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ガラスの囲いを取り払う

ブログ「 今日の言葉 」から 「 4つのD 」(2014年4月21日) をご紹介します。 4つのDを止めると 人生は上手くいく。 その4つのDとは次のもの。 「でも」 「だって」 「どうせ」 「だけど」 ノミのサーカスというお話があります。 ノミはその高いジャンプ力が特徴の一つですが、 サーカスで使うために、そのノミの周りにガラスの囲いをして ジャンプしたときに天井に当たるようにする。 ノミは最初の内は天井に当たってもジャンプし続けますが、 数日続けているとだんだんその天井にぶつからないように ジャンプ力を調整するようになる。 そこで今度はガラスの囲いを取ってみると、 もう今までのようには高く飛ばなくなってしまう。 せっかくのジャンプ力があっても。 これと同じ様な事が人間にも起こりうるのです。 「でも。だって。どうせ。だから」と言い訳したり、 周りに対してそう言った言葉でやる気を削いで行く行動を取っていると、 本当は能力がありながら、力を発揮出来なくなってしまう。 自分自身にとってのガラスの囲いは何でしょうか? また自分自身が誰かのガラスの囲いになってしまっていないでしょうか? 厳しいことがあっても、「これは何のチャンスだろう」と捉えてみる。 「でも、と言ってしまったけど、今回はやってみる!」と言ってみることですね。

今生きている幸せに感謝

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ブログ「 人の心に灯をともす 」から 「 淡々と生きること 」(2014年4月26日) を抜粋してご紹介します。 「夢や希望を持って、それを語りなさい。それに向かって行きなさい、という表現もあふれています。 夢や希望というのは耳にはいい響きですが、よく考えてみると、結局は『足りないこと』を言っているにすぎないのです。 『あれが足りない。これが足りない。あれを寄こせ。これを寄こせ』と言うことを夢や希望であると吹聴しています。 これは突きつめていくと、エゴなのです。 私たちは九千九百九十の喜びを宇宙からいただいているのに、足りない十個を挙げて、それを『寄こせ、寄こせ』と言っているのです。 『その十個を手に入れたら幸せだ。手に入らなかったら不幸だ』と」 我々は、今ある幸せに感謝しないで、「足りない、足りない」、「もっと欲しい」と言っている。 何か特別な面白いイベントがなければつまらない、不幸だ、と。 しかし、淡々と過ぎていく平和で単調な毎日こそ、幸せだということに気づかない。 世界のどこか、戦争や紛争が起こっている地域、飢餓にあえいでいる国々、独裁的で自由のない国家、に行ってみれば、それはすぐわかる。 「淡々と生きること」 この日本に生まれた幸せ、そして、今生きている幸せに感謝したい。 淡々と生きる 著者 : 小林正観 風雲舎 発売日 : 2012-01-26 ブクログでレビューを見る»

心の復興

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「 風の電話 」(岩手・大槌町から)(2014年4月25日J-CASTニュース) をご紹介します。 大槌町吉里吉里地区に「風の電話」と呼ばれる電話ボックスがあります。震災の犠牲者と遺族が対話する空間です。「心の復興のきっかけになってほしい」。ガーデンデザイナーの佐々木格(いたる)さん(69)が自宅の庭の一角に造りました。この実話をモデルに、 絵本「かぜのでんわ」(いもとようこ著、金の星社) が出版され、2014年4月20日から現地で原画展が始まりました。 船越湾を見下ろす高台にある白い電話ボックス =2014年4月20日、大槌町吉里吉里 「風の電話」ボックスには、線のつながっていないダイヤル式の黒電話があります。だれでも自由に出入りして話すことができ、電話の横には佐々木さんのこんなメッセ―ジが添えられています。 「風の電話は心で話します 静かに目を閉じ 耳を澄ましてください 風の音が又は浪の音が 或いは小鳥のさえずりが聞こえたなら あなたの想いを伝えて下さい 想いはきっとその人に届くでしょう」 電話の脇のノートには亡くなった人への思いがつづられています =2014年4月20日、大槌町吉里吉里 電話ボックスは以前に譲り受け、保管していました。がんで亡くなった親しい人の一周忌に、「思いを伝える電話があれば」と、この電話ボックスを利用することを思いつきました。2010(平成22)年11月のことです。そして工事に入った時に震災が起きました。大槌町内の犠牲者は1200人、行方不明者は400人を超えました。「突然の死で、区切りをつけられない人がたくさんいる。苦しみ、悲しみを抱えた遺族と、亡くなった人をつなぎたい」。電話ボックスは震災から1か月後の2011年4月に完成しました。 多くの人が訪れて、この電話で亡くなった人と心を通わせています。電話の横にあるノートには、次のような文章がつづられています。「平成23年5月13日。あの日から2か月たったけど、母さんどこにいるの。親孝行できずにごめんね。会いたいよ。絶対、見つけてお家に連れて来るからね」「親父さん。貴方の白髪がとにかく懐かしいです。私はこれからの生活に全力を出して貴方の娘を守っていきます」 電話ボックスの中で大声で泣く人。一人静かにひっそりと帰る人。2回、3回とやってきて...

