2012年6月24日日曜日

国大協総会- 給与削減・交付金削減で活発な意見

国立大学協会は、去る6月18日(月曜日)に、平成24年度第1回通常総会を開催しました。総会では、「給与削減」や「運営費交付金削減」といった国立大学を取り巻く諸課題についての協議が行われ、日ごろ、最前線に立って厳しい労使交渉を重ねている各学長からは、半ば強引な財務当局をはじめとする政府の手法に対するフラストレーションが口々に噴出した模様です。

総会の様子が、文教速報(平成24年6月20日 第7740号)に掲載されてありましたので引用してご紹介します。


通則法改正「総務省の関与強まる」

総会に出席した学長からは、独法通則法改正に伴う国立大学法人法改正により、総務省による国立大学法人への関与が強まることへの懸念が表明された。中期目標・計画事業であっても、「よくない」ということになれば総務省から文部科学大臣へ廃止を促すことができるという。

また、給与削減や運営費交付金の削減についても、「何回文部科学省から話を聞いても、もう一つはっきりしない」と渋い顔。この学長は、入試センターや日銀など国の経費が投入されていない機関も一様に削減するという財務大臣の方針から、国立大学法人も自己収入で補っている部分もすべて削減されるという雰囲気になっていると分析し、さらに削減の対象も不明瞭であることへの不満も聞かれた。

教員養成系大学の学長からは、給与削減について、すべての附属学校で行っている人事交流で問題が発生すると発言があった。さらに、「給与削減への対応は、労使の交渉のなかで自律的・自主的に詰めていく」という原則のなかで、苦慮している窮状を紹介。また、給与削減や運営費交付金削減のスケジュール、プロセスに関する情報も不足していると語った。

さらに、関西の大学の学長は、給与削減問題に関し、「要請に応じたわけではなく、要請を取り巻くさまざまな周囲の環境に“屈伏”して決めた。経営協議会で繰り返し議論し、学長がそこまで追い込まれているのならやむを得ないということで了承してもらった」と学内での議論の様子を紹介した。

また、給与や運営費交付金だけでなく、平野大臣レポートや大学改革実行プランに関しても、「実際に展開するときは、かなり無理強いされて展開することを危惧している」と語った。

一方で、学内にある経営協議会は、各界のオピニオンリーダーが在籍していることから、経営協議会委員に何をしてもらうか、どういうアクティブな行動をしてもらうということも考えなくてはならないと述べた。

このほか、「(給与削減は)「復興財源」という錦の御旗で、組合と対峙しているが、(削減期間後の)2年後に、本当にきちんとした高等教育の予算を確保して、諸外国と比べて見劣りする状況を打開していかなくてはいけないのだという動きを、国大協を中心に強めていただきたい」との意見が聞かれた。

協議の締めくくりでは、体調不良のため欠席した濱田会長に代わって議事を進行した松本副会長が、厳しい状況を踏まえ、「長期的に大学が“ジリ貧”ということであってはならないということは国民全員が一致する」との認識を示し、こうした考えについて、国大協でもメッセージを発信していく必要性があることを強調した。