大学の教育活動の実施にあたっては、修業年限に係る学校教育法(昭和22年法律第26号)第87条等の趣旨を踏まえ、長期的な見通しの下、計画的な実施に努めること。

    自主的な判断で被災大学への支援を(1)

    3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による未曾有の被害を受け、被災地にある国立大学法人では現在も復旧に向けて懸命の努力を続けておられます。

    本日(3月25日)付で、国立大学協会から各国立大学法人に対し、被災大学に対し各大学から必要な支援ができるよう、以下のような提案が行われました。

    各大学の自主的な判断により、適宜対応することが求められています。

    1 4月1日付の幹部の人事異動に伴う配慮

    被災地域(東北地方太平洋沖地震により、災害救助法の適用を受けた被害地域)にある国立大学(以下「被災大学」という。)*1においては、現在も役員、教職員が一丸となって災害状況の把握と復旧に努めているところであり、特に幹部職員については、学長の指揮の下、各担当部署の中心として学内のみならず、学外の対応も行っております。

    このような状況は、4月1日以後も続くことが予想されるため、4月1日付けで他大学等へ異動する幹部職員の赴任時期等について、各大学は、必要に応じて、関係大学と調整のうえ、弾力的な取扱いを可能とするようご配慮をお願いいたします。

    2 被災地の大学の学生・教職員への当面の支援

    <第1段階>
    被災地の大学の学生・教職員が、学生証あるいは、身分証明書の提示によって、避難先(あるいは帰省先)にある国立大学の図書館利用やインターネット使用を可能とする等、現時点での可能な支援についてご配慮をいただくようお願いいたします。

    <第2段階>
    避難が長期化した場合、他大学で修学することを可能とする措置等、学習・教育・研究活動に係る便宜供与のあり方については、国立大学協会として、引き続き、早急に検討を行うことといたします。

    3 被災した学生の入学等の弾力的取扱い

    国立大学の平成23年度入学者選抜試験に合格したものの、東北地方太平洋沖地震で被災したために、年度当初(4月)からの修学が困難と認められる学生については、以下の(1)又は(2)のような弾力的な取扱、また、全学的に(3)の措置も考えられることから、実施する、しないを含め、各大学で実情に即して検討されるよう参考のためご提案いたします。

    (1)入学時期の延期、入学金免除等

    入学時期の延期を希望する学生については、学期の区分に従って、9月等学則で定められた学期の区分の時期や、1年延長し平成24年4月の入学を認めることとする。学籍は入学後から発生するものとする。

    また、入学金を免除したり、授業料免除に該当することが予め判定できる学生については、入学前であってもそれを認定することができれば、被災して経済的に困窮した学生に対して安心感を与えることができるものと考えられる。

    (学校教育法施行規則)
    第163条 大学の学年の始期及び終期は、学長が定める。
    2 大学は、前項に規定する学年の途中においても、学期の区分に従い、学生を入学させ及び卒業させることができる。

    (2)入学直後の休学

    入学直後に休学を申請する学生については、入学と同時に休学を認めることとする。

    (学校教育法施行規則)
    第144条 学生の入学、退学、転学、留学、休学及び卒業は、教授会の議を経て、学長が定める。

    (3)授業開始日の繰り下げ

    4月中に予定されている授業開始日を、(関東地方では4月末まで計画停電が予定されていることも考慮し)、例えば5月の連休明け以降に繰り下げる。

    (学校教育法施行規則)
    第163条 大学の学年の始期及び終期は、学長が定める。

    4 その他

    (1)被災大学への職員の派遣について

    被災大学の復旧を支援するため、被災大学の要請に応じて職員を派遣することとし、国大協で被災大学の要望を取りまとめ、各大学に協力要請等を行うことといたします。

    (2)学生による被災地でのボランティア活動への配慮について

    在籍学生の中で、被災地でのボランティア活動を希望する者がいる場合、可能な限り現地の状況を学生に提供し、各大学の判断やルールに従って参加することが可能となるようご配慮をお願いいたします。


    *1:岩手大学、東北大学、宮城教育大学、福島大学、茨城大学、筑波大学、筑波技術大学、宇都宮大学

    2011年3月24日木曜日

    頑張ろう!日本。生かされている命に感謝して

    涙を誘う素晴らしい宣誓だったと思います。感動を、勇気を、元気をありがとう!


    第83回選抜高校野球大会 選手宣誓(創志学園 / 野山主将)2011年3月23日



    選手宣誓全文
    宣誓 私たちは16年前、阪神・淡路大震災の年に生まれました。今、東日本大震災で多くの尊い命が奪われています。私たちの心は悲しみでいっぱいです。
    被災地ではすべての方々が一丸となり仲間とともに頑張っておられます。人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えられると信じています。
    私たちに今できること。それはこの大会を精いっぱい、元気を出して戦うことです。

    頑張ろう!日本。生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。

    【追記】
    〈生きていくあなたへ〉命に感謝しプレー 仮設住宅育ち 玉井涼太選手(2011年4月8日 朝日新聞)

    2011年3月23日水曜日

    危機広報からみる大学の姿

    未曽有の大惨事となったこのたびの大震災。大津波も加わりもたらした被害は極めて甚大であり、2週間目に入った現在でも復興の光すら見えていない状況で、あらためて自然の脅威を思い知らされました。

    震災により、我が国の大学も大きな影響を受けました。折しも国立大学は後期日程試験を翌日に控えていたため、入試担当者の方々はもとより、多くの役職員は大変なご苦労があったことでしょう。

    学生・教職員の安否確認、入学試験への対応、入学手続への対応、入学式・卒業式への対応、被災学生等に対する入学料・授業料免除、奨学金等の経済的支援、学生のボランティア活動への対応、就職活動を行っている学生への対応、復興支援のための義援金の募金、留学生等国際関係機関への対応、そして学生のメンタルケア等々、迅速に処理しなければならないことが山ほどあります。被災地域に立地する大学であればその内容は計り知れない膨大かつ複雑なものとなります。

    さて、今回のような危機事象が発生した場合に、大学が取るべき行動の一つに、学生や保護者といったステークホルダーに対する適切な情報提供を含む説明責任があります。大学は、多くの学生の命を預かる責任から逃れることはできません。危機事象の解決に向けた自らの取り組みを適時適切に公表することにより、公共的使命を果たして行く必要があります。

    そこで、今回は、国立大学法人が、今回の危機事象に対して、どのように対応し、それをどのように学生の皆さんなど社会に対して公表しているのかを各法人のホームページを通して見てみることにしました。

    被災地に立地する大学はもとより、大半の大学が、何がしかの情報を発信していました。伝えたい内容が緊急かつ確実を必要とすることから、多くの大学が、このたびの地震への対応状況を「特設サイト」、あるいは、「関連情報を集約したページ」を設けるなどの工夫をしながら発信されていました。

    ただ、被災地に立地する大学を除くと、被災地との地理的関係(距離)のためなのか、役員を含めた教職員の危機意識の差なのか、あるいは、危機広報能力の差なのかは定かではないものの、情報の量や内容において大学によってかなりの格差があることも確認できました。