研究不正問題とイノベーションの推進

理化学研究所における研究不正問題も、新たな疑惑が重なって、益々混迷の一途といったところですが、去る4月14日(月)に開催された 総合科学技術会議 においても、本事案についての議論が行われています。 会議後に行われた 山本内閣府特命担当大臣の記者会見要旨 を抜粋してご紹介します。 本日、17時35分から第119回総合科学技術会議の本会議を開催致しました。 研究不正の関係については下村文部科学大臣の方から、STAP細胞論文の経緯について、理化学研究所は3月31日に研究論文の疑義に関する調査委員会が報告書をとりまとめて、4月1日に記者会見を行ったと。STAP論文の問題に対して一定の結論は出したという御報告がありました。 理研(理化学研究所)では、本件を踏まえて研究不正防止等の着実な実施を図るために、4月4日に、もう皆さんよく御存じですが、野依理事長を本部長とする研究不正再発防止改革推進本部を設置したと。さらに外部有識者6名の改革委員会のお話もありました。4月10日に立ち上がったと。研究不正や過失の防止に係る規定、運用の改善、若手研究者が最大限に能力を発揮できる体制の整備などの論点を含め、研究不正を防止するための研究所の体制とか規定、運用等の課題、改善策について議論を開始しましたということで、文部科学省としては今後の若手研究者の活躍にも配慮しつつ、理研において可能な限り早期かつ厳正に、再発防止のための必要な対策がとられるよう引き続き求めていきたいという話がありました。 さらに文部科学大臣の方から、総合科学技術会議の有識者議員の意見書について、研究不正の疑いのある事案が頻発している現状は看過しがたい、憂うべき事態だと。現在、研究活動の不正行為への対応ガイドラインの見直しに係る検討をやっていますと。ガイドラインの見直しに当たっては、対応が個々の研究者の自己責任のみに委ねられている面が強かったことから、今後は、大学等の研究機関が責任を持ってこの問題に取り組むように求めたいと。特に、研究倫理教育の強化、不正行為を事前に防止する取組を推進していきたいという話がありました。 今般のSTAP細胞の事案から見出される課題等を踏まえるとともに、総合科学技術会議の有識者の皆様からのご意見も真摯に受けとめて、今後の検討に生かしていきたいというお話がありました。 最後...

