それは将来の土台づくりであり、
一時の左遷や冷遇は、次への飛躍への準備期であり、
忍耐力・持久力の涵養(かんよう)期として
隠忍(いんにん)自重(じちょう)して、
自らの与えられたポストにおいて、
全力発揮を怠らなかったら、
いつか必ずや日の目を仰ぐ日のあることを確信して疑わないのでありまして、
これが八十有余年の生涯を通してのわたくしの確信して疑わないところであります。
森 信三
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人生においては自分が予想していなかった不遇を経験することがあるでしょう。
しかしながらそれは、そのときにしか経験できない、または修得できない忍耐力・持久力を養うとき。
その場所からしか見えない景色を見つめるとき。
自分の人生という物語において一つのクライマックスへ向けての序章になるとき。
大きく飛び立つ前には、その分、膝を曲げて沈みこむことが必要なように、力を蓄える時期というのが人生には必ず訪れるのでしょう。
片目では遠くを見据えつつ、もう一方の目では目の前のことを見つめて、全力を注いでいれば、その蓄えは非常に大きなものとなるでしょう。
日の目|今日の言葉 から