    地震への対応状況を集約・整理して発信されている大学をご紹介します。(2011年3月19日現在)

    北海道・東北地区


    関東・甲信越地区

    東海・北陸・近畿地区


    中国・四国地区


    九州・沖縄地区

    (関連記事)

    70超の大学が優先入寮や見舞金 被災に配慮(2011年3月19日 共同通信)

    東日本大震災の被災地出身の学生や入学予定者の学費減免などの措置を決めた大学が、少なくとも70校以上に上ることが18日、共同通信の調べで分かった。各大学が独自に定める経済的な支援制度の適用を決めたり、相談窓口を設けて学費などについて個別に対応を始めている。 多くの大学で入学手続き書類の提出や、学費の納入期限などを延長。早稲田大では被災した合格者が希望すれば、入学時期を9月か来年4月まで延長できる。学生寮への優先入寮(お茶の水女子大)や、災害見舞金を支給する(近畿大)ケースもある。

    文部科学省は14日、震災で授業料などの納付が困難になった学生に対し経済的な支援などをするよう、国公私立大学長などに通知している。

    被災地の新入生、焦らないで 各地の大学、特例措置次々(2011年3月21日 朝日新聞)

    東日本大震災を受け、各大学が被災地からの新入生の負担軽減策を次々と打ち出している。入学金や授業料の減免などが主体。さらに、新年度の授業開始日を1カ月ほど遅らせる大学が、被災地だけでなく首都圏でも増えている。被災学生への配慮に加え、計画停電による混乱への警戒も理由のようだ。

    早稲田大は、被災して入学が困難になった今春の合格者に対し、入学時期を今年9月か来年4月に延期してもよいとする異例の措置を決めた。

    入学を来年4月に延期する場合、納めた入学金や授業料はいったん全額返還する。大学は「震災によって大学で学ぶ機会が奪われることがないようにしたい」と話す。

    東京の私大では他にも上智大が、地震や津波による家屋の被害状況を、(1)全壊相当(2)半壊相当(3)一部損壊相当に分類。授業料、学生納付金は全額~3分の1免除とし、入学金は3区分とも全額免除とする。東京音楽大も類似の減免措置を決めた。

    法政大は、(1)なら授業料を全額免除、(2)なら半額免除、(3)なら免除なしとし、いずれも入学金は全額免除とする。

    このほか明治大も学費減免を実施する。中央大は被災者への奨学金給付を準備しており、立教大、独協大も学費減免など経済支援を検討中だ。

    被災地では新年度の授業開始日を遅らせる大学が多い。

    岩手大は、4月8日に予定していた前期の授業開始日をゴールデンウイーク明けの5月9日に遅らせた。

    震災による道路事情の混乱で引っ越し業者から予約をキャンセルされる学生が続出。4年生が転出できない→学生向けアパートの空き部屋が出にくい→新入生が転入できない、という連鎖が生じていることも一因という。

    仙台市の東北大や福島市の福島県立医科大、福島大もそれぞれ4月下旬~4月末まで授業を行わないことを決めている。

    首都圏でも、早稲田大が授業開始日を4月6日から5月6日に1カ月延期した。理由は被災地出身の新入生への配慮が一つ。もう一つは、東京電力の計画停電が4月中は続く可能性があり、停電エリアにある所沢、本庄キャンパス(ともに埼玉県)では授業に支障の出るおそれがあるからだ。4月1~4日に東京都新宿区の戸山キャンパスで予定していた入学式の中止も決めた。

    同板橋区の大東文化大も、4月6、7日の授業開始日を5月6日に延期する。

    2011年3月21日月曜日

    素晴らしい卒業証書

    ツイッターで見つけました。感動しました。


    卒業式が中止になったので、90歳の祖母が卒業証書を書いてくれた。

    めちゃくちゃ嬉しい。すげぇ大事にする。

    最初恥ずかしがって書いてくれなかったけど、一枚書いたらクオリティを追求して更に書き始めてる。

    http://twitpic.com/4b0cuy

    2011年3月19日土曜日

    大学が留意しておくべき震災関連情報

    東日本大震災に関する様々な情報が溢れかえっている状況の中、大学関係者が遺漏なき対応をしていく上で不可欠な幾つかの情報を文部科学省の特設ページ等から抜粋してみました。(いずれも2011年3月19日現在)


    文部科学省

    平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による被害情報について
    ※随時更新されていきます。

    【大学受験生・在学生等関連情報】

    東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度大学入学者選抜における対応について(依頼)(平成23年3月12日)

    標記の件について、各大学におかれては、試験の延期や試験開始時間の繰り下げなど、すでに所要の措置を検討し、実施されていることと存じますが、あらためて受験生の安全確保に十分留意して対応されますよう特段のご配慮をお願いします。

    また、今回の地震による被災や交通機関の乱れによって受験ができなかった者の進学の機会の確保を図る観点から、必要に応じて別途試験を実施するなど、これらの者に対する受験機会の確保について特段のご配慮をお願いします。

    さらに、影響を受けた受験生の立場に最大限配慮し、例えば、入学手続期間の延長、検定料・入学金・授業料等の徴収猶予や減免など、各大学の実情に応じて、採りうる措置を検討するとともに、措置を決定・公表した場合には、できる限り広く情報提供を行われるようお願いします。

    東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度大学入学者選抜における対応について(依頼)(平成23年3月14日)

    標記の件については、平成23年3月12日付け事務連絡において依頼し、各大学においては、今回の地震による被災や交通機関の乱れによって受験できなかった者の進学の機会の確保を図る観点から、必要に応じて別途試験を実施するなど、これらの者に対する受験機会の確保についてご検討いただいていると存じますが、本日からの計画停電に伴う状況も踏まえ、あらためて、受験生の受験機会の確保について、特段のご配慮をお願いします。

    また、「平成23年度大学入学者選抜実施要項(平成22年5月21日文部科学副大臣通知)」(以下、「実施要項」という。)において、国公立大学については、入学手続期日を前期日程は3月15日、後期日程は3月27日と定めていますが、現在、文部科学省において「実施要項」の取扱いについて、(社)国立大学協会及び公立大学協会とも協議を進め、特例措置を図ることも検討しており、従前の日程にかかわらず、各期日を超過しての手続きを可能とするなど、特段のご配慮など必要な措置のご検討をお願いします。

    また、「実施要項」においては、全大学共通に、試験期日を4月15日まで、合格者の決定発表を4月20日までと定めていますが、その取扱いについても、特例措置としてそれを超えることを可能とするよう検討中であり、各大学においても、柔軟にご対応いただきますようご検討をお願いします。

    なお、東北大学において、「前期入学手続については、郵便事情等を勘案して、受験生の不利にならないように配慮する」旨、決定及び公表済みでありますことを、念のため申し添えます。

    東北地方太平洋沖地震により被災した学生等への配慮等について(通知)(平成23年3月14日)

    このたびの東北地方太平洋沖地震により被災した学生等の修学の機会を確保する観点から、修学困難な学生等に対しては、独立行政法人日本学生支援機構が奨学金事業を実施しており、特に家計が急変した学生等を対象に、緊急採用(第一種)奨学金及び応急採用(第二種)奨学金の申込みを随時受け付けておりますので、支援を必要とする学生等やその保護者がそれらを活用できるよう、それらの具体的内容及び利用方法について、学生等やその保護者への周知を図るようお願いします。