仕事の哲学

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先の日米首脳会談の折、安倍総理がオバマアメリカ大統領を歓待した東京・銀座の「 すきやばし次郎 」の店主である 小野二郎 さんについて書かれた記事 「 日本初のミシュラン三ツ星を得た寿司職人、小野二郎さんの「仕事の哲学 」(2012年11月12日ライフハッカー・日本版) をご紹介します。 銀座「すきやばし次郎」の店主であり、日本で初めて寿司職人としてミシュランの三ツ星を獲得した小野二郎さんは、日本人ならご存知の方も多いと思います。そんな小野二郎さんの生き様と、二人の息子さんとの絆を描いたドキュメンタリー映画『 Jiro Dreams of Sushi 』が、今年アメリカで公開されました。その映画を観たMaximiliano El Nerdo Nérdez氏は、二郎さんの生き様や言葉に感銘を受け、記事を書いています。今回は、仕事とは何か、人生とは何かを、二郎さんから学んでいきましょう。 私は『Jiro Dreams of Sushi』をこの数カ月で何度も観ました。この映画に取り憑かれ、 小野二郎さんから仕事や人生に対する哲学 を学んでいます。私がこの映画を通して、二郎さんから学んだことをご紹介していきましょう。 このデヴィッド・ゲルブ監督によるドキュメンタリー映画は、小野二郎という一人の人間の仕事と人生を写しています。二郎さんは、ミシュランの三ツ星を獲得した寿司職人で、85歳の今も現役で、毎日東京の地下にある小さなお寿司屋さんで寿司を握り続けています。二郎さんと共に働く職人、二郎さんの身の回りの人、それから彼をよく知る料理研究家は、 「彼こそが現役の中で世界最高の寿司職人だろう」 と評しています。 ■仕事に惚れなきゃだめなんだよ 「一度自分で仕事を決めたら、どっぷりとその仕事に浸からなきゃいけない」と二郎さんは言います。「仕事に惚れなきゃだめなんだよ。仕事の不平不満なんて言ってる暇はない。技を磨くことに人生を賭けなきゃ。仕事で成功したり、立派だと言われるようになる秘訣は、こういうことなんじゃないかな」 二郎さんは自分の仕事に心から幸せを感じています。 職人として心底仕事を楽しんでおり 、そのおかげで、彼はこの年までいきいきと仕事をし続けられているのでしょう。 間違っても彼は「好きな仕事を探しなさい」とは言っていません。自分の天...

「ありがとう」は魔法の言葉

ブログ「 今日の言葉 」から 「 感謝 」(2014年3月28日) をご紹介します。 心では感謝しているのに、それを態度で示そうとしないのは、 プレゼントを包んだのに渡さないのと同じことだ。 ジグ・ジグラー こちらが感謝している気持ちは伝わっているだろうとか、言わなくてもわかってくれるだろうとか、 このくらいのことならわざわざ言わなくてもいいだろうというのは非常に勿体ない。 「ありがとう」は魔法の言葉とよく言われますが、言った本人が思うよりも何倍もの嬉しさが相手に伝わるもの。 自分が言われた時の気持ちになってみると良い。 「そんなところも見てくれていたんだ!」とか「こういうことでも喜んでもらえるんだ!」という気持ちになることでしょう。 そして言った本人の脳にも良い影響がある。 何よりも自分の言葉を誰よりも聞いているのは自分自身だから。 だから愚痴や悪口などもそのまま自分の脳に悪影響を与える。 「感謝」の「謝」とは、「言」を「射る」と書きます。 だから感じた思いを言葉に乗せて相手に届けることが大事なのです。 そしてなぜ「謝る」という文字なのか。 それは相手にしてもらった行為に対して、自分はまだそこまで出来ていなくて、申し訳なく思う気持ち。

