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変貌する国立大学の概算要求

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第三期中期目標期間の始まりである来年度から、国立大学法人に対する運営費交付金の配分方式が大きく変更されます。 変更の考え方や大まかな内容は既に次のとおり公表されています。 第三期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方について(審議まとめ)(平成27年6月15日)ほか また、文部科学省からは、各国立大学に対して、上記「審議まとめ」の翌日付で「 平成28年度における国立大学法人運営費交付金概算要求における留意点等について 」(平成27年6月16日付文部科学省国立大学法人支援課、学術機関課連名事務連絡)と題する通知が行われ、各国立大学は、この通知を参考に概算要求に向けた検討を進めるよう指示されています。 これまで、概算要求に関する具体的な情報提供も少なく、さらには、提出までの時間のない中での大作業が求められることもあり、関係者は多忙を極める夏になりそうです。 文部科学省からの通知の詳細について、ご紹介します。 ◇ 平成28年度における国立大学法人運営費交付金の重点支援について 第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方については、「第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会」において「 審議まとめ 」が平成27年6月15日にとりまとめられた。 本通知は、「審議まとめ」を踏まえ、平成28年度概算要求における重点支援に向けた観点や留意点等について、あらかじめ示すものである。 Ⅰ 機能強化の方向性に応じた重点支援 <国立大学法人> 1 基本的な考え方 国立大学法人における教育研究活動は、それぞれの目標・理念や経営戦略に則り、中期目標及び中期計画に沿って、自主性・自律性を発揮しながら取り組むべきものである。その際には、中央教育審議会など国の各種政策提言を踏まえ、各大学において積極的に取組を進めるとともに、各大学が形成する強み・特色を踏まえた機能強化の方向性に沿った取組を更に進めていくことが求められる。 このため、各大学が国の各種政策との関連性・整合性も踏まえ、機能強化の方向性に沿った戦略を明確にした上で、学内資源の再配分を前提としつつ、機能強化に向けて行う取組に対して、次の観点から重点支援を行うこととする。 強み・特色を踏まえた機...

国立大学長会議における高等教育局長説明ー情報セキュリティ対策など

(続き) 情報セキュリティ対策について ご存じのとおり、先般、日本年金機構において、サイバー攻撃により約125万件もの個人情報が漏えいするという重大な事案が発生した。 各大学におかれては、学生や教職員、附属病院の患者に関する個人情報等、機密性の高い情報を多数有している。また、各大学の保有する個人情報漏洩を防止するということに限らず、昨今では、第三者への攻撃の仲介拠点として大学のサーバが利用されるような事案も発生しており、十分な対策が必要。 今回の年金機構の件を決して対岸の火事と見なすことなく、大学には、厳重なセキュリティ体制が求められるということを認識いただき、改めて、各大学のセキュリティ対策が十分されているかという見直しを徹底して行っていただきたい。 また、情報セキュリティ対策は、ウイルス対策ソフトや侵入検知機器を導入したところで、100%防御できるものではない。報道によれば、日本年金機構の事案については、攻撃者が用意した標的型メールを職員が開いてしまったことでウイルスに感染したことが原因であると言われている。最後は、システムを利用する教職員の日頃からの心がけが重要となる。 また、国立大学のサーバが簡易なパスワードを設定していたために、不正アクセスを受け、そのサーバから外部へ多量の通信が行われるという事案も発生している。各大学内における、教職員への研修・訓練の実施等を併せて徹底していただくようお願いする。 今回、情報セキュリティ対策の考え方に関する資料をお配りさせていただいている。最後のページにあるように、情報セキュリティ対策について、大学内の情報システム部門だけで判断していると、どうしても予算面の制約や、担当部署、担当者からの業務効率化要求を受ける形で、セキュリティ対策が甘くなってしまう可能性がある。 各大学におかれては、組織全体で守るべき情報資産を明確化するとともに、必要となる情報セキュリティ対策を明確化していただきたい。また、その対策に必要な予算・時間・リスクを組織内で共有し、組織としての経営判断をしていただきたい。 今後、今回の年金機構と同様の事案を発生させないよう、各大学におかれては、くれぐれも注意いただくよう強くお願いする。 学位論文不正及び補助金不正について ※  研究不正、研究費の不正使用について...