    また、授業料等の納付が困難となった学生等に対しては、各大学等における経済的支援に関する制度等の活用や、納付時期の猶予等の弾力的な取扱い、相談体制の充実を図り、大学等で学ぶ意欲のある学生等が経済的理由により修学を断念することがないよう、配慮をお願いします。

    被災した学生等の単位の認定、学位及び卒業の認定等にあたっては、弾力的に対処し、進学・就職等に不利益が生じないよう、配慮をお願いします。また、今回の災害の影響による採用内定取り消し等の状況把握に努めるとともに、現在就職活動中の学生等に対しても、ハローワーク等関係機関と連携しつつ、一層の就職支援への配慮をお願いします。

    なお、被災による心的ストレスを抱える学生(留学生を含む。)等の把握に努め、状況に応じて地域の医療機関等とも連携してきめ細かく対応するなど、メンタルヘルスへの適切な対応をお願いします。

    【児童生徒関連情報】

    こころの窓口

    震災に合われた地域での不安や悩みを受け止める相談窓口について、連絡先を下記のようにお知らせします。
    http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303886.htm

    平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に関する国立大学附属学校児童生徒等の安全確保等について(通知)(平成23年3月14日)

    1 児童生徒の安全確保等について

    (1)被災地域の学校の児童生徒の安全確保に万全を期すため、校区の被災の状況等に応じ、必要な休業や登下校に際しての配慮等の適切な措置を講じること。

    (2)被災地域以外の学校においても児童生徒の安全を図るため、災害情報等を十分に把握し、児童生徒の安全確保を第一として必要な措置を講ずること。

    2 心のケアを含む健康相談活動等について

    児童生徒の心理的・身体的状況を十分に把握し、心のケアを含む健康相談活動を行うなど万全の対策を講じること。

    3 附属学校の入学手続等に関する取扱いについて

    附属学校への入学について、入学手続期間の延長など、各大学の実情に応じて、採りうる措置を検討するとともに、措置を決定した場合には、できる限り広く情報提供を行うこと。

    また、今回の地震により保護者等が災害を受け、授業料(保育料)、入学料(入園料)、寄宿舎使用料等の納付が困難な者に対しては、入学料等の免除及び減額や、納入時期の猶予等の弾力的な取扱い、相談体制の充実などの措置について検討すること。

    4 課程の修了の認定等について

    今回の地震に伴い、児童生徒が授業を十分受けることができず、進級、進学に大きな支障を生じる場合には、児童生徒の各学年の課程の修了又は卒業の認定等に当たって、弾力的に対処し、その進級、進学等に不利益が生じないよう配慮すること。

    5 補充のための授業等について

    今回の地震に伴い、児童生徒が授業を十分受けることができないことによって、学習に著しい遅れが生じるような場合には、可能な限り、補充のための授業その他必要な措置を講じるなど配慮すること。

    6 教科書の取扱いについて

    災害救助法の適用を受けた地域で、学校で給与された教科書を滅失・棄損している場合には、学校の教科書の給与を受けられるよう、各地方公共団体と連携し、適切に対応すること。

    7 就学援助等について

    被災により就学援助を必要とする児童生徒に対しては、その認定及び学用品等の支給について、通常の手続きによることが困難と認められる場合においても、可能な限り速やかに弾力的な対応がなされるよう、教育委員会と連携を図ること。

    また、被災により奨学金を必要とする高校生に対して特段の配慮がなされることに留意すること。特に卒業年次の高校生等については、日本学生支援機構の奨学金等、大学等への進学に際して利用できる経済的支援についても周知を行うこと。


    日本学生支援機構

    日本学生支援機構緊急採用奨学金、減額返還・返還期限猶予の受付について(東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震)

    1 災害救助法の適用地域〔東京都(帰宅困難者対応)を除く〕
    http://www.jasso.go.jp/kouhou/press/documents/jp_110318_b.pdf

    ※今後適用地域が追加された場合はホームページで掲載します。(災害救助法適用地域の詳細)【最終更新日:平成23年(2011年)3月18日】

    2 適用地域の準用

    災害救助法の適用を受けない近隣の地域で、同等の災害にかかった世帯の学生並びに同地域に勤務し勤務先が被災した世帯の学生で同等の災害にかかったものについても、適用地域に準じて取り扱うものとします。

    3 緊急採用奨学金の受付について

    (1)奨学金の種類:第一種奨学金(無利息)、第二種奨学金(利息付)
    (2)対象の学校種別:大学・短大・高専・専修学校(専門課程)・大学院
    (3)申込先:在学している学校

    4 減額返還・返還期限猶予の受付について

    「奨学金減額返還願」もしくは「奨学金返還期限猶予願」を日本学生支援機構に提出することで、奨学金の減額返還・返還期限猶予を受け付けます。詳細は、ホームページをご覧ください。

    5 その他

    貸与月額等については、ホームページでご覧ください。

    東北地方太平洋沖地震に関する外国人留学生相談窓口設置のお知らせ


    国立大学協会

    東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度大学入学者選抜における対応について(平成23年3月14日)

    標記の件について、各大学においては、試験の延期や試験開始時間の繰り下げなど、すでに所要の措置を実施されたことと存じますが、今回の地震により影響を受けた受験生の立場に最大限配慮し、例えば、「国立大学の入学者選抜についての平成23年度実施要領」及び「国立大学の入学者選抜についての平成23年度実施細目」において、3月15日までとなっている前期試験の入学手続期間の延長や、3月27日までとなっている後期試験の入学手続期間やこれに係る再試験の日程等について、これらの取り決めにかかわらず、各大学の実情に応じて、最大限の措置をとられるよう要請いたします。

    なお、入学手続期間の変更等に伴う、今後の日程変更については、関係機関と検討の上、おってご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。

    災害救援物資の供給について各国立大学へ依頼(平成23年3月16日)

    国立大学協会は、3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震に伴い、被災地域にある各国立大学では、自宅の損壊等により学内に避難している学生や教職員への救援物資並びに災害救援派遣団の携行食糧が危機的な状況であることから、被災した大学への災害救援物資の供給について全国の国立大学宛てに依頼しました。

    また、物資以外の支援に関する情報についても取りまとめることとしております。

    (関連記事)東北大へ物資輸送支援 香川大など(2011年3月18日 四国新聞)

    岡山大は17日、東日本大震災を受けて香川大など中四国の国立大学で集めた支援物資を、東北大に運ぶと発表した。輸送用の10トントラック1台を確保できた岡山大が、支援物資をまとめるよう各大学に呼び掛けた。

    カップ麺などの食料や飲料水、カイロや電池を積み、18日昼ごろ岡山大を出発。東北大には19日に着く予定で、救援活動をしている同大学の教職員や学生に役立ててもらう。


    国立大学図書館協会

    被災した大学に所属する教職員、学生向けの図書館サービスのご案内

    (関連記事)国立大学図書館協会が東北地方太平洋沖地震対応の臨時サイトを開設し、被災大学教職員・学生へのサービス情報提供(2011年3月18日 国立国会図書館)

