2009年5月20日水曜日

人生を意義深いものにする

自分に正直に生き、自分の才能を他の人たちのために役立てることができるということは、誰しもがかくありたいと願う理想なのかもしれません。しかし、その願いを持ち続けることこそが、自分の人生を豊かにし、幸福感を増すことに繋がっていくことでしょう。

今回は久々にいい話をお届けします。人間の生き方として尊敬し、その心を学びたいと思います。


「一粒の種」をまく(2009年5月19日付朝日新聞夕刊)

沖縄・宮古島出身の歌手・砂川恵理歌さん(31)は3年前まで、那覇市内の高齢者施設で働く介護職員だった。

幼いころから歌手になるのか夢。お年寄りのベッドのそばで子守歌のように、リハビリで歩く隣でリズムをとるように歌って喜ばれた。29歳でプロを目指しオーディションに臨んだのも、地元ののど自慢大会で優勝したことを喜んでくれるみんなの笑顔に押されたからだ。

「死」という別れも日常だった。昼間は元気だった人が急変することも。「命に向き合う毎日でした」という。

4枚目のCDに入る曲「一粒の種」を歌うたび、同じ思いがこみ上げる。詞は、5年前にがんで亡くなった46歳の男性の言葉をもとに作られている。

「ちっちゃくていいから 私もう一度一粒の種になるよ」「生きててよかったよ あなたのそばでよかったよ」

男性が入院していた神奈川県の病院の看護師が、亡くなる3日前に聞いて詩にした。深く悲しむ男性の両親のため歌にして欲しいと、看護師が同じ宮古島出身の歌手に依頼。そして歌は同郷の砂川さんに引き継がれた。

CD発売の2月から、砂川さんは「命」を歌う会を学校や病院などで開いてきた。花の種も配る。スマイル・シード(種)・プロジェクトと呼ぶ。「いろんな人の思いがリレーされてこの歌がある。全国に種をまきたい。根付いてほしい」。売上金の一部はホスピスケアを考えるNPOに寄付される。



一粒の種(砂川恵理歌)




2004年、小さなメールマガジンに投稿されたポエム「一粒の種」。読んだ者の心を動かし、歌になり、メディアでも取り上げられ、5年を経てここにようやくCD化される。そのポエムは、がんでこの世を去った男性の最期の言葉を看護師がまとめたもの。「一粒でいい。人間の種になって生きたい」。その言葉を預かり、種を蒔こうと誓った看護師の思いで、このポエムはメールマガジンに投稿された後、やがて同郷のシンガーソングライター下地 勇の手により楽曲となり、さらにその後輩の砂川恵理歌がCD化することになる。生きることの愛しさ、そして、失った愛する人はいつも側にいることを教えられる、静かで強い命の唄。「一粒の種」の売り上げの一部は「ホスピスケア研究会」に寄付し、がん のよりよい終末期医療の普及発展と患者とその家族の心身のサポートに役立てられます。



関連して、恒例になりましたが、ジェフ・ケラー著「成長の法則」から・・・。


人生を意義深いものにする

意義深い人生を送るうえで役立つ3つの考え方を紹介しよう。
  1. 自分の才能を他の人たちのために役立てる。人生の目的のひとつは、自分に与えられた独自の才能を発見し、それを他の人たちのために役立てることだ。職業に貴賎はない。脳外科医であれ、弁護士であれ、靴磨きであれ、ビルの清掃係であれ、他の人たちに奉仕することに関しては同等だ。どのような仕事をするにしても、心をこめて打ち込もう。

  2. 人々に愛と親切を伝える。つまるところ、私たちがこの地球上に存在するのは、愛の大切さを学び、できるだけひんぱんに愛を伝えるためである。人を批判して満足を得ようとしてはいけない。それは建設的ではない。私たちは人を愛するときに大きな満足を感じることができる。ブーメランの法則を思い出そう。愛と親切を伝えれば、愛と親切があなたのもとに返ってくるのだ。

  3. 自分に正直なる。世間はあなたが大勢の人と同じようになることを求める。実際、ほとんどの人がその圧力に屈する。彼らは周囲の人と同じことをし、メディアの作り出すトレンドに踊らされる。しかし、他人に決めてもらった人生を送っても、幸せになることはできない。周囲の人が賛成してくれなくても、自分の気持ちに正直になる勇気を持つことが大切だ。

ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2006-06-15