去る2月23日、岩手県出身で、30年以上にわたりアフリカ・ケニアでのボランティア活動に取り組んでこられた岸田袈裟(けさ)さんが、盛岡市内の病院で亡くなられました。66歳でした。「かまど」や「わらじ」といった日本の伝統技術を生かした生活支援を続けてこられた岸田さんの死を惜しむ声が相次いでいます。
岸田さんは、1973年に食生活の調査でケニアを訪れたのを機に同国に住み始め、現地では、飲料水を煮沸するためのかまど作りを教えたり、足をけがして破傷風にならないように、バナナの葉でわらじの編み方を教えたりと、栄養学専門家の立場から住民の衛生指導や生活改善に取り組んでこられました。1985年に「少年ケニヤの友」を設立。2007年には「第14回読売国際協力賞」を受賞されています。
岸田さんのご冥福を心からお祈りいたします。
NPO法人「少年ケニヤの友」とは
ケニアの社会通念では、子どもは”社会の宝”とされ、地域社会の相互扶助の中で育まれています。
しかし、独立後の急速な近代化や経済成長に伴う人口の都市集中化等、社会の変遷は、家庭や食糧など最低限の生活基盤を失った多数の孤児を生み出しました。
また、ここ十数年間においては、新たにエイズ感染者の増大及びそれに伴う”エイズ孤児”の増加がますます深刻になっています。
一方で、逆境に耐える子ども達が抱く将来への夢や希望は、満たされた家庭に育つ子ども達のそれらと何ら変わりなく、屈託のない笑顔は、周囲で見守る大人たちの大いなる励みでもあります。
「少年ケニヤの友」は、こうした子ども達の健全な自立と、将来への成長を支援すべく結成され、ケニア国内各地50有余カ所の孤児院への食料・物資援助、育英資金提供といった活動を中心に、孤児を交えたチャリティコンサート、孤児院対抗サッカー大会等のイヴェント主催、ミシン教室を設けての技術訓練と、それによる収入創出事業を実施するなどといった活動を続け、すでに20年近くに及ぶ実績を蓄積しています。
現在は、新たな課題である”エイズ孤児”への支援を主眼においた活動方針を定め、従来の育英資金や物資援助のほか、エイズ教育・トイレ衛生教育・水環境整備などの公衆衛生教育分野や、各地域のエイズ孤児を自助的支援するための地域型収入創出手法の発案等に活動範囲を拡大しつつあります。
http://www.shonenkenya.com/index.html
岸田袈裟さん-世界に誇るアイディア・ウーマンの死(2010年3月5日 岡田かつや TALK-ABOUT)