    国立大学図書館協会が東北地方太平洋沖地震対応のための臨時のウェブサイトを開設し、被災した大学に所属する教職員、学生向けの図書館サービスの情報を提供しています。なお、国立大学図書館協会の正式サイトは、計画停電のためアクセスできないことがあるとのことです。


    その他ツイッターにおける提案
    • 災害時に高等教育機関がどう対応したか。僕の大学は学費減免、宿舎提供で被災地からの学生の受け入れを決めました。
    • ボランティア受け入れ体制が整ったら、全国の大学は、支援に参加する学生のために配慮する制度を整えるべきだ。たとえば、半年休学して被災地に赴いた学生には秋卒業を可能にするなど。それに連動させて卒業予定者・卒業者への採用活動も。
    • コンソーシアム等の高等教育機関が連携する組織には、とりわけ学生の受け入れ等に関して、「高等教育機関独力ではできない、連携しているからこそ果たせる役割」があるはずだと思います。

    心配しない

    心配はストレスの原因になり、場合によっては病気の原因にすらなる。自分が心配している内容を分析すると、起こる可能性のないことや自分の力ではどうしようもないことがほとんどだ。したがって、心配は何の役にも立たない。

    たとえば、もうすぐ結婚する人は、結婚式当日の天気を心配する。しかし、心配したからといって当日が晴れるわけではない。あるいは、仕事でうまくいくかどうか心配する人がいるかもしれないが、心配したからといって仕事がうまくいくわけではない。

    私たちは心配するとき、将来、起こるかもしれないことについて考えている。

    それに対し、現在のことについて考えているときは心配していない。今この瞬間、あなたは何について心配しているだろうか。現在のことについて考えるときは、別に心配する必要がないことがわかるはずだ。

    できるだけ現在のことを考える習慣を身につけよう。私たちの心はたいへん強い力を持っていて役に立つのだが、将来うまくいかないかもしれないことについて考えると、その力が悪い方向に働いてしまうのだ。


    ディスカヴァー・トゥエンティワン
    発売日:2006-06-15

    2011年3月17日木曜日

    柴田トヨさんが被災者の皆様に詩作

    処女詩集『くじけないで』が150万部のベストセラーとなっている詩人、柴田トヨさん(99)から17日、産経新聞社に、東日本大震災の被災者に向けた詩「被災者の皆様に」が届いた。トヨさんは詩集の印税から100万円を寄付したいと話している。

    1人暮らしのトヨさんが住む宇都宮市も震災当日は震度6強の地震に見舞われた。家財が散乱するなどしたが、トヨさんは入浴で看護師と一緒だったため、無事だったという。(2011年3月17日 産経新聞


    被災者の皆様に

    あぁ なんという
    ことでしょう
    テレビを見ながら
    唯(ただ) 手をあわすばかりです


    皆様の心の中は
    今も余震がきて
    傷痕(きずあと)がさらに
    深くなっていると思います
    その傷痕に
    薬を塗ってあげたい
    人間誰しもの気持ちです
    私もできることは
    ないだろうか? 考えます
    もうすぐ百歳になる私
    天国に行く日も
    近いでしょう
    その時は 日射(ひざ)しとなり
    そよ風になって
    皆様を応援します


    これから 辛い日々が
    続くでしょうが
    朝はかならず やってきます
    くじけないで!


    2011年3月16日水曜日

    すぐできる、買い占め止めよう運動!

    傍観者ではなく、「いま当事者として何ができるか」を考えているあなたに。


    この絵の拡散運動にご協力をお願いします。(出典:Twitpic)

    渡辺謙さん、吉永小百合さんからの激励メッセージ

    俳優渡辺謙さんは宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を朗読、俳優吉永小百合さんも「一日も早く、一刻も早く、被災された方たちが安全な場所に移れますよう、心より祈っております」と呼び掛けています。



    渡辺謙「雨ニモマケズ」朗読


    D

    渡辺謙からのメッセージ


    D

    吉永小百合メッセージ


    D

    このほか、香川照之さんらも賛同され、ユーチューブサイト「kizuna311」にメッセージを寄せられています。

    災害救援物資のご提供をお願いします!

    国立大学協会から全国の国立大学法人に対し、東北地方太平洋沖地震等の被災地域にある大学に向けた災害救援物資の提供が要請されています。

    関係者の皆様のご支援、ご協力をお願いします。

    国立大学協会からの要請内容は以下のとおりです。

    災害救援物資の供給について(依頼)

    平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震等により、被災地域にある各国立大学では、全学をあげて災害状況の把握と復旧に努めるとともに、地域の被災者の支援活動を行っていますが、自宅の損壊等により学内に避難している学生や教職員への救援物資並びに災害救援派遣団の携行食糧が危機的な状況に近づいている旨の緊急連絡が協会に届いております。(東北大学からの要請文書を添付。)

    つきましては、被災しなかった地域でも時間停電や物流の停滞など大変厳しい状況ではありますが、被災した地域の大学の状況を斟酌いただき、被災した大学への災害救援の供給につきましてご配慮をいただきますようよろしくお願いいたします。

    具体的に支援を希望する物品は別紙1のとおりです。ついては、各大学における提供可能な支援物資の量を別紙1に記入した上で、各支部代表大学(連絡先は別添のとおり)にご連絡いただき、各支部代表大学は支部内の情報をとりまとめて、短期間で恐縮ですが3月17日(木)午前中までに国大協事務局にお知らせいただきますようお願いいたします。

    その上で、効率的に物資を届ける観点から、各支部代表大学でとりまとめて発送をお願いしたいと考えておりますが、ガソリン等物資が不足しており、輸送手段の確保についても困難な状況になっていることから、被災大学への具体的な発送方法等については、追って国大協事務局からお知らせいたしますので、ご了解願います。

    なお、本件は第一段の依頼であり、被災した大学すべての情報が把握されていないことや今後の状況に応じて、別途お願いをする可能性もありますので、その旨も予めご了解願います。

    また、これ以外に支援できることについてある場合には、併せてご連絡願います。そして、今後、被災大学への支援に関する情報等あれば国大協事務局にご連絡いただきますようお願い申し上げます。

    東北大学から要請のあった救援物資リスト(※印は最優先必要物資)

    1 災害救護派遣団及び学内避難学生・教職員用 計700人分
    • 食糧(1日3食/14日分) 30,000食(※)
    • 飲料水(500ml)(1日3本/14日分) 30,000本(※)
    • 携帯カイロ(1日2個/14日分) 20,000個(※)
    • 簡易マスク(1日1枚/14日分) 10,000枚(※)
    • 灯油(暖房用)(※)
    • 家庭用薬品(感冒薬、絆創膏等)(※)
    2 緊急車両用
    • ガソリン(※)
    3 共 通
    • ゴミ袋
    • トイレットペーパー
    • 紙皿、割り箸等
    • 簡易トイレ(携帯用)
    • 電池(単一、単二、単三、単四)
    • ストーブ
    • 生理用品
    • カセットコンロ(ボンベ含む)
    • ブルーシート

