2011年9月20日火曜日

学びの場づくりに向けて

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去る9月17日(土曜日)に、「学生支援の新たな展開-学生サービスを越えて-」と題するセミナー(主催:IDE大学協会九州支部、共催:九州大学)が開催されました。
開催の趣旨等(PDF)はこちらをご覧ください。

セミナーは、近時、「質の保証」の文脈の中での学生支援が語られる時代となり(学士課程答申等)、新たなパラダイムが出現してきたことに相まって学生支援を取り巻く状況は混沌とし、改めて理念を洗い直す必要があるのではないか、今後教職員が一体となっていかなる学生支援の展開を図っていくかという課題認識の下、基調講演、事例報告、総括・討議といった構成で進められました。

学生支援活動が拡がらない理由の一つとして、その活動が大学の理念とかけ離れているという指摘があります。大学は、学生の「自主性」と「放任」をどう調和させながら学生支援に関わっていけばいいのでしょうか。

セミナーの中で印象深かったのは、学生支援活動は、学生に目的意識と付加価値を認識させる必要があること、学生の自主性・自発性を重視し学生に成果を求めない、学生が失敗から学ぶことのできるプログラムとして提供すること、ただし、目指すべき成果が得られるよう指導(教職員による誘導)は必要であること、地域自治体等学外における活動等への参加や連携を通じて進めることが重要であること、といった指摘でした。

大学には、あらゆる学生層、多様化された人材像があります。正課内の活動ではどうしても限界があり、正課外活動でコミュニティを通じた学生支援活動を進めていくことは重要と思われます。また、キャンパスは「小さな世界、小さな社会」を構成し、いろんな価値観をもった人に出会える場所でもあり、市民性が育成しやすい利点もあります。授業で得られた知識を実体験し学びを定着させる場を提供する大学の使命を再認識し新たな展開を図っていく必要があります。

「人と人とのつながりの中で営まれる社会的活動を通じて学ぶ」ことが重要であること、そのために大学には、「学生目線の多様なプログラム」を提供するなど、「学びの場づくり」を積極的に展開していくことが今強く求められています。