私大文系の教育改革

IDE (2014年4月号) に掲載された記事「取材ノートから- 脱・平等教育 」(日本経済新聞社編集委員 横山晋一郎氏)をご紹介します。 早稲田大学が、6、7月の4週間を使って、海外の学生向けに「 ワセダ・サマーセッション 」を開くというので、記者会見を覗いた。説明者は、国際教養学部の初代学部長も務めた国際担当の内田勝一副総長。サマーセッションだけでなく、早稲田の国際化についていろいろ面白い話が聞けた。 特に興味深かったのは、「今までの平等性を見直し、優秀な学生には特別な教育をして行きたい」という発言。「海外の有力大学で学びたいという意欲の高い学生には、3、4年生で留学をさせ、5年間で修士号を取得できる制度を商学部で検討しており、いずれ他の文系学部でも始めたい」と語る。 背景には、理工系では8割が大学院に進む時代だというのに、文系分野で大学院教育が定着しない現実がある。日本企業が、人文科学や社会科学の大学院修了者の採用に消極的だからだ。「そんな企業を、早稲田が先鞭を付けて変えたい」と意気込む。具体的な話を詳細に聞くだけの時間はなかったが、思いは充分に伝わってきた。 大学の課題は数多くあるが、最大の課題は文系教育の質的向上、特に大学生の多数を占める私大文系の教育改革だと思う。 戦後の日本の高等教育の拡大に最も貢献したのは私立大学だ。文系の学部を数多く作り、大教室の大規模授業で、大量の学士を安上がりに養成し、伸び盛りの日本企業に次々と送り込んだ。「大学入試で基礎能力さえ判断して貰えば後は徹底的な社内教育で一人前の企業戦士に鍛え上げるから、大学教育自体に関心はない」。これが企業の本音だったから、あまり教育の質は問われなかっだ。毎年、大量の志願者がいたから、私立大学は施設(=受け皿)さえ用意すれば経営は安泰そのもの。国は高等教育の拡充にコストを払わずに済むし、学生も受験で苦労しても、入学さえしてしまえば勉強しなくても就職は困らない。かくして、国も、大学も、企業も、そして学生にも幸福な時代が続いた。乱暴かもしれないが、私学を中心にした戦後の高等教育の推移を概観すると、こういうことではなかったか。 だが、幸せな時代は終わった。グローバル競争を迫られる企業は、世界で活躍できる人材を求め、大学教育の質に注文を付け始めた。国も、そうした声を無視できない。大...

COCと機能強化

IDE (2014年4月号) に掲載された記事「取材ノートから- 宮崎大学とCOC 」(日本経済新聞社編集委員 横山晋一郎氏)をご紹介します。 宮崎大学の「 食と健康を基軸とした宮崎地域志向型一貫教育による人材育成事業 」が文科省の2013年度「 地(知)の拠点整備事業 」(大学COC事業)に採択され、2月初めに宮崎市内で開かれた。 COC、地元自治体と連携して、全学で地域志向の教育・研究・地域貢献に取り組む大学を支援する。地域コミュニティの中核となれる大学の育成で、大学に機能強化(機能分化)を促す政策の一環だ。 2013年度は大学・短大・高専から319件の応募があり52件が採択された。国立大学の申請は単独48件、共同3件で、単独20件、共同2件が採択された。 採択された51件の内容は多岐にわたるが、中でも宮崎大学の計画は良くできている。宮崎県は基幹産業である農業の振興と、深刻な過疎化と少子高齢化対策が最重要課題だが、どれも宮崎大学の4学部(教育文化、医、工、農)と深い関わりを持つ。「食と健康」をキーワードに、地域を活性化する人材の育成と技術の創出ができれば、地域とwin-win関係を築ける。 ただ、複数の幹部から、「COCの申請が研究大学への道を閉ざすことにならないかという懸念が学内にあった」と聞いた。確かに、文科省の 国立大学改革プラン は、国立大学の機能強化(機能分化)の方向性として、①世界最高の教育研究の展開拠点、②全国的な教育研究の拠点、③地域活性化の中核的拠点,を示した。地域貢献を強調し過ぎると、①や②としての活動が難しくなるという心配はよくわかる。これは、多くの地方国立大学に共通の思いだろう。 だが現実問題として、86の全国立大学が世界レベルの研究大学になることは難しい。他方で、東京への過度の一極集中が進んだ結果、地方は疲弊し困難が山積する。 地方大学が足下を見れば、やるべきことは無数にある。国立大学の6割近くがCOCに申請したことは、真剣に地域との関わりを探す意欲の証だと信じたい。 一方で、気になることもある。ある旧帝大がCOCに採択されたことだ。旧帝大といえども地域社会への貢献は極めて重要だ。だからといって、大学の機能強化を求める国の施策に、学内リソースが豊富な有力大学が名乗り出ることには違和感を覚える。機能強化と...