    あなたたちは一人じゃない

    世界中の人たちが、日本人の思いやり、助け合い、譲り合いの心に感嘆し、エールを送っています。
    世界中の人たちが、日本のために祈っています。
    「あなたたちは、ひとりじゃない」と言っています。



    D

    2011年3月13日日曜日

    国立大学への期待

    去る3月2日(水曜日)に開催された国立大学協会通常総会において、文部科学省から次のような資料が配付され説明があったようです。
    説明内容の詳細は出席者である学長さんでなければわかりませんが、”国立大学(協会)に期待すること”といった意味合いがあるようです。
    いずれも、今、国立大学法人に求められている緊要な課題ばかりです。解決に向け邁進していかなければなりません。


    論点(例)

    1 ミッションの明確化
    • 国立大学としての機能の明確化
    • 社会的ニーズ等を踏まえた組織・学生定員の見直し
    • 授業料免除など経済的支援のあり方
    • 目標・計画・評価における各国立大学のミッションの明確化
    • 大学のプロファイルの可視化 等

    2 連携の促進
    • 設置形態を超えた大学間の共同・連携
    • 共同事務、共同調達など事務処理の共同化
    • 公私立大学との大学職員の交流
    • 大学を支援する法人・団体を通じた大学間連携
    • 国際的な大学間連携
    • 地方自治体、産業界等との連携
    • 大学附属病院と地域医療機関との連携
    • 国立大学間の連携・連合のあり方 等

    3 目標・評価の改善
    • 中期目標・計画の記載事項の重点化
    • 年度計画・評価のあり方
    • 法人評価と認証評価との関係
    • 中期目標期間(6年)のあり方
    • 評価の重点化と評価結果の公表のあり方 等

    4 組織基盤の強化
    • ステークホルダー(学生、同窓生など)との意思疎通
    • 学長を中心とする運営体制
    • 監事の役割・機能
    • 高い専門性を備えた大学職員の育成 等

    5 財務基盤の強化
    • 基盤的経費の安定的な確保
    • 人件費等の弾力的な執行
    • 大学の余裕金・資産の弾力的な運用
    • 大学への寄附のための環境整備
    • 附属病院の経営基盤の強化 等

    2011年3月12日土曜日

    驚愕! 無残! 東日本大震災

    2011年3月11日、午後2時46分頃、マグニチュード8.8を記録する地震が東北地方太平洋沖で発生しました。
    停電、火災、津波などの被害が拡大しています。

    TVは終日、新聞はほぼ全面、震災情報を報じ続けています。

    驚愕、無残な写真を見つけました。


    Massive earthquake hits Japan(boston.com)
    An 8.9-magnitude earthquake hit off the east coast of Japan early today. The quake -- one of the largest in recorded history -- triggered a 23-foot tsunami that battered Japan's coast, killing hundreds and sweeping away cars, homes, buildings, and boats. Editors note: we'll post more as the story develops -- Lloyd Young (47 photos total)



    残りの写真はこちらを御覧ください。
    http://www.boston.com/bigpicture/2011/03/massive_earthquake_hits_japan.html


    地震関係情報をまとめたページをご紹介しておきます。


    東北地方太平洋沖地震(Google)

    東北地方太平洋沖地震に関する災害情報をまとめたページを開設しました。
    http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html


    東北地方太平洋沖地震関連情報(文部科学省)
    • 東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度大学入学者選抜における対応について(依頼)
    • 3月12日・13日に実施が予定されていた大学入試(国公私)の対応について
    • 東北地方太平洋沖地震による被害情報
    • 東京都内宿泊施設開放状況(大学等)
    • 国立オリンピック記念青少年総合センターにおける地震による帰宅困難者の受け入れについて
    • DMAT(災害派遣医療チーム)の派遣状況
    • 文化施設、スポーツ施設の休館等情報
    • 文部科学省 MEXT Twitter(地震関連情報を随時発信中)
    http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/index.htm


    ツイッター地震情報をまとめました!(twinavi)

    「東北地方・太平洋沖地震」について、現状のツイッター関連の情報や使い方の注意点をお伝えします!
    http://twinavi.jp/news/detail/12381


    東北地方太平洋沖地震の義捐金等受付先まとめ(ライフハッカー)

    一晩明けて、震源地に近い東北の被害の甚大さが報道からも伝わっています。各所で、東北地方太平洋沖地震被災への義捐金(義援金)受付も始まってきましたので、まとめさせていただきます。
    http://www.lifehacker.jp/2011/03/post_1701.html

    2011年3月10日木曜日

    大学教育に問われていること

    「学生が、多様で流動的な社会で生きていくために必要な力とはなにか、それはどのようにしてつくられるのか、既成の答えがないとすれば、それを大学としてどのように探求していくのか」

    金子元久(国立大学財務・経営センター教授・研究部長)さんが、アルカディア学報(教育学術新聞掲載コラム、No.430)において、このような問題提起をされています。ご紹介します。 


    世紀の転換が意味したもの 産業構造の変化と大学教育 (金子元久:国立大学財務・経営センター教授・研究部長)


    早くも21世紀の最初の10年が過ぎた。この10年間で21世紀がどのような方向を示すのか見えてきたかといえば、むしろ見えないことがますます明らかになってきた、とも言える。何がはっきりしてきて、何がまだ見えてこないのか。

    高等教育の第二の拡大

    はっきりしていることは、20世紀から21世紀にかけては日本の高等教育にとって、戦後第二の拡大、大衆化の時代であったということである。このように言うと、あまり実感がわかないかもしれない。しかし就学率のみをみれば、4年制大学で1990年の25%から2010年には51%に、高等教育全体では51%から73%に上昇している。いわば爆発的な大衆化が起こっていたのである。

    こうした点からみれば、ここ20年間の高等教育の拡大は、かつて1960年代から1970年代中頃にかけて起こった高等教育大衆化にほとんど匹敵する規模のものであった。いわば戦後第二の拡大期であったとえいる。

    しかし高度成長を背景とした第一の拡大に比べて、この第二の拡大は大きく異なる背景をもっている。1990年代初頭のバブル崩壊以後は家計の所得もほとんど横ばいが続き、進学意欲を増進させる状態ではなかった。では何が進学意欲を押し上げたかといえば、それは高卒者の就職状況の趨勢的な悪化であった。高卒者への求人数は1980年代はほぼ80万人程度の水準であったが、1990年代以降は急落し、2000年代には入ってからは20万人程度となっている。1980年代と比べても4分の1となっていることになる。高校を卒業しても、かつての中核的なキャリアがなくなっているのである。

    こうした変化を起こした一つの要因は、経済のグローバル化によって、製造業部門が中国、インドを始めとする途上国に移転し、そうした産業における熟練労働者のキャリアが急速に減少したことがある。同時に、IT化によって、単純な事務処理労働の需要も減少したことも重要である。こうした要因が輻輳して、安定的な高卒労働力のキャリアを奪ったのである。高卒者は大学に進学せざるを得なくなったのである

