さて、国立大学法人はあと数日で、第一期中期目標期間を終え、いよいよ第二期のスタートを迎えます。本日、文部科学省から正式に各法人の第二期中期目標が示されたところです。
この時期、各所で”法人化の検証”が行われていることは既にこの日記でも何度かご紹介しましたが、先週末(26日)に、国立大学財務・経営センター研究部主催のシンポジウム「国立大学法人第二期中期目標・計画期間の課題」が東京で開催されました。
センター研究部が行った全国立大学法人の学長・財務担当理事・学部長・事務局長に対するア ンケート調査の結果を踏まえた研究報告が中心の内容でした。
(関連記事)
国立大法人化:文系・医系、研究の質低下 論文・発表数が減少--全86校学部長調査(2010年3月30日 毎日新聞)
04年度に始まった国立大法人化後、医歯薬学系と文科系の学部で研究の質の低下や職場環境の悪化が目立ち、学部間の格差が生じていることが、国立大学財務・経営センターによる全国立大の学部長を対象とした調査で明らかになった。調査は08年12月~09年2月、全国立大86校の学部長を対象に実施。7割が回答し、理工系▽農学系▽文科系▽医歯薬学系▽その他に分類して解析した。・・・
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最後に文部科学省の国立大学法人支援課長から簡単なコメントがありましたので、正確ではありませんがご紹介します。
”法人化の検証”の答えはひとつではない。国立大学法人に期待される役割、国立大学法人の目的・目標をどう捉えるかによって答え方が違うし、答える人の立場によっても異なる。また、比較の対象(国立の時代、他の国の制度、自分の理想など)によっても違ってくる。
文部科学省では、現在、行政刷新会議の事業仕訳けの結果を踏まえ、国立大学法人の在り方の検討が行われている。今年の夏を目途に今後の在り方についての考え方を示す予定である。
検討に当たって、文部科学省では現在次の4つのことを行っている。
- メールによる一般社会からの意見募集(既に百数十通が届いている)
- 有識者からの意見募集(既に5回ほど行っている)
- 当事者である国立大学法人からの意見募集(既に7大学からヒアリングを行っている)
- 国立大学法人評価委員会の中にWGを設置し意見募集
- 「法人化の結果なのか」、「別の要因なのか」因果関係について整理する必要がある。(例:運営費交付金の削減、教職員が多忙になったなど)
- 「制度(国)の問題なのか」、「運用(法人自身)の問題なのか」を整理する必要がある。(例:学内ガバナンス、学内資源配分など)
- 「全体(全ての法人共通)の問題なのか」、「個別(特定の法人、部局、個人)の問題なのか」を整理する必要がある。(後者の例が多い)