2009年6月17日水曜日

教育界への信頼が崩壊していく

連日の残業にもへこたれず、疲れきった体に鞭を打ちながら、学校現場で起こる様々な教育課題の解決に懸命に取り組んでいる多くの教員に対する冒涜とも言えるようなニュースが毎日のように報じられています。

例えば、今日報じられた次の2つのニュースは、内容も次元も全く異なるものですが、私達の頭の中で合体した瞬間、この国の将来は、教育はどうなっていくんだろうという大きな不安となって私達を悩ませます。

京教大集団準強姦事件 「目撃」の元学生、小学校教諭に(2009年6月17日 産経新聞)

京都教育大学の男子学生6人が逮捕された女子学生(20)に対する集団準強姦(ごうかん)事件で、現場となった京都市中京区の居酒屋の部屋など近くに居合わせた男子学生3人のうち1人が、今春から奈良県内の小学校で教員として勤務していることが16日、捜査関係者などへの取材で分かった。この元学生は、京都府警の任意の聴取に「部屋には入っていない」と話しているが、ほかの学生の説明と食い違う部分も多いといい、府警は当時の状況について慎重に裏付けを進めている。・・・


教員汚職1年 節目の会議 “居眠り”教育次長を更迭(2009年6月17日 読売新聞)

大分県教委は16日、県教員汚職事件発覚から1年の節目に開いた臨時教育委員会で、首藤博文・教育次長(58)が居眠りをしているように見えたとして、戒告の懲戒処分にし、知事部局へ異動させた。首藤教育次長は居眠りを否定しているが、小矢文則・県教育長は「職責への自覚が欠けている」と語った。・・・


国立の教員養成大学である京都教育大学の事件は、多くの国民に大きな衝撃を与えました。同時に我が国の教員養成大学・学部に対する各方面からの強い批判や不信感が拡がっています。

このような状況の中、日本教育大学協会は、このたび、すべての加盟大学及び教職員に対し、次のような注意喚起を促す異例の文書を会長名で発出しているようです。異常で情けない国 ニッポンですね。

国立教員養成系大学の理念と意義の徹底について

今般、発覚した教員養成大学学生による不祥事と、その後の大学の対応について、多方面から御批判をいただきました。国立教員養成系大学で構成する日本教育大学協会としても、極めて遺憾であります。
今回の事件は、一大学での不祥事に止まらず、全ての国立教員養成系大学に対する国民や社会からの信用・信頼が大きく失墜しました。
大学としては、このような不祥事に際しては、適切かつ迅速な対応を図るとともに、必要な情報公開により社会に対する十分な説明責任を果たす必要があります。本件を契機に、各大学において重大な事件・事故等が発生した場合の対応策や情報公開の方法などについて再度検証をお願いします。
今、学校現場では、学習指導要領改訂への対応をはじめ、いじめや学級崩壊など様々な課題や問題を抱えています。その中で教員は、これらの問題に取り組み、一人一の児童生徒と向き合うべき責任があり、児童生徒の将来は教員の手に委ねられていると言っても過言ではありません。社会から理解を得るためにも、国民や社会から期待される学校現場の教員を目指す教員養成系の学生に、責任と気概を十分認識させる必要があります。
各会員大学・学部にあっては、教員養成の目的、教育の基本をあらためて自覚するとともに、今回の事例を真摯に受け止め、今一度、学生へのさらなる倫理教育の徹底とハラスメント防止に向け積極的に取り組んでいただくようよろしくお願いします。