    量的拡大から質的転換へ

    しかし経済成長率が長期的に低迷する中での大卒者の拡大は、当然にも大学生の就職問題を引き起こす。昨年から今年にかけて大学生の就職問題がメディアに大きく取り上げられるようになったが、実は大卒者の就職問題は世紀の転換を挟んで生じてきた構造的な問題である。学校基本調査による大卒者の無業率(卒業者のうち、就職あるいは大学院進学をしていない者の比率)は1990年代中ころから3割弱に達し、その後2000年代中頃に一時縮小したものの、再び3割程度に達している。この数は単純に失業率を示すものではない。しかし大卒者の就職状況がかつてなく厳しい状態となっていることは明らかである。

    他方で、大学進学率の上昇はこれまで家計の制約によって進学ができなかった家庭の学生が進学し始めたことを意味する。日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金を受給する大学生の比率は、1990年代中頃までは12%前後であったのが、急速に増大し、2005年には25%、2009年には35%に拡大した。ここ20年間の就学率の拡大の一部は、借金によって支えられてきたといっても間違いはない

    こうした中で、大学教育に対する様々な批判が強くなるのは当然といえよう。マクロの次元では、大学入学者が過剰だとする声が、必ずしも表だっては表れないものの、かなり力を持っている。また親の立場からみれば、大学を卒業しても就職できないのは結局、大学の責任だとする意見もあるマスメディアはこうした状況を、大学がいつまでもぬるま湯につかっているからだ、というストーリーを繰り返している

    こうした批判の当否は別として、以上に述べた状況からも、高等教育の焦点が、これまでの量的拡大から、質的な転換へと移らざるを得ないことは間違いない、と私は考える。それは必ずしも政策の転換を意味するものではない。むしろ質が焦点となるということは、高等教育の将来が、制度政策ではなくて、個別大学の変革にかかってくることを意味する。具体的には大学教育の質は、三つの次元で問われる。

    第一は大学教育の実質化、すなわちどのようにして学生にインパクトのある教育をするか、という点である。第二は、大学教育の適切性(レリバンス)、すなわち大学教育がどのような意味で卒業後の職業・社会生活に意味を持つのか、という点である。そして第三は、いかに大学が組織として体系的に大学教育の成果をモニターし、それを基礎に大学教育を効率化し、さらにその過程を社会に公示、説明するか、という点である。

    見えないものに向かって

    こうした課題に向けて、本格的な試みを各大学がはじめているかといえば、それは疑わしい。それは必ずしも大学のトップや教職員が現状に安住しているからではない。むしろ問題は、日本の社会全体がどのような方向に向かっているのかが見えないことに根差している。どのような産業が成長し、どのような技能が必要とされるかが見えなければ、将来の大学教育のイメージも明確にならないではないか。

    振り返ってみると、日本の大卒就業者を吸収していたのは、輸出拡大を背景とする製造業を中核とした経済活動の拡大、それを支える企業組織の拡大であった。大学は、そうした企業組織での人材育成に適合する資質をもつ卒業生を送り出せばよかった。しかしそうした構造は大きく変化しつつある。1990年に10万人の大卒者を雇用していた製造業の2010年の大卒採用数は4万人にすぎなかった。

    他方で拡大しているのは多様な「サービス業」で、新卒雇用はほぼ12万人と、産業部門として最大となり、それに「商業」が次いでいる。一定のモノの生産、流通に組織的に関わる、というだけでなく、直接に人間を対象として、多様なサービスを提供することに需要が生じているのである。組織の規模も小さいものが多く、必要とされる知識技能はきわめて多様であるだけでなく、変化も激しい。

    現代の若者が将来について明確なイメージを持ち得ず、学習意欲も低いというのは、実はこうした流動的で見通しのきかない現実を反映しているともいえる。こうした学生が、上述のように多様で流動的な社会で生きていくために必要な力とはなにか。それはどのようにしてつくられるのか。既成の答えがないとすれば、それを大学としてどのように探究していくのか。こうした問題が問われているのである。

    回答は決して容易ではないし単純でもない。しかし日本全体が容易ではない課題に直面しているのである。知の拠点を自任する大学がいま、創意を尽くして立ち向かうことが、大学自身にとっても、日本の社会全体にとっても、21世紀に決定的な意味をもつ

    2011年3月9日水曜日

    建設的な行動を起こす

    成功者はみな、自分の人生に責任を持っている。責任を持つというのは、他人や環境のせいにしないという意味だ。そういう条件が存在する原因はあなたにあり、その条件を変えるために必要な変化を起こすことができるのはあなただけである。

    失敗者は自分の失敗を家族や景気、上司などのせいにする。彼らは不平を言い、自分が被害者だと思い込み、無力感にさいなまれて積極的に行動を起こさない。これでは人生が好転するはずはない。

    それに対し成功者は自分で運命を切り開く。景気が悪くても景気のせいにはせず、「どうすればこの状況を改善することができるだろうか」と自問する。そして解決策を見つけて積極的に行動を起こす。

    愚痴をこぼしたり言い訳をしたりするのをやめよう。そうすれば、自分の人生に責任を持つことができる。気に入らないことがあれば、その状況を打開する建設的な方法を考えるべきだ。成功をおさめるためには、心の持ち方を変えて、望ましい方向に向って進んでいけるような行動を起こすことが不可欠である。


    ディスカヴァー・トゥエンティワン
    発売日:2006-06-15

    2011年3月8日火曜日

    国民の理解を深めるための活動

    国立大学法人の現状等について、学生の皆様にご理解いただくための”広報チラシ”をご紹介します。

    このチラシは、各国立大学法人が、次のような内容が記載されたオリジナルペーパーを作成して広報する際に、活用できるように国立大学協会が作成したものです。
    • 学長談話
    • 学生支援に係る取り組み(学費減免制度、奨学金制度ほか)
    • 大学憲章
    • 本学の特色、強み等
    • 本学の財政状況
    • そのほか「日本の発展のために高等教育の基盤を支える国立大学へのより一層の支援が必要である」ことなど学生に伝えたい以下のような内容

      • 日本の高等教育への公財政支出は、OECD(経済協力開発機構)加盟国中最下位です。(OECD各国平均の半分以下/対GDP比)
      • 高等教育の漸進的無償化を定めた国際人権A規約第13条を留保しているのは、締結国160か国中、日本とマダガスカルのみです。
      • 資源のない日本にとって、将来の人材を育てる高等教育は、国力の源泉です。
      • 日本の国際競争力強化のためには、知の創造拠点である大学の研究力の強化が必要です。
      • 国立大学は、1)高度な学術研究の推進、2)理工系人材や教員養成の中核、3)地域の教育文化、活性化の拠点、4)高等教育の機会均等の確保など多様な役割を果たしています。

    種明かしをしてしまいました・・・。国立大学法人の皆さん、国立大学法人の機能強化を支援することの意義と価値についての国民の皆様の理解を深めるための活動を積極的に推進していきましょう!




