教育施策と財政の関わり(2)
今日は、去る6月30日に、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)が「真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは」と題して行った、前財務省主計局主計官(文部科学担当)の藤城眞氏との対談要旨(藤城氏発言抜粋)をご紹介します。 (関連日記) http://daisala.blogspot.jp/2008/05/blog-post_30.html 運営費交付金について 教育をよくすることは、誰が見ても疑いのない目標です。ただし、教育に投じられる資金が、適切に、効率的・効果的に使われているのか、このことを問うことが大切です。教育に関して時々感じるのですが、よい施策であればお金がついてくるのが当然だといった感じで話される方もいます。しかし、予算制約のなかで、いくらよい施策であっても、申し訳ないが今はできないというものもあります。そもそも提案自体が適切かどうか、その吟味から始めなければならないものもいろいろとあります。こうしたなかで、一体、どういう予算を認め、どういう予算を減らして、他の予算にその資源を回すのかという議論も必要なのです。 社会の流れや時代の要請に必ずしもマッチしなくなってきた分野もあるはずです。そうした分野を減らし、新たな分野に資金を移すというように、資源配分も考えなければなりません。つまり、スクラップアンドビルドです。自ら望んでスクラップを求める要求はなかなかこないものです。そこで、嫌なことでしょうが、「ここは重要性が落ちていませんか」、「優先順位をつけてください」ということをお願いすることになります。ところが、大学の世界というのは、非常に優先順位付けに慣れていない組織のようにも思えます。それぞれの学問が、お互いを尊重することで、おそらく学問の自治や自由が認められてきたからかもしれません。しかし財政の論理からすれば、相対的に重要度の低い分野と高い分野、あるいは研究力の高い部署と低い部署、そういうものをみて、資源を回していくことをやっていかなければならないと思います。 予算を増やしたいという思いや、教育は重要だといった精神論ばかりが前面に出てきますが、これで増額を認めていたら、日本の財政は爆発してしまいます。結局、この議論で欠けているのは、予算を増やすには財源が必要になるというシンプルな事実です。よく気楽に、「よそから予算を持ってくれば...