国立大学長会議における高等教育局長説明ー高大接続改革

(続き) 高大接続改革について 昨年12月の 中教審答申 を受けて、文部科学省として策定した「 高大接続改革実行プラン 」では、「各大学の個別選抜の改革」について、アドミッション・ポリ シーの充実の観点から関係法令の改正や、入学者選抜全体の多面的・総合的な評価への転換を推進するため大学入学者選抜要項の見直し等を、 「「高等学校基礎学力テスト(仮称)」及び「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の実施」について、学力の三要素をはじめ、これからの時代に求められる力を育成・評価するための両テストの在り方についての一体的な検討の実施等を、 「高等学校教育の改革」について、課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学びの推進とともに、「何を教えるか」ではなく「どのような力を身に付けるか」の観点に立ってそれらを育むことができるような学習指導要領の見直し等を、 「大学教育の改革」について、三つのポリシーの一体的な策定による、大学教育の質的転換・個々の授業科目を超えた、カリキュラムマネジメントの確立と、この中におけるアクティブ・ラーニングなどの飛躍的増大等を、 一体的に進めていくこととしている。 特に、4番目の大学教育の改革については、幅広い教養や高い専門性を備え、社会の変化に対応し、未来を切り拓く原動力となる人材の育成が求められている。 このような大学教育を実現するためには、 大学教育を通じて学生にどのような力を身に付けさせて卒業させるか そのためにどのような教育を実施するか 教育を実施するに当たってどのような学生を受け入れるのか という点について、一貫した観点を持って教育を行うことが必要。 そのため、まず、各大学における入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)の3つのポリシーの充実が必要。文部科学省としては、中教審での検討を経て、大学における3つのポリシーの一体的な策定について 平成27年度中に省令に位置付けたいと考えている。 その上で、各大学において、3つのポリシーに基づく全学的な改革を一体的に進め、学生の学びの質を転換していただくことが必要。 高大接続の改革は、単に大学入学者選抜の在り方にとどまらず、大学や高等学校の教育も...

国立大学長会議における高等教育局長説明ー国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し

(続き) 「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」について 6月8日付で通知した「 国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて 」は国立大学法人法に基づき、平成28年度からの第3期中期目標・中期計画の策定に資するため、国立大学法人評価委員会の意見を聴いた上で、現在の第2期における国立大学法人の組織及び業務の全般にわたる検討を行いとりまとめたもの。 その内容は、組織の見直し、教育研究等の質の向上、業務運営、財務内容など多岐にわたるが、いずれも第2期、特にその後半の改革加速期間における取組の進捗や、国立大学に対する社会の期待・要請の高まり、今後の高等教育政策、科学技術・学術政策の方向性などを踏まえたものとなっている。 すなわち、 大臣から説明 があったように、国立大学を取り巻く様々な改革は、教育面、研究面、経営面など各面にわたって相互に有機的なつながりを持って進められているので、本日のこの会議を通じて、政策全体の大きな方向性を十分認識していただいた上で、各大学における第3期中期目標・中期計画の検討をお願いする。 特に、組織見直しについては、「「 ミッションの再定義 」を踏まえた速やかな組織改革に努めることとする」とした上で、教員養成系及び人文社会科学系の学部・大学院について、「18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよ う努めることとする」としている。 「 ミッションの再定義 」を踏まえ、教員養成分野については、今後の人口動態・教員採用需要等を踏まえ、量的縮小を図りつつ、教員の質的充実のための機能強化を推進することとされ、具体的にはいわゆる「新課程」の廃止等、組織編成の抜本的見直し・強化を推進することが必要と考えている。 また、人文社会科学系については、養成する人材像のより一層の明確化、身につける能力の可視化に取り組み、既存の組織における入学並びに進学・就職状況や減少傾向にある18歳人口動態も踏まえつつ、全学的な機能強化の観点から、定員規模・組織の在り方の見直しを積極的に推進し、強み・特色を基にした教育・研究の質的充実、競争力強化を図ることが必要と考えている。 文部科学省としては、教員養成系・人文社会...

国立大学長会議における高等教育局長説明ー運営費交付金の在り方検討会審議まとめ・平成28年度概算要求

(続き) 運営費交付金の在り方検討会 審議まとめ及び平成28年度概算要求について 第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方については、昨年11月から検討会を設置し、10回に亘る議論を経て、6月15日に 審議まとめ がとりまとめられた。ポイントを説明させていただく。 まず、第3期において、国立大学が目指す姿として、各国立大学が形成する強み・特色を最大限にいかし、自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な「競争力」を持ち、高い付加価値を生み出していくことにある、とされている。 その上で、第3期における運営費交付金の在り方としては、 運営費交付金は、国立大学法人が安定的・持続的に教育研究活動を行うために必要不可欠な経費である 各国立大学法人が自らの努力で増収を図った場合に、運営費交付金を減額しない という基本的な考え方を維持しつつ、 各国立大学法人のビジョンに基づき、機能強化を迅速に実現するための手段とする とともに、 各国立大学法人の規模、分野、ミッション、財務構造等を踏まえ、きめ細かな配分方法を実現するとともに、透明性を高める必要がある とされている。 その上で、第3期における運営費交付金の配分にあたっては、「機能強化の方向性に応じた重点配分」と、「学長の裁量による経費(仮称)」の2つの新たな仕組みを導入することとされている。 1つめの、「機能強化の方向性に応じた重点配分」については、国立大学の多様な役割や求められている期待に応える点を総合的に勘案し、機能強化の方向性に応じた 取組をきめ細かく支援するため、予算上、3つの重点支援の枠組みを新設することとされている。 2つめの「学長の裁量による経費(仮称)」については、学長のリーダーシップの発揮を予算面で支援し、組織の自己変革や新陳代謝を進めるため、教育研究組織や学内資源配分等の見直しを促進する仕組みを設けることとされている。 文部科学省としては、今後、この審議まとめを十分に踏まえ、平成28年度概算要求に向けて、具体的な検討を進めていくとともに、国立大学法人が知識基盤社会を支える中核として、今後も更なる機能強化を図るために、必要な予算の確保に努めてまいりたい。 各国立大学におかれては、学内のIR機能の強化や積極的な情報公開など、本...