国立大学法人評価で「研究不正防止への取組」を確認

近時、「研究活動における不正」や「研究費の不正使用」が社会問題として大きくクローズアップされています。 文部科学省では、こうした状況を受け、このたび、各国立大学に対し、「平成25事業年度に係る業務の実績に関する報告書」(国立大学法人評価委員会が行う年度計画の達成状況評価のために、各国立大学が毎年6月末までに文部科学省へ提出する資料)の作成に当たって、「研究不正防止に関する取組状況」の記載を求めました。 文部科学省国立大学法人評価委員会事務局からの通知(平成26年4月11日付、各国立大学法人評価担当部課長宛事務連絡)を抜粋してご紹介します。 ◇ 公的研究費の不正使用等の防止に関する取組状況について 昨今の研究に関する不正事案の発生等を受けて、昨年、文部科学省に「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」が設置され、平成25年9月26日には「 中間取りまとめ 」が公表され、組織の管理責任の明確化など、今後講じるべき具体的な対応策等が示されるとともに、これを受けて各ガイドライン等の改正を行い、平成26年度から運用されることとなっています。 また、平成25年12月24日付け事務連絡「 平成24年度における国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務の実績に関する評価の結果への意見について 」でお知らせしたとおり、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からも、国立大学法人評価委員会に対して厳格な評価を実施すべきとする意見が述べられています。 今後の年度評価においては、公的研究費の不正使用の防止及び研究活動における不正行為の防止に関する取組状況について、以下の方法で確認を行います。 1 公的研究費の不正使用について 平成25年度評価では、各法人において当該年度に公的研究費不正使用防止に向けて取り組んだ事項、特に24年度以前に比べて強化を図った事項について、実績報告書の「(4)その他の業務運営に関する特記事項」欄に具体的に記載してください。 また、「 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準) 」が平成26年2月18日に改正され、平成26年度から運用されることになっていることから、各法人における新たな基準、指針等を踏まえた体制整備等の状況及び各法人のルールの運用や監査実施等、ガイドラインの内容が適切...

進まぬ学術振興策の議論

「厳しさ増す学術研究環境」(2014年4月12日科学新聞) をご紹介します。 学術研究を取り巻く環境は年々厳しくなっており、このままでは多様な学術研究が衰退してしまうという危惧がある。そのため、科学技術・学術審議会学術分科会「学術の基本問題に関する特別委員会」は、3月から3回にわたって学術研究の振興策について議論を進めてきたが、基盤的な経費の充実が必要というばかりで、十分な打開策を見いだせないでいる。予算の拡充は必要だが、単に学術研究の重要性を主張するだけでなく、明確な自己改革や推進方策を提示することができなければ、納税する側の国民を納得させることは難しい。 学術研究は、研究者個人が自らの内在的な欲求に基づいて行う、真理を探究する知的創造活動である。いわゆる基礎研究や応用研究などといった分類ではなく、その動機によって規定されるため、非常に基礎的なものもあれば、応用研究・開発研究に分類されるものも含んでいる。多くの研究者が主張するように、人に言われてやるのではなく、自らが本当にやりたいと思う研究を実施することから、寝食を忘れて取り組むことができ、結果的に飛躍的な研究成果を生み出すことが多い。 一方、第3期科学技術基本計画(06~10年)の頃から、イノベーション創出が政府の科学技術政策の中心に据えられるようになり、それまでの国立大学法人化・国立研究機関の独法化による運営費交付金などの基盤的経費の削減に拍車をかけ、さらに競争的資金やプロジェクト研究予算の充実など、あらかじめ設定された目標・計画を実施する研究が拡充されてきた。 学術研究という観点からすれば、科学研究費補助金に応募できるようになる前の段階の研究が多様な発想の苗床となっていたが、基盤的経費が減り続けることで、そうした研究の土壌が先細り続けているのが現状である。 また、競争的資金やプロジェクト研究、大学改革補助金など、多様な資金を獲得しなければ研究室の運営が難しくなっているため、1つの研究室で何本もの申請書を書き、別々に区分経理しながら研究を実施し、それらの成果報告書を取りまとめるなど「1年中書類書きばかりしている」という嘆きの声が聞こえるような状況だ。 さらに、それらの申請書を審査するのも研究者であり、実質的な研究時間は年々減り続けている。 こうしたことから、多くの研究者...