    (注)運営費交付金額については平成23年度予算額が記載されてありますので、予算成立までは予定額です。

    2011年3月7日月曜日

    監事監査報告書からみる大学の姿

    国立大学法人のうち、監事が行う監査に関する規程や、会計(財務諸表・決算等)監査に関する報告書をホームページで公表している大学は結構ありますが、「業務監査」に関する報告書を公表している大学は意外と見当たりません。

    大学が自ら公表する情報は、どちらかというと教育研究や業務運営活動を積極的に社会にアピールする側面が強く、外部評価や監事監査の結果における改善に向けた指摘などは、なかなか公表しづらいようです。

    国立大学法人は、国民からいただいた税金を原資とする運営費交付金によってまかなわれています。各国立大学法人に今どのような改善努力が求められているのかを社会に公表し、実行していくことこそ、社会的責任や公共的使命を果たしていくことではないかと思います。


    監事監査(業務監査)報告書を公表している大学

    (追記)
    「○○大学でも監事監査報告書を公表しているよ」といったコメントを頂戴しておりますが、ここでは、「会計監査」に関する報告書は除かせていただいておりますので、どうぞご容認いただきますようお願いいたします。(2011.3.8)


    それではここで、国立大学法人における「監事」「監査制度」について簡単にご紹介します。


    監事とは


    1 監事の位置付け

    監事は、国立大学法人の役員であり、法人の規模にかかわらず2名置くこととされています。
    監事は、国立大学法人の業務が適正に行われているか監査することがその業務であり、複数名置くことにより、より広範な観点から適切な監査業務が行われることを期しているためです。
    同様の趣旨から、2名の内1名は学外者を任命することとされています。


    2 監事の職務及び権限

    監事は、国立大学法人の業務を監査し、監査の結果に基づき必要があると認めるときは、学長又は文部科学大臣に意見を提出することができることとされています。その具体的な監査事項としては、
    1. 関係法令、業務方法書、規則等の整備状況及び実施状況
    2. 中期計画及び年度計画の実施状況
    3. 予算の執行及び資金運用の状況並びに決算の状況
    4. 物品及び不動産の管理状況
    5. 人件費の状況
    等が想定されています。

    また、毎事業年度、文部科学大臣に提出することとされている財務諸表と決算報告書に関して意見を付すことも監事の業務とされています。

    なお、監事は、他の役員とは異なり、その職務の性格上、大学の運営に職務として直接携わることはできないことに留意する必要があります。


    3 監事の任命

    監事は、文部科学大臣が任命します。
    なお、学外監事については、各国立大学法人の業務執行、会計執行の適正性などについて、より専門的、中立的な見地から監査することが求められており、
    1. 大学業務に精通する者として、公私立大学、他の国立大学経営経験者や研究機関経験者
    2. 会計業務に精通するものとして、公認会計士、税理士や金融機関経験者
    3. 組織業務に精通する者として、企業経験者、弁護士、自治体経験者
    等を任命しているケースが多く見られます。


    4 監事の任期

    監事については、その職務に一定の独立性が必要となることから、任期は2年(年度単位)とされているとともに、学長の任期に連動させるようにはなっていません。


    (参考)国立大学法人・大学共同利用機関法人監事(文部科学省ホームページ)(平成23年1月1日現在)


    国立大学法人等の監査制度とは


    国の機関では、「会計検査院による会計検査」と「総務省による行政評価・監視」(従来の行政監察)が実施されています。

    会計検査院は、憲法第90条の規定により国の収入支出の決算を検査するほか、会計検査院法その他の法律に定める会計を検査しています。

    総務省は、行政運営の改善・適正化を図るために、主に合規制、適正性、効率性等の観点から、行政機関の業務の実施状況の評価・監視を実施しています。

    会計検査院の会計検査については、会計検査院の必要的検査対象に「国が資本金の2分の1以上を出資している公庫、公団、事業団、独立行政法人等の会計及び日本放送協会の会計」(以下「政府出資法人」といいます。)が含まれていることから、国立大学法人も会計検査を受けることになります。

    総務省による行政評価・監視については、国立大学法人では別途、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会による評価を受けることから、これに代えられることになります。

    さらに、法人化後は、会計検査院による会計検査に加えて、「会計監査人による会計監査」と「監事による監査」を受けることになりました。


    1 外部監査と内部監査

    監査を実施する主体によって分類すると、「外部監査」と「内部監査」に分けられます。

    「外部監査」とは、国立大学法人から独立した外部者によって行われる監査であり、「内部監査」とは国立大学法人の内部の者によって行われる監査です。

    国立大学法人には公的資金が投入されており、また法人の運営に対して事後評価が行われることから、国立大学法人から独立した外部者によって監査が行われる必要があり、前者については会計検査院の検査、後者については会計監査人の監査が実施されることになります。

    監事の監査と(内部監査部門や監査担当職員による)内部監査については、国立大学法人の内部の者によって行われる内部監査であるという点では共通していますが、監事は文部科学大臣が任命するのに対し、内部監査は学長が必要と認めて設置した内部監査部門・監査担当職員によって実施されることから、監査の位置付けが異なります。
    監事は、国立大学法人等の業務が能率的かつ効果的に行われるために学長及び役員が適切に意思決定しているかについて監査します。

    監事は、監査の結果に基づき必要であると認めるときは、学長又は文部科学大臣に意見を提出できます。

    職員が適切に職務執行しているかについては内部監査部門等が監査します。

    一方、監事は、学長が内部監査部門を設置しているかどうかや内部監査部門が適切に監査しているかどうかについて監査します。


    2 会計監査と業務監査

    監査を実施する対象によって分類すると「会計監査」と「業務監査」に分けられます。
    「会計監査」とは、会計の業務に関する監査であり、「業務監査」とは会計以外の業務に関する監査です。
    会計は行った取引について仕訳し記帳することをいいますが、取引は業務を執行することによって行われることから実際には明確に区分することは困難です。

    「会計検査院の検査と会計監査人の監査は会計監査」、「監事の監査と内部監査は会計監査と業務監査」の両方に分類されます。
    ただし、会計検査院の検査は正確性だけではなく、合規性や経済性、効率性、有効性の観点から監査を行っていることから実際には業務監査も行っているということができます。

    会計監査人の監査は、財務諸表等の適正性を保証するための監査であることから会計監査に分類されますが、財務諸表等に重要な影響を与える法令に準拠しているか否かについても監査します。

    監事等も会計監査を実施しますが、実務的には監事は会計監査人が行った結果の妥当性について判断することで会計監査を行います。
    また、監事・内部監査部門が行う業務監査は、学務や人事労務、環境衛生等の会計以外の多岐にわたります。


    3 監事による監査

    監事は、財務内容等の会計監査を含む業務の能率的かつ効果的な運営を確保するために監査を行います。
    具体的にどのように監査を実施するかについては定められたものがないために、監事監査規程などの個別の国立大学法人の内部規程で定めることになっています。

    会計監査については会計監査人も実施することになりますが、国立大学法人が財務諸表等について会計監査人の監査を受けたからといって監事の監査が省略されるのではなく、監事はその職務と権限に基づき財務諸表等の監査を行います。
    ただし、監事は、財務諸表等の監査においては、会計監査人の行った監査の方法とその結果の妥当性を自らの責任で判断した上で、会計監査人の監査の結果を利用し自らの意見を述べることができます。
    このため、会計監査人は監事に対して実施した監査の方法や結果について監事に説明することになります。


