2020年9月12日土曜日

記事紹介|大学の国際化

83年に始まった留学生10万人計画以来、なぜ東大を始め歴史のあるトップ大学では、留学生増など表面的な国際性を高められても、大学を本質的に転換させる国際化ができないのか。

『大学はもう死んでいる?』(苅谷剛彦・吉見俊哉著、集英社新書・20年)は、変化を避けるムラ社会としての大学の内実と、毅然とした態度をとれず中途半端な国の政策の問題を、現役の東大教員と元東大、現オックスフォード大学の教員が解説する。

限られた成功例として、専任教員に占める外国出身者の比率が高いAPU、国際教養大学、国際基督教大学などを挙げ、知的共同体では意図的に多様性を作り出すことが最も重要だと指摘する。

日本の高等教育のグローバル化対応には、学生、教職員双方で多様性を高めることが喫緊の課題だ。そして外国人を一時の助っ人や便利屋ではなく、共同体の一員として受け入れられるか、その覚悟と本気度が日本人に問われている。(引用)

出典|日本の大学は国際化するか 求められる多様性の確保|日本経済新聞