教授会の何を変えるべきか、何を変えてはいけないのか

IDE (2014年4月号) に掲載された記事「 教授会改革のゆくえ 」をご紹介します。 本稿執筆時点で、中央教育審議会におけるガバナンスの議論もほぼまとまりを見せつつある。報道によれば、学校教育法の教授会規定改正が検討されているようだが、昭和22年の制定以来、60年の時を経て遂に改正されることになるのだろうか。 中教審の審議まとめが指摘するように、ガバナンス改革を考えるためには、制度や予算を含めて、幅広い施策を総合的に考えることが必要であり、教授会という機関のみを特別に取り上げて議論することは、論理的には正しいとは言えない。しかしながら、「学校教育法93条の改正」は、既にガバナンス改革における、ある種の政治的スローガンともなりつつある。教授会の問題が、戦後間もない時期から繰り返し議論されながら、今般、遂に法律改正が視野に入ってきたのはなぜだろうか。ここでは、主要な論点を三つだけ取り上げて考えてみたい。 第1に、近年、財界人や地域関係者などの学外者が、国立大学の経営協議会の委員や私立大学の理事などの形で、より直接的に、大学経営に関わる機会が急増したことである。とりわけ、組織再編や学長選考などの過程で生じる、大学内部の生々しい姿と実地に知る中で、学外者の目には、学部教授会自治を基盤とする大学の分権的なガバナンスは、極めて奇異なものと映ったことだろう。 第2に、「大学の自治」の観念自体の変質である。東大ポポロ事件最高裁判決は、「大学の自治」の具体的内容として、特に教員の人事の自治が認められるとした。すなわち、教員の人事は国等の公権力が決めるのではなく、大学自身が決めることとされ、教授会にその役割が委ねられたのである。以後、ポポロ事件判決は、我が国の大学政策のベースラインとして、教授会自治の思想的な拠り所となってきた。ところが国公立大学の法人化により、今や少数となった公務員型の公立大学を除いては、教員人事について、公権力と大学との直接的な対峙関係は、突如として失われることとなった。そうなると、公勧から大学の自治を守るという教授会の使命も、自ずから大きく薄らぐことになったと言える。 第3に、開かれた大学運営や情報公開が求められる中で、教授会のような閉鎖性の高い機関に対する抵抗感である。一般人にとって、教授会は、神秘のヴェールに包ま...

国立大学のミッション(再定義)が確定

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かねてより、各国立大学と文部科学省との意見交換等を経て進められてきた「 国立大学のミッション(各大学の強み・特色・社会的役割)の再定義 」が、ようやく確定したようです。 文部科学省が各国立大学に示した「 分野ごとの振興の観点 」(平成26年3月31日文部科学省高等教育局・研究振興局)に沿って整理しましたのでご紹介します。 今後各国立大学は、このミッションに基づき、諸改革に取り組むことになります。画餅にならぬよう、教職員の意識改革・ガバナンス改革を含めた実効性のある足元からの改革を進めていくことが社会から求められています。 (「ミ ッションの再定義」に関連する主な過去記事) 国立大学のミッションの再定義(2012年10月17日水曜日) 始動 「大学改革実行プラン」(2012年7月2日月曜日) 今後の国立大学の機能強化に向けての考え方(2013年6月27日木曜日) 「大学改革実行プラン」について考える(2012年6月11日月曜日) 社会の変革エンジンになるということ(2012年11月3日土曜日) 官僚目線の大学改革(2012年7月10日火曜日) 国立大学改革プラン(2013年12月12日木曜日) ◇  「ミッションの再定義」を踏まえた各大学ごとの強みや特色を伸長し、社会的な役割を一層果たすための振興の観点は以下のとおりである。 【教員養成大学・学部】 今後の人口動態・教員採用需要等を踏まえ量的縮小を図りつつ、初等中等教育を担う教員の質の向上のため機能強化を図る。具体的には、学校現場での指導経験のある大学教員の採用増、実践型のカリキュラムへの転換(学校現場での実習等の実践的な学修の強化等)、組織編成の抜本的見直し・強化(小学校教員養成課程や教職大学院への重点化、いわゆる「新課程」の廃止等)を推進する。 教員養成分野のミッションの再定義結果(大学別) 【医療・保健分野(医学、歯学、薬学、看護・医療技術分野)】 今後の超高齢社会における医療人としての使命感・倫理観、専門的な能力や研究マインド・課題発見解決能力等の必要な資質を備えた人材の育成はもとより、それぞれの大学が持つ知的資源やネットワークを活用し、教育、研究、診療・実践、地域貢献・国際化といった方向について、特色ある取組を推進する観点から...

