変化を歓迎することは、ますます重要性を増しています。
近年、世の中は猛スピードで変化しているからです。
現時点で最新技術を誇る製品でも、わずか一、二年で旧式になります。
数年ごとに会社を辞めて別の会社に移る人も増えています。
しかし、三十年ほど前まではそういうことはありませんでした。
当時は終身雇用制が普通でしたから、ほとんどの人は自分の勤めている会社を辞めて別の会社に移ることなど考えもしなかったのです。
しかし現在では、職場を頻繁に変えるだけでなく職業そのものを変える人も多くなっています。
多くの会社では吸収・合併の話がいつもあります。
そのため、社員たちはそれによって自分はどうなるのか絶えず心配しているのが実情です。
しかし、変化に抵抗しても何の役にも立ちません。
好むと好まざるとにかかわらず、変化は必ず訪れるものだからです。
変化から逃げていると結局は損をします。
そういう姿勢でいるかぎり、積極的に変化に対処することができないからです。
それに対し変化を歓迎することを習慣にしてきた人は、変化にうまく対処できます。
これまで変化を乗り越えてきたことで、自分に自信を持っているからです。
新しいことに挑戦すれば躍動感が生まれます。
変化を歓迎しなければ、人生でも仕事でも成長を遂げることができません。
いつまでも古い殻の中に閉じこもっているなら、どうやって学習し成長するのでしょうか?
パソコンのメーカー直販世界最大手デルコンピュータの創業者で会長兼CEOのマイケル・デルが、こんなことを言っています。
「変化の中で繁栄を築くためには、変化に身をまかせ、そこから強さを引き出す方法を学ばなければならない」
世の中には、「変化することができる」タイプと、「現状維持する」タイプの二つしかない。
現状を維持すると、必ず世の中の変化から置いていかれる。
何百年も続く伝統的な会社であっても、現状を維持するだけならあっという間に倒産に至る。
480年の歴史を持つ和菓子の老舗、虎屋の社長黒川氏の口ぐせは「変えていけないものはない」、だという。
時代が変われば、売る場所も変わるし、味の好みも変わる。
昔は、デパートも通販もなかったし、現代人はあまり甘くない味が好みだ。
変えていかなかったらとうの昔につぶれている。
どんなに逃げようとも、変化からは逃(のが)れられない。
だとするなら、変化を歓迎するしかない。
それは、新しいことやモノを恐れないこと。
そして、「新しい」に好奇心を持ち、ワクワクしてそれを歓迎すること。
「新しい」は未来だ。
変化という「未来」を歓迎する人でありたい。
変化を歓迎する|人の心に灯をともす から