2020年9月12日土曜日

記事紹介|安部教育改革の成果と課題

大学の側の課題も多い。外圧も時に必要だろう。しかし、財源を誘因にした改革ばかりで、本当に大学は強くなるのだろうか。

近年の大学界は、予算獲得で不利になることを恐れて政府に物言わぬ雰囲気が濃い。大学が知の府として自主的に改革を進める素地は、10年代に急速に弱くなったように思える。教育内容に実用性を求める風潮が強まり、学問の多様性の確保も危うくなっている。

大学と社会、地域と学校といった教育界の内と外との対話がもっと必要だ。次代を担う若者を育てる狙いの大学入試改革では、21年1月の大学入学共通テストへの英語民間試験の活用が土壇場で見送られ、多くの高校生らが振り回された。

国が専門家や高校現場の異論、懸念に耳を貸さず、理念先行で突き進んだ末に起きた失敗といえる。こうしたことを繰り返してはならない。(引用)

出典|強まった大学への関与 安倍教育改革の成果と課題|日本経済新聞