    4 検査・監査結果の報告

    会計検査院は検査報告を国会に提出します。
    つぎに、会計監査人と監事は財務諸表等に対する意見を監査報告書としてとりまとめて学長に提出します。
    最後に、内部監査では監査した結果を監査報告書として学長に提出します。

    会計検査院と会計監査人はそれぞれ会計監査を実施し、検査・監査の結果を報告することでは共通していますが、会計検査院は会計経理に関して不適切な事態が明らかになった場合にはその発生原因そのものや行政運営等に対して改善の処置を要求することができることから、国立大学法人は何らかの対応をとらなければなりません。

    会計監査人は不適正な会計処理等を発見した場合に国立大学法人に修正するように指導しますが、修正を強制することはできません。

    このような場合に会計監査人は、その重要度に応じて国立大学法人が作成した財務諸表等は適正でない旨の意見を表明します。

    しかし、いたずらに会計監査人が財務諸表等に対して適正ではない旨の意見を表明することは、適正な財務諸表等によって適切に事後評価するという制度の根幹を揺るがすことになりかねないので、会計監査人は学長や監事、内部監査部門等と国立大学法人の会計に関する問題点や課題について適時に協議することが必要となります。

    2011年3月6日日曜日

    企業の目的は顧客の創造(ドラッカー)

    企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。
    企業の目的は、それぞれの企業の外にある。
    企業は社会の機関であり、目的は社会にある。
    したがって、企業の目的として有効な定義は一つしかない。
    顧客の創造である。


    2011年3月4日金曜日

    あるがままの自分を大切にする

    皮肉なことに、人気者になろうとすると、かえって多くの友だちを持つことができず、友だちができても満足できない。その理由は次のとおりである。

    • 自分らしくあることによって人間関係を築くことが大切だ。最高の人間関係とは、あるがままのあなたを受け入れてくれる人に出会って築き上げるべきものである。あなたは独自の性格を持ち、人々はそれにひきつけられる。すべての人に好かれるとはかぎらないが、それでいい。自分らしくあることは大きな魅力なのだ。自分らしさを前面に出している人はたいへん少ない。ほとんどの人は仮面をかぶり、人々に受け入れられるために本当の自分ではない人物になりすましている。あなた自身、そういう人といっしょにいると居心地が悪く感じるはずだ。

    • 人気者になることは自負心を満たしてくれるが、永続的な幸せをもたらしてくれるわけではない。なぜ自分が人気者になりたいかを考えてみよう。簡単に言えば、人によく思われたいからだ。しかし、他の人に評価してもらったからといって幸せになれるわけではない。自分で自分を認めることができてはじめて幸せになることができるのだ。幸せとは外的な働きかけによるものではなく、自分の心の持ち方によるものである。自分が心の中から幸せを感じれば、人々はそれを感じとり、自然とあなたのまわりに集まってくる。

    自分らしくあることは大切だが、常に改善の余地があることを覚えておこう。短所はできるだけ直すようにすべきだ。しかし、あるがままの自分を偽って行動し、他の人を喜ばせようとしても人間関係は長続きしない。


    ディスカヴァー・トゥエンティワン
    発売日:2006-06-15

    2011年3月1日火曜日

    危機管理体制からみる大学の姿

    現在、社会を賑わせている入試問題の漏えいをはじめ、大学は様々なリスクを抱え、リスクによる損失を可能な限り抑制しながら、使命・役割の達成を目指して活動しています。

    国立大学法人評価委員会による法人評価の結果によれば、危機管理については、全ての大学で災害、事件・事故等に対する危機管理規程や危機管理マニュアル等が作成されるとともに、対応部署の明確化や予防訓練の実施など、全学的な危機管理体制の整備が進んでいるようです。

    しかしながら、平常時から、想定される被害の大きさや発生頻度を調査分析し、得られたシミュレーションに基づき予防対策を講じるといったリスクマネジメント手法に基づく危機管理を行っている大学はそう多くはなく、さらに一歩進んだ具体的な取り組みが求められています。

    全国の国立大学法人のホームページをのぞいてみましたが、大学によって危機管理規程や危機管理マニュアルを公開している大学とそうでない大学があります。おそらく個人情報など公表できない情報が含まれているためと思われますが、学生、教職員のみならず、NZの大地震のように危機事象発生時の社会との連携が極めて重要であることを考慮し、公表の仕方に工夫し積極的に公表されてはいかがでしょうか。

    危機管理マニュアル等の掲載状況(2011年3月1日現在)をご紹介します。なお、私の調査能力が不十分なため誤って記載している場合があります。関係者の皆様におかれてはご容赦ください。コメント欄にてご指摘をいただければ随時訂正してまいります。


    北海道・東北地区

    北海道大学
    危機管理規程

    北海道教育大学
    危機管理要項
    危機管理マニュアル

    小樽商科大学
    危機管理規程
    危機管理ガイドライン

    帯広畜産大学
    危機管理規程

    弘前大学
    危機管理基本マニュアル

    山形大学
    危機管理規程


    関東・甲信越地区

    東京大学
    危機管理基本規則

    東京医科歯科大学
    危機管理規則

    東京外国語大学
    危機管理に関する規程
    危機管理ガイドライン
    事件対策マニュアル(不審者侵入)

    東京農工大学
    感染症・食中毒発生対策マニュアル

    東京工業大学
    国際室事業に係る派遣留学・研修等の危機管理対応マニュアル
    東工大生のための安全な海外渡航の手引き

    お茶の水女子大学
    危機管理マニュアル

    一橋大学
    危機管理規則
    海外危機管理マニュアル

    新潟大学
    危機管理計画

    上越教育大学
    危機管理マニュアル

    山梨大学
    学生向け危機管理マニュアル


    東海・北陸・近畿地区

    金沢大学
    リスクマネジメント指針

    静岡大学
    国際交流等に伴う危機管理対応マニュアル

    名古屋大学
    自然災害対策規程
    結核対応マニュアル

    愛知教育大学
    危機管理対応マニュアル・国際交流(外国人留学生受入れ・学生の海外留学)編

    豊橋技術科学大学
    危機管理に関する規程

    大阪大学
    国際交流等に伴う危機管理対応マニュアル

    神戸大学
    危機管理規則
    危機管理委員会規程
    危機管理基本マニュアル
    事象別危機管理マニュアル
    学生対応危機管理マニュアル
    新型インフルエンザ対応マニュアル
    被害状況報告書 (様式)


    中国・四国地区

    鳥取大学
    国際交流危機管理マニュアル

    岡山大学
    新型インフルエンザ対策行動計画

    香川大学
    危機管理規則
    防災管理規程
    危機管理基本マニュアル
    危機管理基本マニュアル(抜粋)
    地震・風水害(台風)・不審者・ 火災の対応マニュアル
    新型インフルエンザ対策行動マニュアル
    渇水対策マニュアル


    九州・沖縄地区

    佐賀大学
    危機管理対策規則

    長崎大学
    危機管理体制に関する要項
    国際交流(学生の海外派遣・留学生受入れ)に伴う危機管理対応マニュアル

    熊本大学
    危機管理規則

    宮崎大学
    危機管理規則

    鹿児島大学
    危機管理マニュアル