国立大学長会議における高等教育局長説明-国立大学経営力戦略

前回に続き、「 国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議 」(6月16日開催)における 高等教育局長の説明 内容を数回に分け抜粋しご紹介します。 ◇ 吉田高等教育局長説明 国立大学経営力戦略の策定について 国立大学改革に関しては、平成25年11月に 国立大学改革プラン を策定し、第3期中期目標期間において、持続的な「競争力」を持ち、高い付加価値を生み出す国立大学を実現することを目指し、取組を進めてきた。 来年度から始まる第3期においては、各大学において、これまでの機能強化の取組を生かしつつ、より一層、高い機能を発揮できるよう、更なる新陳代謝・自己変革の取組を押し進めていただきたい。 今日、我が国社会の活力や持続性を確かなものとする上で、新たな価値を生み出す礎となる知の創出とそれを支える人材育成を担う国立大学の役割への期待は大いに高まっており、国立大学には、「社会変革のエンジン」として「知の創出機能」を最大化していくことが求められる。 この「知の創出機能」を最大化させていくための改革の方向性を、今回、文部科学省として取りまとめたものが「 国立大学経営力戦略 」。 国立大学が、その役割を一層果たしつつ、今後更なる改革を進めていく上では、学長のリーダーシップやマネジメント力、多様な財源に裏付けられた財務基盤、新陳代謝・自己変革の促進といった、「経営」の視点が重要。 各学長におかれては、既存の枠組みや手法等にとらわれない大胆な発想を持ち、本年4月から施行されたガバナンス改正法の下、強いリーダーシップを発揮し、組織全体をリードする将来ビジョンを構築いただきたい。 その際、確かなコスト意識と戦略的な資源配分を前提とした経営的視点で大学運営を行うことで経営力を高め、そのことを、教育研究機能の強化につなげていただきたい。 文部科学省としては、基盤的経費である運営費交付金を確保しつつ、自己改革に取り組む大学にメリハリある重点支援を実施するとともに、財務基盤の強化のために必要な規制緩和を行うべく、検討を進めていく。 本戦略を実行するにあたっての具体的な方策については、「Ⅱ.経営力を強化するための方策」にお示ししている。 このうち、「1.」は「第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会」の議論の...

国立大学長会議における文部科学大臣挨拶

来年度から始まる3回目の 国立大学法人の中期目標期間を見据えた様々な動き が活発化しています。 6月8日には、次期中期目標・中期計画への反映が求められる「 組織及び業務全般の見直しについて 」と題する文書が文部科学省から発出されました。このうち、特に「教員養成系や人文社会系の組織見直し」については、報道で大きく取り上げられています。 また、6月15日には、次期中期目標期間における 「 国立大学法人運営費交付金の在り方 」に関する審議まとめ がとりまとめられ、これを踏まえた「平成28年度の概算要求上の留意点等」が各法人に通知されました。 さらに、6月16日には、今後の国立大学の経営力の強化に資する方針として「 国立大学経営力戦略 」が文部科学省により示されました。 いずれも、近時、強力に進められている国立大学改革の具体化ですが、これまでにない大きな制度変更も含まれていることから、大学現場での関係者の理解が深まるには少々手間がかかりそうです。 さて、6月16日にこの時期恒例の「 国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議 」が開催されました。国立大学を取り巻く状況変化を中心に、文部科学大臣や関係局長が説明を行っています。 「 大臣挨拶 」と「 高等教育局長説明 」のメモが関係者に共有されていますので、抜粋してご紹介します。 ◇ 下村文部科学大臣挨拶 国立大学は、これまで、我が国の高等教育と学術研究の水準の向上と均衡ある発展のためにその役割を果たしてきた。 他方、社会は、急速な少子高齢化、グローバル化、新興国の台頭による競争激化などの急激な変化に直面している。社会が直面する変化と未来に対する不安とそれに伴う閉塞感を打破するためには、新たな価値を生み出す礎となる知と、それを担う人材が不可欠。そこで、国立大学には「社会変革のエンジン」としての役割が期待されている。 その「エンジン」となり得るためには、国立大学は、それぞれの特色を活かし、 主体的な思考力や構想力、想定外の困難に処する判断力を育成するとともに、協調性と創造性を合わせ持つことができるような人材を育てる大学教育への質的転換 国内外の経済需要や産業構造の変化、雇用ニーズを踏まえた、学術研究、技術、文化などを活かし、価値やイノベーションを創出する人材の育成 1...