大学に対する社会の信頼
近時、「公的機関」である大学の根幹を揺るがしかねない様々な不祥事が多発しています。 社会の信頼を失いつつある大学に対する警鐘とも受取れる文章が、2月27日、文部科学省のホームページにアップされました。 その真意は定かではありませんが、大学はこの警鐘を真摯に受け止め、緊張感を持った経営改革に取り組んでいかなければならないと思います。 近年の審査を振り返って (大学設置・学校法人審議会学校法人分科会長コメント) 私立大学審議会を前身とする本分科会は、法令の定めにより私立大学関係者を中心に構成され、経営面を中心に設置審査に当たっている。 言い換えれば、本分科会は、私立大学関係者の「自主性」「自律性」に厚い信頼を置く私立大学制度の一部を成すものであり、申請者の「自律性」を期待し、「自主性」を尊重することを審査の基本方針としている。 一方、我が国の私立大学は、過去十数年の間、著しい環境の変化に晒されてきた。 18歳人口が4割減少し、地方を中心に定員割れに苦しむ大学も少なくない。 バブル経済の崩壊は、出口(就職)を意識した教育内容の不断の見直しを不可避とした。 さらに、大学設置基準の大綱化以降の規制緩和の流れは、私立大学の多様化に大きく道を開いた。 かかる環境変化に直面し、各大学が、経営の安定性に意を払いつつ、建学の精神の下、様々な工夫を凝らし改革を進めていることは、高く評価したい。 しかし、他方で、私立大学制度の前提である「自主性」「自律性」を損ないかねない事態が審査の過程等で明らかになりつつあることを指摘しなければならない。 第一に、継続的な運営のための「安定性」の問題である。 私立大学は、在学生のみならず、卒業生に対しても母校として存続、発展する責務がある。 「安定性」は学校経営の最も基本的な命題であり、学校法人制度もそうした前提で設計されている。 にもかかわらず、近年、新設早々に学生確保に苦しむ経営見通しの甘い大学の例や、校舎の全部借用の結果、借料が経営を大きく圧迫する株式会社立大学の例が多く見られるようになった。 第二に、社会からの「信頼性」の問題である。 教育基本法で規定される通り、学校とは「公の性質」を有するものであり、その設置者たる学校法人には高い「公共性」が求められる。 しかし、昨今、認可申請書の...