グローバルな人間になるために

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国立大学協会 が発行する広報誌「 JANU 」(vol.32 March2014)で紹介されているタレントの パトリック・ハーラン さんへの取材記事「 グローバル人材として卓越したコミュニケーション能力を身に付けるために 」を抜粋してご紹介します。 全文は こちら をご覧ください。 受験して合格したのはハーバード大学だけ テレビ画面の印象とは違い、気軽に呼びかけるのがためらわれるような、知的で物静かな雰囲気で現れたバトリック・ハーランさん。だが、開口一番「どうぞ、パックンと呼んでください」と気さくに語りかけてきてくれた。 ハーバード大学に入学するまで成績はオールA、高校は首席で卒業した。クラブ活動は、水泳の板飛び込み、陸上、演劇、合唱など数え切れず、ボランティア活動にも積極的に取り組んだ。小さい頃に両親が離婚して母親の女手一つで育られたこともあり、10歳から18歳まで新聞配達をして家計を助けたという。ハーバード大学に入った理由をこう話す。 「自分は能力に恵まれ、何でもできると思っていたので、どの有名大学でも受かると慢心し願書作成の手を抜いたせいか、結果受かったのがハーバードだけだったんです! 皆からなぜって聞かれる『比較宗教学』という学部の選択も、単に友達に誘われただけなんです・・・」 日本に来ることになったのも、「英語の先生として福井県に行く幼友達から誘われたからです。日本への関心はまったくなかったし、日本は単にお金持ちの国というイメージだけだったので、日本に行けば稼げるだろうと思っていたら、僕が着いた1993年はバブルが崩壊しちゃっていて・・・」 さすが笑いを職にしているだけあって自身の経歴に関してもユーモアを交えて語ってくれた。 挑戦と経験の積み重ねが広い視野を与えてくれる 福井県では英会話講師として働いた。日本語はまったくのゼロから独学で学んだにもかかわらず、2年後には日本語能力検定試験1級を取得した。アマチュア演劇の脚本家だった父親の影響もあってか、学生の頃から役者志望だったため、福井でもアマチュア劇団に参加していた。その後、役者としての大成を志して、東京へ出て行くこととなる。 「ダメもとで行ってみたのですが、偶然相方のマックンと知り合いになり、コンビを組んでお笑いの世界に入る...

原理原則を踏まえた大学改革

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筑波大学大学研究センター長・ビジネスサイエンス系教授の 吉武博通 さんが書かれた 「 高い組織能力を構築し、大学改革を根づかせる 」(リクルートカレッジマネジメント185/Mar.-Apr.2014) をご紹介します。 大学改革の方向性と方法をあらためて問い直す 臨時教育審議会の提言を受けて大学審議会が設置された1987年や大学設置基準の大綱化が実施された1991年からほぼ四半世紀、大学は改革が必要と言われ続けてきた。特に、百年に一度の大改革といわれた国立大学法人化からの10年は、国公私立大学とも急き立てられるように改革の名の下での諸施策に取り組んでいるのが実情である。 しかしながら、経済界をはじめ社会は大学改革のさらなる加速を求め、それが政府の教育再生実行会議や産業競争力会議の提言となり、法令改正をもって大学ガバナンスの改革を促すなどの動きに繋がっている。 これらの主張や提言の中には表層的かつ一面的と思われる指摘も多く、さらに多面的かつ掘り下げた議論を行う必要があるが、それ以上に、このような形で改革という名の諸施策に取り組み続けることが大学の教育研究や経営の高度化に本当に繋がるのか、冷静に問い直してみる必要がある。 2014年1月からスタンフォード大学に兼務し、3年後には同大学に完全移籍する予定の中内啓光東京大学教授は、日本の研究現場の閉塞感こそがアメリカ行きの真の理由とし、2000年からの10年間で学術論文数が減少していること、国立大学の若手研究者が減少の一途を辿っていることを指摘している(『文藝春秋』2014年1月号 ,388-395頁)。同じような危機感を抱く研究者や大学トップは少なくない。近年の大学改革が研究力の強化に繋がっているのか、むしろ繁忙感や閉塞感だけが高まっているのではないか、データ分析を含めて厳しく検証する必要がある。 大学改革が教育面にもたらした効果の検証は、論文数などで一定の客観評価が可能な研究と違い、より難しいが、教育GPをはじめとする政策面での後押しもあり、多くの大学で種々の取り組みが展開されていることは確かである。それらが、大学や学部・研究科の一部に止まっていないか、学生にどのような教育成果をもたらしているか振り返ってみる必要がある。 舘昭桜美林大学教授はその著書『 原理原則を踏まえた大学改革を 』(東信...

悪魔は細部に宿る

「 国立大学改革プラン ガバナンスの強化要求 今後の対応が研究力に直結 」(2014年3月7日付け 科学新聞 )をご紹介します。 文部科学省が昨年公表した国立大学改革プランでは、ガバナンスの強化を求めており、各大学の今後の対応が研究力に直結する問題になりそうだ。例えば、3月に論文がアクセプトされ、その別刷りを注文すると納品は5月になるが、科研費からその支出ができるかどうかとなると大学によって対応が異なる。A大学では認められる研究費の使用がB大学では認められない。科研費をはじめとする競争的資金の使い勝手は、この数年の改革で大きく向上したが、各大学の内部規定や運用ルールの改善が追いついていない状況が窺える。 研究費運用ルール改善不充分 総務省は昨年11月、科学研究費補助金等の適正な使用を確保する観点から、研究費の不正使用防止に向けた体制の構築状況、研究費使用ルールの運用状況等を調査し、その結果を取りまとめ、必要な改善措置について、文部科学省に勧告した。 全物品を研究者限りで発注していることや事務局の検収未実施、非常勤職員の勤務状況未確認、換金性の高いパソコンを消耗品扱いし、多数のパソコンが所在不明になっていることなどが指摘されている。 しかし、一番大きな問題は、総務省が61大学における基金化された種目の物品購入に関する経費使用可能期間(支出の際の発注期限、納入期限等)の設定状況を調べた結果だ。基金化された種目の経費の使用について、依然として、原則として補助金と同様に年度単位で期限等が設定されており(研究期間最終年度を除く)、物品購入が通年可能となっている研究機関に比べて、基金制度の効果を十分に生かしにくいものが6大学あった。 科研費の一部が基金化されたにもかかわらず、そのメリットを活かすための取り組みがなされていない大学が、61大学中6大学もあったというごとだ。その結果、年度を超えて使用できるようになっているにもかかわらず、年度末に高額機器や多数のパソコンを購入するといったことが4大学で行われていた。 このことは、各大学の内部規定がバラバラであることを証明している一例だ。一部の研究者は、国でルールを統一すべきだと主張するが、実際に文科省が規定を作った場合、国の規則に則って規定類を作らなくてはならないため、最も使い勝手の悪いルールになる。現在...

目的と手段

ブログ「 今日の言葉 」から 「 区別 」(2014年3月27日) をご紹介します。 原点は継承せよ。 仕組みは革新せよ。 佐藤 芳直 仕事をしていく上で抑えておくべき大事な言葉だと思います。 すなわち、「何のために」という『原点』を大事にすべきであり、「どうやるか」という『仕組み』は時代に合わせて変えていく必要があるということ。 今やっていることを続けることが目的となっていないかどうかを絶えずチェックする必要があるのです。 いわゆる「手段が目的化」してしまうことのないように。 言い換えれば、 『何をやっているのかわからなければ、いつやめたらいいのかもわからない。』 ということでしょう。 達成すべき状態や作り出したい未来、得たい効果をイメージしてこそ、困難な仕事でも達成感を味わえるのです。